テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

ケイ素型光増感色素に基づくトリプル・ターゲティング型の癌治療薬の開発

【新技術の概要】

 がんの治療における副作用を低減させるために、三重の選択性によってがん細胞にのみ特異的にダメージを与える薬剤の開発を行った。
 粒径100 nm程度のリポソームはEPR効果により腫瘍に集積することが知られており、これに我々が開発した光線力学療法用の高効率な光増感剤を内包させた。リポソームには光照射によって崩壊するものを用いた。 これにより、1.EPR効果によりリポソームが腫瘍に集まる。2.光照射により、リポソームが崩壊し、内包した薬剤が放出され、がん細胞内に取り込まれる。3.光増感剤の励起により一重項酸素が発生し、がん細胞を死滅させる、3重の選択性を付与した。

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【従来技術・競合技術との比較】

 従来の光線力学療法では薬剤である光増感剤が腫瘍以外の正常組織にも分布してしまい、光線過敏症と呼ばれる副作用が問題となっていた。これを改善するために様々な手段で光増感剤を腫瘍に選択的に集積させるための技術が検討されてきた。
 その主流がDrug Delivery System(DDS)の利用であった。本技術ではこのDDSに光応答性のものを利用し、さらに腫瘍集積性を向上させ、副作用を低減できると期待できる。

【本技術に関する知的財産権】

1.特願2005-328575号
  「含ケイ素置換基を導入した一重項酸素発生剤」、出願人:群馬大学

2.特願2010-196568号
  「含ケイ素置換基を導入した化合物、並びにそれを含む一重項酸素発生剤及び癌治療薬」、
  出願人:群馬大学

【想定される技術移転】

 がん治療で近年注目される光線力学療法において、DDSと光増感色素を組み合わせた本技術を確立させたい。そのためにDDSや光増感色素等の技術を持つ試薬関連企業と連携し、高選択的ながん治療試薬(方法)の実用化を目指したい。
 本技術が実用化できれば、薬剤(光増感色素)が体外に排出される迄の暗闇での待機等の制限が無くなり、患者への負担が大幅に軽減されることが期待できる。

【お問い合わせ先】

群馬大学大学院工学研究科 助教
 堀内 宏明:
〒376-8515 群馬県桐生市天神町1-5-1,

群馬大学工学部産学官推進戦略室 科学技術コーディネータ
 小暮 広行:
編集: JST 産学連携展開部 事業推進(募集・探索)担当
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 産学連携展開部
〒102-0076 東京都千代田区五番町7
E-mail: e-mail address TEL: 0120-679-005 FAX: 03-5214-8399

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