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Specification :(In Japanese)金型のラップ処理方法とラップ用工具

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P4081551
Publication number P2007-054904A
Date of registration Feb 22, 2008
Date of issue Apr 30, 2008
Date of publication of application Mar 8, 2007
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)金型のラップ処理方法とラップ用工具
IPC (International Patent Classification) B24B  37/00        (2006.01)
B24B  57/02        (2006.01)
FI (File Index) B24B 37/00 K
B24B 57/02
Number of claims or invention 9
Total pages 11
Application Number P2005-241606
Date of filing Aug 23, 2005
Date of request for substantive examination Aug 23, 2005
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】304021288
【氏名又は名称】国立大学法人長岡技術科学大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】田辺 郁男
【氏名】須貝 裕之
Representative (In Japanese)【識別番号】100069578、【弁理士】、【氏名又は名称】藤川 忠司
Examiner (In Japanese)【審査官】金本 誠夫
Document or reference (In Japanese)特開昭59-134651(JP,A)
特開昭61-244457(JP,A)
特開平03-043150(JP,A)
特開昭62-057868(JP,A)
特開2003-225851(JP,A)
Field of search B24B 31/00,37/00
B24B 9/00-19/28
B22C 1/00- 3/00, 5/00- 9/30,11/00-25/00
B22D 1/00- 5/04, 7/00- 9/00,11/00-11/22,13/00-13/12,15/00-17/32,18/00-18/08,19/00-19/16,21/00-23/06,23/10,25/00-25/08,27/00-27/20,29/00-31/00,33/00-47/02
B29B 7/00-11/14,13/00-15/06
B29C 31/00-31/10,33/00-33/76,35/00-35/18,37/00-37/04,39/00-39/24,39/26-39/36,39/38-39/44,41/00-41/36,41/38-41/44,41/46-41/52,43/00-43/34,43/36-43/42,43/44-43/48,43/52-43/58,45/00-45/24,45/26-45/44,45/46-45/63,45/64-45/68,45/70-45/72,45/73,45/74-45/84,47/00-47/96,49/00-49/46,49/48-49/56,49/58-49/68,49/70,49/72-51/28,51/30-51/40,51/42,51/44,51/46,53/00-53/84,55/00-55/30,57/00-59/18,61/00-61/10,63/00-65/52,67/00-67/08,67/12-67/18,67/20-67/24,69/00-69/02,71/00-71/02,71/04,73/00-73/34
B29D 1/00- 7/01,11/00-29/10,30/00-30/72,31/00-31/02
C08J 7/00- 7/02, 7/12- 7/18
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
数値制御工作機械にセットされた金型の加工凹部内にラップ剤を充填すると共に、金型の加工凹部内に中子を配設して当該加工凹部内におけるラップ剤の充填容積を減じ、数値制御工作機械の主軸に取り付けたラップ用工具を前記ラップ剤内で自転させながら前記加工凹部の被ラップ処理面に沿って移動させることにより、当該ラップ用工具でラップ剤を被ラップ処理面に作用させてラップ処理を行うことを特徴とする、金型のラップ処理方法。
