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Specification :トレーニングシステム

Country 日本国特許庁(JP)
Gazette 公開特許公報(A)
Publication number 特開2017-189538 (P2017-189538A)
Date of publication of application 平成29年10月19日(2017.10.19)
Title of the invention, or title of the device トレーニングシステム
IPC (International Patent Classification) A61B   8/12        (2006.01)
G09B  23/30        (2006.01)
FI (File Index) A61B 8/12
G09B 23/30
Number of claims or invention 5
Filing form OL
Total pages 13
Application Number 特願2016-082398 (P2016-082398)
Date of filing 平成28年4月15日(2016.4.15)
Inventor, or creator of device 【氏名】土井 章男
【氏名】野口 恭子
【氏名】菊池 昭彦
Applicant 【識別番号】507234427
【氏名又は名称】公立大学法人岩手県立大学
【識別番号】507148456
【氏名又は名称】学校法人 岩手医科大学
Representative 【識別番号】100108833、【弁理士】、【氏名又は名称】早川 裕司
【識別番号】100162156、【弁理士】、【氏名又は名称】村雨 圭介
Request for examination 未請求
Theme code 2C032
4C601
F-term 2C032CA03
2C032CA06
4C601EE11
4C601EE30
4C601FE07
4C601GA19
4C601GA21
4C601GA24
4C601GA25
4C601LL19
Abstract 【課題】経腟法による超音波検査のトレーニングを行うことの可能なトレーニングシステムを提供する。
【解決手段】腟腔が形成された生体模型の腟腔内に挿入可能なプローブ部材に設けられた検出装置であって、前記プローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報を検出する検出装置が検出した情報を取得する取得手段31と、プローブ部材が腟腔内に挿入されている場合に、取得した情報に基づいて、腟腔内におけるプローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方を推定する推定手段32と、を備える。
【選択図】図3
Scope of claims 【請求項1】
経腟法による超音波検査のトレーニングシステムであって、
腟腔が形成された生体模型の腟腔内に挿入可能なプローブ部材に設けられた検出装置であって、前記プローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報を検出する検出装置が検出した情報を取得する取得手段と、
前記プローブ部材が前記腟腔内に挿入されている場合に、取得した情報に基づいて、前記腟腔内における前記プローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方を推定する推定手段と、
を備えるトレーニングシステム。
【請求項2】
前記検出装置は、前記プローブ部材の加速度及び角速度の少なくとも一方を前記プローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報として検出する、請求項1に記載のトレーニングシステム。
【請求項3】
推定された前記プローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報を提示する提示手段を備える、請求項1又は2に記載のトレーニングシステム。
【請求項4】
前記腟腔内における位置及び方向の少なくとも一方と、事前に得られた超音波画像と、を対応付けた状態で記憶する記憶手段を備え、
前記提示手段は、前記プローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方が推定された場合に、前記腟腔内における位置及び方向の少なくとも一方のうち、推定された位置及び方向の少なくとも一方との間で所定の条件を満たす位置及び方向の少なくとも一方に対応付けられた超音波画像を提示する、請求項3に記載のトレーニングシステム。
【請求項5】
前記検出装置は、3軸加速度及び3軸角速度の少なくとも一方を検出するように構成されており、
前記取得手段は、前記検出装置が検出した3軸加速度及び3軸角速度の少なくとも一方に関する情報を取得する、請求項1~4の何れかに記載のトレーニングシステム。
Detailed description of the invention 【技術分野】
【0001】
本発明は、経腟法による超音波検査のトレーニングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
妊娠初期や非妊娠時には、超音波を用いて体内を診察するための超音波検査が行われている。超音波検査の一つの方法として知られる経腟法では、超音波プローブを腟腔に挿入して、子宮や卵巣の形及び大きさ、内膜の厚さ等の計測、子宮筋腫、卵巣腫瘍、子宮内膜症等を診断することが可能である。また、経腟法による超音波検査では、子宮内の胎芽が入った胎嚢や胎児の心拍を確認することも可能である。経腟法を行うためには、超音波プローブを膣腔内部に適切に挿入する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、経腟法による超音波検査のトレーニングを人体を用いて行う場合には、自身の体を用いてトレーニングが行われることに対して被検者が抵抗を感じる場合があるので、トレーニングを行うことが困難であった。また、臨床の場では、体内に異常が生じていると診断することを経験する機会が少ないことから、トレーニングを効率的に行うことが困難であった。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、経腟法による超音波検査のトレーニングを行うことの可能なトレーニングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、経腟法による超音波検査のトレーニングシステムであって、腟腔が形成された生体模型の腟腔内に挿入可能なプローブ部材に設けられた検出装置であって、前記プローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報を検出する検出装置が検出した情報を取得する取得手段と、前記プローブ部材が前記腟腔内に挿入されている場合に、取得した情報に基づいて、前記腟腔内における前記プローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方を推定する推定手段と、を備えるトレーニングシステムを提供する(発明1)。
