テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

光ファイバ型屈折率センサ

技術の背景

表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance; SPR)現象は高屈折率媒体に接触している金属薄膜の内表面に全反射角度以上で光が入射したとき、金属薄膜と接触している物質の屈折率に対応した波長や角度の光が吸収される現象である。SPRセンサシステムの多くはプリズム表面に金属薄膜を形成し、プリズム内表面から入射した光の消失する角度を測定して試料の屈折率を測定している。しかし、この方法は高い感度が得られるが装置の小型化が難しく、また装置の扱いとデータの解析に専門的知識が必要であった。

技術内容

表面プラズモン共鳴(SPR)現象に基づく屈折率測定装置。“光ファイバ型屈折率センサ”は光ファイバの一部のクラッドを除去し、表面に金属薄膜を形成したものをガラスチューブなどに収めた構造である。ガラスチューブに測定対象である液体を注入すると、その屈折率に対応して光ファイバからの出射光量が変化するので、これから屈折率を算出する(図1)。
LH-2009-027_01.gif
LH-2009-027_02.gif

特徴

 ・小型、安価なSPR装置。
 ・高感度。現時点でアッベ屈折率計と同等かそれ以上の検出限界が得られている。
 ・アルコール選択透過膜によりアルコール以外で屈折率に影響する成分が介在しても、アルコール濃度だけを純粋に計測できる(図3)。
 ・金属薄膜に特定のタンパク質や糖に対する選択性を付与することにより、診断・分析に利用できるバイオセンサシステムとなる。
 ・測定対象である液体を流した状態で測定できるため製造ラインで使用可能である。
 ・光ファイバだけでなくガラス棒でも動作するので、丈夫で取扱が容易なセンサが実現する。


LH-2009-027_03.gif

特許・文献情報

発明の名称:屈折率センサ及びその製造方法
出願番号  :特開2009-80098
出願人   :国立大学法人鹿児島大学
発明者   :肥後盛秀 満塩勝


応用分野

屈折率計、アルコール度数計(インライン計測)、揮発分計測、バイオセンサ。

関連技術・市場情報

製造ラインでの屈折率測定は飲料・食品、化学薬品、石油化学関連、紙パルプ、繊維などの製造業に需要がある。アルコール度数計は酒類の製造過程で使用されるが、全国の酒造免許場の数は約3000箇所で、そのうち清酒製造場が圧倒的に多く約2000箇所弱である。次いで焼酎製造所が300箇所程度である。 SPR方式の生体分子間相互作用解析装置の国内販売高は約18億円と見積もられる(2006年。矢野経済研究所調査)。

編集: 技術移転プランナー 坂本和夫
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 知的財産マネジメント推進部
〒102-8666 東京都千代田区四番町5-3
E-mail: e-mail address TEL: 03-5214-8293 FAX: 03-5214-8476

PAGE TOP