【請求項2】
金型の上側に、当該金型の加工凹部を取り囲む囲み部材を取り付け、この囲み部材と前記金型の加工凹部とでラップ剤充填容器を形成することを特徴とする、請求項1に記載の金型のラップ処理方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の金型のラップ処理方法に使用するラップ用工具であって、工具本体の周面に、この周面に接するラップ剤を当該工具本体の自転により遠心方向に飛散させるための凹凸加工が施されている、ラップ用工具。
【請求項4】
前記工具本体の先端部がほぼ半球面形に面取りされ、この半球面形先端部にも前記凹凸加工が施されている、請求項3に記載のラップ用工具。
【請求項5】
前記凹凸加工が、入り込んだラップ剤を遠心力で放射状に射出させることができる凹溝を周方向適当間隔おきに形成するもので、工具本体には、その内部に軸心方向に沿ってラップ剤導入孔が設けられ、当該ラップ剤導入孔の一端は工具本体の先端部に開口すると共に他端は横孔を介して前記各凹溝内に開口している、請求項3又は4に記載のラップ用工具。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の金型のラップ処理方法に使用するラップ用工具であって、周囲のラップ剤を金型側の被ラップ処理面に摺接させるバフを備えている、ラップ用工具。
【請求項7】
数値制御工作機械にセットされた金型の加工凹部内にラップ剤を充填し、数値制御工作機械の主軸に取り付けたラップ用工具を前記ラップ剤内で自転させながら前記加工凹部の被ラップ処理面に沿って移動させることにより、当該ラップ用工具でラップ剤を被ラップ処理面に作用させてラップ処理を行う金型のラップ処理方法に使用するラップ用工具であって、工具本体に、ポンプ室と、このポンプ室の一端側から連設されて工具本体の先端に開口するラップ剤吐出通路と、ポンプ室の他端側に連設されて工具本体の周面に開口するラップ剤流入口とが設けられ、前記ポンプ室内には、工具本体と一体に回転することによりこのポンプ室内のラップ剤を前記ラップ剤吐出通路へ送り出す羽根が設けられている、ラップ用工具。
【請求項8】
数値制御工作機械にセットされた金型の上側に、当該金型の加工凹部を取り囲む囲み部材を取り付け、この囲み部材と前記金型の加工凹部とでラップ剤充填容器を形成し、該ラップ剤充填容器の中にラップ剤を充填し、数値制御工作機械の主軸に取り付けたラップ用工具を前記ラップ剤内で自転させながら前記加工凹部の被ラップ処理面に沿って移動させることにより、当該ラップ用工具でラップ剤を被ラップ処理面に作用させてラップ処理を行う金型のラップ処理方法に使用するラップ用工具であって、工具本体に、ポンプ室と、このポンプ室の一端側から連設されて工具本体の先端に開口するラップ剤吐出通路と、ポンプ室の他端側に連設されて工具本体の周面に開口するラップ剤流入口とが設けられ、前記ポンプ室内には、工具本体と一体に回転することによりこのポンプ室内のラップ剤を前記ラップ剤吐出通路へ送り出す羽根が設けられている、ラップ用工具。
【請求項9】
数値制御工作機械にセットされた金型の加工凹部内にラップ剤を充填すると共に、金型の加工凹部内に中子を配設して当該加工凹部内におけるラップ剤の充填容積を減じ、数値制御工作機械の主軸に取り付けたラップ用工具を前記ラップ剤内で自転させながら前記加工凹部の被ラップ処理面に沿って移動させることにより、当該ラップ用工具でラップ剤を被ラップ処理面に作用させてラップ処理を行う金型のラップ処理方法に使用するラップ用工具であって、工具本体に、ポンプ室と、このポンプ室の一端側から連設されて工具本体の先端に開口するラップ剤吐出通路と、ポンプ室の他端側に連設されて工具本体の周面に開口するラップ剤流入口とが設けられ、前記ポンプ室内には、工具本体と一体に回転することによりこのポンプ室内のラップ剤を前記ラップ剤吐出通路へ送り出す羽根が設けられている、ラップ用工具。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、切削加工された金型の加工凹部内のラップ処理方法と当該ラップ処理方法の実施に活用できるラップ用工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
