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Specification :固体高分子電解質及びその製造方法

Country 日本国特許庁(JP)
Gazette 特許公報(B2)
Patent Number 特許第3978493号 (P3978493)
Publication number 特開2004-335231 (P2004-335231A)
Date of registration 平成19年7月6日(2007.7.6)
Date of issue 平成19年9月19日(2007.9.19)
Date of publication of application 平成16年11月25日(2004.11.25)
Title of the invention, or title of the device 固体高分子電解質及びその製造方法
IPC (International Patent Classification) H01M   8/02        (2006.01)
C08L 101/02        (2006.01)
H01B   1/06        (2006.01)
H01B  13/00        (2006.01)
H01M   8/10        (2006.01)
FI (File Index) H01M 8/02 P
H01M 8/02 E
C08L 101/02
H01B 1/06 A
H01B 13/00 Z
H01M 8/10
Number of claims or invention 4
Total pages 8
Application Number 特願2003-128410 (P2003-128410)
Date of filing 平成15年5月6日(2003.5.6)
Exceptions to lack of novelty of invention 特許法第30条第1項適用 平成15年3月25日頒布の「社団法人電気化学会発行の電気化学会創立70周年記念大会講演要旨集」に発表
Date of request for substantive examination 平成16年10月26日(2004.10.26)
Patentee, or owner of utility model right 【識別番号】304021288
【氏名又は名称】国立大学法人長岡技術科学大学
Inventor, or creator of device 【氏名】梅田 実
【氏名】山田 明文
Representative 【識別番号】100076532、【弁理士】、【氏名又は名称】羽鳥 修
【識別番号】100101292、【弁理士】、【氏名又は名称】松嶋 善之
Examiner 【審査官】守安 太郎
Document or reference 特開昭48-001074(JP,A)
特開平04-013741(JP,A)
特開昭55-161802(JP,A)
特表2002-512291(JP,A)
国際公開第01/094450(WO,A1)
特開2003-022824(JP,A)
特開2001-236973(JP,A)
特開平05-174856(JP,A)
特表2002-500678(JP,A)
特表2006-508493(JP,A)
特開昭58-076145(JP,A)
特開昭63-214304(JP,A)
Field of search H01B 1/06
H01M 8/02
C08J 5/18
Scope of claims 【請求項1】
酸性基を有する高分子と塩基性基を有する高分子とから形成されたポリイオンコンプレックスからなり、
酸性基を有する高分子が、ポリスチレンスルホン酸であり、
塩基性基を有する高分子が、ポリエチレンイミンであり、
塩基性基のモル当量に対する酸性基のモル当量の比が1.2~10であるか、又は酸性基のモル当量に対する塩基性基のモル当量の比が1.2~10であることを特徴とする固体高分子電解質。
【請求項2】
酸性高分子及び塩基性高分子の重量平均分子量が1,000~1,000,000である請求項1記載の固体高分子電解質。
【請求項3】
厚みが5~300μmの膜であり、固体高分子形燃料電池の電解質膜として用いられる請求項1~3の何れかに記載の固体高分子電解質。
【請求項4】
請求項1記載の固体高分子電解質の製造方法であって、
