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Specification :(In Japanese)信号記録装置および信号記録方法

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P4293547
Publication number P2006-094078A
Date of registration Apr 17, 2009
Date of issue Jul 8, 2009
Date of publication of application Apr 6, 2006
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)信号記録装置および信号記録方法
IPC (International Patent Classification) H04N   5/91        (2006.01)
H04N   5/92        (2006.01)
G11B  20/10        (2006.01)
FI (File Index) H04N 5/91 Z
H04N 5/92 C
H04N 5/92 B
G11B 20/10 301Z
Number of claims or invention 5
Total pages 12
Application Number P2004-276301
Date of filing Sep 24, 2004
Exceptions to lack of novelty of invention (In Japanese)特許法第30条第1項適用 2004年4月16日 社団法人電子情報通信学会発行の「電子情報通信学会技術研究報告 信学技報Vol.104 No.20」に発表
Date of request for substantive examination Jul 19, 2007
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】504133110
【氏名又は名称】国立大学法人 電気通信大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】唐沢 好男
【氏名】竹本 淳
【氏名】プブドゥ サンパトゥ ウィジェセーナ
Representative (In Japanese)【識別番号】100102336、【弁理士】、【氏名又は名称】久保田 直樹
Examiner (In Japanese)【審査官】新井 寛
Document or reference (In Japanese)特開2003-174613(JP,A)
ウィジェセーナ プブドゥ、外2名,”地上ディジタルテレビの移動受信シミュレーターを用いたドップラー変動による受信劣化評価”,電子情報通信学会2004年通信ソサイエティ大会講演論文集1 PROCEEDINGS OF THE 2004 IEICE COMMUNICATIONS SOCIETY CONFERENCE,社団法人電子情報通信学会,2004年 9月 8日,P.396
Field of search H04N 5/76-5/956
G11B 20/10-20/16
G11B 27/00-27/34
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
それぞれの周波数帯域が重ならず、かつ周波数の低い方から相互に影響が出ない範囲で密に配置し、複数の放送信号を異なる周波数帯に周波数変換して合成することにより低域の信号に周波数変換する周波数変換手段と、
前記周波数変換手段によって低域に周波数変換された信号をA/D変換するA/D変換手段と、
前記A/D変換手段によってA/D変換されたデータを記憶するデータ記憶手段と、
前記データ記憶手段から読み出されたデータをD/A変換するD/A変換手段と、
前記D/A変換手段の出力信号を所望の周波数に変換する周波数上変換手段と
を備えたことを特徴とする信号記録装置。
【請求項2】
更に、時間情報を出力する時計手段と、前記A/D変換されたデータに時計手段から出力される時間情報を挿入する時間情報挿入手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の信号記録装置。
【請求項3】
更に、前記データ記憶手段からデータを読み出し、信号を補正して前記データ記憶手段に書き込む信号補正手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の信号記録装置。
【請求項4】
前記周波数変換手段は、複数の放送信号のそれぞれのみを通過させる複数のバンドパスフィルタを備えたことを特徴とする請求項1に記載の信号記録装置。
【請求項5】