数値制御工作機械によって切削加工された金型は、最終仕上げ処理としてその加工凹部の内側表面をラップ処理(磨き処理)されるが、従来の実用的なラップ処理方法としては、具体的に技術内容を開示した特許文献などを示すことはできないが、手作業によるハンドラップ処理方法が一般的に知られているに過ぎない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のハンドラップ処理方法として、例えばダイヤモンド砥粒などを含むラップ剤を手持ち工具である射出装置で遠心力により金型の被ラップ処理面に向けて射出し、当該ラップ剤を被ラップ処理面上で高速で滑走させて発生する摩擦熱で被ラップ処理面を磨く方法が知られているが、長時間の人的作業を伴うので、処理時間の長期化、処理コストの高騰を余儀なくされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記のような従来の問題点を解消し得る金型のラップ処理方法を提供することを目的とするものであって、その特徴を後述する実施形態の参照符号を付して示すと、数値制御工作機械にセットされた金型の加工凹部2内にラップ剤8を充填すると共に、金型1の加工凹部2内に中子21を配設して当該加工凹部2内におけるラップ剤8の充填容積を減じ、数値制御工作機械の主軸4に取り付けたラップ用工具3を前記ラップ剤8内で自転させながら前記加工凹部2の被ラップ処理面2aに沿って移動させることにより、当該ラップ用工具3でラップ剤8を被ラップ処理面2aに作用させてラップ処理を行うことを特徴とする。
【0005】
上記構成の本発明を実施するについて、具体的には請求項2に記載のように、金型1の上側に、当該金型1の加工凹部2を取り囲む囲み部材5を取り付け、この囲み部材5と前記金型1の加工凹部2とでラップ剤充填容器を形成し、この中にラップ剤8を充填することができる。
【0006】
本発明は又、上記の金型のラップ処理方法を実施する際に活用できるラップ用工具、即ち、請求項3に記載のように、工具本体6の周面に、この周面に接するラップ剤8を前記工具本体6の自転により遠心方向に飛散させるための凹凸加工(突条7など)が施されている、ショットピーニング型のラップ用工具を提供する。このショットピーニング型のラップ用工具を実施する場合、請求項4に記載のように、前記工具本体6の先端部を先細り形(半球面状など)に面取りし、この先端部6aの領域まで前記凹凸加工(突条7など)を施すことができるし、請求項5に記載のように、前記凹凸加工を、入り込んだラップ剤8を遠心力で放射状に射出させることができる凹溝11が周方向適当間隔おきに形成されたものとし、工具本体10には、その内部に軸心方向に沿ってラップ剤導入孔15を設け、当該ラップ剤導入孔15の一端は工具本体10の先端部に開口すると共に他端は横孔16を介して前記各凹溝11内に開口させることができる。
【0007】
更に、上記のショットピーニング型のラップ用工具に代えて、請求項6に記載のように、周囲のラップ剤8を金型1側の被ラップ処理面2aに摺接させるバフ20を備えた、アブレジョン型のラップ用工具も提供する。
【0008】
又、本発明は、請求項7、8又は9に記載のように、工具本体23に、ポンプ室24と、このポンプ室24の一端側から連設されて工具本体23の先端に開口するラップ剤吐出通路26と、ポンプ室24の他端側に連設されて工具本体23の周面に開口するラップ剤流入口25とが設けられ、前記ポンプ室24内には、工具本体23と一体に回転することによりこのポンプ室24内のラップ剤を前記ラップ剤吐出通路26へ送り出す羽根(軸流ポンプ用羽根)27が設けられた、工具本体先端からラップ剤を射出できるタイプのラップ用工具を提供する。
【発明の効果】
【0009】
上記請求項1に記載の本発明に係るラップ処理方法は、金型の加工凹部の被ラップ処理面、即ち、内側表面の三次元データに基づいて予め設定された数値制御プログラムにより数値制御工作機械の主軸を移動させ、当該主軸に取り付けて回転駆動させているラップ用工具を、前記金型の加工凹部の被ラップ処理面に対し一定の相対位置関係を維持させながら移動させることにより、前記金型の加工凹部内に充填されているラップ剤を当該ラップ用工具で金型の被ラップ処理面に叩きつけたり摺接させてラップ処理を行うものであるから、人手に頼らず全自動的に金型のラップ処理を極めて能率良く実施することができる。しかも、金型の加工凹部内に直接ラップ剤を充填して、当該加工凹部の内側表面である被ラップ処理面をラップ剤にどぶ漬け状態とし、このラップ剤内でラップ用工具を自転させながら移動させるのであるから、ラップ用工具/被ラップ処理面に対するラップ剤の連続供給も無装置、無エネルギーで行っていることになり、設備コスト及びランニングコストを大巾に削減し、非常に安価に高品質のラップ処理が行えるに至ったのである。更に、金型の加工凹部内に中子を配設して当該加工凹部内におけるラップ剤の充填容積を減じているため、金型の加工凹部の容積が大きな大型の金型に対しては、高価なラップ剤の使用量を減らし、処理コストの削減を図ることができる。
