Top > Search of Japanese Patents > GELLANT FOR ORGANIC LIQUID COMPRISING AROMATIC COMPOUND HAVING PERFLUOROALKYL GROUP > Specification

Specification :(In Japanese)ペルフルオロアルキル基を有する芳香族化合物からなる有機液体のゲル化剤

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P4820993
Publication number P2007-191626A
Date of registration Sep 16, 2011
Date of issue Nov 24, 2011
Date of publication of application Aug 2, 2007
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)ペルフルオロアルキル基を有する芳香族化合物からなる有機液体のゲル化剤
IPC (International Patent Classification) C09K   3/00        (2006.01)
FI (File Index) C09K 3/00 103M
Number of claims or invention 5
Total pages 10
Application Number P2006-012697
Date of filing Jan 20, 2006
Date of request for substantive examination Sep 24, 2008
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】304020177
【氏名又は名称】国立大学法人山口大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】岡本 浩明
【氏名】森田 由紀
Examiner (In Japanese)【審査官】中根 知大
Document or reference (In Japanese)特開2005-68198(JP,A)
特開平10-175901(JP,A)
Molecular Crystals and Liquid Crystals,2005年,vol.435,p.813-822
Field of search C09K 3/00
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
JSTPlus(JDreamII)
JST7580(JDreamII)
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
次の化学式1で示されるペルフルオロアルキル基を有する芳香族化合物からなる、有機液体のゲル化剤
【化1】
JP0004820993B2_000007t.gif
(式中、
基CmF2m+1は、ペルフルオロアルキル基、mは、6~12の自然数;
基(CH2)は、メチレン基、pはメチレン基の数で、0又は1~4の自然数;
基Sは、イオウ原子;
基Arは、置換もしくは無置換の核原子数5~30の2価の芳香族基;
基Oは、酸素原子;
基Rは、飽和もしくは不飽和の炭素数1~20の1価の炭化水素基である。)
【請求項2】
芳香族基Arが、フェニレン基、ビフェニレン基又はナフチレン基である、請求項1のゲル化剤
【請求項3】
下記化学式2の水酸基とチオール基を有する芳香族化合物を、下記化学式3のペルフルオロアルキル基を有するハロゲン化化合物と、反応させ、下記化学式4の水酸基及びペルフルオロアルキル基を有する芳香族化合物を生成させ、この生成物をハロゲン化炭化水素と反応させることからなる、請求項1又は請求項2のゲル化剤の製造方法。
【化2】
JP0004820993B2_000008t.gif
(式中の記号の意味は、化学式1の場合と同じ。基Xはチオール基に反応性のハロゲン原子)
【請求項4】
請求項1~請求項2のいずれか1項のゲル化剤で有機液体をゲル化してなるゲル。
【請求項5】
ゲルが電解質ゲルである、請求項4のゲル。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、新規ペルフルオロアルキル誘導体を有効成分とする有機液体のゲル化剤、及び、このゲル化剤を使用してゲル化した有機液体ゲルに関する。本発明の有機液体ゲルは、ゲル電解質に利用できる。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池の電解質
リチウムイオン電池の電解質は一般には液体であるが、ポリマー電解質では、ゲル状あるいは固体も用いられる。いずれの電解質においても、次の特性が要求される。
1)高い伝導度(リチウムイオンの易動度が大きい)
2)電極材料に対して、大きな化学的および電気化学的安定性
3)使用可能な温度域が広い
4)高い安全性
5)低価格
電解質溶媒
高濃度のリチウム塩を含み、高い伝導度を得る溶媒には、比誘電率が大きく、粘度の小さい非プロトン性有機溶媒が適している。しかし、比誘電率が大きく、極性の強い溶媒の粘度は大きくなるので、実用の電解液では複数の溶媒の混合体となっている。例えば、誘電率64.4、粘度2.3cpのプロピレンカーボネート(PC)、あるいは誘電率95.3、粘度1.9cpのエチレンカーボネート(EC)と粘度0.59cpのヂメチルカーボネート(DMC)の混合溶媒が知られている。これらの混合溶媒では、極大伝導度を示す組成があり、加える電解質塩の種類とともに、組成が詳細に研究されている。
【0003】
電解質塩
電解質塩としては、過塩素酸リチウム(LiClO4)の他、フッ素を含むLiPF6、LiAsF6、Li(CF3SO22N、LiBF3、LiCF3SO3などが用いられている。これらを溶解した有機溶媒電解液のイオン伝導度は約10-2S/cmである。
【0004】
ゲル電解質
有機ポリマーと液体電解質の混合物であるゲル電解質は、イオン伝導度が高く、固体電解質よりも早期の商品化が図られた経緯がある。ゲル電解質では、炭素系負極材料が用いられ、リチウムイオン二次電池、特に薄膜電池として応用されている。
【0005】
各種技術分野でのゲル化剤
従来塗料、インク、潤滑油、農業、水産、化粧品、医薬品、繊維、樹脂、高分子、ゴム、金属等の加工分野の各種産業分野において、有機液体類(動植物油脂、エステル、ポリオール、エーテル、アルコール、炭化水素等)を固化するのに、低分子ゲル化剤もしくは高分子ゲル化剤が用いられてきた。高分子ゲル化剤は、ゲル電解質のゲル化剤として電池の技術分野でよく用いられている。
【0006】
低分子量の有機ゲル化剤
低分子量のゲル化剤はこれに比較して開発が遅いものの、12-ヒドロキシステアリン酸、ジアルキルウレア誘導体、ジベンジリデンソルビトール、等が知られている。
【0007】
この中で、12-ヒドロキシステアリン酸は安価であるが、ゲル化できる有機液体の種類が少なく、また得られたゲルが軟化する温度も低い。ジアルキルウレア誘導体もゲル化できる有機液体の種類が少ない。一方、ジベンジリデンソルビトールは少量の添加で強いゲルを形成するものの、ベンズアルデヒドを遊離するという難点をもち、また、高融点であるため低沸点の短鎖アルコール類等を固形化するには不適当である。脂肪酸のアルカリ金属塩・アルカリ土類金属塩は、ゲル化または固化のための添加量を多く必要とし、使用可能な条件も限られる等の制約がある。
【0008】
ペルフルオロアルキルアルカン
ペルフルオロアルキルアルカン:F(CF2)n(CH2)mHは、n=12、m=8~20のものが、デカンをゲル化させること、n=10、m=12のものが、炭化水素溶媒をゲル化させること、が報告されている(非特許文献1)。
【0009】
ペルフルオロアルキルアルカン:F(CF28(CH28Hは、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールをゲル化させること、が報告されている(非特許文献2)。
【0010】
従来技術の欠点
しかしながら、ゲル化できる有機液体の種類が多く、しかも、少量の添加でゲル化できる有機低分子ゲル化剤は、今まで知られていなかった。そして、有機電解液に適した高誘電率溶媒をゲル化する有機低分子ゲル化剤は知られていなかった。

