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Specification :紫外線照射装置

Country 日本国特許庁(JP)
Gazette 特許公報(B2)
Patent Number 特許第5933986号 (P5933986)
Publication number 特開2013-165856 (P2013-165856A)
Date of registration 平成28年5月13日(2016.5.13)
Date of issue 平成28年6月15日(2016.6.15)
Date of publication of application 平成25年8月29日(2013.8.29)
Title of the invention, or title of the device 紫外線照射装置
IPC (International Patent Classification) A61N   5/06        (2006.01)
FI (File Index) A61N 5/06 B
Number of claims or invention 3
Total pages 13
Application Number 特願2012-031201 (P2012-031201)
Date of filing 平成24年2月16日(2012.2.16)
Date of request for substantive examination 平成27年2月5日(2015.2.5)
Patentee, or owner of utility model right 【識別番号】506218664
【氏名又は名称】公立大学法人名古屋市立大学
Inventor, or creator of device 【氏名】森田 明理
【氏名】稲田シュンコ アルバーノ
Representative 【識別番号】100095577、【弁理士】、【氏名又は名称】小西 富雅
【識別番号】100100424、【弁理士】、【氏名又は名称】中村 知公
【識別番号】100179202、【弁理士】、【氏名又は名称】木村 誠司
Examiner 【審査官】木村 立人
Document or reference 特開2009-028276(JP,A)
特表2006-519047(JP,A)
国際公開第2010/142430(WO,A1)
Field of search A61N 5/06 — 5/08
Scope of claims 【請求項1】
紫外線を発光する発光ダイオードを二次元的に配置してなる面状光源と、
前記面状光源における前記各発光ダイオードの第1の座標を保存する第1の座標保存部と、
前記面状光源から放出される紫外線の被照射領域の画像を取得する画像取得部と、
前記被照射領域において第1の座標の発光ダイオードの光軸が交差する第2の座標を特定する第2の座標特定部と、
前記第2の座標が視認できるように前記被照射領域の画像を表示する画像表示部と、
表示された前記被照射領域の画像上で前記第2の座標を指定することにより該第2の座標に対応する第1の座標の発光ダイオードの点灯を制御する点灯制御部と、を備えてなる紫外線照射装置において、
前記画像取得部は前記面状光源の中心に配置され、該中心の座標と前記第1の座標とが関連付けられており、
前記第2の座標特定部は該画像取得部から前記被照射領域までの距離および画像取得倍率を参照して、前記画像取得部に対応した画像の中心を基準にして前記画像上の第2の座標を特定する、紫外線照射装置。
【請求項2】
前記発光ダイオードは仮想メッシュの格子点上に配置され、
前記画像表示部は前記画像に重ねて、前記仮想メッシュの格子点を表示する、請求項1に記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
前記画像表示部は前記画像の取得倍率に応じて前記仮想メッシュを拡大又は縮小して表示する、請求項2に記載の紫外線照射装置。
Detailed description of the invention 【技術分野】
【0001】
この発明は紫外線照射の制御方法及び紫外線照射装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の治療に紫外線発光ダイオードからの紫外線が有効であることが知られている(特許文献1参照)。
このような紫外線を発光する発光ダイオードを二次元的に配置してなる面状光源を備え、皮膚治療に適用される紫外線照射装置が特許文献2に開示されている。
特許文献2に開示の紫外線照射装置では、20個×20個の発光ダイオードをアレイ状に配列(面積:20cm×20cm)してなる面状光源が用いられる。アトピー性皮膚炎の患者の皮膚炎を含む要治療部位をデジタルカメラで撮影し、撮影された撮影データを解析して要治療部位における皮膚炎のマップデータを生成する。そしてこのマップデータに基づき皮膚炎の部位へのみ紫外線が照射されるように面状光源に配列された発光ダイオードを選択的に点灯させる。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開平10-190058号公報
