テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

新しいpH応答性リポソームを用いた高活性がんワクチン開発

【新技術の概要】

 本研究課題は、新規なpH応答性ポリマーを修飾したリポソームを用いて、既存のワクチンキャリアの活性を凌駕する高活性ワクチンキャリアを構築することを目標とした。その結果、このポリマー修飾リポソームは、動物実験で最大の細胞性免疫誘導能を持つ既存ワクチンキャリアと同等の免疫誘導能を有し、抗原を発現した固形腫瘍を完全に消失させる極めて強力な抗腫瘍免疫を誘導できることが明らかとなった(下図)。
 本研究ではモデルタンパク質を抗原として用いたが、今後は個々の腫瘍から抽出した抗原を用いて同様の実験を行い、本ワクチンキャリアの汎用性を検証することによって、高活性かつ新規な、がん免疫治療用のワクチンキャリア創製を目指す。
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【従来技術・競合技術との比較】

 本研究で開発したpH応答性リポソームは、動物実験で最大の免疫誘導活性を持つ試薬(フロイント完全アジュバント)と同等もしくはそれ以上の免疫誘導機能を達成し、固形がんを消滅させるほど強力な抗腫瘍免疫を誘導した。しかも、ウイルス由来成分を用いず、食品添加物として使用されているポリマーの誘導体や脂質など、生体適合性の高い材料のみをベースに使用して作製されているため安全性も高い。

【本技術に関する知的財産権】

特願2011-103692
「pH応答性リポソーム」、
出願人:公立大学法人大阪府立大学

【想定される技術移転】

 pH応答性リポソームのがんワクチンとしての性能評価について、製薬関連企業と連携し、大型動物での評価や、汎用的な抗原を用いた評価を行ってその実用化を目指したい。
 また、ポリマー等の原料・合成について化学会社との共同研究によってより高い性能を持つpH応答性ポリマーを開発したい。本技術の実用化により、有効ながんワクチンのためのデリバリーシステム開発、およびがん治療技術が飛躍的に進歩するものと期待できる。

【お問い合わせ先】

大阪府立大学工学研究科 助教
弓場 英司
Tel&Fax: 072-254-9913
編集: JST 産学連携展開部 事業推進(募集・探索)担当
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 知的財産マネジメント推進部
〒102-8666 東京都千代田区四番町5-3
E-mail: e-mail address TEL: 03-5214-8293 FAX: 03-5214-8476

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