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生命活動のプログラム 細胞増殖の制御機構

研究報告コード R990004203
掲載日 2001年2月6日
研究者
  • 岸本 健雄
研究者所属機関
  • 東京工業大学大学院生命理工学研究科
研究機関
  • 東京工業大学大学院生命理工学研究科
報告名称 生命活動のプログラム 細胞増殖の制御機構
報告概要 細胞増殖制御の分子機構を、細胞周期制御因子とシグナル伝達機構の連携の基づいて明らかにすることを本研究の目的とした。具体的には、
1)卵細胞を主な材料として、卵成熟・初期発生・細胞分化という時間軸に沿って、シグナル伝達から細胞周期制御因子に至る経路を解析するとともに、
2)哺乳動物由来の培養細胞系を用いて、細胞膜から核への増殖と分化等のシグナル伝達の分子機構およびそれに伴う細胞周期の制御を、GTP結合蛋白質の機能を中心として解析した。その結果、
1)については、M期開始の引き金であるCdc25→Cdc2/サイクリンB系は、その上流と下流のシグナルを介して、分子修飾と細胞内局在との時間経過に伴ったダイナミックな連携によって制御されていること、および、Mos-MAPキナーゼを介したシグナル伝達系が、減数分裂の本質であるゲノム半減と受精によるS期開始という生物学上の往年の課題について、分子レベルで解明するための大きな手がかりになることが判明した。
また、2)については特に、ヘテロ3量体G蛋白質のαとβγサブユニット(GαとGβγ)の両者→Srcファミリーチロシンキナーゼ→Rhoファミリー低分子量G蛋白質→セリン・トレオニンキナーゼ・カスケードの活性化という普遍的なシグナル伝達の図式、および、Gβγからの刺激とSrcファミリーチロシンキナーゼに依存した、脳特異的なRas GFR→Racという新規なシグナル伝達系路の存在を明らかにした。
研究分野
  • 生物学的機能
  • 酵素一般
  • 細胞生理一般
  • 細胞分裂・増殖
  • 細胞構成体の機能
関連発表論文 (1)Okano-Uchida, T., Sekiai, T., Lee, K., Okumura, E., Tachibana, K. and Kishimoto, T. (1998). In vivo Regulation of cyclin A/Cdc2 and cyclin B/Cdc2 through meiotic and early cleavage cycles in starfish. Develop. Biol. 197, 39-53.
(2)Shimada, A., Ohsumi, K. and Kishimoto, T. (1998). An indirect role for cyclin B-Cdc2 in inducing chromosome condensation in Xenopus egg extracts. Biol. Cell. 90, 519-530.
(3)Wada, Y., Ishiguro, K., Itoh, T.J., Uchida, T., Hotani, H., Saito, T., Kishimoto, T. and Hisanaga, S. (1998). Microtubule-stimulated phosphorylation of tau at Ser202 and Thr205 by cdk5 decreases its microtubule nucleation activity. J. Biochem. 124, 738-746.
(4)Saito, T., Ishiguro, K., Onuki, R., Nagai, Y., Kishimoto, T. and Hisanaga, S. (1998). Okadaic acid-stimulated degradation of p35, an activator of CDK5, by proteasome in cultured neurons. Biochem. Biophys. Res. Commun. 252, 775-778.
(5)Kishimoto, T. (1998). Cell cycle arrest and release in starfish oocytes and eggs. Seminars Cell Develop. Biol. 9, 549-557.
(6)Kishimoto, T. (1999). Oocyte maturation and spawning in starfish. Encyclopedia of Reproduction (Knobil, E. and Neill, J.D. eds.), vol.3, pp.481-488. Academic Press, San Diego.
(7)岸本健雄(1998).細胞周期.「細胞機能と代謝マップ、II.細胞の動的機能」(日本生化学会編)、東京化学同人.
(8)立花和則、岸本健雄(1998).卵成熟から受精までの細胞周期制御の分子機構.蛋白質・核酸・酵素、43、530-540.
(9)岡野・内田孝幸、岸本健雄(1999).減数分裂周期におけるMAPキナーゼの機能.実験医学、17、130-136.
(10)岩渕万里、大隅圭太、岸本健雄(1999).減数分裂周期特異的なタンパク質分解制御.細胞工学、18、649-654.
研究制度
  • 戦略的基礎研究推進事業、研究領域「生命活動のプログラム」研究代表者 岸本 健雄(東京工業大学大学院生命理工学研究科)/科学技術振興事業団
研究報告資料
  • 岸本 健雄. 生命活動のプログラム 細胞増殖の制御機構. 戦略的基礎研究推進事業 平成10年度 研究年報,1999. p.16 - 20.

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