テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

Akt特異的阻害剤「Akt-in」の開発と抗がん剤等への応用

【新技術の概要】

 Aktはアポトーシス抑制の要の細胞内分子である。
 Akt阻害剤「Akt-in」(特許登録4819321号)はAktに結合しタンパク間相互作用を特異的に抑制する15アミノ酸残基のペプチドであり、従来の阻害剤とは異なる作用点を持つ。
 Akt活性化が関与すると考えられる臨床病期の進んだ肺がん、膵臓がん、卵巣がん等の固形腫瘍に対する治療効果が期待できる。
 また、Aktは自己免疫疾患の病因の他、肝炎、エイズウイルス等の感染並びに病態発現との関連も知られていることから、Akt-inはこれらの治療薬としても期待できる。現在は臨床応用に向けAkt-inの安定化、活性向上、特異性向上を目指した化学修飾等を検討している。
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【従来技術・競合技術との比較】

 従来はPKA阻害剤の構造を元にAkt阻害剤の開発が進められたがPKAと交差抑制が見られた。他にPI3K阻害剤の構造を元にした開発も進められたが、これもPI3Kと交差抑制が見られた。
 このようにこれまでの阻害剤開発はいずれも失敗していたが、Akt-inは全く異なるアプローチで、Akt結合分子TCL1の結晶構造と機能解析に基づき設計したペプチドを用いているため、従来問題となっていた交差抑制を起こさない。

【本技術に関する知的財産権】

特許登録4819321号
「Akt活性特異的抑制ポリペプチド」
出願人:独立行政法人科学技術振興機構

【想定される技術移転】

 Akt-inは特異性の高い(副作用の少ない)抗癌剤等に発展する可能性を十分秘めており、また卵巣がん、膵臓がんなど治療満足度の低い疾患に対しても効果が期待されます。
 バイオ医薬の普及によりペプチド医薬の開発ハードルが下がっている現在、本技術シーズをベースとした医薬品開発に意欲的な企業様と連携できればfirst-in-class, best-in-classの医薬品創出も夢ではないと考えています。

【お問い合わせ先】

野口 昌幸(北海道大学 遺伝子病制御研究所 教授)
TEL/FAX:011-706-5070 / 011-706-7826

須佐 太樹(北海道大学 産学連携本部 マネージャー)
TEL/FAX:011-706-9559 / 011-706-9550
編集: JST 産学連携展開部 事業推進(募集・探索)担当
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 知的財産マネジメント推進部
〒102-8666 東京都千代田区四番町5-3
E-mail: e-mail address TEL: 03-5214-8293 FAX: 03-5214-8476

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