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Specification :寝息呼吸音解析装置及び方法

Country 日本国特許庁(JP)
Gazette 特許公報(B2)
Patent Number 特許第6315576号 (P6315576)
Publication number 特開2016-002189 (P2016-002189A)
Date of registration 平成30年4月6日(2018.4.6)
Date of issue 平成30年4月25日(2018.4.25)
Date of publication of application 平成28年1月12日(2016.1.12)
Title of the invention, or title of the device 寝息呼吸音解析装置及び方法
IPC (International Patent Classification) A61B   5/08        (2006.01)
FI (File Index) A61B 5/08
Number of claims or invention 3
Total pages 9
Application Number 特願2014-123432 (P2014-123432)
Date of filing 平成26年6月16日(2014.6.16)
Date of request for substantive examination 平成29年2月2日(2017.2.2)
Patentee, or owner of utility model right 【識別番号】304020177
【氏名又は名称】国立大学法人山口大学
【識別番号】505453882
【氏名又は名称】株式会社医療福祉工学研究所
Inventor, or creator of device 【氏名】江 鐘偉
Representative 【識別番号】110001601、【氏名又は名称】特許業務法人英和特許事務所
Examiner 【審査官】荒井 隆一
Document or reference 特表2010-531164(JP,A)
特開2013-123495(JP,A)
米国特許第05549655(US,A)
Field of search A61B 5/06-5/22
Scope of claims 【請求項1】
被験者の寝息呼吸音を検出する寝息呼吸音検出手段と、
該寝息呼吸音検出手段で検出された寝息信号に基づいて、呼吸特徴波形を得る呼吸特徴波形取得手段と、
前記呼吸特徴波形において吸気波形と呼気波形を判別する呼吸波形判別手段と、
前記呼吸特徴波形における吸気波形の時間間隔、呼気波形の時間間隔、吸気波形から呼気波形の時間間隔、呼気波形から吸気波形の時間間隔、吸気波形の時間幅、呼気波形の時間幅、吸気波形の振幅値及び呼気波形の振幅値から選択した一又は複数の特徴値を抽出する特徴値抽出手段と、
所定期間における前記一又は複数の特徴値に基づいて、前記所定期間における前記被験者の睡眠状態の判定、無呼吸状態若しくは低呼吸状態の判定又は酸素摂取状態の推定を行う状態判定手段を備え
前記特徴値抽出手段は、少なくとも前記吸気波形の振幅値及び前記呼気波形の振幅値又は少なくとも前記吸気波形から呼気波形の時間間隔及び前記呼気波形から吸気波形の時間間隔を抽出し、
前記状態判定手段は、前記吸気波形の振幅値及び前記呼気波形の振幅値が一定期間毎に設定した閾値を超えた部分の時間幅の総和が前記一定期間に占める割合の変化、一定期間毎の前記吸気波形から呼気波形の時間間隔又は前記呼気波形から吸気波形の時間間隔が閾値を超えた時間間隔の抽出回数若しくは合計値に基づいて、前記被験者の無呼吸状態若しくは低呼吸状態の判定又は酸素摂取状態の推定を行う
ことを特徴とする寝息呼吸音解析装置。
【請求項2】
前記特徴値抽出手段は、少なくとも前記吸気波形の時間間隔又は前記呼気波形の時間間隔を抽出し、
前記状態判定手段は、前記所定期間における前記吸気波形の時間間隔又は前記呼気波形の時間間隔の変化度合に基づいて、前記被験者の睡眠状態がレム睡眠であるかノンレム睡眠であるかの判定を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の寝息呼吸音解析装置。
