テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

環境汚染物質を検出・除去する新規な機能材料の開発

【新技術の概要】

 内分泌かく乱化学物質の疑いのあるビスフェノールA(BPA)を捕捉して体積変化する環境汚染物質捕捉応答性ゲルを合成した。さらに,その薄膜やナノ粒子を合成し,実用化のためのデバイス化も行った。具体的には,BPAを選択的に捕捉して40%近く体積が減少するゲルの合成に成功した。
 このゲルは,類似分子に対して異なる応答性を示し,環境汚染物質を検出する材料として期待できる。また,精密ラジカル重合によりセンサーチップ表面にゲル薄膜を調製し,感度よく検出できるシステムの開発も行った(図1)。
 さらに無乳化剤乳化重合法により数百nm程度の粒子合成にも成功した。この微粒子はBPAに応答して瞬時に粒径変化し,その分散水溶液は白濁した(図2)。本技術により,環境汚染物質のセンシングと捕捉除去が同時にできる環境改善システムの構築が可能になると期待できる。
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【従来技術・競合技術との比較】

 従来技術として,環境汚染物質を吸着する材料がいくつか報告されているが,同時に体積変化してセンシングできる材料は知られていない。本発明の環境汚染物質捕捉応答性ゲルは体積変化によってセンシングできるだけでなく,捕捉して除去できる全く新しい機能をもっている。
 さらに粒子の場合には沈殿形成によって目視で検出でき,薄膜では高い感度のセンサーとして実用化が可能である。BPA以外の環境汚染物質にも応用可能であり,環境汚染といった社会問題を解決する新材料として期待できる。

【本技術に関する知的財産権】

1.特願2005-133431
 「光学特性分子導入刺激応答性ゲルおよびこれを用いた外部刺激測定装置並びに外部刺激の測定方法」、 出願人:関西大学、JST

2.特願2007-122459
 「分子応答性ゲル微粒子およびその製造方法ならびにその利用」、出願人:関西大学、JST

【想定される技術移転】

 環境改善システムや環境モニターシステムを作り出すための新しい材料として、環境関連企業と連携し、水処理などの幅広い用途の実用化を目指したい。
さらに、内分泌かく乱化学物質だけではなく,その他の人体に有害な有機化合物を捕捉して応答できるゲルシステムの構築も可能になり,環境問題を解決するための重要な技術として多種多様な利用が期待される。このような技術に興味ある企業を求める。

【お問い合わせ先】

関西大学 先端科学技術推進機構
コーディネーター
上 畑  滋
〒564-8680 吹田市山手町3-3-35
Tel.06-6368-1408 Fax.06-6368-0080
編集: JST 産学連携展開部 事業推進(募集・探索)担当
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 知的財産マネジメント推進部
〒102-8666 東京都千代田区四番町5-3
E-mail: e-mail address TEL: 03-5214-8293 FAX: 03-5214-8476

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