テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

悪性脳腫瘍に対する高力価レトロウイルスベクターを用いた遺伝子治療法

【新技術の概要】

 悪性グリオーマは、集学的治療をもってしても平均余命12-15ヵ月の難治性脳腫瘍である。この腫瘍に対する遺伝子治療法を開発するためには、遺伝子導入効率の向上が必要である。レトロウイルスベクターの産生を促進する技術を開発したことで、マウスグリオーマモデルを完治せしめた。また、多くの腫瘍において自殺遺伝子を発現し、正常細胞で発現しないベクターを構築するために腫瘍特異的プロモーターを同定し、その有用性を証明した。さらに、培養法を工夫することでウイルス力価の向上や産生規模の拡大を可能にした。これらの成果により悪性脳腫瘍に対する遺伝子治療の臨床試験の実施が期待出来る。
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【従来技術・競合技術との比較】

 本技術で樹立したレトロウイルス産生細胞では、レトロウイルスのパッケージング効率を向上させ、従来の細胞に比べ培養上清中に約100倍の力価のレトロウイルスを産出する。最終的に得られるレトロウイルス溶液は、極めて高力価であるため脳内へ直接投与が可能である。
 正常細胞で活性を殆ど示さず脳腫瘍で高頻度に活性をもつ腫瘍特異的プロモーターにより効果、安全性の向上も期待できる。

【本技術に関する知的財産権】

1.米国特許番号:US6001633
「Cell producing recombinant retrovirus」、出願人:Shimizu Keiji

2.日本国特許番号:3877769
「組み替えレトロウイルス産生細胞」
出願人:清水惠司

3.特開2010-246399
「腫瘍特異的プロモーターおよびその用途」
出願人:国立大学法人高知大学

【想定される技術移転】

 レトロウイルスベクターによる遺伝子治療製剤を生産する技術を製薬関連企業と連携し、悪性脳腫瘍に対する遺伝子治療法の臨床試験を実施したい。本技術の実用化により、国産の遺伝子治療薬の開発が加速化するものと期待出来る。

【お問い合わせ先】

高知大学国際・地域連携センター 知的財産部門
〒780-8073 高知市朝倉本町2丁目17-47
Tel: 088-844-8555
Fax: 088-844-8556
Mail: kt05(at)kochi-u.ac.jp
<(at)を@に変えて下さい>

高知大学医学部 脳神経外科
教授 清水 惠司
Tel: 088-880-2397
Fax: 088-880-2400

編集: JST 産学連携展開部 事業推進(募集・探索)担当
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 産学連携展開部
〒102-0076 東京都千代田区五番町7
E-mail: e-mail address TEL: 0120-679-005 FAX: 03-5214-8399

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