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Specification :(In Japanese)熱型センサの製造方法

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P3476443
Publication number P2002-365128A
Date of registration Sep 26, 2003
Date of issue Dec 10, 2003
Date of publication of application Dec 18, 2002
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)熱型センサの製造方法
IPC (International Patent Classification) G01J  1/02      
G01J  5/02      
H01L 27/14      
FI (File Index) G01J 1/02 C
G01J 5/02
H01L 27/14
Number of claims or invention 6
Total pages 9
Application Number P2001-171225
Date of filing Jun 6, 2001
Date of request for substantive examination Jun 6, 2001
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】和田 英男
【氏名】曽根 孝典
【氏名】兼田 修
【氏名】木股 雅章
Representative (In Japanese)【識別番号】100057874、【弁理士】、【氏名又は名称】曾我 道照 (外5名)
Examiner (In Japanese)【審査官】▲高▼場 正光
Document or reference (In Japanese)特開2000-304603(JP,A)
特開2000-77729(JP,A)
Field of search G01J 1/00 - 1/60
G01J 5/00 - 5/62
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
主回路が形成されたシリコン基板と、前記シリコン基板の上部に空隙を介して配設された熱絶縁構造と、前記シリコン基板の上部に前記熱絶縁構造を支持するための支持脚とを備え、
前記熱絶縁構造は、前記熱絶縁構造に照射された赤外線による上昇温度を検知するための熱検知回路を含み、前記支持脚は、前記熱検知回路からの検出信号を前記主回路に伝えるための配線を含み、前記支持脚の配線の上には、1層のみの絶縁膜が形成されている熱型センサの製造方法であって、
前記支持脚を作製する第1の工程と、
前記支持脚および前記熱絶縁構造の全面にエッチングストップ層を形成する第2の工程と、
前記エッチングストップ層のうち、前記熱絶縁構造の上部に位置して前記熱検知回路の形成に必要な部分のみを除去し、前記エッチングストップ層が除去された部分に前記熱検知回路を形成する第3の工程と、
前記第3の工程で形成された前記エッチングストップ層の上の不要な積層部を除去する第4の工程と、
前記前記エッチングストップ層の一部または全てを除去する第5の工程とを備えたことを特徴とする熱型センサの製造方法。

【請求項2】
前記エッチングストップ層は、金属を含む材料またはシリコンを含む材料により形成され、
前記支持脚および前記熱絶縁構造は、酸化シリコンまたは窒化シリコンを含む材料により形成されたことを特徴とする請求項1に記載の熱型センサの製造方法。

【請求項3】
前記エッチングストップ層は、窒化チタン、アルミニウム、白金、金、または、タングステンにより形成されたことを特徴とする請求項2に記載の熱型センサの製造方法。

【請求項4】
主回路が形成されたシリコン基板と、前記シリコン基板の上部に空隙を介して配設された熱絶縁構造と、前記シリコン基板の上部に前記熱絶縁構造を支持するための支持脚とを備え、
前記熱絶縁構造は、前記熱絶縁構造に照射された赤外線による上昇温度を検知するための熱検知回路を含み、前記支持脚は、前記熱検知回路からの検出信号を前記主回路に伝えるための配線を含み、前記支持脚の配線の上には、1層のみの絶縁膜が形成されている熱型センサの製造方法であって、
前記支持脚を作製する第1の工程と、
前記支持脚を覆うようにスペーサ層を形成する第2の工程と、
前記スペーサ層のうち、前記熱絶縁構造の上部に位置して前記熱検知回路の形成に必要な部分のみを除去し、前記熱検知回路を形成する第3の工程と、
前記熱絶縁構造にエッチングストップ層を形成する第4の工程と、
前記第4の工程で形成された前記エッチングストップ層および前記スペーサ層の上の不要な積層部を除去する第5の工程と、
前記エッチングストップ層および前記スペーサ層の一部または全てを除去する第6の工程とを備えたことを特徴とする熱型センサの製造方法。

【請求項5】
前記エッチングストップ層は、金属を含む材料またはシリコンを含む材料により形成され、
前記スペーサ層は、シリコンまたはポリイミドを含む材料により形成され、
前記支持脚および前記熱絶縁構造は、酸化シリコンまたは窒化シリコンを含む材料により形成されたことを特徴とする請求項4に記載の熱型センサの製造方法。