【特許文献2】特開2007-151807号公報 段落0050、0051
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の紫外線照射装置では、要治療部位の撮影データを解析して皮膚炎のマップデータを生成しているが、皮膚炎の状態は千差万別であることはもとよりマップデータの背景となる健康な皮膚の状態でさえ個人差が大きい。従って、撮影データの解析に基づき皮膚炎部位と健康皮膚部位とを峻別し、皮膚炎部位のマップデータを正確に生成することは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、紫外線発光ダイオードを二次元的に配置してなる面状光源を備える紫外線照射装置の改良の検討をするにあたり、皮膚炎部位を正確に見立てるには医師による目視の診断が最も信頼性が高いという原則にもどり、医師による目視の診断と紫外線の照射とをリンク付けることに気がついた。換言すれば、医師が目視により皮膚炎と診断した部位のみに対し簡易な操作で紫外線を照射すればよいと考えた。
そこでこの発明の第1の局面は次のように規定される。
紫外線を発光する発光ダイオードを二次元的に配置してなる面状光源を用いて照射対象の所望の領域へ紫外線を照射する方法であって、
前記紫外線の被照射領域の画像を取得し、
前記面状光源における各発光ダイオードの第1の座標と、前記被照射領域において該各発光ダイオードの光軸上に存在する第2の座標とを対応付け、
前記被照射領域の画像をその上に前記第2の座標が視認できるように表示し、
表示された画像上の前記第2の座標を指定し、
指定された前記第2の座標に対応付けられた前記第1の座標の前記発光ダイオードの点燈を制御する、紫外線照射の制御方法。
【0006】
このように規定される第1の局面の紫外線照射の制御方法によれば、面状光源における各発光ダイオードの座標(第1の座標)と被照射領域(要治療部位)において面状光源の各発光ダイオードの光軸が交差する座標(第2の座標)とが対応付けられ、かつ第2の座標は被照射領域の画像上において視認できるように表示される。
医師は、撮影された画像に基づき視認により皮膚炎の位置を特定できる。そしてこの画像には第2の座標が併せて表示されるので、視認した皮膚炎上に存在する第2の座標を特定すれば、当該第2の座標に対応する第1の座標の発光ダイオードが特定される。このように特定された発光ダイオードを点灯すれば紫外線の被照射領域において第2の座標へ紫外線が確実に照射される。他方、皮膚炎と診断されなかった部位に存在する第2の座標に対応する発光ダイオードは点灯させないので、紫外線は治療が必要な部位のみへ照射されることとなる。
【0007】
この発明の第2の局面は、第1の局面で規定の紫外線照射の制御方法を装置の局面からとらえたものであり、次のように規定される。
紫外線を発光する発光ダイオードを二次元的に配置してなる面状光源と、
前記面状光源における前記各発光ダイオードの第1の座標を保存する第1の座標保存部と、
前記面状光源から放出される紫外線の被照射領域の画像を取得する画像取得部と、
前記被照射領域において第1の座標の発光ダイオードの光軸が交差する第2の座標を特定する第2の座標特定部と、
前記第2の座標が視認できるように前記被照射領域の画像を表示する画像表示部と、
表示された前記被照射領域の画像上で前記第2の座標を指定することにより該第2の座標に対応する第1の座標の発光ダイオードの点灯を制御する点灯制御部と、を備えてなる紫外線照射装置。
このように規定された第2の局面の紫外線照射装置によれば、第1の局面に規定の発明と同一の作用が得られる。
【0008】
この発明の第3の局面は次のように規定される。即ち、第2の局面に規定の紫外線照射装置において、前記画像取得部は前記面状光源の中心に配置され、該中心の座標と前記第1の座標とが関連付けられており、
前記第2の座標特定部は該画像取得部から前記被照射領域までの距離および画像取得倍率を参照して、前記画像取得部に対応した画像の中心を基準にして前記画像上の第2の座標を特定する。
このように規定される第3の局面の紫外線照射装置によれば、画像取得部は面状光源の中心に配置される1つのもので済むこととなり、装置構成が簡素化され、製造コストが低減される。
【0009】
この発明の第4の局面は次のように規定される。即ち、第2又は第3の局面に規定の紫外線照射装置において、前記発光ダイオードは仮想メッシュの格子点上に配置され、
前記画像表示部は前記画像に重ねて、前記仮想メッシュの格子点を表示する。
このように規定される第4の局面の紫外線照射装置によれば、発光ダイオードを仮想メッシュの格子点上に配置し、被照射領域の画像に同じく仮想メッシュの格子点を表示するので、第1の座標(前者の格子点)と第2の座標(後者の格子点)との対応付けが容易になる。
更には、画像取得部による被照射領域の画像取得倍率に応じて、画像に重ねる仮想メッシュを拡大又は縮小すれば、第2の座標である仮想メッシュの格子点を簡易な処理で被照射領域の画像上に表示できる(第5の局面)。
【0010】
