テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

超高齢社会に適応する、優れた骨形成能を備えたペースト状人工骨

【新技術の概要】

 自家骨の持つナノレベルの欠陥構造が「骨誘導能」を誘起しているという我々らの新たな知見に立脚し、生体骨と類似した化学組成をもつアパタイト(以下、骨ミネラル含有アパタイト)を合成し、それを出発原料として低侵襲治療を可能にする「ペースト状人工骨(骨修復セメント)」を開発した。
 ウサギを用いた動物実験により、本技術により創製されるセメントは、従来のものよりも材料周囲での骨形成率が約30%も高く、極めて優れた骨形成能を有している。本技術は、骨代謝レベルの低下した高齢者に対して、特に有効であり、我が国のQOL向上に貢献する。

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【従来技術・競合技術との比較】

 この骨ミネラル含有アパタイトによるペースト状人工骨は、従来の純粋なアパタイトセメントに比べて、骨形成能が高く、特に、高齢者の骨補填に有効である。また、高齢者の脊椎圧迫骨折の治療などに、ポリメタクリ酸メチル(PMMA)が臨床的に頻用されているが、PMMAは固すぎて周囲の骨を骨折させる事例が多く、問題となっているが、本技術では、骨と一体化するため、そのような再骨折の可能性は極めて低い。

【本技術に関する知的財産権(関連特許)】

1.特願2003-332612
 「セメント用材料およびセメント」
 出願人:学校法人明治大学

2.特願2007-014536
 「セメント用材料およびセメント」
 出願人:学校法人明治大学
 ほか

【想定される技術移転】

 従来のアパタイトセメントを超える優れた骨形成能を備え、注射器などで患部に直接注入できることから、高齢者向けの低侵襲治療を実現する技術として期待できる。
 今後は、医療機器メーカーなどと共同で、この技術をデバイス化する研究を推進し、実用化を目指したい。本技術の実用化は、我が国の(特に高齢者の)QOL向上に貢献するものと期待される。

【お問い合わせ先】

財団法人 神奈川科学技術アカデミー(KAST)
イノベーションセンター 研究支援グループ
相澤プロジェクト担当
URL (KAST): http://www.newkast.or.jp
URL (プロジェクト):http://www.newkast.or.jp/innovation/kenkyu_project/aizawa_project.html
TEL: 044-819-2034
FAX: 044-819-2026
編集: JST 産学連携展開部 事業推進(募集・探索)担当
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 産学連携展開部
〒102-0076 東京都千代田区五番町7
E-mail: e-mail address TEL: 0120-679-005 FAX: 03-5214-8399

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