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リアノジン受容体欠損マウスにおけるシナプス可塑性,及び行動・学習

研究報告コード R000000006
掲載日 2002年9月30日
研究者
  • 二木 啓
研究者所属機関
  • 理化学研究所脳科学総合研究センター
研究機関
  • 科学技術振興事業団 創造科学技術推進事業
報告名称 リアノジン受容体欠損マウスにおけるシナプス可塑性,及び行動・学習
報告概要 カルシウムは細胞内二次情報伝達分子として多様な生理機能を惹起する。その細胞質への流入には、細胞外からの経路と小胞体などの細胞内ストアからの経路があるが,後者を司るチャネルの一つにリアノジン受容体(RyR)がある。その3型受容体(RyR3)は空間学習や記憶等に重要な役割を果たしていると考えられる脳の海馬CA1領域に多く発現しているが、その機能については不明であった。一方,記憶・学習の細胞レベルでの機構を反映すると考えられる現象にシナプスの長期増強(LTP)や長期抑圧(LTD)があるが,海馬CA1領域では細胞外からのカルシウム流入がLTP誘導に必要であり,その阻害によって学習等が障害されることが知られている。そこでRyR3欠損マウスを作出し,その海馬CA1のシナプス可塑性を調べたところ,意外なことにLTPが起こりやすくなり(誘導刺激閾値の低下),LTDは誘導されなかった。また,このマウスはモリス水迷路試験で,記憶そのもの,あるいはそれに固執する傾向が強くなっていた。以上より,野生型マウスではRyR3由来のカルシウムは海馬CA1においてLTPの起こりやすさやLTDの誘導を調整しており,動物の記憶や行動に影響を与えることが示唆された。
研究分野
  • 生物学的機能
  • 細胞膜の受容体
  • 中枢神経系
関連発表論文 (1)A.Futatsugi,K.Kato et al. Neuron 24,701-713(1999)
研究制度
  • 創造科学技術推進事業、御子柴細胞制御プロジェクト/科学技術振興事業団
研究報告資料
  • 二木 啓. リアノジン受容体欠損マウスにおけるシナプス可塑性,及び行動・学習. 創造科学技術推進事業 御子柴細胞制御プロジェクトシンポジウム 『カルシウムを介する細胞内シグナル伝達のメカニズム』-受精から神経の発達と記憶まで- 講演要旨集(研究期間:1995-2000),2000. p.41 - 46.

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