テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

解離性大動脈瘤の治療法開発に貢献する新規マウスモデルの開発

【新技術の概要】

 解離性大動脈瘤は、主として加齢に伴う動脈硬化を基盤に発症する難病であり、病態解明、治療法の確立が望まれている。
 本技術開発は、血管内皮の障壁機能維持に必須な分子であるクラスIIα型脂質リン酸化酵素 C2αノックアウト(KO)マウスが、解離性大動脈瘤の病態解明及び治療法開発のモデルマウスとして有用であるか否かを検討した。
 血管障害ホルモンAngIIを2週間全身投与することにより、高頻度(48%)で解離性大動脈瘤を発症する実験系を確立した(図1)。
 更に、顕著な血管透過性亢進を引き金とする血管炎亢進が、この病態発症の機序であった。これらの結果は、ヒト疾患との類似性があり、「解離性大動脈瘤」の動物疾患モデルとして非常に有用である。
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【従来技術・競合技術との比較】

 従来法である「ApoE-KOマウス動脈硬化モデル」では、高濃度(1.5mg/kg/day) AngIIを4週間慢性投与すると、約20%前後と低頻度であるが腹部に解離性大動脈瘤を形成する。
 ApoE-KOマウスと比較すると、C2αKOマウスの病態発症特性として、1)正常血中コレステロール値、2)低容量(33%減)AngII、3)短時間(50%減)投与、4)約2倍の発症頻度、5)腹部のみならず胸部においても発症、と従来法と比べ安定的かつ高頻度で解離性大動脈瘤を形成する優れた動物モデルである。

【本技術に関する知的財産権】

特開2011-217667号
「非ヒトノックアウト動物、並びにその用途およびその作製方法」、
出願人:国立大学法人金沢大学

【想定される技術移転】

 循環器疾患領域をターゲットとする製薬関連企業への技術移転あるいは共同研究により新規医薬品開発に貢献したい。
 解離性大動脈瘤、動脈硬化、浮腫、アナフィラキシー・ショック、血管内膜肥厚、血管閉塞、血管炎、腫瘍血管新生、虚血後血管新生、血管透過性亢進型肺障害、または糖尿病網膜症の新規動物モデルである。
 従来モデルより、ヒト疾患への類似性が高く、治療用または予防候補物質のスクリーニングに用いることができる。

【お問い合わせ先】

金沢大学・イノベーション創成センター
連携研究推進部門 部門長 教授
渡辺良成
電話:076-264-6111
編集: JST 産学連携展開部 事業推進(募集・探索)担当
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 産学連携展開部
〒102-0076 東京都千代田区五番町7
E-mail: e-mail address TEL: 0120-679-005 FAX: 03-5214-8399

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