テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

対外循環装置訓練用シミュレータ

技術の背景

 本邦では人工心肺を用いた体外循環下の心臓手術が毎年4万例も行われており、体外循環装置の操作にあたる臨床工学技士は臨床現場で訓練しているのが実情であるが、高度なシミュレーショントレーニングができる体外循環装置の訓練装置とそのプログラムの開発が急務である。本技術はこのような心臓手術下で起こりうる代表的な突発事故を再現することで、合併症、突発事故などをシミュレーションし、基本的な運転技術の習得と事故時の対処法を学習する体外循環装置操作訓練用ハイブリッドシミュレータである。

技術内容・特徴

 本技術は模擬循環回路、体外循環装置それにシミュレーションソフトを統合した複合型シミュレータである。模擬循環回路の物理情報と、体循環・体外循環の等価回路モデル近似によりリアルタイムで生体情報を求解、表示する。血管系に近い模擬循環回路と制御ソフトにより、脱血・送血不良、空気混入など体外循環中に起こりうる代表的な突発事故など人体で実際に行う体外循環とほぼ同じ事象を再現し、その対処法がリアル感覚で自己学習できるトレーニング装置である。

図に体外循環装置訓練装置の構成と生体情報表示モニター面を示す。

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特許・文献情報

発明の名称:体外循環装置用の訓練装置およびそのプログラム
出願番号: 特願2003-344804
出願人: 広島大学長
発明者: 末田泰二郎(広島大学)、二宮伸治(広島国際大学)


関連技術・市場情報

深刻な医療事故を未然に防止するため、心臓手術の臨床現場で強く求められている装置であり、本研究に類するものは見あたらない。今後総合的な体外循環教育プログラムの構築と操作技術評価法の確立により実用化を進める。

本技術の用途、ユーザは

 ・臨床工学技士養成校、医科大学などにおける学内教育実習用ツール
 ・心臓手術を行う病院における臨床研修、安全確保のためのアクシデント回避訓練
 ・医療機器メーカにおける社内研修や新製品開発のための評価ツール

などが想定できる。

LH-2005-010_02.gif
編集: 技術移転プランナー 苅田充二
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 知的財産マネジメント推進部
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E-mail: e-mail address TEL: 03-5214-8293 FAX: 03-5214-8476

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