【請求項3】
前記特徴値抽出手段は、少なくとも前記吸気波形の時間幅及び前記呼気波形の時間幅又は少なくとも前記吸気波形の振幅値及び前記呼気波形の振幅値を抽出し、
前記状態判定手段は、前記所定期間における前記吸気波形の時間幅と前記呼気波形の時間幅の長さの関係又は前記吸気波形の振幅値と前記呼気波形の振幅値の大きさの関係に基づいて、前記被験者が低酸素状態か否かの判定を行う
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の寝息呼吸音解析装置。
Detailed description of the invention 【技術分野】
【0001】
この発明は、測定された寝息呼吸音を解析して、睡眠状態や睡眠時における無呼吸及び低呼吸状態を判定する寝息呼吸音解析装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の睡眠計測装置では身体にセンサー等を装着したり、被検者に麻酔をかけたりしなければならなかったため、手間がかかるだけでなく睡眠の妨げとなることもあった。
また、市販の簡易な睡眠計では装置の動きや寝相により測定結果に大きなずれが生じるなど、精度が高いとは言いがたかった。
さらに、センサーマットを、使用する寝具の下に敷くだけで測定できるものもあるが、値段が高いことや出張先などでの使用が難しいなどの問題がある。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2014-64675号公報)には、呼気音発生器を被検者の鼻及び/又は口を覆うように装着して呼吸音を高周波音に変換し、その音を受信して解析を行うことで、非拘束かつ低侵襲で無呼吸を検知することが可能な無呼吸検知システムが記載されている。
また、特許文献2(特開2006-320641号公報)には、被検者に麻酔による人工的短時間睡眠を起こさせ、この被検者の睡眠中の呼吸音を解析することによって睡眠時無呼吸症の有無又は軽重を定量的に判定するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2014-64675号公報
【特許文献2】特開2006-320641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、従来の各種システムにおける様々な問題点を解消するため、自然な状態で眠っている人の寝息呼吸音を集音マイクや顔の近くに設置したマイクで検出し、検出した寝息呼吸音のデータを解析することによって、精度良く睡眠状態や睡眠時における無呼吸及び低呼吸を判定し、酸素摂取状態を推定できる寝息呼吸音解析装置及び方法の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、被験者の寝息呼吸音を検出する寝息呼吸音検出手段と、該寝息呼吸音検出手段で検出された寝息信号に基づいて、呼吸特徴波形を得る呼吸特徴波形取得手段と、前記呼吸特徴波形において吸気波形と呼気波形を判別する呼吸波形判別手段と、前記呼吸特徴波形における吸気波形の時間間隔、呼気波形の時間間隔、吸気波形から呼気波形の時間間隔、呼気波形から吸気波形の時間間隔、吸気波形の時間幅、呼気波形の時間幅、吸気波形の振幅値及び呼気波形の振幅値から選択した一又は複数の特徴値を抽出する特徴値抽出手段と、所定期間における前記一又は複数の特徴値に基づいて、前記所定期間における前記被験者の睡眠状態の判定、無呼吸状態若しくは低呼吸状態の判定又は酸素摂取状態の推定を行う状態判定手段を備える寝息呼吸音解析装置において、
前記特徴値抽出手段は、少なくとも前記吸気波形の振幅値及び前記呼気波形の振幅値又は少なくとも前記吸気波形から呼気波形の時間間隔及び前記呼気波形から吸気波形の時間間を抽出し、