【0010】
尚、請求項2に記載の構成によれば、被ラップ処理面の上端(金型の加工凹部上端)よりも高レベルまで確実にラップ剤にどぶ漬け状態とすることができるので、ラップ剤の補給無しに被ラップ処理面の上端まで確実にラップ処理することができる。又、ラップ剤の飛散も囲み部材で抑制することができる。
【0011】
上記の請求項1又は2に記載の本発明のラップ処理方法を実施する場合、請求項3~6に記載のラップ用工具を活用することができる。請求項3に記載のラップ用工具を利用するときは、回転する工具本体の周面の凹凸加工により、当該周面に接するラップ剤を遠心方向に飛散させることができるので、この工具の周面を金型側の被ラップ処理面に対し一定の小隙間を隔てて移動させるように制御することにより、ショットピーニング型のラップ用工具として本発明方法によるラップ処理に活用し、当該ラップ処理を自動的且つ連続的に遂行させることができる。
【0012】
更に、請求項4に記載のラップ用工具を採用するときは、工具の半球面形先端部の凹凸加工により、当該工具の先端部周囲でもラップ剤を遠心方向に飛散させて、当該工具の先端部に対面する金型側の被ラップ処理面に対してもラップ処理を行わせることができ、ラップ処理ができなくなる死角部位を少なくするのに役立つ。
【0013】
又、請求項5に記載の構成によれば、工具をラップ剤の中で自転させるだけで、ラップ剤を凹溝内から遠心力で強力に射出させて金型の被ラップ処理面に叩きつけるようにして強力なラップ処理を行うことができるのであるが、遠心力によるラップ剤の射出により負圧になった凹溝内へは工具先端の開口から自動的にラップ剤が吸引補給されるので、この工具に対する特別なラップ剤補給手段を併用する必要がない。
【0014】
又、請求項6に記載のラップ用工具を採用するときは、この工具のバフ周部が金型側の被ラップ処理面に一定の圧力で摺接する状態で当該被ラップ処理面に沿って当該工具が自転しながら移動するように制御することにより、アブレジョン型のラップ用工具としてラップ処理を自動的且つ連続的に遂行させることができる。
【0015】
更に、請求項7、8又は9に記載のラップ用工具を採用するときは、工具本体の先端からラップ剤を射出させることができるので、主として工具本体の周面からラップ剤を放射状に飛散させたり射出するタイプのラップ用工具では、その工具本体の周面を対面させることが困難であるが、工具本体の先端を対面させることは容易な金型の被ラップ処理面に対するラップ処理も確実に行える。しかも、工具本体に対して外部からラップ剤を送給する手段を別途準備する必要がなく、単に回転駆動する工具本体の周面に開口しているラップ剤流入が金型内のラップ剤中に浸漬される状態を維持するだけで良く、安価に本発明方法を実施することができる。この請求項7、8又は9に記載の構成は、請求項36に記載の構成と組み合わせて実施することにより、一層効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明の具体的実施例を添付図に基づいて説明すると、図1において、1は数値制御工作機械において加工凹部2が切削加工された直後で当該数値制御工作機械にセットされたままの金型であり、3は当該数値制御工作機械の主軸4に、前記加工凹部2の切削に使用された切削工具に代えて取り付けられたショットピーニング型のラップ用工具である。5は加工凹部2の上端周辺を取り囲むように金型1の上面に据え付けられた囲み部材であって、この囲み部材5と加工凹部2とでラップ剤充填容器が形成されている。換言すれば、囲み部材5によって加工凹部2の内部空間が嵩上げされている。
【0017】
ショットピーニング型のラップ用工具3は、図2に示すように、ほぼ半球面状の先端部6aを備えた円柱状の工具本体6の前記先端部6a含む先端側適当長さのラップ作用領域6bの周面に凹凸加工が施されている。図示例におけるラップ作用領域6bの周面の凹凸加工は、この工具本体6の軸心方向に沿った突条7を周方向適当間隔おきに突設したものである。この図示例での各突条7は、高さが徐々に低くなる状態で、又は同一高さのままで、半球面状先端部6aの先端に達するように当該先端部6aの領域まで延設されている。又、図示していないが、このラップ用工具3の表面(突条7の外側面を含む)には、ラップ剤の摺接により当該ラップ用工具3の表面が磨耗するのを抑えるゴムなどの保護被膜が施される。
【0018】