【請求項6】
前記エッチングストップ層は、窒化チタン、アルミニウム、白金、金、または、タングステンにより形成されたことを特徴とする請求項5に記載の熱型センサの製造方法。
Detailed description of the invention (In Japanese)【発明の詳細な説明】

【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば2次元固体撮像素子などに適用するために赤外線を高精度に検知する熱型センサの製造方法に関し、特に熱コンダクタンスおよび熱容量を効果的に低減させて性能を向上させた熱型センサの製造方法に関するものである。

【0002】
【従来の技術】一般に、赤外線の照射吸収による上昇温度を検知する熱型センサは、2次元固体撮像素子などに用いられており、たとえば特開平10-209418号公報や「SPIE、Vol.3224」(1997年)の第40頁~第50頁などに参照することができる。

【0003】
この種の熱型センサは、平面的大きさが50μm程度、厚さが1μm程度であり、その熱検知部にはボロメータ薄膜などが用いられており、信頼性の高い熱絶縁構造が要求されている。

【0004】
図5はたとえば「SPIE、Vol.3224」(1997年)の第45頁に記載された従来の熱型センサおよびその製造方法を示す側断面図である。図5において、100は主回路が形成されたシリコン基板である。

【0005】
101はシリコン基板100上に形成されたスペーサ層であり、ポリシリコンからなり、熱型センサの完成時の最終工程(c)において除去される。102はボロメータ(酸化バナジウムVOxなど)の薄膜からなるセンサ層であり、赤外線照射による上昇温度を検知するための熱検知回路を構成する。

【0006】
103はセンサ層102を被覆して熱的且つ電気的に絶縁保護するための積層部であり、SiNx-3およびTiNの薄膜により形成されている。ここでは、簡略的に図示されているが、絶縁保護用の積層部103は、さらなる多層構造により形成され得る。

【0007】
図5(b)において、104は熱絶縁構造200と支持脚300とを分離するために形成されるエッチングスリットである。

【0008】
図5(c)において、最終的に完成された熱型センサが示されており、シリコン基板100の上部には、空隙を介して配設された熱絶縁構造200と、シリコン基板100の上部に熱絶縁構造200を支持するための支持脚300とが構成される。

【0009】
103aはセンサ層102(熱絶縁構造200)上に位置する積層部、103bは支持脚300上に位置する積層部である。支持脚300は、図示されない一端で熱絶縁構造200を支持するとともに、図示されない他端においてシリコン基板100に固定されている。

【0010】
熱絶縁構造200内のセンサ層102(熱検知回路)は、シリコン基板100上の空隙部と、絶縁保護膜からなる積層部103とにより熱絶縁構造を有している。支持脚300は、熱絶縁構造200内の熱検知回路からの検出信号をシリコン基板100上の主回路に伝えるための配線を含む。

【0011】
次に、従来の熱型センサの製造工程について、概略的に説明する。図5(a)において、まず、主回路が形成されたシリコン基板100上にスペーサ層101を成膜し、さらにスペーサ層101の上に、熱絶縁構造部および支持脚部(センサ層102および積層部103)を同時に形成する。

【0012】
続いて、図5(b)において、エッチングによりエッチングスリット104を形成して、熱絶縁構造部と支持脚部とを同時に加工する。次に、図5(c)の最終工程において、スペーサ層101を除去して熱絶縁構造200を得る。

【0013】
このとき、熱絶縁構造200および支持脚300上に積層部103が残されるが、センサ層102上の積層部103aは、熱絶縁構造200の本来の目的達成用に必要なものである。

【0014】
しかしながら、支持脚300上に残された積層部103bは、不要なものであり、熱型センサの絶縁層容積を増大させて熱絶縁機能に支障を与えるものである。

【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来の熱型センサの製造方法は以上のように、熱絶縁構造200を構成するための絶縁保護膜などの積層部103が支持脚300上にも積層されるので、支持脚300の厚みが増加して、熱絶縁機能を損ない、熱コンダクタンスが上昇するという問題点があった。

