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生命活動のプログラム 哺乳類人工染色体の開発と個体の形質転換への利用

研究報告コード R990004217
掲載日 2001年2月6日
研究者
  • 岡崎 恒子
研究者所属機関
  • 藤田保健衛生大学総合医科学研究所
研究機関
  • 藤田保健衛生大学総合医科学研究所
報告名称 生命活動のプログラム 哺乳類人工染色体の開発と個体の形質転換への利用
報告概要 染色体の維持・継承には複製起点・セントロメア・テロメア(線状ゲノムの場合)が必要とされる。酵母の系ではこれらの三領域を持つミニ染色体が人工的に構築され(酵母人工染色体)巨大DNAのクローニングベクターとして使用されている。我々は人工染色体形成能によってほ乳類細胞の複製起点やセントロメア機能に必須なDNA構造の限定や機能構造を決定する方針で研究を進めてきたが、最近ヒト培養細胞に導入すると染色体外で安定に維持継承される人工染色体を形成しうる酵母人工染色体の構築に成功した。この成果を基に本研究では、
1)ほ乳類染色体のセントロメア/キネトコアの機能構造、
2)HACの構造・形成過程ならびに安定維持に関わる領域、
3)HAC(ほ乳類人口染色体、MAC)を遺伝子導入ベクターとして使用する可能性、
4)人工染色体のマウス胚への導入法の確立とマウス個体の発生・分化・減数分裂過程における維持率、
5)遺伝子治療、物質生産などへのほ乳類人工染色体の利用法、等に関する研究計画がある。平成10年度は、
1)については、CENP-Aを含むヌクレオソームをHeLa細胞より分離し構成分子の解析を進めた。また精製したCENP-AとヒストンH4、H2A、H2Bを用いてセントロメア特異的ヌクレオソームのin vitro再構成を行った。原子間力顕微鏡によるヌクレオソームの可視化に成功し、解像力を高めることに成功した。
2)については、数10個のアルフォイドYACが末端で連結して巨大HACを形成しており、連結部位には、ヒトテロメア配列、酵母テロメア配列、挿入配列が順番に存在することを見出した。
3)については、マウス胚で検出可能なマーカーを持ち新たな遺伝子の導入部位を備えた前駆体YACの構築を進めた。また既存のHACを微小核細胞導入技術を用いて異種細胞に導入する試みを開始した。
研究分野
  • 生体の顕微鏡観察法
  • 核酸一般
  • 遺伝子発現
  • 遺伝子操作
  • 生体工学一般
関連発表論文 (1)J. Iwahara, T. Kigawa, K. Kitagawa, H. Masumoto, T. Okazaki, S. Yokoyama: A helix-turn-helix structure unit in the human centromere protein B(CENP-B). EMBO Journal, 17, 827-837 (1998)
(2)M. Ikeno, B. Grimes, T. Okazaki, M. Nakano, K., Saito, H. Hoshino, N.I. McGill, H. Cooke and H. Masumoto: Construction of YAC based mammalian artificial chromosomes. Nature Biotech., 16, 431-439 (1998)
(3)C. Obuse, T. Okazaki and H. Masukata: Interactrion of transcription factor YY1 with a replication-enhancing element, REE1, in an autonomously replicating human chromosome fragment. Nuc. Acids Res., 26, 2392-2397 (1998)
(4)Y. Ogawa, T. Okazaki and H. Masukata: Association of autonomousl replication activity with replication origins in a human chromosome. Exp. Cell Res., 243, 50-58 (1998)
(5)K. Yoda, S. Ando, A. Okuda, A. Kikuchi. and T. Okazaki: In vitro assembly of the CENP-B/α-satellite DNA/core histone complex: CENP-B causes nucleosome positioning.
Genes to Cells, 3, 533-548, (1998)
(6)H. Masumoto, M. Ikeno, M. Nakano, T. Okazaki, B. Grimes, H. Cooke and N. Suzuki: Assay of centromere function using a human artificial chromosome. Chromosoma, 107, 406-416, (1998)
研究制度
  • 戦略的基礎研究推進事業、研究領域「生命活動のプログラム」研究代表者 岡崎 恒子(藤田保健衛生大学総合医科学研究所)/科学技術振興事業団
研究報告資料
  • 岡崎 恒子. 生命活動のプログラム 哺乳類人工染色体の開発と個体の形質転換への利用. 戦略的基礎研究推進事業 平成10年度 研究年報,1999. p.104 - 107.

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