金型1の加工凹部2の内側表面、即ち、被ラップ処理面2aに対するラップ処理に先立って、囲み部材5と加工凹部2とで形成されたラップ剤充填容器内にラップ剤8が充填される。このラップ剤8は、ダイヤモンド砥粒を含む液相物(ダイヤモンドペーストなど)である。このラップ剤8の充填量は、金型1の加工凹部2の上端を完全にカバーできる量でなければならない。
【0019】
而して、主軸4へのラップ用工具3の取り付けとラップ剤8の充填とが完了すれば、主軸4を回転駆動してラップ用工具3を所定速度で所定の方向に自転させながら、当該工具3のラップ作用領域6bが金型1の被ラップ処理面2aに対し一定の小間隙(上記構成のショットピーニング型のラップ用工具3の場合で0.1~3mm程度)を保って当該被ラップ処理面2aに沿って移動するように、主軸4に対する位置制御を行う。このときの工具3の少なくともラップ作用領域6bと金型1の被ラップ処理面2aはラップ剤8にどぶ漬け状態にあるから、工具3のラップ作用領域6bに接するラップ剤8は当該工具3の自転により各突条7との間の摩擦抵抗で回転力を受け、この回転によりラップ作用領域6bに接するラップ剤8には遠心力が働いて放射状に飛散し、金型1の被ラップ処理面2aに叩きつけられて当該被ラップ処理面2aをラップ処理することになる。尚、突条7を形成する凹凸加工は、工具3の半球面状先端部6aにも施されているので、この工具3の半球面状先端部6aに接するラップ剤8も当該半球面状先端部6aから遠心方向に飛散し、この半球面状先端部6aに対面する金型1側の被ラップ処理面2aもラップ作用を受けることになる。
【0020】
金型1の加工凹部2の切削加工を行う数値制御工作機械には、主軸4(この主軸4に取り付けられる切削工具)の位置制御のための数値制御プログラムが設定されている。従って、この数値制御プログラムのデータ(加工凹部2の内側表面の三次元位置データ)に対し、上記のラップ用工具3と金型1の加工凹部2の内側表面(被ラップ処理面2a)との間に確保すべき一定小間隙の値をオフセット値として加味したラップ処理用の主軸4に対する数値制御プログラムを自動生成させ、このラップ処理用の数値制御プログラムに従って主軸4の位置制御を行うことにより、上記のラップ用工具3を使用して金型1の被ラップ処理面2aの全面を自動ラップ処理することができる。
【0021】
以下、ラップ用工具の変形例について説明すると、図3に示すショットピーニング型のラップ用工具9は、ほぼ半球面状の先端部10aを備えた円柱状の工具本体10の前記先端部10a含む先端側適当長さのラップ作用領域10bの周面に凹凸加工として、適当深さの凹溝11が周方向適当間隔おきに刻設されている。各凹溝11は、先端部10aに至るほど深さが増大し且つ横断面形状においては奥端側が工具9(工具本体10)の回転方向に進む方向に傾斜して設けられている。又、各凹溝11は、半球面状先端部10aの先端のところで深さが最も浅くなるか又は深さゼロになるように形成されている。
【0022】
上記のラップ用工具9によれば、各凹溝11に入り込んだラップ剤は、この工具9(工具本体10)の回転により外側に押し出されつつ遠心力を受けて各凹溝11から放射状に強力に射出される。従って、金型の被ラップ処理面に対するラップ剤の叩きつけ効果は大きく、強力なラップ処理が可能である。各凹溝11内からラップ剤が遠心力で射出されると、当該凹溝11内は負圧になるので、回転周速度が低速の半球面状の先端部10aに位置する各凹溝11の一端部から入り込んだラップ剤がこの凹溝11内を他端側に向かって流動し、凹溝11内には絶えずラップ剤が補給されることになるので、当該工具9によるラップ作用は、この工具9のラップ作用領域10bの全体が金型内の加工凹部内に充填されているラップ剤中に浸漬されている状態で回転駆動されている限り連続的に行われる。
【0023】
上記のショットピーニング型のラップ用工具9を使用した実施例の1つを示すと、携帯電話器のヒンジ部品をプレス加工する6mm×6mm×4mm程度の超硬金型の加工凹部をラップ処理した場合、ハンドラップ作業では18時間を要し、しかも面だれなどの加工精度低下が生じていたものが、ラップ作用領域10bの外径4mmの上記ラップ用工具9を使用し、主軸回転数4000min-1、使用ラップ剤=ダイヤモンドペーストでラップ処理を行ったところ、加工時間1時間26分で加工精度は工作機械の繰り返し精度の0.5μmまで出すことができた。
【0024】
図4に示すショットピーニング型のラップ用工具12は、ほぼ半球面状の先端部13aを備えた円柱状の工具本体13の前記先端部13a含む先端側適当長さのラップ作用領域13bの周面に凹凸加工として、適当深さの凹溝14が周方向適当間隔おきに刻設されている。各凹溝14は、横断面形状において奥端側が工具12(工具本体13)の回転方向に進む方向に傾斜して設けられている。そして工具本体13には、一端が半球面状先端部13aの先端に開口するラップ剤導入孔15が軸心方向に沿って設けられ、当該ラップ剤導入孔15の他端部と中間適当箇所(図示例では1箇所であるが、2箇所又はそれ以上であっても良い)とには、各凹溝14内に開口する横孔16が連設されている。
