テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

超小型・超高速カーボンナノチューブ発光素子

新技術の概要

 本研究では、一本または薄膜状のカーボンナノチューブに対して電極を形成したデバイスにより、発光素子の開発を行った。半導体カーボンナノチューブを用いた発光素子では、バンドギャップの大きなCNT への電界による励起が可能となり、従来のカーボンナノチューブ発光素子を大幅に短波長化した波長1m のエレクトロルミネッセンス発光に成功した。
 また、カーボンナノチューブ薄膜を用いた黒体放射発光素子の開発を独自に行い、1GHz 程度で変調可能な超高速発光素子の開発に世界で初めて成功した。
 この超小型・超高速発光素子は、光・電子集積回路用光源やパルス光を用いた超小型分析装置開発への利用が期待される。
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従来技術・競合技術との比較

 従来の化合物半導体を用いた発光素子は、Siウェハー上への集積化が困難であることや、Asなどの有害物質の除害、Inなどの希少金属などの利用により、集積化や低コスト化が困難であった。
 一方、本研究で開発したカーボンナノチューブ発光素子は、Si上へ集積化が可能であり、安価で安全なエタノールによるカーボンナノチューブ成長を用いており、超高速・超小型・安全・低コストの集積化可能な発光素子を実現している。


本技術に関する知的財産権

1.特願2010-104124、PCT/JP2011/058406
「カーボンナノチューブ発光素子、光源及びフォトカプラ」、出願人:慶應義塾大学

2.コーディネータ:
 慶應義塾大学 研究連携推進本部 技術移転マネージャー
 佐藤 修

3.研究責任者
 慶應義塾大学理工学部物理情報工学科
 牧 英之
 

想定される技術移転

 開発したCNT発光素子は超高速・超小型・省電力・低コストの光通信用光源としての実用化が期待される。更に、従来の化合物半導体では困難なシリコン上への発光素子集積が可能となれば、化合物半導体に置き換わる新規発光素子の実現も期待される。
 このように、本発光素子は、現在の電気集積回路で限界となっている高速化や省電力化に大きく貢献することから、その産業応用による波及効果やインパクトは計り知れない。
編集: JST 産学連携展開部 事業推進(募集・探索)担当
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 知的財産マネジメント推進部
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E-mail: e-mail address TEL: 03-5214-8293 FAX: 03-5214-8476

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