前記周波数変換手段は、周波数帯域が隣接する複数の放送信号をまとめて通過させるバンドパスフィルタを備えたことを特徴とする請求項1に記載の信号記録装置。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、信号記録装置および信号記録方法に関するものであり、特に、復数のテレビ放送番組を同時に、電波形式を保持したまま記録再生することができる信号記録装置および信号記録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図12は、従来の地上ディジタル放送の受信機の構成とコンテンツの記録再生方式を示すブロック図である。受信機は電波をアンテナで受信し、所望のチャネルの信号を低周波帯の信号に変換する。この信号は地上ディジタル放送の場合は直交周波数多重(OFDM)変調されているので、これを復調してMPEG2で符号化されている信号(ベースバンド信号)に戻す。さらに、この符号化されている信号を復号化(デコード)し、映像や音声などのアナログ信号に戻して、テレビ番組(コンテンツ)を見る。
【0003】
コンテンツの記録再生方式には大別して2つの方法がある。第一の方法は、従来からある磁気テープによる記録である。これは復号化された映像や音声のアナログ信号をアナログ信号として記録する。同じアナログ信号をディジタル化してDVDやハードディスク装置(以下HDDとも記す)に記録する方法もある。第2の方法は、OFDMの復調は行うが、MPEG-2で符号化されたディジタル信号のまま例えばIEEE1394バスを介してHDDや磁気テープなどにディジタル記録する方法である。画質的な意味では、第2の方法がディジタル放送の番組記録には最も優れている。
【0004】
例えば、下記の文献には、チューナから出力されるアナログのテレビジョン信号を信号処理回路によってディジタル化し、さらに圧縮伸長回路によってMPEG画像データに圧縮した後、ハードディスクに記録する第一の方法に関する装置が開示されている。

【特許文献1】特開2003-174613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の記録再生方式は、目的とする番組を記録し、この記録データを用いて編集等を行って希望のビデオライブラリーを作成し、長期保存する目的には適している。一方、過去1日程度に放映され、見逃した番組を、後になって見たり記録したい場合には、過去の一定時間の全ての放送チャネルについて連続的に記録が残っていることが求められる。
【0006】
しかし、従来の記録再生方式では、そのような機能はない。そして、このような機能を図12に示した各々の記録再生装置に付加することは原理的には可能であるが、装置の構成が複雑になり、回路および装置規模が非常に大きくなってしまうという問題点があった。
【0007】
また、従来の記録再生装置は、受信/復調されたコンテンツを記録・再生するシステムであるため、映像や音声の一部に不良箇所があった場合でも、それを修復する機能が無いという問題点もあった。
【0008】
本発明は、上記した課題を解決し、復数のテレビ番組を同時に、電波形式を保持したまま記録再生することができるディジタル放送波の信号記録装置および信号記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の信号記録装置は、放送信号を低域の信号に周波数変換する周波数変換手段と、低域に周波数変換された放送信号をA/D変換するA/D変換手段と、A/D変換されたデータを記憶するデータ記憶手段とを備えたことを主要な特徴とする。
【0010】
また、上記した信号記録装置において、更に、前記データ記憶手段から読み出されたデータをD/A変換するD/A変換手段と、前記D/A変換手段の出力信号を所望の周波数に変換する周波数上変換手段を備えていてもよい。
【0011】
また、上記した信号記録装置において、前記周波数変換手段は複数の放送信号をそれぞれが重ならない異なる周波数帯に周波数変換して合成するようにしてもよい。
【0012】
また、上記した信号記録装置において、更に、時間情報を出力する時計手段と、A/D変換されたデータに時計手段から出力される時間情報を挿入する時間情報挿入手段とを備えていてもよい。
【0013】
また、上記した信号記録装置において、更に、前記データ記憶手段からデータを読み出し、信号を補正して前記データ記憶手段に書き込む信号補正手段を備えていてもよい。
【0014】
本発明の信号記録方法は、放送信号を低域の信号に周波数変換するステップと、低域に周波数変換された放送信号をA/D変換するステップと、A/D変換されたデータを記憶するステップとを含むことを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上記のような特徴によって、非常に簡単な回路構成で複数チャネルの放送信号の一括記録が可能である。そして、過去の一定の期間のテレビ番組内容が丸ごと記録されているので、リアルタイムに視聴する場合と同様の操作によって見のがした番組を容易に見ることができ、記録再生装置の利便性が大幅に向上するという効果がある。
【0016】
また、市販の記録・再生装置を用いて、ある番組を編集して残したい場合に、その番組の素材が複数回再生できる形で記録されているため、これを繰り返して再生することにより、ディジタルコンテンツの編集作業が著しく容易になるという効果もある。
