テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

プラチナ、パラジウムなどを使わない新しい金属触媒

【新技術の概要】

 われわれは強誘電体微粒子の研究途中で、強誘電体表面にサイズ4ナノメートルの酸化しない鉛粒子が安定に存在することを見いだした(写真を参照)。
 その振舞いは卑金属である鉛が、あたかも貴金属である金・白金ナノ粒子と同じ挙動を示すものであった。さらにその微粒子が、エタノールから水素を発生するという触媒機能を有することを世界に先駆け発見した。
 この触媒作用は強誘電体の電子揺らぎ現象を応用したものであると考えられる。この成果をきっかけとし白金、パラジウム、ロジウムを用いず、極安価に生産できる新しい触媒群を開発している。


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【従来技術・競合技術との比較】

 誘電体触媒はその原理を理解することで水素製造や色々なケミカル触媒、電池電極と適材適所にあわせたデザインが可能となっている。本技術により、このデザイン指針を元に貴金属を使わず原料コストが従来比1/1000で高選択性・長寿命な触媒設計が実現できる。
 さらにわれわれは誘電体触媒の合成技術を発展させており、短時間で大量生産が可能である。本技術により価格、資源枯渇が問題となっている貴金属を使わない触媒が実現し、低炭素社会実現に向けた加速が期待できる。

【本技術に関する知的財産権】

1.特願2011-024667号
 「触媒及びその製造方法」、出願人:岡山大学

2.特開2009-207977号
 「触媒金属析出方法および触媒金属担持体粒子」、出願人:筑波大学

3.特開2009-207978号
 「触媒金属担持強誘電体製造方法および触媒金属担持強誘電体」、出願人:筑波大学

4.特開2009-207979号
 「触媒製造方法および触媒」、出願人:筑波大学

【想定される技術移転】

 研究開発成果として、すでに貴金属フリーナノ触媒のプロトタイプを創出している。
 本開発プロジェクトで途中目標として達成させた、(1)大量合成技術、(2)安定で高活性化させたナノ触媒設計、が企業の立場から十分なものであると認められれば、速やかに本技術の実用化に向け企業への技術移転ができる。貴金属フリー化を期待している排ガス浄化触媒、電池の電極材を開発している企業、もしくはより高性能で多用なケミカル触媒を開発したい企業からの提案を期待している。

【お問い合わせ先】

岡山大学 研究推進産学官連携機構
産学官連携本部
産学官連携コーディネーター 齋藤 晃一
Tel:086-251-8465
編集: JST 産学連携展開部 事業推進(募集・探索)担当
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 産学連携展開部
〒102-0076 東京都千代田区五番町7
E-mail: e-mail address TEL: 0120-679-005 FAX: 03-5214-8399

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