前記状態判定手段は、前記吸気波形の振幅値及び前記呼気波形の振幅値が一定期間毎に設定した閾値を超えた部分の時間幅の総和が前記一定期間に占める割合の変化、一定期間毎の前記吸気波形から呼気波形の時間間隔又は前記呼気波形から吸気波形の時間間隔が閾値を超えた時間間隔の抽出回数若しくは合計値に基づいて、前記被験者の無呼吸状態若しくは低呼吸状態の判定又は酸素摂取状態の推定を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項に係る発明は、請求項1に記載の寝息呼吸音解析装置において、前記特徴値抽出手段は、少なくとも前記吸気波形の時間間隔又は前記呼気波形の時間間隔を抽出し、前記状態判定手段は、前記所定期間における前記吸気波形の時間間隔又は前記呼気波形の時間間隔の変化度合に基づいて、前記被験者の睡眠状態がレム睡眠であるかノンレム睡眠であるかの判定を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項に係る発明は、請求項1又は2に記載の寝息呼吸音解析装置において、前記特徴値抽出手段は、少なくとも前記吸気波形の時間幅及び前記呼気波形の時間幅又は少なくとも前記吸気波形の振幅値及び前記呼気波形の振幅値を抽出し、前記状態判定手段は、前記所定期間における前記吸気波形の時間幅と前記呼気波形の時間幅の長さの関係又は前記吸気波形の振幅値と前記呼気波形の振幅値の大きさの関係に基づいて、前記被験者が低酸素状態か否かの判定を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明の寝息呼吸音解析装置によれば、寝息呼吸音検出手段で検出された寝息信号に基づいて、呼吸特徴波形を得る呼吸特徴波形取得手段と、呼吸特徴波形において吸気波形と呼気波形を判別する呼吸波形判別手段を備えているので、特徴値抽出手段によって、吸気波形の時間間隔、呼気波形の時間間隔、吸気波形から呼気波形の時間間隔、呼気波形から吸気波形の時間間隔、吸気波形の時間幅、呼気波形の時間幅、吸気波形の振幅値及び呼気波形の振幅値から選択した一又は複数の特徴値を抽出することができる。
そして、状態判定手段により、抽出した特徴値の所定期間における合計値、平均値又は変化度合に基づいて、所定期間における被験者の睡眠状態の判定又は酸素摂取状態の推定を行えば、寝息呼吸音を非拘束で直接検出するシステムであるにもかかわらず、従来の同様のシステムに比べ、判定又は推定精度が格段に向上するという効果が得られる。
また、身体にセンサー等を装着したり、被検者に麻酔をかけたりする必要がないので、手間がかからず被験者の睡眠を妨げることもない。
そのため、睡眠障害の早期発見、電車、バス、タクシーの運転手等、居眠りが事故をもたらす危険性のある仕事に携わっている人の睡眠状態チェックなどへの利用性が高い。
さらに、吸気波形の振幅値及び呼気波形の振幅値が一定期間毎に設定した閾値を超えた部分の時間幅の総和が一定期間に占める割合の変化、一定期間毎の吸気波形から呼気波形の時間間隔又は呼気波形から吸気波形の時間間隔が閾値を超えた時間間隔の抽出回数若しくは合計値に基づいて、被験者の無呼吸状態若しくは低呼吸状態の判定又は酸素摂取状態の推定を精度良く行うことができるという効果が得られる。
【0015】
請求項に係る発明の寝息呼吸音解析装置によれば、請求項1に係る発明の効果に加え、所定期間における吸気波形の時間間隔又は呼気波形の時間間隔の変化度合に基づいて、被験者の睡眠状態がレム睡眠であるかノンレム睡眠であるかの判定を精度良く行うことができるという効果が得られる。
【0016】
請求項に係る発明の寝息呼吸音解析装置によれば、請求項1又は2に係る発明の効果に加え、所定期間における吸気波形の時間幅と前記呼気波形の時間幅の長さの関係又は前記吸気波形の振幅値と前記呼気波形の振幅値の大きさの関係に基づいて、被験者が低酸素状態か否かの判定を精度良く行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例に係る寝息呼吸音解析装置を含むシステムの概要を示す図。
【図2】寝息信号の実例及びその寝息信号を処理した結果のグラフを示す図。
【図3】無呼吸状態か否かを判定する第1の方法についての説明図。
【図4】無呼吸状態か否かを判定する第2の方法についての説明図。
【図5】レム睡眠であるかノンレム睡眠であるかを判定する方法についての説明図。
【図6】低酸素状態か否かを判定する方法についての説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施例を説明する前に、本発明の寝息呼吸音解析装置を含む寝息計測・解析システムの概要について説明する。