【0017】
また、記録されている放送信号に例えば波形等化処理等の加工を施して再度記録することが可能であるので、リアルタイムにテレビ受信機で見るよりも画質のよりよい信号を再生できる可能性があるという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明の信号記録装置の機能を示す機能ブロック図である。分配手段20はアンテナ10からの信号を2つに分配する。なお、この分配手段20は必須の構成要件ではなく、アンテナ10を直接周波数変換多重化手段21に接続してもよい。
【0019】
周波数変換多重化手段21は、詳細は後述するが、所望のテレビ放送チャネルの信号を低域の信号に周波数変換する。複数の放送信号をそれぞれ異なる周波数帯に周波数変換して合成するようにしてもよい。この場合には、周波数の低い方(0Hz)から余分な空きが生じないように詰めていき、なるべく全体の周波数帯域の上限を低くする。
【0020】
A/D変換手段22は、周知のアナログ/ディジタル変換を行う。なお、入力された信号はサンプリング周波数fsの1/2以下の帯域のみを通すローパスフィルタを経てA/D変換される。
【0021】
時間情報挿入手段23は、時計手段29から出力される時間情報を例えば1秒~1分程度の所定の周期で記録するデータに挿入する。挿入する時間情報は時刻情報であってもよいし、記録開始からの経過時間情報であってもよい。なお、この時間情報挿入手段23は、本発明に必須の構成要件ではなく、A/D変換手段22の出力データをそのまま記録してもよい。
【0022】
データ記憶手段24としては、メディアの種類は磁気ディスク、光ディスク、磁気テープ、半導体メモリなど任意であるが、なるべく大容量のものが好ましい。一例として例えばHDDを使用可能である。D/A変換手段25は周知のディジタル/アナログ変換を行う。周波数上変換手段26は、詳細は後述するが、低域のアナログ信号をテレビ受信機12で受信可能な所望の放送周波数へ周波数変換する。
【0023】
合成手段27は周波数上変換手段26の出力信号と分配手段20の出力信号とを合成して出力する。なお、この合成手段27は本発明に必須の構成要件ではなく、直接周波数上変換手段26の出力を直接テレビ受信機12に接続してもよい。
【0024】
時計手段29は制御手段28に時刻情報を提供し、制御手段28は例えば蓄積プログラム制御によって装置内の各手段を制御し、記録、再生あるいは信号補正動作を実行する。信号補正手段30は、詳細は後述するが、データ記憶手段24に記憶されているデータを読み出してスペクトラム等化処理などの信号加工処理を施し、再度記録する。
【0025】
なお、データ記憶手段24に記憶された記録データをコピーすることも可能である。更に、記録データをD/A変換せずに、ディジタル処理によってチャネル選択(ディジタルフィルタ処理)、OFDM復調、MPEG-2復号等を行うことも可能である。これらの処理はリアルタイムで実行する必要がないので、低速のCPUでも実行可能である。記録を実行した後に必要な番組データのみをMPEG-2データ等に変換して再度記録することにより、記録データ量が削減できる。以下実施例について説明する。
【実施例1】
【0026】
図2は、本発明の信号記録装置の実施例のハードウェア構成例を示すブロック図である。なお、実施例としては、一例として地上波ディジタルテレビ放送の放送信号を記録再生する装置について説明するが、本発明の装置および方法は、変調方式やコンテンツ、伝送帯域等に関わらず、任意の放送/通信/再生信号の記録再生に適応可能である。公知の分配回路40はアンテナ10からの信号を2つに分配する。周波数変換多重化手段41は、所望のテレビ放送チャネルの信号を低域の信号に周波数変換する。
【0027】
図3は、周波数変換多重化回路41の構成例を示すブロック図である。分配器60は分配回路40の出力信号を必要であれば所定のレベルまで増幅した後、更に複数のバンドバスフィルタ(以下BPFと記す)61に分配する。複数のBPF61は例えばSAWフィルタからなり、それぞれが例えば地上波ディジタル放送チャネルの内の1つのチャネルの放送信号帯域のみを通過させる。
【0028】
スイッチ回路62は電子的スイッチング素子等によって構成され、外部からの制御信号に基づき、任意のBPF61と周波数変換回路63の内の任意の1つとを接続する。図3においては、チャネルA、C、Eと対応するBPF61がそれぞれ周波数変換回路63と接続されている。
【0029】
複数の周波数変換回路63は、BPF61の出力信号と局発信号発生回路65から出力される局発信号とを乗算して周波数の差信号を出力する。周波数変換回路63としては例えばリング変調器など公知の任意の周波数変換回路を採用可能である。
【0030】
局発信号発生回路65は例えば公知のPLL回路等を使用した周波数シンセサイザ回路からなり、外部からの制御に基づき複数の所望の局発信号fLOを発生する。合成回路は例えば抵抗加算回路からなり、複数の周波数変換回路63からの出力信号を加算合成する。