上記において、発光ダイオードにはIII属窒化物系化合物半導体を用いることができる。紫外線の波長やパワーは照射対象、照射目的等に応じて任意に選択可能であるが、皮膚治療用としては中波長紫外線(308~313nm)や長波長紫外線(340~400nm)を用いることができる。なお、この発明の実施例ではピーク波長が365nmである市販の紫外線発光ダイオードを用いている。
複数種類の、即ち異なる波長の発光ダイオードを並列に用いることもできる。
面状光源において発光ダイオードは二次元的に配置される。換言すれば、仮想平面上に発光ダイオードが分散された構成である。ここに、各発光ダイオードは等間隔に配置されることが好ましい。被照射対象に対して均一に紫外線を照射するためである。勿論、発光ダイオードの配置密度に濃淡を設けることもできる。
面状光源の形状も照射目的等に応じて任意に設計可能である。この発明の実施例では矩形としたが、他の多角形、円形、楕円形等の面状光源を採用できる。発光ダイオードが配置される仮想面は平面に限定されず、曲面であってもよい。
面状光源に配置される発光ダイオードの光軸は平行とすることが好ましく、更に好ましくはその光軸は面状光源に対して垂直とする。
【0011】
画像取得部は、少なくとも面状光源の全発光ダイオードを点灯させたときの紫外線が照射される領域(被照射領域)を撮像できるものとする。実施例では、面状光源の中心に1つのCCDカメラを設置したが、撮像方式は特に限定されるものではない。例えば、各発光ダイオードにそれぞれCCDカメラを付設し、各CCDカメラで得られた画像を合成して被照射領域の画像を形成することもできる。
画像取得部が撮像した画像に重ねられる第2の座標の表示態様は特に限定されるものではない。実施例では、被照射領域の画像上に第2の座標を表示するテンプレートを重ねているが(図3参照)、被照射領域の画像の第2の座標にドットを表示する態様でもよい。
第2の座標を指定する態様も任意に設計できる。実施例では、第2の座標に対応するテンプレートの窓(□)をクリックすることで指定をしている。第2の座標に記号を付したり、その座標データをテキストで記述したりするときは、その記号やテキストデータをマニュアル入力することにより当該第2の座標を指定することもできる。
【0012】
このようにして第2の座標が指定されると、指定された第2の座標に対応する第1の座標の発光ダイオードが点灯される。その結果、被照射領域において指定された第2の座標の部位に対して、この第2の座標に対応する第1の座標の発光ダイオードからの紫外線がもっぱら照射され、その他の部位へは強い紫外線は照射されなくなる。
なお、指定された第2の座標に対応する第1の座標の発光ダイオードを消灯し、指定されなかったものを点灯するようにしてもよい。
更には、第2の座標の指定とともに、指定された発光ダイオード毎に、発光強度及び/又は発光時間を指定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施例の紫外線照射装置を示す図面代用写真である。
【図2】同じく側面の図面代用写真である。
【図3】入出力装置のディスプレイに表示されるテンプレートを示す。
【図4】面状光源、被照射領域及びCCDカメラの撮影と第1及び第2の座標との関係を示す模式図である。
【図5】図3のテンプレートを用いた第2の座標の指定態様を示す。
【図6】図5における第2の座標に対応する面状光源の発光ダイオードの点灯状態を示す。
【図7】他の実施例の紫外線照射装置の構成を示すブロック図である。
【図8】照射強度と距離の関係を示すグラフである。
【図9】光源の均一性を試験の原理を説明する概念図である。
【図10】実施例の照射装置の光源均一性を示すグラフである。
【図11】従来例の照射装置の光源均一性を示すグラフである。
【図12】実施例の照射装置の照射均一性を示すグラフである。
【図13】従来の照射装置の照射均一性を示すグラフである。
【図14】照射強度の立ち上がり特性を示すグラフである。
【図15】照射強度の安定性を示すグラフである。
【図16】紫外線照射に基づく温度特性を示すグラフである。
【図17】紫外線の部分的照射に基づく温度特性を示すグラフである。
【図18】遠赤外線の影響を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施例の紫外線照射装置について説明をする。
図1及び図2は、実施例の紫外線照射装置1の全体構成を示す図面代用写真である。
この紫外線照射装置1は、基台部10、入出力部20、制御部25、面状光源30及びCCDカメラ40を備えてなる。
基台部10はキャスタを4隅に取り付けた基板11に支柱部13を立設している。支柱部13の上端にはコントロールボックス15が取り付けられる。このコントロールボックス15には、装置全体のON/OFFスイッチ、面状光源30の高さのコントローラ、冷却システム制御用スイッチその他が取り付けられている。
支柱部13においてコントロールボックス15の反対側には面状光源30を取り付ける支持部16が突出されている。この支持部16には一対のアーム部17が回転可能にかつ上下方向に移動可能に取り付けられている(図1及び図2参照)。

