テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

発光性イリジウム錯体LB膜を用いた酸素センサー

【新技術の概要】

 イリジウム(Ir)錯体は有機EL素子用の燐光型発光材料として注目されている。錯体の配位子を工夫することで、赤、青、黄色の発光が可能となる。
 一方、酸素センサーは環境分析、医療分析あるいはロケットの噴射ガス分析などの航空宇宙分野などへの応用のために、盛んに研究されている。気体センサーには、基盤への固定、高い量子収率、長寿命、広い温度範囲、高感度高選択性、迅速な時間応答性などが要求される。
 そこで本研究では、実用に供せられるような高い感度と選択性を持った気体センサーをめざして、LB(ラングミュア・ブロジェット)法を用いることでナノメーターオーダーの薄膜を製造し、粘土との複合によって強度を増し、応答時間の短縮、広い温度範囲での適用、レアアース材料として貴重なイリジウムの使用量を低く抑えること等をめざした。
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【従来技術・競合技術との比較】

ポリマーとイリジウム錯体とのハイブリッド化と比較すると以下が特徴である。

(1)mm 厚さを nmの膜厚にできる
(2) 用いるイリジウム錯体を少量にできる
(3)わずかの酸素の圧力を感知できる
(10 kPa以下) 
(4)発光は表面反応で起こるために気体拡散の影響がなく、低温で動作を示唆される。

本技術は、室温での湿式方式で簡単な工程の製造のため、低エネルギであり、かつ単分子膜に要するレアメタルの量も微量である。粘土を用いており環境にもやさしいことが期待される。

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【本技術に関する知的財産権】

1.特願2011-97322号
「ハイブリッド膜およびガスセンサ」
出願人:愛媛大学、物質材料研究機構

【想定される技術移転】

本技術の特徴を生かして以下のような応用が期待される。

 (1) 高真空度したでの製造装置過程における微量酸素センシング 
 (2) 酸素以外の気体の影響のある条件下での環境測定
 (3) 迅速な酸素応答性に着目した医療分野への展開

【お問い合わせ先】

愛媛大学大学院 理工学研究科 教授
佐藤久子

愛媛大学 社会連携推進機構 客員教授
コーディネータ 松本 賢哉
編集: JST 産学連携展開部 事業推進(募集・探索)担当
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 産学連携展開部
〒102-0076 東京都千代田区五番町7
E-mail: e-mail address TEL: 0120-679-005 FAX: 03-5214-8399

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