【0016】
また、本来絶縁保護すべきセンサ層102以外の熱絶縁構造200上にも不要な積層部103aが残存するので、やはり熱容量が増加するという問題点があった。

【0017】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、シリコン基板上に形成される熱絶縁構造の不要な積層部を除去するとともに、熱絶縁構造を基板上に支持するための支持脚における不要な積層部の残存を回避することにより、熱絶縁構造の熱コンダクタンスおよび熱容量を低減させた熱型センサの製造方を得ることを目的とする。

【0018】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係る熱型センサの製造方法は、主回路が形成されたシリコン基板と、シリコン基板の上部に空隙を介して配設された熱絶縁構造と、シリコン基板の上部に熱絶縁構造を支持するための支持脚とを備え、熱絶縁構造は、熱絶縁構造に照射された赤外線による上昇温度を検知するための熱検知回路を含み、支持脚は、熱検知回路からの検出信号を主回路に伝えるための配線を含み、支持脚の配線の上には、1層のみの絶縁膜が形成されている熱型センサの製造方法であって、支持脚を作製する第1の工程と、支持脚および熱絶縁構造の全面にエッチングストップ層を形成する第2の工程と、エッチングストップ層のうち、熱絶縁構造の上部に位置して熱検知回路の形成に必要な部分のみを除去し、エッチングストップ層が除去された部分に熱検知回路を形成する第3の工程と、第3の工程で形成されたエッチングストップ層の上の不要な積層部を除去する第4の工程と、エッチングストップ層の一部または全てを除去する第5の工程とを備えたものである。

【0019】

【0020】

【0021】
また、この発明の請求項2に係る熱型センサの製造方法は、請求項1において、エッチングストップ層は、金属を含む材料またはシリコンを含む材料により形成され、支持脚および熱絶縁構造は、酸化シリコンまたは窒化シリコンを含む材料により形成されたものである。

【0022】
また、この発明の請求項3に係る熱型センサの製造方法は、請求項2において、エッチングストップ層は、窒化チタン、アルミニウム、白金、金、または、タングステンにより形成されたものである。

【0023】
また、この発明の請求項4に係る熱型センサの製造方法は、シリコン基板上に熱絶縁構造および支持脚を形成して熱型センサを製造する方法であって、支持脚を作製する第1の工程と、支持脚を覆うようにスペーサ層を形成する第2の工程と、スペーサ層のうち、熱絶縁構造の上部に位置して熱検知回路の形成に必要な部分のみを除去し、熱検知回路を形成する第3の工程と、熱絶縁構造にエッチングストップ層を形成する第4の工程と、第4の工程で形成されたエッチングストップ層およびスペーサ層の上の不要な積層部を除去する第5の工程と、エッチングストップ層およびスペーサ層の一部または全てを除去する第6の工程とを備えたものである。

【0024】
また、この発明の請求項5に係る熱型センサの製造方法は、請求項4において、エッチングストップ層は、金属を含む材料またはシリコンを含む材料により形成され、スペーサ層は、シリコンまたはポリイミドを含む材料により形成され、支持脚および熱絶縁構造は、酸化シリコンまたは窒化シリコンを含む材料により形成されたものである。

【0025】
また、この発明の請求項6に係る熱型センサの製造方法は、請求項5において、エッチングストップ層は、窒化チタン、アルミニウム、白金、金、または、タングステンにより形成されたものである。

【0026】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。

【0027】
図1はこの発明の実施の形態1により製造される熱型センサを示す側断面図であり、図2は図1の熱型センサを上面から見た状態を示す平面図である。また、図3はこの発明の実施の形態1による熱型センサ製造方法を示す側断面図である。

【0028】
図1において、1は主回路が形成されたシリコン基板、2はシリコン基板1の上方に形成配置された熱絶縁構造、3は熱絶縁構造2を位置決め支持する支持脚である。

【0029】
4は熱絶縁構造2のベースとなる第1の酸化シリコン膜、5は第1の酸化シリコン膜4上に形成された配線、6は配線5上に形成された第1の窒化シリコン膜である。