【0015】
入出力部20としてノートパソコンが用いられる。この入出力部20を介して撮像のオン・オフ制御、及び面状光源30おいて点灯すべき発光ダイオードの選択、紫外線照射時間の入力、照射のスタート/ストップ制御等の信号入力が行われる。
入出力部20のディスプレイの表示態様を図3に示す。
制御部25には発光ダイオードのオン・オフを制御するドライバ、CCDカメラ40で撮影された画像の処理装置、面状光源30の冷却を制御する冷却制御装置等が内蔵されている。
制御部25には、そのほかに、漏電遮断部、水漏れセンサ、震度センサ、温度センサが組み込まれて、安全性を確保している。
制御部25は以下に説明する各種のデータ処理を行う演算装置を備えている。この演算を入出力装置20であるノートパソコンのCPUに担わせることもできる。

【0016】
面状光源30は50cm×50cmの光放射面を備える。この光放射面には16個×16個の紫外線発光ダイオード31が仮想メッシュの格子点上に配置される。各発光ダイオード31には日亜化学工業(株)製の製品番号:NCSU033AE(ピーク波長:365nm、半値幅:7nm、指向特性120°、出力250mW)の発光ダイオードを用いた。
面状光源30には発光ダイオード31の冷却装置も内蔵されており、制御部25の冷却制御装置との間で冷媒を循環させ、もって発光ダイオード31を冷却してその出力特性の安定化を図っている。

【0017】
画像取得部としてのCCDカメラ40は、面状光源30の光放出面の中心に配置される。このCCDカメラ40の座標を基準(基準座標;x0、y0)にして各発光ダイオード31の座標が定められる。
図4は面状光源30における発光ダイオード31の配置座標(第1の座標)と紫外線の被照射領域45における各発光ダイオード31の光軸の座標(第2の座標)との関係を示す。CCDカメラ40による撮像範囲は破線で示す。
図4の例では、各発光ダイオード31はその光軸を面状光源30に対して垂直にしている。その結果、面状光源30における発光ダイオード31の座標(第1の座標;(xn,yn))と被照射領域45における各発光ダイオード31の光軸を示す座標(第2の座標;(Xn,Yn))とは正射影の関係にある。

