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水素イオン能動輸送機構の構造生物学的解析

研究報告コード R000000134
掲載日 2002年9月30日
研究者
  • 吉川 信也
研究者所属機関
  • 姫路工業大学理学部
研究機関
  • 姫路工業大学理学部
報告名称 水素イオン能動輸送機構の構造生物学的解析
報告概要 ミトコンドリア呼吸系での水素イオン能動輸送機構をそれを担う膜タンパク質複合体の立体構造も含めた化学構造変化にもとづいて解明することを目指している。最も基本となる構造情報はX線構造である。そこで,チトクロム酸化酵素のX線回析の分解能を高めるために,凍結条件の検討をさらに続けるとともに,酸化型結晶から中間体を調整する方法と装置を開発した。その結果,P型とF型の吸収スペクトルを示す結晶を得て,それぞれ1.85Aおよび2.0A分解能での回析強度データ収集に成功した。なお,この過程で,結晶の吸収スペクトルに異方性があることが認められた。これはヘムが結晶中で規則的に配列しているためで,この性質を利用してヘムaとヘムa3のスペクトルの分割が可能であると予想される。このスペクトルの分割はチトクロム酸化酵素研究分野での60年来の懸案であった。ウシチトクロム酸化酵素遺伝子の発現研究はその後着々と進歩し,現在ミトコンドリア遺伝子にコードされたサブユニットの発現は確認できるまでに到っている。超高性能赤外分光装置は分光部分はほぼ完成し,フローセル部分の最終的調整段階となっている。また,振動分光学グループによってプロトンの漏れのほとんどないチトクロム酸化酵素再構成系が確立されたことも平成12年度の重要な成果の一つである。
研究分野
  • 生化学的分析法
  • 生体の顕微鏡観察法
  • 酵素一般
  • 動物の生化学
関連発表論文 (1)M.J.Fei, E.Yamashita, N.Inoue, M.Yao, H.yamaguchi, T.Tsukihara, K.Shinzawa-Itoh, R.Nakashima and S.Yoshikawa, "X-ray structure of azide-bound fully oxidized cytochrome c oxidase from bovine heart at 2.9A resolution, "Acta Cryst. (2000) , D56, 529-535.
(2)S.Yoshikawa, K.Shinzawa-Itoh and T. Tsukihara, "X-ray structure and the reaction mechanism of bovine heart cytochrome c oxidase," J. Inorg. Biochem. (2000) , 82, 1-7.
(3)M.Aki, T.Ogura, K.Shinzawa-Itoh, S.Yoshikawa and T.Kitagawa,"A New measurement system for UV resonance Raman spectra of large proteins and its application to cytochrome c oxidase, "J. Phys. Chem. B (2000) , 104, 10765-10774.
(4)Y.Kim, K.Shinzawa-Itoh, S.Yoshikawa and T.Kitagawa, "Presence of the heme-oxo intermemediate in oxygenation of carbon monoxide by cytochrome c oxydase revealed by resonance Roman Spectroscopy," J.Am. Chem. Soc. (2000) 123, 757-758.
(5)吉川信也「チトクロム」酸化酵素のはたらき」生体とエネルギーの物理一生命力のみなもと一,日本物理学会編,裳華房第8章172-197
(6)吉川信也「光合成と呼吸に共通する反応の仕組み一電子伝達とプロトン輸送一」シリーズ光が拓く生命科学、第3巻生命を支える光,目本光生物学協会編,共立出版,第3章115-131
(7)吉川信也「チトクロム」酸化酵素における電子とプロトン移動の共役」シリーズ、ニューバイオフィジックスII-1電子と生命新しいバイオエナジェティックスの展開,目本生物物理学会編,共立出版,第3章125-142
(8)S.Yoshikawa, "Mitochondrial cytochrome oxidase," in Handbook of Metalloproteins (A.Messerschmidt, R.Huber, and T.Poulos, eds.) John Wiley Sons, Ltd, in Press.
研究制度
  • 戦略的基礎研究推進事業、研究領域「生命活動のプログラム」研究代表者 吉川 信也(姫路工業大学理学部)/科学技術振興事業団
研究報告資料
  • 吉川 信也. 生命活動のプログラム 水素イオン能動輸送機構の構造生物学的解析. 戦略的基礎研究推進事業 平成11年度 研究年報.科学技術振興事業団, 2000. p.137 - 139.

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