【0030】
7はシリコン基板1の主回路を保護する保護膜であり、シリコン基板1の最上面に形成されている。

【0031】
8は第1の窒化シリコン膜6上に形成された電極、9は電極8上のセンサ層を構成するボロメータ膜、10はボロメータ膜9上に形成された第2の酸化シリコン膜、11は第2の酸化シリコン膜10上に形成された赤外線吸収膜、12は赤外線吸収膜11の上に形成された第2の窒化シリコン膜である。

【0032】
ボロメータ膜9上に形成された上記各種の膜は、ボロメータ膜9(熱検知回路)の絶縁保護などのための積層部を構成している。13は第1の窒化シリコン膜6上に残存するエッチングストップ層である。

【0033】
図1に示すように、熱絶縁構造2および支持脚3においては、最下層を構成する第1の酸化シリコン膜4、配線5および第1の窒化シリコン膜6が、それぞれ同一に形成されている。

【0034】
支持脚3は、熱コンダクタンスの低減を実現するために、上記3層の膜構成のみにより構成されている。また、シリコン基板1上の主回路を保護する保護膜7には、酸化シリコンや窒化シリコンなどが用いられる。

【0035】
熱絶縁構造2において、酸化バナジウムなどのボロメータ膜9は、電極8とともに熱検知回路を構成している。周知のように、ボロメータ膜9は、温度が変化すると、その抵抗値が変化する特性を有している。

【0036】
したがって、赤外線の照射による熱絶縁構造2の温度上昇は、ボロメータ膜9の抵抗変化(赤外線の照射量に対応)として、各配線と電極8を通して主回路側で読み出すことができる。

【0037】
また、ボロメータ膜9の上部には、ボロメータ膜9の保護膜となる第2の酸化シリコン膜10と、赤外線吸収膜11とが形成され、さらに、赤外線吸収膜11の保護膜となる第2の窒化シリコン膜12が順次積層されている。

【0038】
図1において、熱絶縁構造2の周囲においては、上記積層膜のうち、第1の窒化シリコン膜6よりも上層の膜は、熱容量を減少させるために除去されている。

【0039】
これらの積層膜の除去は、後述するように、エッチングストップ層13を用いて行われる。エッチングストップ層13の一部は、図1のように、熱絶縁構造2に残存している。

【0040】
図2において、支持脚3上の配線の一端は、電極8に接続されており、電極8を介してボロメータ膜9に電気的に接続されている。14は支持脚3の端部に設けられたコンタクトであり、支持脚3上の配線を、シリコン基板1上の主回路に電気的に接続している。

【0041】
上記回路パターン構成により、ボロメータ膜9は、電極8および支持脚3を介してシリコン基板1上の主回路に接続されている。なお、図2に示すように、支持脚3は熱コンダクタンスを小さくするために、細く且つ長く形成されることが好ましい。

【0042】
また、熱絶縁構造2内のエッチングストップ層13よりも外側の周辺部においては、第1の窒化シリコン膜6(図1参照)よりも上層の膜が除去される。したがって、エッチングストップ層13の形状を変えることにより、除去される積層膜の領域を任意に変えることができる。

【0043】
図3において、15はシリコン基板1上に形成されるスペーサ層である。図3(b)において、エッチングストップ層13は、熱検知回路以外の部分を覆うように形成される。また、図3(c)において、16は熱絶縁構造部の上に被覆されるフォトレジストである。

【0044】
次に、図3を参照しながら、この発明の実施の形態1による熱型センサの製造方法について説明する。まず、図3(a)において、主回路が形成されて保護膜7が施されたシリコン基板1上に、シリコンによりスペーサ層15を形成する。

【0045】
なお、シリコン基板1の端子部(図示せず)においては、熱絶縁構造2上の熱検知回路との間の電気的結合をとるためのコンタクトが形成されるので、スペーサ層15がエッチング工程により除去されている。

【0046】
続いて、スペーサ層15の上に、支持脚3および熱絶縁構造2の下部を構成する第1の酸化シリコン膜4を形成した後、窒化チタンを成膜し、フォトレジスト工程および塩素ガスプラズマエッチングを施すことにより、窒化チタンを配線5の形状にパターニングする。

【0047】
さらに、配線5の上部に第1の窒化シリコン膜6を形成し、支持脚3および熱絶縁構造2に対応する部分を形成するために、フォトレジスト工程および四フッ化炭素ガスプラズマエッチングを施すことにより、第1の酸化シリコン膜4および第1の窒化シリコン膜6を同時にパターニングする。