【0018】
面状光源30に対して撮影方向が垂直になるようにCCDカメラ40を取り付けることにより、面状光源30と被照射領域45との距離及びCCDカメラ40の撮影倍率に基づき、被照射領域45における第2の座標をCCDカメラの撮像画像に対応付けられる。
換言すれば、被照射領域45における基準長さ(例えば隣り合う第2の座標間の距離)が常に一定長さとなるようにCCDカメラ40で撮影した画像をその中心を固定して拡大若しくは縮小して表示すれば、当該画像に第2の座標を表示することができる。
図3の例では、座標位置に窓を開けたテンプレートが準備されているので、撮像画像における基準長さ(隣り合う第2の座標の長さ)がこのテンプレートの窓の間隔と一致するように、撮像画像の倍率を調整し、このテンプレートへその撮像画像を重ね合わせる。図5における破線部分が撮像画像における皮膚炎部位を示す。

【0019】
上の例では、テンプレートを固定して撮像画像の倍率を調整することにより、撮像画像とテンプレートとの位置合わせをしているが、撮像画像を固定してテンプレートを拡大若しくは縮小することにより、両者の位置合わせを行い、第2の座標(テンプレートの窓)を撮像画像上に表示させることもできる。
テンプレートの窓は、発光ダイオードの配置を規定する仮想メッシュの格子点に対応する。
テンプレートの窓は、発光ダイオードの配置に対応しているので、発光ダイオードの配置態様が変更されれば、それに応じて窓の位置も変更される。

【0020】
入出力部20のディスプレイに表示された図5(テンプレートに撮像画像を重ね合わせたもの)を視認して、医師は皮膚炎部位を特定できる。そして、特定された皮膚炎部位上にある窓をクリックして選択する。これにより第2の座標が指定されたことになり、制御部25は指定された第2の座標に対応する第1の座標の発光ダイオードを点灯させる(図6参照)。

【0021】
紫外線を照射しているときに患者が動き、被照射領域45が偏移することがある。かかる被照射領域45の偏移に紫外線の照射を追従させることが好ましい。
図7にはかかる機能を具備した紫外線照射装置100を示す。なお、図7において、図1及び図2の同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
この紫外線照射装置100では、従来技術と同様にCCDカメラ40で撮影した画像を画像処理部101で処理し、得られたマップデータを皮膚炎マップデータ保存部103に保存する。
画像処理部101により画像処理を実行する際、点灯制御部25から、点灯すべきとして医師により選択された第2の座標のデータが画像処理部101に送られ、画像処理の参考とされる。例えば、選択された第2の座標データで囲まれた領域の画像をその他の領域における画像と比較し、前者(即ち、皮膚炎部位)の特徴を抽出してこれを参考にすることにより、正確な皮膚炎のマップデータの作成が可能となる。

【0022】
この紫外線照射装置100には紫外線用CCDカメラ140が更に備えられる。この紫外線用CCDカメラ140も可視光用CCDカメラ40と同じ位置に取り付けることが好ましい。
発光ダイオード31を点灯して被照射領域45に紫外線を照射する際、この紫外線CCDカメラ140をONとして、紫外線が照射されている領域を撮像する。画像処理部141において得られた画像を処理し、得られた紫外線照射領域のマップデータを紫外線照射領域マップデータ保存部143に保存する。
画像処理部141により画像処理を実行する際、点灯制御部25から、点灯すべきとして医師により選択された第2の座標のデータが画像処理部141に送られ、画像処理の参考とされる。例えば、選択された第2の座標データで囲まれた領域の画像とその他の領域における画像と比較し、前者(即ち、紫外線が照射されている領域)の特徴を抽出してこれを参考にすることにより、紫外線が照射された領域を正確にマッピングできる。