【0006】
ここで、プローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報とは、例えば、プローブ部材の加速度であってもよいし、プローブ部材の角速度であってもよいし、プローブ部材における磁界の大きさや方向等であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
【0007】
かかる発明(発明1)によれば、プローブ部材に設けられた検出装置が検出したプローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報に基づいて、腟腔内におけるプローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方を推定することができる。これにより、プローブ部材が腟腔内に適切に挿入されているか否かを判別することが可能になるので、経腟法による超音波検査のトレーニングを行うことができる。
【0008】
上記発明(発明1)においては、前記検出装置は、前記プローブ部材の加速度及び角速度の少なくとも一方を前記プローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報として検出するのが好ましい(発明2)。
【0009】
ここで、プローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報とは、例えば、加速度及び角速度の少なくとも一方の値であってもよいし、加速度及び角速度の少なくとも一方の値を所定の計算式に代入することによって得られた値であってもよいし、加速度及び角速度の少なくとも一方の度合いを表す情報であってもよい。
【0010】
かかる発明(発明2)によれば、検出装置が検出した加速度及び角速度の少なくとも一方に基づいて、腟腔内におけるプローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方を推定することができる。これにより、例えば検出装置が、磁界の大きさや方向等を検出する磁気センサで構成されている場合と比較して、トレーニングシステムを安価に構成することが可能になる。
【0011】
上記発明(発明1~2)においては、推定された前記プローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報を提示する提示手段を備えるのが好ましい(発明3)。
【0012】
かかる発明(発明3)によれば、推定されたプローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報が提示されるので、例えばトレーニングを行うユーザやトレーニングの指導者等は、提示された情報に基づいて、生体模型の腟腔内におけるプローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方が適切であるか否かを容易に判別することができる。
【0013】
上記発明(発明3)においては、前記腟腔内における位置及び方向の少なくとも一方と、事前に得られた超音波画像と、を対応付けた状態で記憶する記憶手段を備え、前記提示手段は、前記プローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方が推定された場合に、前記腟腔内における位置及び方向の少なくとも一方のうち、推定された位置及び方向の少なくとも一方との間で所定の条件を満たす位置及び方向の少なくとも一方に対応付けられた超音波画像を提示するのが好ましい(発明4)。
【0014】
かかる発明(発明4)によれば、推定されたプローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方との間で所定の条件を満たす位置及び方向の少なくとも一方に対応付けられた超音波画像が提示されるので、実際の経腟法による超音波検査と同じ状況を想定してトレーニングを行うことができる。
【0015】
上記発明(発明1~4)においては、前記検出装置は、3軸加速度及び3軸角速度の少なくとも一方を検出するように構成されており、前記取得手段は、前記検出装置が検出した3軸加速度及び3軸角速度の少なくとも一方に関する情報を取得するのが好ましい(発明5)。
【0016】
かかる発明(発明5)によれば、生体模型の腟腔内におけるプローブ部材の位置及び方向の少なくとも一方を3次元で推定することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のトレーニングシステムによれば、経腟法による超音波検査のトレーニングを行うことができ、ひいては、例えば産婦人科の医師や看護師等の超音波検査のスキルを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るトレーニングシステムの基本構成を概略的に示す図である。
【図2】トレーニング装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るトレーニングシステムで主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
【図4】超音波画像データの構成例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るトレーニングシステムの主要な処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】変形例における検出装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。ただし、この実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。