【0048】
この段階で、支持脚3の形成は完了する。図3(a)は、上記工程の終了状態を示している。

【0049】
次に、図3(b)において、支持脚3および熱絶縁構造3の下部形成が終了した基板に、アルミニウムからなるエッチングストップ層13を形成し、フォトレジスト工程および塩素ガスプラズマエッチングを施すことにより、熱絶縁構造2上のセンサ回路(熱検知回路)に相当する部分のエッチングストップ層13(アルミニウム層)を除去する。

【0050】
続いて、熱絶縁構造2においては、フォトレジスト工程およびエッチング工程を施すことにより、電極8と、酸化バナジウムによるボロメータ膜9とが形成され、熱検知回路が完成する。

【0051】
また、熱検知回路の形成終了後の基板には、ボロメータ膜9を保護するため、第2の酸化シリコン膜10が形成される。さらに、第2の酸化シリコン膜10の上部には、赤外線の吸収率を上げるために、ニクロムにより赤外線吸収膜11が成膜され、赤外線吸収膜11の上には、第2の窒化シリコン膜12が形成される。

【0052】
図3(b)は上記工程の終了状態を示している。次に、図3(c)において、熱絶縁構造2の形成時に積層された上記第2の酸化シリコン膜10の保護膜や赤外線吸収膜11のうち、不要な積層部を除去する。

【0053】
すなわち、上記積層部は、支持脚3上やスペーサ層15上においては不要なので、熱絶縁構造2上の必要部分のみにフォトレジスト16でマスクし、四フッ化炭素プラズマエッチングを施すことにより、図3(c)のように、不要な積層膜を除去する。

【0054】
なお、四フッ化炭素プラズマエッチングにおいては、酸化シリコンとエッチングストップ層13(アルミニウム)とのエッチング比が高いので、不要な積層膜のエッチングをエッチングストップ層13で止めることができる。

【0055】
図3(c)の段階で、エッチングストップ層13の役割は終了し、フォトレジスト16は不要となる。

【0056】
したがって、図3(d)において、塩素ガスプラズマエッチングを施すことにより、支持脚3上とスペーサ層15上のエッチングストップ層13を除去するとともに、酸素プラズマアッシングを施すことにより、フォトレジスト16は除去される。

【0057】
最後に、スペーサ層15のシリコンを二フッ化キセノンで溶解して除去することにより、図3(d)のように、シリコン基板1から中空に浮いた状態の熱絶縁構造2が完成する。

【0058】
このように、不要な積層部を除去することにより、支持脚3に不要な積層部の残存を回避することができ、支持脚3の配線上に1層のみの絶縁膜が形成されて支持脚3を薄くすることができるので、熱絶縁構造2での熱コンダクタンスの小さい熱型センサを実現することができる。

【0059】
すなわち、支持脚3の作製工程後にエッチングストップ層13を形成し、熱絶縁構造2の上部のエッチングストップ層13のうち熱検知回路形成用の必要部分のみを除去して熱検知回路を形成し、エッチングストップ層13を用いて熱絶縁構造2の不要な積層部を除去し、エッチングストップ層13の上の積層膜が除去し、支持脚3を薄く構成したので、熱コンダクタンスを低減して熱容量が低減することができる。

【0060】
また、熱絶縁構造2にあらかじめ形成されていたエッチングストップ層13の上部の膜は、全て(少なくとも一部)が除去されるので、熱容量の小さい熱型センサを実現することができる。

【0061】
また、熱絶縁構造2上のエッチングストップ層13の領域を大きくすれば、除去する積層膜の領域を大きく設定することができるので、熱絶縁構造2の熱容量をさらに小さくすることができる。

【0062】
また、ここでは、エッチングストップ層13としてアルミニウムを用いたが、窒化チタン、タングステン、白金、または、金を用いても同様の効果が期待される。

【0063】
また、ボロメータ膜9として酸化バナジウムを用いたが、アモルファスシリコン、または、アモルファス状のイットリウムバリウム銅酸化物を用いても、同様の効果が期待される。