【0031】
本発明においては、通常のスーパーヘテロダイン方式を採用することも考えられる。しかし、通常のスーパーヘテロダインでは信号帯域幅より非常に高い周波数の中間周波数帯に変換するのでイメージ信号との分離が容易であるが、本発明においては、周波数変換後の(中間)周波数が信号帯域幅より小さい程度であるので、周波数変換回路63の前段でBPF61によって不要波を減衰させておかないと、変換後の0Hz以下の信号が折り返して干渉を与え、正常に受信できなくなる。
【0032】
図5は、受信チャネルの低周波数帯への周波数多重を示す説明図である。この例は、チャネルA, C, Eの3つのチャネルを同時に記録する例である。周波数軸上に並ぶ各チャネルのテレビ信号のうち、希望するチャネルと対応するBPF(ここではBPF-A, BPF-C, BPF-E)を通過させ、周波数変換回路63によって低周波数帯に周波数変換する。
【0033】
希望するチャネルの中心周波数と局発信号の周波数fLOとの差が図5のf1、f2、f3となるように周波数変換回路63に入る局発信号の周波数fLOを制御する。低周波数帯での周波数軸上の配置は、周波数の低い方から相互に影響が出ない範囲で密に配置する。チャネル周波数間隔が6MHz の地上波ディジタル放送システムでは、例えば6.5MHz間隔に配置すれば良い。このようにすると全体の帯域幅Wは3チャネル分合わせて約20MHzになる。
【0034】
図6は、放送周波数が連続する複数のチャネルをまとめて記録する例を示す説明図である。地上波ディジタル放送の場合には、複数の放送チャネルが隙間無く密に配置されている。この場合には、図6に示すように、複数の放送チャネル全体のみを通過させるBPF(A-D)61を使用し、この出力信号を周波数変換することにより、記録装置の回路構成がより簡単となる。この場合には、1つの周波数変換回路63によって周波数変換可能であるので、BPF61、周波数変換回路63、局発信号発生回路がそれぞれ1つあればよく、分配回路、スイッチ回路、合成回路等は不要となる。
【0035】
現時点におけるHDDの容量は数百GB程度であるが、この値は時代と共に大きくなって、数年先にはHDDの容量は数TBを期待することができる。後者の性能であれば、図6のように、数チャネルの信号全体をまとめた帯域を持つBPF一つにより取り出し、一括して周波数変換して、長時間記録することができる。
【0036】
図2に戻って、A/D変換回路42は、標本化定理が満たされる信号帯域Wの2倍(2W)以上のサンプリング周波数fsでサンプリングして、アナログ信号をディジタル信号に変換する。A/D変換器としては、サンプリング周波数が数十~数百MHz程度、変換精度は8~12ビット程度必要である。なお、このようなA/D変換器は市販されている。入力された信号はサンプリング周波数fsの1/2以下の帯域のみを通すローパスフィルタを経てA/D変換される。
【0037】
ADCインターフェイス(I/F)回路54は、CPUの制御に基づき、A/D変換回路42からのデータの入力およびD/A変換回路43へのデータの出力を実行する。制御用インターフェイス回路55は、CPUの制御に基づき、周波数変換多重化回路41、A/D変換回路42、D/A変換回路43、周波数上変換回路44を制御する。
【0038】
CPU、ROM、RAM50は制御手段28に相当し、CPUが、ROMに記憶されている後述する処理のプログラムを実行することにより、記録装置全体を制御する。
【0039】
ハードディスク装置51はなるべく大容量のものが好ましい。例えば放送信号の帯域が6MHzであった場合、A/D変換器のサンプリング周波数fsを15MHzとし、精度を8ビット(1バイト)とすると、毎秒15MBのデータが発生する。従って、例えばこの信号を1日に3時間×4チャネル記録するためには、15MB×3600×3×4=648GBあればよく、現在入手可能なHDD数個を使用して実現可能である。なお、データ圧縮技術を使用することによって、記憶データ量を削減して記録時間を延ばすこともできる。
【0040】
パネル、リモコン回路52は液晶表示装置やスイッチ、キーボード、リモコン信号送受信回路等を備え、使用者の操作情報を入力すると共に装置の状態やメッセージ等を表示する。時計回路53は、水晶発振器等を内蔵し、時刻情報を提供する。D/A変換回路43は周知のディジタル/アナログ変換を行う。
【0041】
図4は、周波数上変換回路44の構成例を示すブロック図である。周波数上変換回路44は低域のアナログ信号をテレビ受信機12で受信可能な所望の放送周波数へ周波数変換する。周波数変換回路67および局発信号発生回路68としては、図3の周波数変換回路63および局発信号発生回路65と同一の回路を使用可能である。合成回路45は周波数上変換回路44の出力信号と分配回路40の出力信号とを合成して出力する。
【0042】