【0020】
(1)トレーニングシステムの基本構成
図1は、本発明の一実施形態に係るトレーニングシステムの基本構成を概略的に示す図である。図1に示すように、このトレーニングシステムは、経腟法による超音波検査のトレーニングシステムであって、腟腔が形成された生体模型Aの腟腔内に挿入されたプローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方を、トレーニング装置20が推定するようになっている。プローブ部材10の先端部(プローブヘッド)には、プローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報を検出する検出装置11が設けられており、検出装置11と、トレーニング装置20とは、有線又は無線で通信可能に接続されている。ここで、プローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報とは、例えば、プローブ部材10の加速度であってもよいし、プローブ部材10の角速度であってもよいし、プローブ部材10における磁界の大きさや方向等であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。

【0021】
なお、本実施形態では、検出装置11がプローブ部材10の先端部に設けられている場合を一例として説明しているが、この場合に限られない。検出装置11は、例えば、プローブ部材10において、プローブ部材10の先端部との相対的な位置関係が一定に保たれるような部分(例えば根元部(後端部)等)に設けられ、当該部分に配置された状態でプローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報を検出してもよい。

【0022】
生体模型Aは、例えば卵巣、卵管、子宮、腟等の女性生殖器が形成された人体模型であって、成型が容易で、弾力性を有し、生体と同等又は類似の物理的性質を有する材料(例えば、シリコーン、塩化ビニル、ポリウレタン等から選択される合成高分子材料等)で構成されている。

【0023】
プローブ部材10は、経腟法による超音波検査に用いられる超音波プローブと同様の形状を有する部材であって、先端側が生体模型Aの腟腔内に挿入可能に形成されている。プローブ部材10は、超音波プローブであってもよいし、超音波の発生及び探知機能を有しない疑似プローブであってもよい。ここで、プローブ部材10が超音波プローブである場合には、プローブ部材10は、トレーニング装置20と有線又は無線で通信可能に接続されており、2次元又は3次元の超音波画像を生成するための超音波データを検出して、検出した超音波データをトレーニング装置20に送信してもよい。

【0024】
検出装置11には、加速度センサ及び角速度センサの少なくとも一方が設けられており、検出装置11は、プローブ部材10の加速度及び角速度の少なくとも一方をプローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報として検出するようになっている。検出装置11は、加速度センサが設けられている場合に、検出した加速度に関する情報をトレーニング装置20に送信する。また、検出装置11は、角速度センサが設けられている場合に、検出した角速度に関する情報をトレーニング装置20に送信する。加速度センサは、1軸加速度センサであってもよいし、2軸以上の複数軸加速度センサであってもよい。また、角速度センサは、1軸角速度センサであってもよいし、2軸以上の複数軸角速度センサであってもよい。なお、本実施形態では、3軸加速度センサ及び3軸角速度センサの各々が検出装置11に設けられている場合を一例として説明する。この場合、検出装置11は、3軸加速度及び3軸角速度を検出することが可能である。

【0025】
(2)トレーニング装置の構成
図2を参照してトレーニング装置20について説明する。図2は、トレーニング装置20の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、トレーニング装置20は、CPU(Central Processing Unit)21と、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23と、HDD(Hard Disk Drive)24と、表示処理部25と、表示部26と、入力部27と、通信インタフェース部28とを備えており、各部間の制御信号又はデータ信号を伝送するためのバス29が設けられている。トレーニング装置20は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータであってもよいし、超音波診断装置であってもよい。

【0026】
CPU21は、電源がトレーニング装置20に投入されると、ROM22又はHDD24に記憶された各種のプログラムをRAM23にロードして実行する。CPU21は、検出装置11から送信された信号を通信インタフェース部28を介して受信し、その信号を解釈する。また、プローブ部材10が超音波プローブである場合には、CPU21は、プローブ部材10から送信された信号を通信インタフェース部28を介して受信し、その信号を解釈する。

