テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

5-FU代謝酵素の欠損による副作用リスクのスクリーニング技術

【新技術の概要】

 ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPD)は、体内のウラシル及びチミンの分解酵素である。まれにDPD活性が先天的に欠損・低下者がいるが、尿中のウラシル量が増加する程度で、他に症状がなく、本人も知らない。
 しかし、DPD活性欠損者にフッ化ピリミジン系抗癌剤(5-FU等)を投与すると、死亡を含む重篤な副作用が発生する。そのため投与対象者のDPD活性をあらかじめ測定することが理想だが、従来では安価な方法がなく困難であった。
 本方法はウラシル特異的な蛍光反応を利用して尿中のウラシルを測定するもので、対象者全員を診断することが可能である。
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【従来技術・競合技術との比較】

 従来のDPD活性の診断は、末梢血のDPDの酵素活性を測定する方法がある。しかしこの方法は高価で手間がかかり、通常は用いられない。
 また、DPYD遺伝子は変異が多様であり、DPDの酵素活性と単独で相関がある遺伝子変異は同定されていない。
本方法は侵襲性が低い尿を試料とし、手法も簡便・安価で、フッ化ピリミジン系抗癌剤対象者全員を診断することが可能である。

【本技術に関する知的財産権】

1.PCT/JP2011/054636
 「ウラシル特異的な蛍光検出反応及びジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症の検査法」
 出願人:長崎大学

【想定される技術移転】

 DPD欠損者は、人種によっては非常に高い頻度で発生するという報告があるが、日本人においては稀とされている。ただし実態はほとんど把握されておらず、フッ化ピリミジン系抗癌剤の投与によって実際は副作用が発生した場合でも正確な診断がされていないのが現状である。 
 本方法を実用化し、病院からの検査受託サービス、あるいは検査キットを開発することによって投与対象者全員の尿検査を行うことを想定している。

【お問い合わせ先】

長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 助教
柴田 孝之
TEL: 095-819-2440

編集: JST 産学連携展開部 事業推進(募集・探索)担当
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 産学連携展開部
〒102-0076 東京都千代田区五番町7
E-mail: e-mail address TEL: 0120-679-005 FAX: 03-5214-8399

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