【0023】
皮膚炎マップデータ保存部103に保存された皮膚炎マップデータと紫外線照射領域マップデータ保存部143に保存された紫外線照射領域マップデータとをマップデータ比較部151で比較し、両者のズレ(偏移量)を特定する。
照射パターン修正部153は、マップデータ比較部151で特定された偏移量に基づき、照射パターンを修正する。この修正データに基づき、点灯制御部25は、皮膚炎マップデータで皮膚炎と判定された部位に対向する発光ダイオードが消灯していればこれを点灯させ、他方、皮膚炎ではないと判定された部位に対向する発光ダイオードが点灯しておればこれを消灯する。

【0024】
以下、この発明の紫外線照射装置の詳細な仕様について説明する。
紫外LEDの定格電圧および電流は3.9V/700mAであり、LED個数は256個(16個×16個)を全点灯した場合の消費電力は約700Wと大きく、従来の放熱機構では対応が困難と思われる。従って、冷却水による放熱対策を行った。
上述のように紫外LEDの定格電圧および電流は3.9V/700mAと大きく、LEDを抵抗器による制御では不安定である。LEDを駆動するには一定の電流値を保つ必要がある、そのために定格電流回路を用いてLEDを制御することにした。LEDの保護および劣化を防ぐため、LEDと並列に4Vツェナーダイオードを接続した。

【0025】
実用化されているランプ式UVA1光線治療器(SELLAMED 3000 System Dr. Sellmeier)との比較について述べる。比較の方法は、はじめにスペクトルを観測する。次にランプ式UVA1光線治療器の光源の大きさ(28cm×24cm)に紫外LEDの点灯個数を調整して、その時の消費電力、距離に対する照射強度および照射強度の均一性、照射強度の立ち上がり時間および安定性を比較する。また、マウスを用いた場合の温度特性比較について述べる。
実施例の紫外線照射装置およびランプ式UVA1光線治療器の距離に対する照射強度を比較するために、ランプ式UVA1光線治療器の光源の大きさ(28cm×24cm)に紫外LEDの点灯個数を調整した。光源の中心に検出器を設置し、高さ1~50cm照射強度を測定した(1~10cmは1cmずつ、10~50cmは5cmずつ光源の高さを上げて、各高さの照射強度を測定)。その結果は図8に示す。
この結果から実施例の紫外線照射装置の照射強度はランプ式UVA1光線治療器より低いが、紫外LEDの照射強度は高さ6cmから10cmにかけて、照射強度の変化が少ないことが分かる。実際に、この高さを治療に用いれは、患者の呼吸や多少動いたとしても照射強度に影響は少ないと思われる。これに対して、ランプ式UVA1光線治療器の照射強度は指数関数的な曲線を描いており、治療の際に患者の呼吸や多少な動きで照射強度は急変化することが分かる。これらのことを考慮すると紫外LEDの方が有利であると思われる。

【0026】
次に光源の均一性を比較するため、上述と同様の照射面積で光源の中心に検出器を置き、図9に示すように円周方向5cm間隔で照射強度を測定。高さ1~50cm照射強度を測定した(1~10cmは1cmずつ、10~50cmは5cmずつ光源の高さを上げて、各高さの照射強度を測定)。その結果は図10および図11に示す。
これらの結果を比較すると紫外LEDの方の照射強度が高い均一性があることを分かった。
最後に同様の測定方法で照射強度10、20、30、40、50mW/cm2の均一性を測定した。図12および図13に結果を示す。これらの結果を比較すると紫外LEDの方が高い照射強度の均一性があることを分かった。