【0027】
HDD24は不揮発性記憶装置であり、オペレーティングシステム(OS)やOS上で実行されるプログラムを記憶する。また、HDD24には、後述する超音波画像データ(図4に示す)が記憶されていてもよい。なお、ここでは、HDD24が設けられている場合を一例として説明しているが、HDD24の代わりに他の不揮発性記憶装置(例えばフラッシュメモリ等)が設けられてもよい。

【0028】
表示処理部25は、CPU21から与えられる表示用データを、表示部26に表示する。表示部26は、例えば、マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを含むLCD(Liquid Cristal Display)モニタであり、表示用データに基づいて薄膜トランジスタを駆動することで、表示されるデータを表示画面に表示する。

【0029】
トレーニング装置20が釦入力方式の通信端末である場合には、入力部27は、ユーザの操作入力を受け入れるための複数の釦を備え、各釦の押下(操作)入力を認識してCPU21へ出力するためのインタフェース回路を含む。

【0030】
トレーニング装置20がタッチパネル入力方式の装置である場合には、入力部27は、主として表示画面に指先又はペンで触れることによるタッチパネル方式の入力を受け付ける。タッチパネル入力方式は、静電容量方式等の公知の方式でよい。

【0031】
通信インタフェース部28は、検出装置11と通信を行うためのインタフェース回路を含む。また、プローブ部材10が超音波プローブである場合には、通信インタフェース28は、超音波プローブと通信を行うためのインタフェース回路を含んでもよい。

【0032】
(3)トレーニングシステムにおける各機能の概要
本実施形態に係るトレーニングシステムで実現される機能について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係るトレーニングシステムで主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。図3の機能ブロック図では、取得手段31及び推定手段32が本発明の主要な構成に対応している。他の手段(提示手段33及び記憶手段34)は必ずしも必須の構成ではないが、本発明をさらに好ましくするための構成要素である。

【0033】
なお、本実施形態のトレーニングシステムにおける各機能を説明するにあたって、検出装置11は、3軸加速度及び3軸角速度を常時又は所定間隔(例えば数十~数百ミリ秒間隔)で検出して発信するものと想定する。

【0034】
取得手段31は、腟腔が形成された生体模型Aの腟腔内に挿入可能なプローブ部材10に設けられた検出装置11であって、プローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報を検出する検出装置11が検出した情報を取得する機能を備える。

【0035】
なお、検出装置11は、プローブ部材10の加速度及び角速度の少なくとも一方をプローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報として検出してもよい。この場合における、プローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報とは、例えば、加速度及び角速度の少なくとも一方の値であってもよいし、加速度及び角速度の少なくとも一方の値を所定の計算式に代入することによって得られた値であってもよいし、加速度及び角速度の少なくとも一方の度合いを表す情報であってもよい。これにより、検出装置11が検出した加速度及び角速度の少なくとも一方に基づいて、腟腔内におけるプローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方を推定することができる。

【0036】
また、取得手段31は、検出装置11が3軸加速度及び3軸角速度の少なくとも一方を検出するように構成されている場合には、検出装置11が検出した3軸加速度及び3軸角速度の少なくとも一方に関する情報を取得してもよい。この場合、生体模型Aの腟腔内におけるプローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方を3次元で推定することができる。

【0037】
取得手段31の機能は、例えば以下のように実現される。トレーニング装置20のCPU21は、所定のタイミングを起点として、検出装置11から送信された情報(本実施形態では、3軸加速度及び3軸角速度に関する情報)を通信インタフェース部28を介して受信(取得)するごとに、受信した情報を例えばRAM23に記憶する。ここで、所定のタイミングとは、例えば入力部27を用いてトレーニングの開始が指示されたタイミングであってもよい。また、トレーニングは、プローブ部材10の先端が生体模型Aの腟口に接している状態で開始されてもよい。これにより、生体模型Aの腟口におけるプローブ部材10の位置及び方向を基準の位置及び方向として、腟腔内におけるプローブ部材10の位置及び方向を3次元で推定することができる。

【0038】
推定手段32は、プローブ部材10が腟腔内に挿入されている場合に、取得した情報に基づいて、腟腔内におけるプローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方を推定する機能を備える。

