テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

腎毒性ゼロの転移骨がん用シスプラチンの開発

【新技術の概要】

 シスプラチンに代表される白金抗がん剤を電荷形にすることで腎毒性をなくしたばかりか、高活性化に成功し、耐性もクリアした。加えて、プロテアソーム活性阻害等の新規抗がん作用の導入に成功した。
 アニオン型白金化合物(図1)は天然抗がん剤であるフィチン酸IP6を有し、リン酸基が骨成分に高吸着性を示すため、骨がん治療薬として優位性を有する。
 カチオン型白金化合物(図2)はシスプラチン結合DNA蛋白質複合体をmimicしたもので、がんの種類に依存しない高い抗がん活性を持つ。両カチオン、アニオンとも先行類似技術は見当たらない化合物であり、PCT出願中である。

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【従来技術・競合技術との比較】

 前立腺、乳がんからの転移が主な骨がんは、難治療性で、疼痛を伴うため良い抗がん薬がない。
現在使用、開発中の骨粗鬆薬ビスホスホネート、骨サイトカインRANKL標的薬は骨粗鬆症薬を抗がん剤に適用したもので、骨活動によるがん活動増強を抑えることしか期待できない。
 本抗がん剤は、白金抗がん剤をベースとしているため、がんを直接たたき、広い抗がんスペクトルを示すため、骨に限定されず転移性がん治療薬に最適と考えられる。

【本技術に関する知的財産権】

1.PCT/JP2011/ 58352,特願2010-083432
「金属錯体およびこれを有効成分として含有する抗がん剤」出願人:金沢大学

2.特許第4463274号
「ビスホスホネート錯体」出願人:小谷 明

【想定される技術移転】

 本化合物は化学療法剤に属し、アニオン型はシスプラチンの高機能低副作用版であり、ラット転移骨腫瘍体積と疼痛双方を抑える(図1)。
 カチオン型は類例のないプロテアソーム阻害作用を示し、マウス前立腺腫瘍体積を抑える(図2)。
 両化合物とも腎毒性はなく、単剤での転移性骨がんへの適用、多剤治療におけるシスプラチン等白金抗がん剤の本剤への置換え、適用症例の拡張が期待できる。ライセンス供与による開発を想定している。

【お問い合わせ先】

(有)金沢大学ティ・エル・オー
e-mail-to(at)kutlo.incu.kanazawa-u.ac.jp
<(at)を@に変えて下さい>

編集: JST 産学連携展開部 事業推進(募集・探索)担当
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 知的財産マネジメント推進部
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