図1に示すように、個人宅・介護施設等1で就寝中の被験者2の鼻部周囲に寝息呼吸音を検出する寝息呼吸音検出手段3(集音マイク等)を設置する。
寝息呼吸音検出手段3で検出された寝息信号(音声データ)は、寝息呼吸音検出手段3が備えるBluetooth(登録商標)等の無線通信手段4を介して、被験者が所有する携帯端末5(タブレット型端末やスマートフォン)に一旦送られ、その携帯端末からインターネット等の無線通信回線を経由してデータサーバー機能を有する寝息呼吸音解析装置6に送信される。
寝息呼吸音解析装置6は、内蔵する記憶装置やクラウドメモリに受信した寝息信号を記憶させ、各種の信号処理を行ってデータ解析を行う。そして、その解析結果は携帯端末5や被験者2が通院している病院・診療所等7に設置されている端末8(PC等)に送られ、被験者2や主治医等9がその解析結果を確認できるようになっている。
そして、本発明はこのような寝息計測・解析システムにおける寝息呼吸音解析装置及び方法に関する。
以下、実施例によって本発明の実施形態を説明する。
【実施例】
【0020】
図2は、寝息信号の実例及びその寝息信号を処理した結果のグラフを示す図であり、これらのグラフを用いて、実施例に係る寝息呼吸音解析装置が寝息信号をどのように処理するかについて説明する。
寝息呼吸音解析装置は、まず寝息信号から所定長さ(例えば10秒)ごとについての閾値Hvを設定し、寝息信号がHvを超えた部分の時間δi(i=1~n)の総和を所定長さで割った値、すなわち、閾値Hvを超えたデータの総数を所定長さにおけるデータの総数(例えばサンプリング周波数が11025Hzの場合、10秒間のデータの総数は110250)で割った値の変化を呼吸の変動とみなし、無呼吸判別用パラメータとして使用する。
【実施例】
【0021】
次に、寝息信号に対して吸気又は呼気のうちどちらか値の小さい信号が顕著に現れるように増幅処理を行った後、50~2000Hzのバンドパスフィルター処理と正規化を行い、処理後信号を得る(図2の処理後信号のグラフ)。
そして、処理後信号の包絡線を求め呼吸特徴波形を得る(図2の呼吸特徴波形のグラフ)。
この処理は、所定長さデータごとに同様に行われる。
その後、適宜選択した所定期間で得られた呼吸特徴波形に対して、様々な処理を施し、1又は複数の特徴値を抽出し、その所定期間における被験者2の睡眠状態の判定、無呼吸状態若しくは低呼吸状態の判定又は酸素摂取状態の推定を行う。処理の一例としては、吸気波形の時間間隔、すなわち呼吸周期Tdを求める処理、吸気波形から呼気波形の時間間隔Teを抽出する処理、吸気波形の時間幅T1を抽出する処理、呼気波形の時間幅T2を抽出する処理、吸気と呼気間の呼吸停止時間間隔Tsを抽出する処理が挙げられる。
また、適宜設定した期間中における呼吸特徴波形に周波数解析を施し、図2のスペクトルのグラフに見られるように、第1ピークに対応する周波数fd(0.25Hz)又は第2ピークに対応する周波数fe(0.5Hz)を求め、T≒1/fの関係からTdの平均値(≒4秒)又はTeの平均値(≒2秒)を導出すると、簡便な処理によって呼吸周期Tdや吸気波形から呼気波形の時間間隔Teの平均値を求めることができる。
【実施例】
【0022】
図3は、無呼吸状態若しくは低呼吸状態か否かを判定する第1の方法についての説明図であり、これらのグラフを用いて、被験者2が無呼吸状態若しくは低呼吸状態か否かを判定する方法について説明する。
呼吸変動のグラフは、寝息信号に基づいて求めた上述の無呼吸判別用パラメータの変動を示すものである。
平滑化呼吸変動のグラフは、所定期間の呼吸変動データに平滑化処理を施して得られる時系列データを示しており、無呼吸のグラフは、呼吸変動データとその移動平均値の差を求め、その差の変化が所定の閾値より小さい場合をLow、大きい場合をHighとしたものである。
無呼吸のグラフにおいて、Lowになっている部分が無呼吸若しくは低呼吸状態となっていることを示し、50分過ぎの4回のLow部分のうち最後のLow部分を精査したところ、57分7秒~57分42秒にかけて約35秒間にわたって無呼吸状態が継続していた。
【実施例】
【0023】
図4は、無呼吸状態若しくは低呼吸状態か否かを判定する第2の方法についての説明図であり、このグラフを用いて、被験者2が無呼吸状態若しくは低呼吸状態か否かを判定する方法について説明する。