【0039】
推定手段32の機能は、例えば以下のように実現される。トレーニング装置20のCPU21は、プローブ部材10が腟腔内に挿入されている状態で検出装置11から送信された情報を取得手段31の機能に基づいて取得するごとに、取得した情報に基づいて、当該情報を前回取得したときからのプローブ部材10の移動距離及び回転方向を算出することによって、プローブ部材10の位置及び方向を推定する。なお、CPU21は、プローブ部材10の位置及び方向を推定すると、推定した位置及び方向のデータを例えばRAM23に記憶する。

【0040】
提示手段33は、推定されたプローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報を提示する機能を備える。これにより、推定されたプローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報が提示されるので、例えばトレーニングを行うユーザやトレーニングの指導者等は、提示された情報に基づいて、生体模型Aの腟腔内におけるプローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方が適切であるか否かを容易に判別することができる。

【0041】
提示手段33の機能は、例えば以下のように実現される。トレーニング装置20のCPU21は、推定手段32の機能に基づいてプローブ部材10の位置及び方向が推定されるごとに、例えばRAM23に記憶されたプローブ部材10の位置及び方向のデータを抽出する。そして、CPU21は、抽出した位置及び方向のデータを含むテキスト情報及び/又は画像情報を生成して、生成した情報を表示部26に表示させるように表示処理部25を制御してもよい。また、CPU21は、抽出した位置及び方向のデータを含む音声情報を生成して、生成した音声情報を、例えばトレーニング装置20に設けられた音声出力装置(例えばスピーカ等)から出力させてもよい。

【0042】
記憶手段34は、腟腔内における位置及び方向の少なくとも一方と、事前に得られた超音波画像と、を対応付けた状態で記憶する機能を備える。

【0043】
記憶手段34の機能は、例えば以下のように実現される。トレーニング装置20のCPU21は、例えば、事前に得られた超音波画像と、当該超音波画像が得られたときの腟腔内における超音波プローブの位置及び方向と、を含むデータが例えば入力部27を用いて入力された場合に、HDD24に記憶された超音波画像データにアクセスして、入力されたデータを超音波画像データに記憶する。また、CPU21は、超音波画像と、当該超音波画像が生成されたときの腟腔内における超音波プローブの位置及び方向と、を含むデータを、例えば外部装置から通信インタフェース部28を介して受信した場合に、受信したデータを超音波画像データに記憶してもよい。

【0044】
図4に示す超音波画像データは、腟腔内における超音波プローブの位置及び方向ごとに、当該位置及び方向において生成された超音波画像が対応付けられた状態で記録されているデータである。ここで、超音波画像は、事前に超音波プローブが取得した超音波データに基づいて生成されたものであって、人体を用いて生成されたものであってもよいし、生体模型Aを用いて生成されたのであってもよい。

【0045】
ここで、提示手段33は、プローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方が推定された場合に、腟腔内における位置及び方向の少なくとも一方のうち、推定された位置及び方向の少なくとも一方との間で所定の条件を満たす位置及び方向の少なくとも一方に対応付けられた超音波画像を提示してもよい。これにより、推定されたプローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方との間で所定の条件を満たす位置及び方向の少なくとも一方に対応付けられた超音波画像が提示されるので、実際の経腟法による超音波検査と同じ状況を想定してトレーニングを行うことができる。

【0046】
なお、所定の条件は、例えば、超音波データに記憶されている位置及び方向と、推定手段32の機能に基づいて推定された位置及び方向との差が所定値以下であること、であってもよい。この場合、生体模型Aの腟腔内におけるプローブ部材10の位置及び方向に近い位置及び方向において事前に得られた超音波画像を提示することが可能になる。

【0047】
また、所定の条件は、超音波データに記憶されている位置と、推定手段32の機能に基づいて推定された位置との差が所定値以下であること、であってもよい。さらに、所定の条件は、超音波データに記憶されている方向と、推定手段32の機能に基づいて推定された方向との差が所定値以下であること、であってもよい。

