テクニカル・アイ(特許目利きによるコラム)

レーザカラーマーキング法およびその装置

技術の背景

従来からナノレベルのサイズを有する金属コロイドは、凝集体を形成することで様々な色を発することが知られている。たとえば金コロイドは凝集することで530nmの波長を吸収し、赤色を発する。また、銀コロイドでも黄色の発色が知られている。しかも凝集体の大きさにより変色することも知られており興味深い。ところで、金属コロイドを混入させた塗料をガラスに塗り、炉内で加熱しカラーグラスを作ることが現在の技術で可能である。しかし数工程を経て炉内で高温加熱するなど多くの手間と時間を要するのが現状であり、ガラス以外の低軟化点を有する材料や製品の一部に着色するには不向きであった。また、レーザ光線で材料表面を除去もしくは変形、変質させることでマーキングを行う技術も知られており、現在このレーザマーキングは二次元の文字情報、バーコードなどの刻印に使用されている。一方、近年ではガラス内部に微小クラックなどを発生させて三次元にマーキングする手法も開発されている。これによりレーザマーキングにおける情報量が増加し、マーキングの新たな用途が模索され始めている。

技術内容・特徴

ナノサイズのコロイド超微粒子は、その凝集サイズによって表面プラズモンの効果により、色彩が変化して見える。この現象をレーザ照射条件を変化させて実現できれば、高速に様々な色彩で自在にデザインを描くことが可能となる。ガラス表面を始め、金属表面にもマーキングが可能であり、車のボンネットや携帯電話のボディーなどに自分のデザインを正確に表現することも可能となる可能性を持っている。この意味で将来、製品の個別化に大変有効である。また、レーザによって密封された製品内部にマーキングができ、バーコードやロゴなどを入れてセキュリティーへの応用に有効である。さらに、ガラス内部にカラーマーキングを施せれば、現在、白色のみの3次元マーキングをカラーマーキングにすることができ、装飾品としても興味深い。また、ドットで様々な色を発色させて、メモリーとして利用すれば、二進法以上のコンピュータシステムに利用が可能となり有効である。さらに、液晶などのリペア技術にも応用が期待できる。(図1、図2参照)。

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特許・文献情報

発明の名称:レーザマーキング方法およびその装置
出願番号: 特願2001-286403
出願人: 科学技術振興機構
発明者: 池野 順一(埼玉大学)


応用分野

本発明は、ナノレベルのサイズを有する金属コロイドを含有する塗料(液体)を被加工物上に塗布しその上にレーザ光線を照射して、あるいは乾燥させた塗料の上からレーザ光線を照射して該金属コロイドを凝集させ、金色を始め様々な発色をさせてマーキングあるいは配線として活用するレーザカラーマーキング方法およびその装置に関するものである。また、レーザ光線に対して透明な材料中に金属コロイドを混入し、この材料にレーザ光線を照射することで金属コロイドを凝集させマーキングを行うレーザカラーマーキング方法に関するものである。特に利用分野としては、従来からレーザカラーマーキングを用いている自動車産業、IT産業、電子部品産業などの広い分野での利用が可能である。



関連技術・市場情報

レーザーマーキング関連の特許出願分野は図3に示すように、加工装置分野が最も多く、続いてレーザ発信器、加工材料の順となる。レーザマーキングの技術育成はそれぞれの分野の統合化を進めていくことが重要である。出願数上位のメーカはプリンタ、電気機器メーカであり、特にキヤノンの出願数増加が著しい。

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編集: 元 技術移転プランナー 中島達也
問合せ先 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 産学連携展開部
〒102-0076 東京都千代田区五番町7
E-mail: e-mail address TEL: 0120-679-005 FAX: 03-5214-8399

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