【0064】
また、赤外線吸収膜11はニクロムの他に、高抵抗の金属材料であるクロムや窒化チタンを薄く成膜することによっても得ることができる。

【0065】
また、熱検知回路として抵抗ボロメータ方式(温度変化により抵抗値が変わる性質)を用いたが、焦電方式(温度変化により誘電率が変わる性質)を用いてもよく、さらに、サーモパイル方式(温度変化により起電力が変わる性質)を用いてもよく、上述と同様の効果を得ることができる。

【0066】
また、エッチングストップ層13の金属材料として、窒化チタン、アルミニウム、白金、金、タングステンを用いることにより、熱絶縁構造2および支持脚3を構成する材料とのエッチングの選択比が大きくとれるので、エッチングストップ層13のエッチングを容易に行うことができる。

【0067】
実施の形態2.なお、上記実施の形態1では、エッチングストップ層13をアルミニウムなどの金属で構成したが、シリコンで構成してもよい。

【0068】
この場合、エッチングストップ層13およびスペーサ層15が同じ材料で構成されるので、これら両方の層を同時に二フッ化キセノンで溶解して除去することができ、除去工程を簡略化することができる。

【0069】
また、エッチングストップ層13として金属またはシリコンを用い、支持脚3および熱絶縁構造2として、酸化シリコン、窒化シリコンまたはこれらの組合せを用いることにより、エッチングストップ層13と、支持脚3および熱絶縁構造2とのエッチングの選択比を容易に設定して、エッチングストップ層13のエッチングを容易に行うことができ、熱絶縁構造2の不要な積層部を容易に除去することができる。

【0070】
また、エッチングストップ層13として金属またはシリコンを用い、スペーサ層15としてシリコンまたはポリイミドを用い、支持脚3および熱絶縁構造2として、酸化シリコン、窒化シリコン、またはこれらの2つの組合せを用いることにより、エッチングストップ層13と支持脚3および熱絶縁構造2とのエッチングの選択比、または、スペーサ層と支持脚および熱絶縁構造とのエッチングの選択比を容易にとれるので、エッチングストップ層13およびスペーサ層15のエッチングを容易に行うことができ、熱絶縁構造2の不要な積層部を容易に除去することができる。

【0071】
実施の形態3.なお、上記実施の形態1では、支持脚3に対してもエッチングストップ層13で被覆したが、熱絶縁構造2の一部のみをエッチングストップ層13で被覆し、支持脚3は第2のスペーサ層で被覆してもよい。

【0072】
図4は第2のスペーサ層で支持脚3を被覆したこの発明の実施の形態3による熱型センサの製造方を示す側断面図であり、前述(図3参照)と同様のものについては同一符号を付して詳述を省略する。

【0073】
図4において、17はシリコン基板1上に形成された第1のスペーサ層、18は支持脚3上に形成された第2のスペーサ層である。

【0074】
この場合、前述と同様に、まず、シリコン基板1上に、シリコンからなる第1のスペーサ層17を形成し、第1のスペーサ層17の上に、第1の酸化シリコン層4、配線5および第1の窒化シリコン層6(支持脚3および熱絶縁構造2の下部)を形成する。

【0075】
図4(a)は上記工程の終了状態を示している。次に、図4(b)において、支持脚3および熱絶縁構造2の下部形成が終了した基板上に、シリコンからなる第2のスペーサ層18を形成し、フォトレジスト工程および臭化水素プラズマエッチングを施し、熱絶縁構造2の熱検知回路上の第2のスペーサ層18をエッチングにより除去する。

【0076】
なお、図4に示す第2のスペーサ層18は、支持脚3上に十分な厚みを持たせてシリコン層が成膜されているので、エッチングストップ層13とは異なり、支持脚3の囲いこみが十分に達成される。

【0077】
したがって、不要の熱絶縁構造2を除去する際に、囲いこみの不完全な部分から発生する支持脚3のエッチング損傷を完全に防止することができる。

【0078】
続いて、前述と同様に、アルミニウムによりエッチングストップ層13を成膜するとともに、塩素ガスプラズマエッチングを施すことにより、熱絶縁構造2から第1の窒化シリコン層よりも上層の積層部を除去する部分のみを残して、エッチングストップ層13を除去する。