【0048】
この場合における提示手段33の機能は、例えば以下のように実現される。なお、ここでは、所定の条件が、超音波データに記憶されている位置及び方向と、推定手段32の機能に基づいて推定された位置及び方向との差が所定値以下であること、である場合を一例として説明する。トレーニング装置20のCPU21は、推定手段32の機能に基づいてプローブ部材10の位置及び方向が推定されるごとに、超音波データにアクセスして、超音波データに記憶されている位置及び方向のうち、超音波データに記憶されている位置と推定された位置との差が所定値以下であって、超音波データに記憶されている方向と推定された方向との差が所定値以下である位置及び方向を抽出する。そして、CPU21は、位置及び方向を抽出した場合に、抽出した位置及び方向に対応する超音波画像を表示部26に表示させるように表示処理部25を制御する。

【0049】
(4)本実施形態のトレーニングシステムの主要な処理のフロー
次に、本実施形態のトレーニングシステムにより行われる主要な処理のフローの一例について、図5のフローチャートを参照して説明する。

【0050】
先ず、検出装置11は、3軸加速度及び3軸角速度を常時又は所定間隔(例えば数十~数百ミリ秒間隔)で検出して発信する。

【0051】
一方、トレーニング装置20のCPU21は、所定のタイミングを起点として、検出装置11から送信された情報(本実施形態では、3軸加速度及び3軸角速度に関する情報)を通信インタフェース部28を介して受信(取得)するごとに、受信した情報を例えばRAM23に記憶する(ステップS100)。

【0052】
次に、トレーニング装置20のCPU21は、プローブ部材10が腟腔内に挿入されている状態で検出装置11から送信された情報を取得すると、取得した情報に基づいて、当該情報を前回取得したときからのプローブ部材10の移動距離及び回転方向を算出することによって、プローブ部材10の位置及び方向を推定する(ステップS102)。

【0053】
そして、トレーニング装置20のCPU21は、プローブ部材10の位置及び方向が推定されると、推定された位置及び方向を含むテキスト情報及び/又は画像情報を生成して、生成した情報を表示部26に表示させるように表示処理部25を制御する(ステップS104)。次いで、CPU21は、ステップS100の処理に移行してもよい。

【0054】
上述したように、本実施形態のトレーニングシステムによれば、プローブ部材10に設けられた検出装置11が検出したプローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報に基づいて、腟腔内におけるプローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方を推定することができる。これにより、プローブ部材10が腟腔内に適切に挿入されているか否かを判別することが可能になるので、経腟法による超音波検査のトレーニングを行うことができる。

【0055】
なお、本実施形態の取得手段31、推定手段32、提示手段33及び記憶手段34の各機能を実現するプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。このプログラムを記録した記憶媒体は、図2に示されたトレーニング装置20のROM22又はHDD24であってもよい。また、この記憶媒体は、例えばCD-ROMドライブ等のプログラム読取装置に挿入されることで読み取り可能なCD-ROM等であってもよい。さらに、この記憶媒体は、磁気テープ、カセットテープ、フレキシブルディスク、MO/MD/DVD等であってもよいし、半導体メモリであってもよい。

【0056】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。

【0057】
上記実施形態では、提示手段33が、プローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方が推定された場合に、腟腔内における位置及び方向の少なくとも一方のうち、推定された位置及び方向の少なくとも一方との間で所定の条件を満たす位置及び方向の少なくとも一方に対応付けられた超音波画像を提示する場合を一例として説明したが、この場合に限られない。例えば、プローブ部材10が超音波プローブである場合には、トレーニング装置20のCPU21は、実際の超音波検査においてプローブ部材10が人体の腟腔内に挿入されている状態でプローブ部材10が検出した超音波データに基づいて、超音波画像を生成してもよい。これにより、実際の超音波検査においてプローブ部材10を用いて得られた超音波画像を、超音波検査のトレーニングに用いることができる。

【0058】
また、トレーニング装置20のCPU21は、生成した超音波画像を表示部26に表示させるように表示処理部25を制御してもよい。さらに、CPU21は、生成した超音波画像を、超音波データを検出したプローブ部材10の腟腔内の位置及び方向の少なくとも一方に対応付けた状態で例えばHDD24に記憶してもよい。さらにまた、CPU21は、入力部27を用いた指示に基づいて、記憶された超音波画像を表示部26に表示させるように表示処理部25を制御してもよい。