【0025】
上記のラップ用工具12によれば、各凹溝14に入り込んだラップ剤は、この工具12(工具本体13)の回転により外側に押し出されつつ遠心力を受けて各凹溝14から放射状に強力に射出される。従って、金型の被ラップ処理面に対するラップ剤の叩きつけ効果は大きく、強力なラップ処理が可能なものであるが、各凹溝14内は横孔16及びラップ剤導入孔15を介して工具本体13の半球面状先端部13aの先端に通じており、当該ラップ剤導入孔15内のラップ剤には大きな遠心力が働かないので、各凹溝14内からラップ剤が遠心力で射出されて当該凹溝14内が負圧になるのに伴って、ラップ剤導入孔15及び横孔16を通じてラップ剤が各凹溝14内に確実に且つ連続的に補給される。従って、この工具12によるラップ作用は、この工具12のラップ作用領域13bの全体が金型内の加工凹部内に充填されているラップ剤中に浸漬されている状態で回転駆動されている限り連続的に行われる。
【0026】
図5に示すラップ用工具17は、金型の被ラップ処理面に直接摺接して当該被ラップ処理面との間に介在するラップ剤でラップ作用を行うアブレジョン型のラップ用工具である。このラップ用工具17は、工具本体18の先端小径軸部18aに、布状のバフ材を二つ折りにしたバフ単体19を先端小径軸部18aの軸心方向と平行な状態で放射状に多数植設して成るバフ20を備えている。詳細を図示していないが、バフ単体19を先端小径軸部18aに植設する方法としては、先端小径軸部18aに軸心方向に沿った半径方向の切込みを放射状に刻設し、この各切込み内にバフ単体19の基部を差し込んで接着など適当な方法で固着する方法などが採用できる。この場合は、図示のように各バフ単体19の端部を先端小径軸部18aの先端から延出させて、当該先端小径軸部18aの先端を各バフ単体19の端部が取り囲むように構成することができる。又、円盤状のバフ単体を先端小径軸部18aに軸心方向に多数枚嵌合させて固定する方法で構成したバフであっても良い。
【0027】
上記のようなアブレジョン型のラップ用工具17の場合は、金型の被ラップ処理面に回転するバフ20の周辺部が撓んで直接摺接するように工具17の位置制御を行うことにより、バフ20の周辺部と被ラップ処理面との間に介在するラップ剤でラップ作用を行わせることができる。
【0028】
加工凹部の容積が大きくなる大型金型の場合、その加工凹部に充填するラップ剤の量も多くなる。このような場合に高価なラップ剤の使用量を少なくしてランニングコストを削減するために、図6に示すように金型1の加工凹部2内に遊嵌して当該加工凹部2内の空間容積を小さくする中子21を併用することができる。この中子21は、加工凹部2の内側表面である被ラップ処理面2aの全面に対してラップ処理のためのラップ用工具3(勿論、変形例として説明した全てのラップ用工具9,12,17を含む)の移動空間を確保するように架設されるもので、例えば囲み部材5にステーを介して支持させることができる。又、このような中子21を併用する場合、ラップ用工具3などを保持して回転駆動する数値制御工作機械の主軸4が水平二次元のX,Y軸方向と垂直Z軸方向の移動のみ可能なものであれば、中子21の真下位置の被ラップ処理面2aに対するラップ処理が行えないので、例えば多関節ロボットの終段ロボットアームに主軸4を備えているような、主軸4の軸心向きを自在に変化させることができるタイプの数値制御工作機械を利用する必要がある。
【0029】
上記のショットピーニング型のラップ用工具、アブレジョン型のラップ用工具の何れにおいても、工具先端付近では効果的な回転周速度が得られないので、当該工具先端付近に対面する金型の被ラップ処理面に対する確実で十分なラップ処置を行うことは困難である。従って、上記のような主軸4の軸心向きを自在に変化させることができるタイプの数値制御工作機械を利用して、水平又は傾斜する被ラップ処理面に対して工具の周面を対面させることができる当該工具の姿勢制御を行う必要があるが、金型の加工凹部の断面形状やサイズの関係でその要求を完全に満たすことが困難な場合も考えられる。このような場合には、例えば図7に示すようなラップ用工具22が利用できる。このラップ用工具22は、軸心の周りで回転駆動される円柱状の工具本体23の軸方向中間位置の内部に、下半部が先細り状のポンプ室24が形成され、当該ポンプ室24の上端部周壁の周方向複数箇所にラップ剤流入口25が設けられると共に、ポンプ室24の下端から工具本体23の半球面状先端部23aの先端に開口するラップ剤吐出通路26が同心状に設けられ、ポンプ室24の先細り状下半部には、この工具本体23の自転によりラップ剤吐出通路26側への推力を発生する軸流ポンプ用羽根27が設けられている。尚、工具本体23は、上側開放のポンプ室24を形成する下半部28と、ポンプ室24の上端を閉じる上半部29とから構成され、下半部28から連設され且つラップ剤流入口25が設けられた円筒状部分28aを上半部29の下端に外嵌固着して下半部28と上半部29とを一体化している。