酸性基を有する高分子中の該酸性基及び/又は塩基性基を有する高分子中の該塩基性基の一部をイオン交換し、次いで両者を混合してそれらの水溶液となし、該水溶液を塗工し塗膜を乾燥させてポリイオンコンプレックスの前駆体膜を形成し、該前駆体膜を酸又はアルカリで処理することによりポリイオンコンプレックスを得、
酸性基を有する高分子が、ポリスチレンスルホン酸であり、
塩基性基を有する高分子が、ポリエチレンイミンであることを特徴とする固体高分子電解質の製造方法
Detailed description of the invention
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高イオン伝導性を有する非フッ素系高分子からなる固体高分子電解質に関する。また本発明は該固体高分子電解質の製造方法及び該固体高分子電解質を用いた固体高分子形燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
固体高分子形電解質膜燃料電池(PEFC)は、小型で軽量な電源として大きく注目されている。とりわけ固体高分子電解質膜の研究はPEFCの発展において中心的な存在であり,多くの研究でパーフルオロ骨格の側鎖にスルホン酸基が結合したパーフルオロアルキルスルホン酸型高分子が用いられている。
【0003】
しかしながら、パーフルオロアルキルスルホン酸型高分子の導電率は実質上の利用において十分に満足いくものではない。例えばパーフルオロアルキルスルホン酸型高分子を固体高分子形燃料電池の電解質膜として用いる場合、パーフルオロアルキルスルホン酸型高分子が電極触媒の活性点を隠蔽してしまうという欠点がある。またパーフルオロアルキルスルホン酸型高分子は、構造の複雑なフッ化炭素系の材料であるため、製造過程が複雑になるという欠点も有する。従ってパーフルオロアルキルスルホン酸型高分子の使用は固体高分子電解質膜のコストを増加させてしまう。そこで、フッ素系ポリマーを有しない化学構造で高い導電率を達成し得る固体高分子電解質膜が種々提案されている。例えば、ナフィオンとシリカとの混合物、固体酸、フラーレン誘導体などが提案されている。さらに、ポリマーブレンド技術が利用されている(非特許文献1及び2参照)。しかしブレンドした高分子のイオン伝導率はナフィオンのそれよりも高くない。
【0004】
【非特許文献1】
R. W. Kopitzke, C. A. Linkous, H. R. Anderson and G. L. Nelson, J. Electrochem. Soc. 147, p.1677 (2000).
【非特許文献2】
L. Hong and N. Chen, J. Polym. Sci. Part B 38, p.1530 (2000).
【0005】
従って本発明は、製造が容易で高イオン伝導率を有する固体高分子電解質を安価に提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、酸性基を有する高分子と塩基性基を有する高分子とから形成されたポリイオンコンプレックスからなり、
酸性基を有する高分子が、ポリスチレンスルホン酸であり、
塩基性基を有する高分子が、ポリエチレンイミンであることを特徴とする固体高分子電解質を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0007】
また本発明は、前記のポリイオンコンプレックスの製造方法であって、
酸性基を有する高分子中の該酸性基及び/又は塩基性基を有する高分子中の該塩基性基の一部をイオン交換し、次いで両者を混合してそれらの水溶液となし、該水溶液を塗工し塗膜を乾燥させてポリイオンコンプレックスの前駆体膜を形成し、該前駆体膜を酸又はアルカリで処理することによりポリイオンコンプレックスを得
酸性基を有する高分子が、ポリスチレンスルホン酸であり、