【0059】
また、上記実施形態では、検出装置11が、加速度及び角速度を検出する場合を一例として説明したが、この場合に限られない。例えば、検出装置11は、加速度及び角速度の何れか一方を検出してもよい。この場合、トレーニング装置20のCPU21は、検出された加速度又は角速度に基づいて、プローブ部材10の位置又は方向を推定してもよい。

【0060】
さらに、上記実施形態では、検出装置11が加速度センサ及び角速度センサの各々を含む場合を一例として説明したが、この場合に限られない。例えば、検出装置11は、加速度センサ、角速度センサ及び磁気センサのうち少なくとも一つを含むように構成されてもよいし、加速度、角速度及び磁界の各々を検出可能なセンサ(例えば、モーションセンサ等)で構成されてもよい。

【0061】
図6は、上述した実施形態の変形例における検出装置11の構成を示すブロック図である。本変形例において、検出装置11は、磁気センサとして構成されており、トランスミッタ11aと、レシーバ11bと、制御部11cと、通信インタフェース部11dと、を備えている。なお、検出装置11が磁気センサとして構成されている場合には、生体模型Aは、非磁性物質で構成されていることが好ましく、例えば、シリコーン、塩化ビニル、ポリウレタン等から選択される合成高分子材料等で構成されてもよい。

【0062】
トランスミッタ11aは、磁界を発生する装置であり、制御部11cの制御に基づいて電流が流れることによって磁界を発生するように構成されている。レシーバ11bは、プローブ部材10の先端部に設けられており、内部にコイルを備えている。このコイルは、レシーバ11bがトランスミッタ11aの発する磁界内に存在する場合に、誘導電流が発生するようになっている。なお、トランスミッタ11aの設置位置は、トランスミッタ11aの発する磁界内にレシーバ11bが存在し得る範囲内であれば、特に限定されない。

【0063】
また、本変形例では、レシーバ11bがプローブ部材10の先端部に設けられている場合を一例として説明しているが、この場合に限られない。レシーバ11bは、例えば、プローブ部材10において、プローブ部材10の先端部との相対的な位置関係が一定に保たれるような部分(例えば根元部(後端部)等)に設けられてもよい。

【0064】
制御部11cは、CPU、RAM、ROM、HDD等を備えており、電源が検出装置11に投入されると、例えばROM又はHDDに記憶されたプログラムをRAMにロードして実行する。制御部11cは、例えば所定の制御信号をトランスミッタ11aに送信して、トランスミッタ11aに流れる電流を制御する。また、制御部11cは、レシーバ11bで発生した誘導電流を測定することによって、トランスミッタ11aの位置を基準とするレシーバ11bの位置及び方向(つまり、プローブ部材10の位置及び方向)を計測する。

【0065】
通信インタフェース部11dは、トレーニング装置20と有線又は無線で通信を行うためのインタフェース回路を含む。制御部11cは、計測したレシーバ11bの位置及び方向に関する情報を、通信インタフェース部11dを介してトレーニング装置20に送信する。

【0066】
本変形例における検出装置11を用いた場合であっても、プローブ部材10に設けられたレシーバ11bが検出したプローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方に関する情報に基づいて、腟腔内におけるプローブ部材10の位置及び方向の少なくとも一方を推定することができる。

【0067】
さらに、上述した実施形態では、トレーニング装置20によって、取得手段31、推定手段32、提示手段33及び記憶手段34の各機能を実現する構成としたが、この構成に限られない。これらの全ての手段をプローブ部材10又は検出装置11によって実現する構成としてもよいし、少なくとも一部の手段をプローブ部材10又は検出装置11によって実現する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
上述したような本発明のトレーニングシステムは、経腟法による超音波検査のトレーニングを行うことができ、ひいては、例えば産婦人科の医師や看護師等の超音波検査のスキルを向上させることができるので、その産業上の利用可能性は極めて大きい。
【符号の説明】
【0069】
10…プローブ部材
11…検出装置
20…トレーニング装置
31…取得手段
32…推定手段
33…提示手段
34…記憶手段
A…生体模型
Drawing
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
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