テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

多糖類を原料とした新規生分解性高吸水高分子

【新技術の概要】

 高吸水性高分子(SAP)であるアクリル酸系高分子(SPA)は石油を原料としており、再生資源を活用した生分解性SAPの開発が急務である。
 本研究ではセルロース、キチン、キトサン等の天然高分子を原料として、生分解性SAPを合成する二つの技術~①ポリカルボン酸無水物により多糖類分子間に架橋と親水性基を一段階で導入する方法1、②多糖類をカルボキシメチル化後、ジエポキシ架橋を導入する方法2~を開発した(図1)。
 得られるSAPは酵素分解性を示すだけでなく、既存のSPAよりも高い吸水性能を示す。また吸水量、吸水速度、生分解速度等は反応条件、架橋度、原料分子量によって制御可能あり、多様な用途に対応可能である。
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【従来技術・競合技術との比較】

 SPAはCa2+、Mg2+等の金属カチオンやタンパク質等の高分子電解質を含む水溶液中で凝集し、吸水性能は急激に低下する欠点があった。本技術により得られる生分解性SAPは電解質密度が低く、多くの水酸基を含むため、電解質水溶液に対しても安定した吸水力を示す(図2)。
 よって既存品の代替利用だけでなく、母乳パッド、土壌保水剤、海洋土木工事、止水剤、医療廃棄物固化剤等の新規利用が期待できる。
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【本技術に関する知的財産権】

1.特願2010-149142号「生分解性高吸水性高分子の合成方法」

2.特願2011-099948号「生分解性吸水高分子」

3.特願2011-234458号「吸液性高分子」
 出願人:(独)国立高等専門学校機構

【想定される技術移転】

 「新規生分解性高吸水高分子」は社会ニーズに基づくバイオマス資源の新規有効利用法、高付加価値の利用拡大に関し、国内・海外複数のメーカから高く評価され、さらなる機能を強化と利用拡大のビジネスモデルを構築したい。基本特許を柱に技術を強化し、周辺特許に関しては、産学連携の垂直統合チームによる異業種研究会活動を立ちあげ、本技術を広範囲に展開することで、地域・社会・グローバルに大きく貢献するものと期待できる。

【参考文献】

1. H.Kono, S. Fujita, Carbohydr. Polym. 87 (2012) 2582-2588.

2. 甲野、コンバーテック12月号(2011)73-77.

【お問い合わせ先】

苫小牧工業高等専門学校総務課企画調査係
e-mail; kikaku(アット)office.tomakomai-ct.ac.jp
<(アット)を@に変えて下さい>


編集: JST 産学連携展開部 事業推進(募集・探索)担当
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 知的財産マネジメント推進部
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