テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

穀類可食部への機能性成分富化技術の開発

【新技術の概要】

 穀類では,食品として加工される際に,機能性成分を豊富に含む外皮や胚芽部分(糠,麩など)が除去されている。外層の機能性成分を可食部に浸透移行させることができれば,健康効果に加えて加工素材としての用途拡大が期待される。
 玄米や小麦に加水し,100MPa程度の中高圧条件下で加温処理することによって,可食部(精白米,小麦粉)中のポリフェノール成分やアミノ酸などの機能性成分を効率的に富化できる新規技術を見出した。
 本技術により,穀類の静菌的な加工が可能となり,抗菌剤等を添加することなく,穀類可食部の機能性を富化し,健康効果が高くかつ製パンや製麺等の加工特性に優れた穀粉の提供が実現するものと期待される。
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【従来技術・競合技術との比較】

 穀類への中高圧処理技術は、従来の水浸漬を利用した酵素処理や発芽処理に比べ、静菌的な加工処理が可能であるため,加工時に加水,加温しても,微生物による分解や異臭の発生を抑制でき,処理の再現性も高い。
 また,穀類外層中の機能性成分を穀類可食部に浸透移行させた後に,外層の除去が可能であり,全粒での加工に止まっていた発芽食品の食感や食味の問題の解決と,製粉化による用途拡大に繋がるものと期待される。

【本技術に関する知的財産権】

1.特開2010-63454号
  「穀物のポリフェノール富化加工方法,それらの穀物が含まれた食品」
  出願人:信州大学,ポエック(株)


【想定される技術移転】

 中高圧処理を利用することにより,添加物を加えることなく,穀類外皮に含まれる抗酸化成分を可食部に浸透移行させる技術を確立した。
 本技術の特徴を穀類だけではなく,廃棄される外層部分に有効成分を含む多くの食品の加工に応用することにより,食品素材の高付加価値化と商品の多様化が図れるのではないかと予想される。
 今後,商品化を目指すためにも実用化に向けた加工コスト低減のための共同研究が必要である。

【お問い合わせ先】

信州大学伊那・南箕輪産学官連携室
担当:福澤 稔コーディネータ
Tel/FAX: 0265-77-1647
E-mail: n_renkei(at)shinshu-u.ac.jp
<(at)を@に変えて下さい>
編集: JST 産学連携展開部 事業推進(募集・探索)担当
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 産学連携展開部
〒102-0076 東京都千代田区五番町7
E-mail: e-mail address TEL: 0120-679-005 FAX: 03-5214-8399

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