テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

固形腫瘍に対するT細胞動員型免疫療法の開発

【新技術の概要】

 T細胞の固形腫瘍内への浸潤機構を明らかにし、そのしくみを利用したヘルパーT細胞(Th) &細胞傷害性T細胞(CTL)誘導型の免疫療法を考案した。従来のCTLを増やす方法では、腫瘍内への浸潤効率は悪い。
 我々は、腫瘍の場所を見つけるのは腫瘍特異的Thであり、それらがCTLを大量に呼び込むことを見つけた。このしくみを利用して、腫瘍特異的ThとCTLの両方を誘導すると、下図のように、樹立された固形腫瘍に対する抗腫瘍効果が格段によい。
 さらに我々は、自己寛容にあるため本来は誘導されにくい腫瘍特異的Thを効率よく誘導する、Th誘導ペプチドの改変を考案した。この改変は、特に至適な結合活性を持たないThをin vivoで誘導する場合に有効である。


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【従来技術・競合技術との比較】

 従来のペプチド免疫でもT細胞の数は増やせるが、抗腫瘍効果は限られる。我々は、腫瘍のありかを見つけて侵入する腫瘍特異的Thを効率よく誘導する方法を開発した。その結果、大量のCTLが腫瘍内に浸潤し、高い抗腫瘍効果が得られた。
 従来の免疫法では、既存の固形腫瘍を積極的に縮小させることは困難であったが、腫瘍特異的Thを誘導することにより、樹立された固形腫瘍を崩すことも可能である。

【本技術に関する知的財産権】

1.特願2011-273922
「ヘルパーT細胞誘導性ポリペプチドの改変」 出願人:国立大学法人高知大学

2.WO/2008/096831
“Therapeutic agent for cancer”
出願人:国立大学法人高知大学および
財団法人阪大微研会

【想定される技術移転】

ペプチドワクチン等による免疫療法の抗腫瘍効果を格段に高める技術の提供であり、奏功率が飛躍的に高い抗腫瘍剤の開発を目指す製薬会社等への技術移転を想定。
想定される用途として、次のような可能性が考えられる。

・悪性腫瘍の免疫療法
・ヘルパーT細胞誘導性ペプチドの測定法
・アレルギーや自己免疫疾患に対する、抗原特異的免疫寛容の誘導

【お問い合わせ先】

高知大学医学部免疫学教室
〒783-8505
高知県南国市岡豊町小蓮
TEL:088-880-2317
FAX:088-880-2320
E-mail: im11(at)kochi-u.ac.jp
<(at)を@に変えて下さい>

編集: JST 産学連携展開部 事業推進(募集・探索)担当
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 知的財産マネジメント推進部
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