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生命活動のプログラム 一方向性反応のプログラミング基盤

研究報告コード R990004211
掲載日 2001年2月6日
研究者
  • 木下 一彦
研究者所属機関
  • 総合研究大学院大学数物科学研究科(岡崎国立共同研究機構 分子科学研究所)機能分子科学専攻分子動力学
研究機関
  • 慶應義塾大学理工学部
報告名称 生命活動のプログラム 一方向性反応のプログラミング基盤
報告概要 生命活動の根元を担うのは、たった1分子で機能を発揮する、「分子機械」である。生体内では、種々の素反応が特定の方向に進められることにより生命活動が織りなされるが、これらの反応を進めるのが分子機械である。我々は、これらの分子機械がいったいどのような仕掛けで働くのか、分子内で何が起きているのかを、光学顕微鏡下で、1分子が働いている現場を直接「見て操作する」ことにより、解明したいと考えている。とくに、生体内で一方向への「動き」ないし「力」を生み出す役目を担う、「分子モーター」の働く仕掛けを探りたい。
これまでの研究成果の第一は、ヒトをはじめとしてほとんどあらゆる生き物の中に、分子1個の中でくるくる回転が起きている「回転モーター」があることを証明し、さらにそのモーターの燃料消費(エネルギー変換)効率がなんと100%近いこと、負荷の大きさによらず一定の力を出す仕組みがあること、など従来知られていた分子モーター(リニアモーター)にない画期的な性質を持つことを見出したことである。また、分子機械の観察・操作に、たんぱく質分子に比べて遥かに大きな目印ないしハンドルを結合させることが有効なことを提唱し、一例として、世界ではじめてDNA1分子に結び目を作ることに成功した。現在、上記の回転モーターの解析をさらに進めるとともに、DNA上を動くリニアモーターの研究なども始めている。分子機械の動作原理の解明およびそのための新手法の開発を通じて、新しい学問分野である一分子生理学・一分子工学の先駆けとなることを目指したい。
画像

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研究分野
  • 生物学的機能
  • 生体エネルギー論一般
  • 細胞構成体の機能
  • 生体工学一般
  • 生物学的機能
関連発表論文 (1)“Formation of giant liposomes promoted by divalent alkali cations: Critical role of electrostatic repulsion” Ken-ichirou Akashi, Hidetake Miyata, Hiroyasu Itoh, and Kazuhiko Kinosita, Jr. Biophys. J., 74 (1998) 2973-2982.
(2)“F1-ATPase is a highly efficient molecular motor that rotates with discrete 120° steps” Ryohei Yasuda, Hiroyuki Noji, Kazuhiko Kinosita, Jr., and Masasuke Yoshida Cell, 93 (1998) 1117-1124.
(3)“Synthesis of fluorescent substrates for protein tyrosine phosphatase assays” Takumi Watanabe, Masaya Imoto, Hiroki Taniguchi, Kazuhiko Kinoshita, Jr., and Kazuo Umezawa Bioorg. Med. Chem. Lett. 8 (1998) 1301-1302.
(4)“Direct observation of the rotation of ε subunit in F1-ATPase” Yasuyuki Kato-Yamada, Hiroyuki Noji, Ryohei Yasuda, Kazuhiko Kinosita, Jr., and Masasuke Yoshida J. Biol. Chem., 273 (1998) 19375-19377.
(5)“F1-ATPase: A rotary motor made of a single molecule” Kazuhiko Kinosita, Jr., Ryohei Yasuda, Hiroyuki Noji, Shin'ichi Ishiwata, and Masasuke Yoshida Cell 93 (1998) 21-24.
(6)“Linear and rotary molecular motors” Kazuhiko Kinosita, Jr. Adv. Exp. Med. Biol., 453 (1998)
(7)“Protrusive growth from giant liposomes driven by actin polymerization” Hidetake Miyata, Shuji Nishiyama, Ken-ichirou Akashi, and Kazuhiko Kinosita, Jr. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96 (1999) 2048-2053.
(8)“Tying a molecular knot with optical tweezers” Yasuharu Arai, Ryohei Yasuda, Ken-ichirou Akashi, Yoshie Yarada, Hidetake Miyata, Kazuhiko Kinosita, Jr., and Hiroyasu Itoh Nature, 399 (1999) 446-448.
(9)“Rotation of Escherichia coli F1-ATPase” Hiroyuki Noji, Katrin Hasler, Wolfang Junge, Kazuhiko Kinosita, Jr. Biochem. Biophys. Res. Commun.., 260 (1999) 597-599.
研究制度
  • 戦略的基礎研究推進事業、研究領域「生命活動のプログラム」研究代表者 木下 一彦(慶應義塾大学理工学部)/科学技術振興事業団
研究報告資料
  • 木下 一彦. 生命活動のプログラム 一方向性反応のプログラミング基盤. 戦略的基礎研究推進事業 平成10年度 研究年報,1999. p.77 - 81.

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