テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

全光トライオードおよびそれを用いたフォトニックパケットルータ

技術の背景

光通信は高速・大容量通信が可能であるが、パケット通信では光信号を一旦電気信号に変換し、パケットルーティングを行った後再び光信号に戻すという操作によって実現している。このため電子回路の制限により通信速度の制限があった。

技術内容・特徴

本技術の全光トライオードは、エレクトロニクスにおけるトランジスタや三極管が有する信号増幅作用を全光信号で実現したものである。

波長λの入力光と波長λのバイアス光を合波し(C1)から反射型SOA(RSOA-1)に導きクロスゲイン変調信号を得る。この出力をさらに波長λnの制御光と合波して2個目のSOA(RSOA-2)を介してクロスゲイン変調することにより制御光に従って入力光が制御され、波長λnの光が出力される光トランジスタ動作が実現する。

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この全光トライオードの動作特性(1例)は以下の通りで、小さな制御光パワーで入力信号光を制御し、アナログ的に信号増幅して出力するのが特長である。また、同時に波長変換する機能も有することから、将来の波長分割多重フォトニックネットワークで必要不可欠な波長変換および光スイッチングが一つの本デバイスで実現する。

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特許・文献情報

発明の名称:光信号増幅3端子装置、それを用いた光信号転送方法、光信号中継装置、および光信号記憶装置
発明者:前田佳伸
出願人:科学技術振興機構
出願番号:PCT/JP2003/011961


応用分野

フォトニックネットワークにおいて、光信号で光信号を処理するシステムにおいてたとえば光信号の識別再生や多重・分離、スイッチング、ルーティング等に用いられる。

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また、光信号を任意の時間記憶する光メモリなども実現する。

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その他光通信以外にも自動車の車載LAN、オーディオ機器の光信号の処理などへの応用も考えられる。

関連技術

光メモリ(光バッファ)には一定の長さの光ファイバ内の光の伝達時間を利用したものが現在使用されているが、遅延時間はファイバ長で一定に決まってしまって変更できないため設備の拡張性が低く、次世代の通信方式(パケット通信)には対応が困難であると考えられている。
編集: 技術移転プランナー 坂本和夫
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 知的財産マネジメント推進部
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