塩基性基を有する高分子が、ポリエチレンイミンであることを特徴とする固体高分子電解質の製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の固体高分子電解質は、酸性基を有する高分子(以下、酸性高分子という)と塩基性基を有する高分子(以下、塩基性高分子という)とのポリイオンコンプレックスからなる。ポリイオンコンプレックスにおいては、酸性高分子中の酸性基と塩基性高分子中の塩基性基とがイオン結合によって結合している。一般に、酸性基を有する高分子の水溶液をキャストして得られた膜は水可溶性であるためプロトン伝導膜としての機能を持たない。しかしながら、酸性基を有する高分子からポリイオンコンプレックスを形成させることで、水不溶性のプロトン伝導膜が得られることが本発明者らの検討によって判明した。勿論このポリイオンコンプレックス膜はカチオン交換膜やアニオン交換膜として作製することが可能である。通常のポリイオンコンプレックスは水系溶媒に不溶であるため、その調製には三元溶媒(例えば塩酸-水-ジオキサン)が用いられる。しかし三元溶媒では強酸が用いられるために簡便な製膜が行うことができない。本発明者らは種々検討した結果、水溶液系からポリイオンコンプレックスを簡便に調製し得ることを知見し本発明の完成に至ったものである。
【0010】
本発明において用いられる酸性高分子としては、プロトン酸基を有する高分子が用いられる。プロトン酸基としては、ポリイオンコンプレックスの形成のしやすさ及び高イオン伝導性の点からスルホン酸基を用いる。
【0011】
前述したプロトン酸基を有する酸性高分子としてはフッ素を含有しない高分子、つまり非フッ素系高分子であることが低コストで目的とする固体高分子電解質を得ることができる点から好ましい。特にポリイオンコンプレックスの形成のしやすさ及び高イオン伝導性の点からポリスチレンスルホン酸を用いる。
【0012】
一方、本発明において用いられる塩基性高分子としては、酸性高分子に含まれるプロトン酸基とイオン結合し得る塩基性基を有するものが用いられる。ポリイオンコンプレックスの形成のしやすさ及び高イオン伝導性の点から含窒素基である-NH-基を用いる。
【0013】
前述した塩基性基を有する高分子としても、酸性高分子と同様に非フッ素系の高分子を用いる。塩基性高分子としては、特にポリイオンコンプレックスの形成のしやすさ及び高イオン伝導性の点からポリエチレンイミンを用いる。
【0014】
酸性高分子と塩基性高分子とから成るポリイオンコンプレックスにおいては、酸性基と塩基性基とが適度な割合でイオン結合していることが、ポリイオンコンプレックス膜の製膜性や沈殿物生成の防止の点から好ましい。具体的には、塩基性基のモル当量に対する酸性基のモル当量の比が1.2~10であり、1.5~3であることが好ましい。また、酸性基のモル当量に対する塩基性基のモル当量の比が1.2~10であり、1.5~3であることが好ましい。塩基性基のモル当量に対する酸性基のモル当量の比(及び酸性基のモル当量に対する塩基性基のモル当量の比)が1又はそれに極めて近いと、安定したポリイオンコンプレックスは形成されるものの、プロトン伝導性が極めて低下してしまう。
【0015】
酸性高分子及び塩基性高分子はその分子量(重量平均分子量)が1,000~1,000,000、特に5,000~500,000であることが、ポリイオンコンプレックスの製膜性の点及びポリイオンコンプレックス形成前の各高分子の水溶性を確保する点から好ましい。
【0016】
ポリイオンコンプレックスからなる本発明の固体高分子電解質は、その具体的な用途に応じて適切な厚みが選択される。例えば本発明の固体高分子電解質を固体高分子形燃料電池の電解質膜として用いる場合には、その厚みは5~300μm程度とすることが好ましい。
【0017】
本発明においてポリイオンコンプレックスは好ましくは次の方法で調製される。まず、酸性基が塩の形になっている酸性高分子の場合、該酸性高分子は一般に水溶性であることから、該酸性高分子の水溶液にイオン交換樹脂等を加えて酸性高分子中の酸性基の一部をイオン交換して遊離の酸性基の数を調整する。このときすべての酸性基を遊離の形に戻すと、塩基性高分子を加えた場合に該酸性高分子が水不溶性となるため注意を要する。逆に酸性基が遊離の形になっている酸性高分子の場合、該酸性高分子は一般に水不溶性であることから、該酸性高分子を水に分散させると共に、イオン交換樹脂等を加えて酸性高分子中の酸性基の一部をイオン交換し(例えば金属カチオンで部分的に中和し)、該酸性高分子を水溶性となすと共に遊離の酸性基の数を調整する。この水溶液に、塩基性高分子の水溶液を加えて混合する。この場合、酸性高分子中の遊離の酸性基の数を調整することに加えて、又はそれに代えて、塩基性高分子の水溶液において、該高分子中の塩基性基の一部をイオン交換して(例えばハライドイオン、スルホン酸基、カルボキシル基等の低分子アニオンで部分的に中和して)、遊離の塩基性基の数を調整してもよい。これによって、ポリイオンコンプレックスの製膜性やプロトン伝導性を適切なものとすることができる。酸性基及び塩基性基の何れをイオン交換する場合であっても、酸性高分子における酸性基のモル当量と塩基性高分子における塩基性のモル当量との比は、前述した範囲となるように、酸性高分子及び塩基性高分子の添加量を調整することが好ましい。