図7は、再生時に希望のチャネル信号を取り出すための周波数変換を示す説明図である。チャネルA、B、Cが一つのデータとして記録されており、これからチャネルBの番組を再生したいとする。どの周波数帯にどのチャネルが記録されているかという情報は、記録データ中かあるいは別ファイルとして記憶されている。また、テレビ受信機では空きチャネルx(その中心周波数はfR)で、見ることが出来るように設定されているとする。
【0043】
この場合、チャネルBの再生を指定すると、局発信号の周波数fLOが fR - f2になる。これにより、テレビのチャネルxでチャネルBの番組を見ることができる。このように、チャネルの設定は、局発信号の発信周波数を変えることで対処できる。なお、図7の状態でチャネルxの上下のチャネルも空いている場合には例えばテレビのチャネルを上下に変更すればチャネルAあるいはチャネルCを見ることもできる。
【0044】
また、図6に示したように、複数のチャネルを一括して記録した場合には、特定のチャネルの再生を指定する代わりに、複数のチャネルを元の放送周波数帯に変換することにより、テレビでリアルタイムに視聴するのと同様に所望のチャネルを選択して見ることが可能である。この場合には、周波数上変換回路44の出力信号のみがテレビ受信機12へ入力されるように、合成回路45の代わりにスイッチ回路を使用する。
【0045】
図8は、A/D変換データへの時刻情報(タイムコード)の付加を示す説明図である。再生のためには、希望のチャネルと指定する時刻のデータを瞬時に取り出すための仕組みが必要になる。そこで、セクター化されたデータのヘッダに時間情報を記録し、これを検索することで、任意の時刻からの再生開始を実現する。
【0046】
A/D変換された信号70を適当な時間間隔でブロック化し、その信号データブロック72毎にヘッダ情報として時間情報であるタイムコード73を付加し、この時間情報が付加されたデータ72を一つのセクタとして、これをHDDに連続的に記録する。ブロック化の単位時間は例えば1秒~1分程度であってもよい。。再生時にはこの時間情報が取り外されたディジタルデータ74からD/A変換される。
【0047】
なお、チャネル情報は、低周波数帯に変換された後の各チャネル信号の中心周波数(図5のf1, f2, f3)あるいは周波数軸上の順序情報をタイムコードと一緒に、あるいは別途記録しておく。これにより、再生時のチャネル指定を可能とする。
【0048】
図11は、本発明の信号記録装置の記録および再生処理の内容を示すフローチャートである。なお、信号記録装置には毎日の記録する時間帯および記録するチャネルの情報が予め設定されているものとする。図11(a)の記録処理において、S10においては、記録開始時刻が到来するまで待つ。S11においては、チャネルを選択する。即ち、記録すべきチャネルと対応するBPF61を周波数変換回路63に接続し、局発信号発生回路65に局発信号周波数データを設定する。
【0049】
S12においては、日時情報および記録するチャネルの配置情報を生成し、データに付加するヘッダ情報中に書き込むか、別途ファイルとして保存する。S13においては、記録開始制御を行う。即ち、A/D変換器に所定のサンプリング周期でA/D変換を行うように設定し、変換されたデータをRAMに読み込み、所定時間のデータが溜まるとタイムコードを付加してHDDに書き込む処理を繰り返すように設定する。
【0050】
S14においては、所定時間が経過したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS16に移行するが、肯定の場合にはS15に移行する。S15においては、時計回路から例えば時刻情報を取得し、記録データに時刻情報を含むタイムコードを挿入する。S16においては、終了時刻になったか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS14に移行するが、肯定の場合にはS17に移行する。S17においては、記録終了制御を行う。
【0051】
図11(b)の再生処理において、S20においては、パネルあるいはリモコンを用いた使用者の再生操作に基づき、使用者の希望する再生時間帯およびチャネルを入力する。S21においては、チャネル設定を行う。即ち、記録されている所望のチャネルの信号がテレビ受信機の所望のチャネルの周波数に変換されるように周波数上変換回路44を設定する。
【0052】
S22においては、指定の日時から再生を開始する。即ち、記録データ中のタイムコードを検索して、所望の再生開始時刻と対応するセクタのデータから読み出しを開始し、所定のサンプリング周期ごとにD/A変換するようにD/A変換回路43を制御する。S23においては、所定の時間が経過するまで再生処理を続け、S24においては、再生終了処理を行う。
【0053】
次に、記録した信号の補正について説明する。本発明の記録装置によれば、受信地点の電波環境が劣悪であることによって本記録装置により記録された信号の品質が劣化している場合、その信号に対して波形整形(等化)等のディジタル信号処理を行い、品質劣化のないように加工して再生できる。
【0054】