【0027】
実施例の紫外線照射装置およびランプ式UVA1光線治療器の照射強度の立ち上がり時間を比較した。光源の中心に検出器を設置し、電源を入れてから照射強度が定常状態になるまでの立ち上がり時間を測定した。結果は図14に示すようにランプ式UVA1光線治療器の照射強度は定常状態になるまで約1分必要である。これに対して紫外LEDは電源を入れた瞬間、照射強度は定常状態になっている。
次に両光源の照射強度の安定性を比較した。上述と同様の方法で1時間に亘り照射強度を測定した。その結果、図15に示すように紫外LEDの照射強度の方がより安定していることが分かり、LEDの駆動回路が正常に動作していることが示された。

【0028】
実施例の紫外線照射装置およびランプ式UVA1光線治療器の温度特性を比較するために、マウス(C57BL/6)に照射強度10、20、30mW/cm2を20分間照射し(総照射量:12、24、36J/cm2)、2分ごとにマウスの肛門より体温を測定し、サーモグラフィで皮膚の表面温度を測定した。照射方法はランプ式UVA1光線治療器の光源の大きさ(28cm×24cm)に紫外LEDの点灯個数を調整し、光源の中心にマウスを置いた。統計を取るために各照射強度で同じ実験を3回行った。実験結果は図16に示す。
この結果より、20分間の照射で体温には大きいな温度差は見られなかったが、皮膚の表面温度はランプ式UVA1光線治療器の場合では、照射強度が増すとともに温度は8~10℃大きく上昇しているのが分かる。これに対し紫外LEDで照射した場合、温度は上昇するものの、3~4℃程度である。両光源の各照射強度に生じる温度は次のようになった。10mW/cm2の場合3.8℃、20mW/cm2の場合8.3℃、30mW/cm2の場合12.6℃。ランプ式UVA1光線治療器の照射強度30mW/cm2の実験の時、18分経過したところでマウスの様子が急変したため、実験を中断した。この時のマウスの体温は40.5℃、皮膚の表面温度は60℃に達しており、熱射病の状態になったと思われる。

【0029】
次に実施例の紫外線照射装置の特徴である、部分照射機能を評価した。8cm×3cmの照射面積をLEDマトリックスに作り、前実験でマウスの様子が急変した照射強度30mW/cm2を20分間マウスに照射した。2分ごとにマウスの肛門より体温を測定し、サーモグラフィで皮膚の表面温度を測定した。照射面積が小さくなるので照射強度30mW/cm2が照射できるように光源の高さを調整した。ランプ式UVA1光線治療器では穴の開いた板をマウスの上に設置し、8cm×3cmの照射面積を作った。実験は図17に示す。
この結果より、紫外LEDで部分照射した場合の体温および皮膚の表面温度は一定に保たれているのが分かる。一方、ランプ式UVA1光線治療器で部分照射した場合は前実験より2℃程度、温度は減少しているがいずれも温度の上がり方が急激である。これは照射強度30mW/cm2を照射するために光源の高さを下げたことで、光源からの遠赤外線輻射が強くなったことが考えられる。

【0030】
最後にマウスの体温および皮膚の表面温度が上昇する原因は光源からの遠赤外線輻射であるかを確認することにした。実験方法は遠赤外線フィルターの大きさ5cm×5cmの穴を開いた板に遠赤外線フィルターと取り付けマウスの上に設置し、照射強度30mW/cm2を20分間マウスに照射した。2分ごとにマウスの肛門より体温を測定し、サーモグラフィで皮膚の表面温度を測定した。実験結果は図18に示す。
この結果より、紫外LEDの場合は遠赤外線フィルターの有無では大きな温度差は見られなかった。一方、ランプ式UVA1光線治療器では遠赤外線フィルター有無の体温は3.4℃、皮膚の表面温度は13.7℃の温度差が確認された。この結果からマウスの体温および皮膚の表面温度の上昇は光源からの遠赤外線輻射によるものと思われる。

【0031】
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
【符号の説明】
【0032】
1、100 紫外線照射装置
20 入出力装置
25 制御部
30 面状光源
31 発光ダイオード
40 画像取得部
45 被照射領域
Drawing
【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図18】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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