【0018】
両高分子が溶解した水溶液(塗工液)を基板上に塗工し塗膜を形成する。この塗工液はほぼ中性であることから、強酸を含む三元溶媒を用いた従来のポリイオンコンプレックス塗工液に比べて、ポリイオンコンプレックスを簡便に製造することができるという利点がある。塗膜中の水分を除去し乾燥させてポリイオンコンプレックス前駆体膜を形成する。塗膜の厚みは、最終的に得られるポリイオンコンプレックス膜の具体的な用途に応じて適切な範囲に調整する。
【0019】
得られたポリイオンコンプレックス前駆体膜を基板から剥離した後、該前駆体膜を酸又はアルカリで処理する。これによって前駆体膜内部に存在する酸性基又は塩基性基中の対イオンをイオン交換して、目的とするポリイオンコンプレックス膜のプロトン伝導性を高める。例えば酸で処理する場合には、前駆体膜を塩酸、硫酸、硝酸等の水溶液中に所定時間浸漬させて酸性基に含まれる金属イオンをプロトンとイオン交換する。一方アルカリで処理する場合には、前駆体膜を水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の水溶液中に所定時間浸漬させて塩基性基に含まれるアニオンをイオン交換する。何れの場合も、処理時間は前駆体膜の種類に応じ数分から数時間とする。この操作によって目的とするポリイオンコンプレックス膜を得る。
【0020】
本発明の固体高分子電解質はその高いイオン伝導性の故に、例えばイオン交換膜や固体高分子形燃料電池の電解質膜、修飾電極用材料として好適に用いられる。特に固体高分子形燃料電池の電解質膜として用いる場合、これを貴金属電極触媒に当接する部位に配すると、触媒活性の低下が防止されるという利点がある。これに対して、先に述べた通りパーフルオロアルキルスルホン酸型高分子からなる電解質膜は触媒活性の低下という問題がある。このような観点から、本発明のポリイオンコンプレックス膜を電極触媒粒子と混合して使用すると、触媒を有効活用できるという利点がある。この場合、触媒粒子とポリイオンコンプレックスの重量比は1:0.1~1:10が適当である。またパーフルオロアルキルスルホン酸型高分子は高価である。これに対して本発明の固体高分子電解質は高価な材料を用いていないので経済的であるという利点もある。
【0021】
本発明の固体高分子電解質を固体高分子形燃料電池の電解質膜として用いる場合には、ポリイオンコンプレックス膜の各面に白金等の触媒を含むアノード及びカソードを形成して膜電極接合体(MEA)となすことが好ましい。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。
【0023】
〔実施例1〕
酸性高分子として重量平均分子量が7万のポリスチレンスルホン酸ナトリウム(以下PSSNaという)を用いた。塩基性高分子として重量平均分子量が5万~10万のポリエチレンイミン(以下PEIという)を用いた。それぞれの高分子を水に溶かして10重量%の水溶液となした。
【0024】
PSSNa水溶液に、溶解しているPSSNaの重さに対して10倍量の陽イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製のアンバーライト(登録商標))を添加し、溶液をホットスターラで30分間撹拌した。液温は約40℃に保った。これによって、PSSNa中のスルホン酸ナトリウムをイオン交換し、部分的にスルホン酸基を有するポリスチレンスルホン酸(以下PSSという)水溶液となした。
【0025】
イオン交換樹脂を濾別して得られたPSS水溶液と、別途用意しておいたPEI水溶液とを、エチレンイミンモノマー(以下EIという)に対するスチレンスルホン酸モノマー(以下SSという)のモル比が1.5、2、2.5及び3となるように混合した。混合水溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム上にキャスト製膜し、常圧下約40℃で乾燥させてポリイオンコンプレックス前駆体膜を得た。