ここで言う加工とは、例えば、受信信号を周波数分析して周波数特性を信号処理により平坦にするようなソフトウェア上での処理を意味する。加工内容は、波形整形の他、特定のチャネル信号の抽出(フィルタリング)、OFDM復調、圧縮信号の伸張あるいは他の圧縮方式への変換など任意であり、HDDに記録されているので、加工をリアルタイムに処理する必要がなく、低速のCPUでも実行可能である。
【0055】
図9は、信号補正手段30の一例である波形整形処理を示すブロック図である。また、図10は、周波数成分解析による信号品質判定および波形整形結果を示す説明図である。周波数成分解析手段(FFT)は、記録データの一部、例えば指定した時間の前後1秒程度を一つのブロックデータとして取り出し、例えば高速フーリエ変換を使用した周波数成分解析を行う。
【0056】
波形歪み判定手段81は、例えば反射波等の影響によって周波数特性が一定範囲以上の分散を持つ場合には、電波環境が不良(NG)と判断し、範囲内の分散であれば電波環境は良好(OK)と判断する。図10(a)はNGと判断される例である。NGと判断された場合は、波形整形手段82によって、各周波数成分に重みをかけてフラットにする補正演算を行う。図10(b)は補正演算後のスペクトラム例を示している。データ書込制御手段83は、NGの場合に元信号を波形整形手段82によって加工したデータに置き換えて保存する。ここで述べた方法は、あくまで一例であり、記録した信号の品質の良否の判定方法や、否である場合の信号の加工方法は任意である。
【0057】
以上実施例を説明したが、本発明の信号記録装置には以下のような変形例も考えられる。実施例としては、図2に示すような構成例を開示したが、例えば周知のパソコンに周波数変換機能、A/D変換、D/A変換機能等を持つボードを装着することによっても本発明を実施可能である。この場合にはパソコンに具備されているHDDに信号を記録する。
【0058】
実施例としては、地上波ディジタルテレビ放送の放送信号を記録再生する装置について開示したが、本発明の装置および方法は、変調方式やコンテンツ、伝送帯域等に関わらず、任意の放送/通信/再生信号の記録再生に適応可能であり、例えばアナログ放送信号とデジタル放送信号とが混在していてもよい。
【0059】
通常のテレビ受信機を改造すること無く、記録・再生するためには、再生信号は放送波の周波数帯に戻さなければいけないが、本発明の記録・再生装置と受信機を一体として設計する場合には、再生した信号を高周波信号に戻さず、低周波あるいは直交検波(IQ分離)されたベースバンド信号のままで、テレビ受信機の入力信号として接続することが可能である。
【0060】
本発明においては、記録した信号の加工が可能であるので、記録した受信信号を用い、受信信号に所定の劣化を施す等の加工をすることによって、受信劣化が予想される移動体環境での受信特性等の評価に利用することもできる。
実施例としては、1つのA/D変換器で変換する例を開示したが、複数のA/D変換器を使用するか、あるいは1つのA/D変換器を時分割多重処理させて、複数のチャネルの低域信号をそれぞれA/D変換して別データとして記録してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の信号記録装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の信号記録装置の実施例のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】周波数変換多重化回路41の構成例を示すブロック図である。
【図4】周波数上変換回路44の構成例を示すブロック図である。
【図5】受信チャネルの低周波数帯への周波数多重を示す説明図である。
【図6】連続する複数のチャネルをまとめて記録する例を示す説明図である。
【図7】再生時の周波数変換を示す説明図である。
【図8】A/D変換データへの時刻情報の付加を示す説明図である。
【図9】信号補正手段の一例である波形整形処理を示すブロック図である。
【図10】周波数成分解析による信号品質判定および波形整形結果を示す説明図である。
【図11】記録および再生処理の内容を示すフローチャートである。
【図12】従来の受信機の構成と記録再生方式を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0062】
10…アンテナ
11…信号記録装置
12…テレビ受信機
20…分配手段
21…周波数変換多重化手段
22…A/D変換手段
23…時間情報挿入手段
24…データ記憶手段
25…D/A変換手段
26…周波数上変換手段
27…合成手段
28…制御手段
29…時計手段
30…信号補正手段

Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
5
(In Japanese)【図7】
6
(In Japanese)【図8】
7
(In Japanese)【図9】
8
(In Japanese)【図10】
9
(In Japanese)【図11】
10
(In Japanese)【図12】
11