所定期間の呼吸特徴波形において、吸気と呼気間の呼吸停止時間間隔Tsを抽出する処理を施した後、Tsが閾値(例えば10秒)を超えている部分Tnを抽出する。Tnの抽出回数ならびに間隔長さが睡眠時無呼吸状態若しくは低呼吸状態を示すパラメータである。また、所定閾値を超えた時間間隔Tnの変化を酸素摂取状態の推測に用いる。
【実施例】
【0024】
図5は、レム睡眠であるかノンレム睡眠であるかを判定する方法についての説明図であり、このグラフを用いて、被験者2がレム睡眠状態かノンレム睡眠状態かを判定する方法について説明する。
呼吸周期のグラフは、呼吸特徴波形から求めた呼吸周期Tdが変動する様子を示しており、Tdが激しく変動し呼吸周期のばらつきが大きいところでは、呼吸が不規則なレム睡眠状態となっており、Tdが安定し呼吸周期のばらつきが小さいところでは、呼吸が規則的なノンレム睡眠状態となっている。
移動平均のグラフは、測定対象期間の呼吸周期データに移動平均処理を施して得られる時系列データを示しており、周期の短いところでは、レム睡眠状態となっており、周期の長いところではノンレム睡眠状態となっている。
睡眠状態のグラフは、呼吸周期データとその移動平均値の差を求め、その差の変化が所定の閾値より大きい場合をLow、小さい場合をHighとしたものである。
睡眠状態のグラフにおいて、Lowになっている部分が覚醒状態又はレム睡眠状態となっていることを示し、Highになっている部分がノンレム睡眠状態となっていることを示している。
【実施例】
【0025】
図6は、低酸素状態か否かを判定する方法についての説明図であり、このグラフと図2の呼吸特徴波形のグラフを用いて、被験者2が低酸素状態か否かを判定する方法について説明する。
図2の呼吸特徴波形のグラフにおいて、吸気波形の時間幅T1が呼気波形の時間幅T2より長い場合、気道が狭くなり吸気困難によって、T1が長くなっていることが考えられ、これは低酸素の状態と判定される。
また、吸気波形の振幅値が呼気波形の振幅値より大きい場合も、同様に低酸素の状態と判定される。
すなわち、図6の呼吸特徴波形のグラフにおいて、吸気波形の振幅値が直後の呼気波形の振幅値より大きく、かつ、その吸気波形の時間幅が直後の呼気波形の時間幅より大きくなっているところ(四角で囲った部分)は、個人差はあるものの、被験者2が十分に空気を吸い込めなかった可能性から血中酸素濃度が低下している疑いがある。
【実施例】
【0026】
実施例が適用される寝息計測・解析システム並びに実施例の寝息呼吸音解析装置及び方法に関する変形例を列記する。
(1)実施例が適用される寝息計測・解析システムにおいては、寝息呼吸音検出手段3(集音マイク等)を就寝中の被験者2の鼻部周囲に設置したが、被験者2の枕元、上方(天井等)、被験者2の頭の近くにある柵若しくは照明器具等、又は被験者2が着用しているパジャマ等に設置しても良い。
(2)実施例が適用される寝息計測・解析システムにおいては、寝息呼吸音検出手段3で検出された寝息信号は、被験者が所有する携帯端末5に一旦送られるが、パーソナルコンピュータや専用端末に送られるようにしても良く、寝息呼吸音検出手段3自体に送信機能を持たせて直接寝息呼吸音解析装置6に送信できるようにしても良い。
(3)実施例においては、被験者2の睡眠状態の判定、無呼吸状態若しくは低呼吸状態の判定又は酸素摂取状態の推定を行う点しか説明していないが、いずれの場合も、判定や推定した結果について分かり易く説明する図、絵又は文言等を携帯端末5や端末8に表示し、被験者2や主治医等9が睡眠状態、無呼吸状態、低呼吸状態又は酸素摂取状態を把握し易くした方が良い。
(4)実施例の図2及び図5についての説明では、吸気波形の時間間隔を呼吸周期とし、呼吸周期のばらつきの大小によって、被験者2がレム睡眠状態かノンレム睡眠状態かを判定しているが、呼気波形の時間間隔を呼吸周期とし、同様にして被験者2がレム睡眠状態かノンレム睡眠状態かを判定するようにしても良い。
【符号の説明】
【0027】
1 個人宅・介護施設等 2 被験者 3 寝息呼吸音検出手段
4 無線通信手段 5 携帯端末 6 寝息呼吸音解析装置
7 病院・診療所等 8 端末 9 主治医等
Drawing
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5