【0026】
得られたポリイオンコンプレックス前駆体膜を1Nの塩酸に3時間浸漬し、スルホン酸基中のナトリウムイオンをプロトンに完全にイオン交換し、目的とするポリイオンコンプレックス膜を得た。その後、膜を純水で洗浄して純水中に保存した。このようにして得られたポリイオンコンプレックス膜について、2枚の金電極(電極面積0.01cm2)の間に該膜を挟み、インピーダンス測定によって膜厚方向の導電率を測定した。その結果を図1に示す。
【0027】
図1に示す結果から明らかなように、SS/EIの割合が増加するにつれて導電率が高くなる傾向にあることが判る。特にこの割合が2を超えると市販のパーフルオロアルキルスルホン酸型高分子膜と同等の導電率となることが判る。
【0028】
〔実施例2〕
実施例1においてSS/EIの割合が2となるようにPSS水溶液とPEI水溶液とを混合しキャスト製膜して、膜厚が25μm、50μm及び90μmのポリイオンコンプレックス前駆体膜を得た。ポリイオンコンプレックス前駆体膜を1Nの塩酸に5時間浸漬し、スルホン酸基中のナトリウムイオンをプロトンにイオン交換し、目的とするポリイオンコンプレックス膜を得た。得られたポリイオンコンプレックス膜の膜厚方向の導電率を測定した。その結果を図2に示す。なお膜厚は触針式段差膜厚計を用いて測定した。
【0029】
図2に示す結果から明らかなように、25~90μmの膜厚の範囲でプロトン導電率は一定値を示すことが判る。この結果から、この範囲の膜厚において、ポリイオンコンプレックスは均一な膜組成となっていることが判る。膜厚の違いによって導電率が変化する場合には、塩酸処理によって膜の内部と表面とで組成が異なり、不均一な膜になっていることを意味する。
【0030】
〔実施例3〕
実施例2において塩酸に代えて1N硫酸及び硝酸を用いて酸処理を行う以外は実施例2と同様にしてポリイオンコンプレックス膜を得た。膜厚は50μmとした。得られたポリイオンコンプレックス膜の膜厚方向の導電率を測定した。その結果を図3に示す。なお図3には同条件において1Nの塩酸で酸処理した結果も併せて示されている。
【0031】
図3に示す結果から明らかなように、塩酸や硫酸で酸処理を行って得られたポリイオンコンプレックス膜は高い導電率を示すことが判る。
【0032】
〔実施例4〕
実施例2において塩酸による酸処理時間を変える以外は実施例2と同様にしてポリイオンコンプレックス膜を得た。膜厚は50μmとした。得られたポリイオンコンプレックス膜の膜厚方向の導電率を測定した。その結果を図4に示す。
【0033】
図4に示す結果から明らかなように、酸処理時間が1~6時間の範囲では導電率にほどんど差が観察されないことが判る。このことは、この処理時間の範囲であれば、膜の内部まで十分にイオン交換が行われていることを意味する。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、製造が容易で高イオン伝導性を有する固体高分子電解質が安価に提供される。特に本発明の固体高分子電解質を固体高分子形燃料電池の電解質膜として用いると、電極触媒の活性低下が防止されるので、高価な貴金属触媒の使用量を低減させることができる。また電解質の製造コストが低下する。
また本発明の固体高分子電解質は、中性の塗工液から製膜することができるので、強酸を含む三元溶媒を用いた従来のポリイオンコンプレックス塗工液に比べて簡便に製造することができる。
本発明の固体高分子電解質は、パーフルオロアルキルスルホン酸型高分子の代替品として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において、スチレンスルホン酸モノマー/エチレンイミンモノマー比率と導電率との関係を示すグラフである。
【図2】実施例2において、ポリイオンコンプレックス膜の膜厚と導電率との関係を示すグラフである。
【図3】実施例3において、酸処理に用いる酸の種類と導電率との関係を示すグラフである。
【図4】実施例4において、酸処理時間と導電率との関係を示すグラフである。
Drawing
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3