テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

組織拒絶性の少ないヒト細胞素材によるインテリジェンス膵島の作成および移植技術の開発

【新技術の概要】

 組織拒絶性をほとんど示さない羊膜の幹細胞から、糖尿病治療薬としてインテリジェンス膵島の開発に着手した。
 幹細胞は、種々の細胞に分化するが分化効率が低いことが大きな問題である。インスリンなど膵島内分泌細胞に分化する細胞は、分化過程でネスチン陽性細胞になる。羊膜に多く含まれるネスチン陽性細胞の細胞表面マーカーを明らかにし、本細胞を選択的に単離することにより分化効率の向上を目指した。さらに、移植した細胞によってもたらされる過剰反応や異所性の問題を解決するために、細胞の生存が可能で分泌物のみを透過するカプセルを開発し、継続的なインスリン分泌と、着脱可能な移植方法を検討した。

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【従来技術・競合技術との比較】

 ヒトのES細胞やiPS細胞と比較し、羊膜は、出産後に廃棄される組織であり、十分な細胞数を確保することが可能であり、かつ拒絶を起こしがたいという特性を持つ。
 本細胞を利用し、インスリン産生細胞のみならず、細胞相互作用が考えられるその他の膵島細胞への分化も行うことでインテリジェンス膵島を開発する点や移植細胞がレシピエント組織内に迷入しない投与方法の開発という点はこれまでにない画期的な技術である。

【本技術に関する知的財産権】

「羊膜間葉系幹細胞の調製方法および単離された羊膜間葉系細胞集団」
特願2011-257419 富山大学

【想定される技術移転】

 インテリジェンス膵島を生体に安全移植するため、細胞を入れるカプセル開発に関する技術を、フィルターや細胞培養機材の製造・販売に関与した企業と連携して開発し、拒絶や不必要な細胞遊走のない安全な移植技術の確立を目指したい。
 本技術の実用化により、インスリン産生細胞だけでなく、これから開発されるヒト細胞由来の生体物質の安全かつ継続的な投与が可能となり、慢性疾患などで長期にわたり投与が必要な患者のQOLが著しく向上することが期待できる。

【お問い合わせ先】

富山大学地域連携推進機構リエゾンオフィス
知的財産マネージャ・コーディネータ 金田佳己
TEL: 076-434-7184
FAX: 076-434-5138

富山大学大学院医学薬学研究部再生医学
TEL 076-434-7212
FAX:076-434-5011
E-mail:saisei(アット)med.u-toyama.ac.jp
<(アット)を@に変えて下さい>


編集: JST 産学連携展開部 事業推進(募集・探索)担当
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 知的財産マネジメント推進部
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