【0030】
上記構成のラップ用工具22によれば、この工具22の少なくともラップ剤流入口25を含む下半部28をラップ剤中に浸漬させた状態で工具本体23の軸心の周りに回転駆動させると、ポンプ室24内に入り込んだラップ剤が当該工具本体23と一体に回転する軸流ポンプ用羽根27によってラップ剤吐出通路26側への推力を受け、ラップ剤吐出通路26の先端開口から工具本体23の軸方向に射出される。このポンプ室24内からのラップ剤の吐出により当該ポンプ室24内が負圧になることにより、工具本体23の外側に接しているラップ剤がラップ剤流入口25からポンプ室24内に吸引されるので、前記軸流ポンプ用羽根27によるラップ剤の射出作用は連続的に行われる。従って、工具本体23の半球面状先端部23aの先端を金型の加工凹部の内側表面である被ラップ処理面に対面させた状態で移動させることにより、当該被ラップ処理面を連続的にラップ処理することができる。
【0031】
尚、上記のラップ用工具22に採用した構成は、単独で使用するよりも先に説明したラップ用工具3,9,12,17などに採用した、回転軸心の周囲でラップ作用を行う構成と組み合わせて使用するのが好ましい。又、ラップ用工具9,12,17,22では説明は省略したが、図3に示すラップ用工具3において説明したように、各ラップ用工具9,12,17,22の少なくともラップ剤に浸漬される領域の全表面には、ラップ剤の摺接により当該ラップ用工具の表面が磨耗するのを抑えるゴムなどの保護被膜が施される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明方法を説明する一部縦断側面図である。
【図2】A図はショットピーニング型のラップ用工具の一例を示す一部切欠き側面図、B図は同工具の要部の横断面図である。
【図3】A図はショットピーニング型のラップ用工具の他の例を示す要部の横断面図,B図は同工具の要部の縦断側面図である。
【図4】A図はショットピーニング型のラップ用工具の更に他の例を示す要部の横断面図,B図は同工具の要部の縦断側面図である。
【図5】A図はアブレジョン型のラップ用工具の一例を示す一部切欠き側面図、B図は同工具の要部の拡大概略横断面図である。
【図6】本発明方法の他の例を説明する一部縦断側面図である。
【図7】A図はポンプ機能を備えたラップ用工具の一例を示す要部の縦断側面図、B図は同工具の要部の横断平面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 金型
2 金型の加工凹部
3,9,12,17,22 ラップ用工具
4 数値制御工作機械の主軸
5 囲み部材
6,10,13,18,23 工具本体
6a,10a,13a,23a 半球面状先端部
6b,10b,13b ラップ作用領域
7 突条(凹凸加工)
8 ラップ剤
11,14 凹溝(凹凸加工)
15 ラップ剤導入孔
16 横孔
19 バフ単体
20 バフ
21 中子
24 ポンプ室
25 ラップ剤流入口
26 ラップ剤吐出通路
27 軸流ポンプ用羽根
Drawing
(In Japanese)【図1】
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(In Japanese)【図2】
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(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
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(In Japanese)【図5】
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(In Japanese)【図6】
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(In Japanese)【図7】
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