【0079】
エッチングストップ層13が形成された熱絶縁構造2には、前述と同様に、電極8、ボロメータ膜9、第2の酸化シリコン膜10、赤外線吸収膜11、第2の窒化シリコン膜12が順次形成される。

【0080】
これにより、熱絶縁構造2の部分の形成が完了する。図4(b)は上記工程の終了状態を示している。

【0081】
ここで、前述の通り、熱絶縁構造2を形成するために積層された第2の酸化シリコン膜10や赤外線吸収膜11は、支持脚3上や第2のスペーサ層18上では不要なので、図4(c)のように、必要部分(熱絶縁構造2上)のみをフォトレジスト16でマスクし、四フッ化炭素プラズマエッチングを施すことにより不要な積層膜を除去する。

【0082】
次に、前述と同様に、塩素ガスプラズマエッチングを施すことにより、エッチングストップ層13を除去する。

【0083】
最後に、第1および第2のスペーサ層17、18のシリコンを二フッ化キセノンで溶解することにより、図4(d)のように、支持脚3で中空に位置する熱絶縁構造2が完成する。

【0084】
このように、支持脚3の作製工程後に、支持脚3を覆うように第2のスペーサ層18を形成し、熱絶縁構造2の上部のスペーサ層18を、熱検知回路の形成に必要な部分をのみ除去して熱検知回路を形成し、熱絶縁構造2にエッチングストップ層13を形成し、エッチングストップ層13および第2のスペーサ層18を用いて熱絶縁構造2の不要な積層部を除去する。

【0085】
これにより、スペーサ層18上の不要な積層膜を除去することができ、支持脚3を薄くして熱コンダクタンスを低減させることができる。また、エッチングストップ層13およびスペーサ層18により、熱絶縁構造2の不要な積層部をも除去することができるので、さらに熱容量を低減することができる。

【0086】
こうして得られた熱型センサの断面構造は、前述(図1参照)と同一になり、前述と同様に、支持脚3での不要な積層部の残存を回避して、熱コンダクタンスの小さい熱型センサを実現することができる。

【0087】
また、前述と同様に、熱絶縁構造2上のエッチングストップ層13の領域を大きく設定すれば、除去される積層膜の領域も大きくなるので、熱絶縁構造2の熱容量をさらに小さくすることができる。

【0088】
なお、ここでは、エッチングストップ層13を、第2のスペーサ層18の後に形成したが、第2のスペーサ層18を形成する前にエッチングストップ層13を形成しても同じ効果が得られる。また、エッチングストップ層13は、アルミニウムに限らず、窒化チタン、タングステン、白金、金においても同様の効果が期待される。

【0089】
実施の形態4.なお、上記実施の形態3では、第2のスペーサ層18をシリコンにより構成したが、ポリイミドにより構成してもよい。この場合、ポリイミド層のエッチングには、酸素によるプラズマアッシングを用いればよい。

【0090】
これにより、前述の実施の形態3と同様の効果を得ることができる。また、第2のスペーサ層18による支持脚3のカバレッジをさらに完全に実行することができる。

【0091】
すなわち、支持脚3の作製工程後に、支持脚3を覆うようにスペーサ層18を形成し、熱絶縁構造2の上部のスペーサ層18のうち、熱検知回路を形成するに必要な部分を除去して熱検知回路を形成する工程と、熱絶縁構造2にエッチングストップ層13を形成し、エッチングストップ層13およびスペーサ層18を用いて熱絶縁構造2の不要な積層部を除去する。

【0092】
これにより、スペーサ層18の上に積層された不要膜を除去することができるので、支持脚3が薄くすることができ、熱コンダクタンスを低下させることができる。

【0093】
また、エッチングストップ層13およびスペーサ層18を用いることにより、熱絶縁構造2の不要な積層部をも除去することができるので、熱容量を下げることができる。

【0094】
また、エッチングストップ層13の材料として金属またはシリコンを用い、支持脚3および熱絶縁構造2を構成する材料として、酸化シリコン、窒化シリコン、またはその2つの組合せを用いることにより、エッチングストップ層13と、支持脚3および熱絶縁構造2とのエッチングの選択比が容易にとれるので、エッチングストップ層13のエッチングを容易に行うことができ、熱絶縁構造2の不要な積層部を容易に除去することができる。

