テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

超高齢社会のためのインジェクション可能な生体吸収性人工骨

【新技術の概要】

 従来のリン酸カルシウム系ペースト状人工骨は、酸塩基反応でアパタイトを生成し硬化する。このセメントは血液が介在すると硬化しにくく、周囲組織に炎症を惹起し、生体内で吸収されない問題があった。そこで、「イノシトールリン酸(IP6)」のキレート作用を利用した新しいメカニズムで硬化する「生体吸収性セメント」を開発した。
 これまでに材料特性の最適化により、8分で硬化を開始し、ヒト脊椎椎体の強度(約15 MPa)を上回る強度29 MPaを持つインジェクション可能なセメントを開発した。本技術により、シリンジなどのインジェクションデバイスを用いた低侵襲治療可能な生体吸収性ペースト状人工骨の実用化が期待できる。

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【従来技術・競合技術との比較】

 従来のリン酸カルシウム系ペースト状人工骨に比べて、生体内で吸収される割合が高く、特に、骨形成の旺盛な若年者の骨補填材として有効である。
 また、米国ではポリメタクリ酸メチル(PMMA)セメントが臨床的に頻用されているが、PMMAは固すぎて周囲の骨を骨折させる事例が多く、問題となっているが、本技術では、骨と人工骨が一体化し徐々に吸収置換されるため、そのような再骨折の可能性は極めて低い。

【本技術に関する知的財産権】

1.特開2008-27149号
「セメント用材料、セメント用材料の製造方法、セメントの製造方法及びセメント」、出願人:学校法人明治大学

2.特願2011-98674号
「セメント用材料の製造方法、セメント原料粉体、セメントの製造方法、およびセメント」、出願人:財団法人神奈川科学技術アカ デミー・学校法人明治大学

【想定される技術移転】

 新規の生体吸収性ペースト状人工骨開発に関する技術を医療関連企業と連携し、実用化を目指したい。本技術の実用化により、従来のペースト状人工骨の問題(炎症反応・生体非吸収性)およびこれまで生体内で吸収されなかったペースト状人工骨の問題を解決できるものと期待できる。

【お問い合わせ先】

財団法人神奈川科学技術アカデミー
イノベーションセンター 研究推進グループ
TEL:044-819-2034
E-mail:res@newkast.or.jp
URL(KAST): http://www.newkast.or.jp
URL(プロジェクト):
http://www.newkast.or.jp/innovation/kenkyu_project/aizawa_project.html
編集: JST 産学連携展開部 事業推進(募集・探索)担当
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 知的財産マネジメント推進部
〒102-8666 東京都千代田区四番町5-3
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