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生細胞内分子を見るデグロンプローブの開発

研究報告コード R090000074
掲載日 2009年4月3日
研究者
  • 三輪 佳宏
研究者所属機関
  • 筑波大学 大学院人間総合科学研究科
報告名称 生細胞内分子を見るデグロンプローブの開発
報告概要 近年,急速に発展しているバイオイメージング研究。現在の技術では、取り出して培養している細胞の中の様子は非常に詳しくイメージングすることができますが、まだまだ生きたままの動物での観察、とくに私たち人間のモデル動物として病気の治療や薬の開発に使われているマウスでのイメージングは容易ではありません。今後、たくさんの細胞からなる動物個体の中で、一つ一つの細胞がどのように全体として統合されているのかを明らかにしていくためには、実験動物を殺すことなく体内での分子挙動を見る技術を発展させることが必要になります。私たちは、大腸菌が持っているTetリプレッサー(以下TetR)タンパク質の遺伝子をヒトの細胞に導入して発現させたときの、細胞中での安定性について調べている中で、とても面白いことに気がつきました。正しいアミノ酸配列のTetRタンパク質は、ヒトの細胞中でもとても安定なのですが、これにいくつかの変異を導入して、アミノ酸の種類を置き換えたものでは、非常に不安定になって分解されてしまいます。それ以前にも正常なタンパク質は細胞中でとても安定なのに、ほんの数カ所のアミノ酸が入れ替わった突然変異が入ったタンパク質では、とても不安定になってしまい、細胞中ですぐに分解されて、せっかく作られているにもかかわらず検出できなくなる例は知られていました。ところがそれだけではなく、このTetRタンパク質が結合する、感染症の治療に使われる抗生物質のドキシサイクリン(以下dox)を加えておくと、不安定な変異タンパク質であっても安定化して分解されなくなることを見いだしました。つまり「抗生物質があるか、ないかで、分解されるかどうかが制御される」という新たな性質を獲得した変異体をつくりだすことができる訳です。そこで、この変異タンパク質を応用することで、生きたままの動物の中で、いまどこにdoxという薬が存在しているかを見ることができるようになるのではないかと考えて、研究を開始しました。
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関連発表論文 ・Kagoshima H, Nimmo R, Saad N, Tanaka J, Miwa Y, Mitani S, Wooland A. The C. elegans CBFβ homologue BRO-1 interacts with the Runx factor, RNT-1, to promote stem cell proliferation and self-renewal Development 134, 3905-3915, 2007
・Shigematsu Y, Yoshida N, Miwa Y, Mizobuti A, Suzuki Y, Tanimoto Y, Takahashi S, Kunita S, Sugiyama F, Yagami K-I. Novel embryonic stem cel1s expressing tdKaede protein photoconvertible from green to red fluorescence. Int. J. Mol. Med 20(4), 439-444, 2007
研究制度
  • 戦略的創造研究推進事業 さきがけタイプ(旧若手個人研究推進事業を含む)/構造機能と計測分析
研究報告資料
  • 三輪 佳宏. 生細胞内分子を見るデグロンプローブの開発. さきがけ「構造機能と計測分析」領域 一期生研究報告会 講演要旨集. p.27 - 28.

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