【0095】
また、エッチングストップ層13の材料として金属またはシリコンを用い、スペーサ層17、18の材料としてシリコンまたはポリイミドを用い、支持脚3および熱絶縁構造2を構成する材料として、酸化シリコン、窒化シリコン、または、その2つの組合せを用いることにより、エッチングストップ層13と支持脚3および熱絶縁構造2とのエッチングの選択比、または、スペーサ層17、18と支持脚3および熱絶縁構造2とのエッチングの選択比が容易にとれるので、エッチングストップ層13およびスペーサ層17、18のエッチングを容易に行い、熱絶縁構造2の不要な積層部を容易に除去することができる。

【0096】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によれば、主回路が形成されたシリコン基板と、シリコン基板の上部に空隙を介して配設された熱絶縁構造と、シリコン基板の上部に熱絶縁構造を支持するための支持脚とを備え、熱絶縁構造は、熱絶縁構造に照射された赤外線による上昇温度を検知するための熱検知回路を含み、支持脚は、熱検知回路からの検出信号を主回路に伝えるための配線を含み、支持脚の配線の上には、1層のみの絶縁膜が形成されている熱型センサの製造方法であって、支持脚を作製する第1の工程と、支持脚および熱絶縁構造の全面にエッチングストップ層を形成する第2の工程と、エッチングストップ層のうち、熱絶縁構造の上部に位置して熱検知回路の形成に必要な部分のみを除去し、エッチングストップ層が除去された部分に熱検知回路を形成する第3の工程と、第3の工程で形成されたエッチングストップ層の上の不要な積層部を除去する第4の工程と、エッチングストップ層の一部または全てを除去する第5の工程とを備えたので、熱絶縁構造の熱コンダクタンスおよび熱容量を低減させた熱型センサの製造方法が得られる効果がある。

【0097】

【0098】

【0099】
また、この発明の請求項2によれば、請求項1において、エッチングストップ層は、金属を含む材またはシリコンを含む材料により形成され、支持脚および熱絶縁構造は、酸化シリコンまたは窒化シリコンを含む材料により形成されたので、熱絶縁構造の熱コンダクタンスおよび熱容量を低減させた熱型センサの製造方法が得られる効果がある。

【0100】
また、この発明の請求項3によれば、請求項2において、エッチングストップ層は、窒化チタン、アルミニウム、白金、金、または、タングステンにより形成されたので、熱絶縁構造の熱コンダクタンスおよび熱容量を低減させた熱型センサの製造方法が得られる効果がある。

【0101】
また、この発明の請求項4によれば、シリコン基板上に熱絶縁構造および支持脚を形成して熱型センサを製造する方法であって、支持脚を作製する第1の工程と、支持脚を覆うようにスペーサ層を形成する第2の工程と、スペーサ層のうち、熱絶縁構造の上部に位置して熱検知回路の形成に必要な部分のみを除去し、熱検知回路を形成する第3の工程と、熱絶縁構造にエッチングストップ層を形成する第4の工程と、第4の工程で形成されたエッチングストップ層およびスペーサ層の上の不要な積層部を除去する第5の工程と、エッチングストップ層およびスペーサ層の一部または全てを除去する第6の工程とを備えたので、熱絶縁構造の熱コンダクタンスおよび熱容量を低減させた熱型センサが得られる効果がある。

【0102】
また、この発明の請求項5によれば、請求項4において、エッチングストップ層は、金属を含む材またはシリコンを含む材料により形成され、スペーサ層は、シリコンまたはポリイミドを含む材料により形成され、支持脚および熱絶縁構造は、酸化シリコンまたは窒化シリコンを含む材料により形成されたので、熱絶縁構造の熱コンダクタンスおよび熱容量を低減させた熱型センサが得られる効果がある。

【0103】
また、この発明の請求項6によれば、請求項5において、エッチングストップ層は、窒化チタン、アルミニウム、白金、金、または、タングステンにより形成されたので、熱絶縁構造の熱コンダクタンスおよび熱容量を低減させた熱型センサが得られる効果がある。
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
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