【非特許文献1】Robert J.Twang,et al,“Observations of a“Gel”Phase in Binary Mixtures of Semifluorinated n-Alkanes with Hydrocarbon Liquids”Macromolecules 1985,18,1361-1362
【非特許文献2】Massimo Napoli,et al,“Synthesis of F(Ch2)8(Ch2)8H and gel phase formation from its solutions in homologous alcohols
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、ゲル化できる有機液体の種類が多く、しかも、少量の添加でゲル化できる有機低分子ゲル化剤を提供することを目的とする。本発明は、有機電解液に適した高誘電率溶媒をゲル化できる有機低分子ゲル化剤を提供することを目的とする。本発明は、有機液体をこの有機低分子化合物でゲル化してなるゲルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、新たに、ペルフルオロアルキル基を有する芳香族化合物を合成し、意外にも、この化合物がほとんどの有機液体を少量の添加でゲル化できることを見いだした。この化合物からなるゲル化剤は、ほとんどの有機液体を少量の添加でもゲル化することができる。
【0013】
本発明のゲル化剤
本発明のゲル化剤は、有機液体をゲル化させるものである。本発明のゲル化剤は、次の化学式(1)で示される、ペルフルオロアルキル(オリゴメチレン)チオ基、及び、炭化水素オキシ基を有する芳香族化合物、からなる。
【0014】
【化3】
JP0004820993B2_000002t.gif
(式中、
基CmF2m+1は、ペルフルオロアルキル基、mは、6~12の自然数;
基(CH2)は、メチレン基、pはメチレン基の数で、0又は1~4の自然数;
基Sは、イオウ原子;
基Arは、置換もしくは無置換の核原子数5~30の2価の芳香族基;
基Oは、酸素原子;
基Rは、飽和もしくは不飽和の炭素数1~20の1価の炭化水素基である。)
本発明のゲル化剤の製造方法
本発明のゲル化剤の製造方法は、下記化学式(2)の水酸基とチオール基を有する芳香族化合物を、下記化学式(3)のペルフルオロアルキル(オリゴメチレン)基を有するハロゲン化化合物と、反応させ、下記化学式4の水酸基及びペルフルオロアルキル(オリゴメチレン)基を有する芳香族化合物を生成させ、この生成物(化学式4)をハロゲン化炭化水素と反応させることからなる。
【0015】
【化4】
JP0004820993B2_000003t.gif
(式中の記号の意味は、化学式1の場合と同じ。基Xはチオール基に反応性のハロゲン原子)。
【0016】
本発明のゲル
本発明のゲル化剤又はゲルは、電池用電解質、塗料、インク、潤滑油、農業、水産、化粧品、医薬品、繊維、樹脂、高分子、ゴム、金属等の加工分野を含む産業分野において利用される。なかでも、有機イオン性液体よりなるゲル、有機溶媒に溶解するイオン性物質を含有するゲルは、リチウムイオン電池や色素増感型太陽電池等の電池の電解質として好適に使用し得る。
【発明の効果】
【0017】
本発明のゲル化剤は、ゲル化できる有機液体の種類が多く、しかも、少量の添加で有機液体をゲル化することができる。本発明のゲル化剤は、有機電解液に適した高誘電率溶媒をゲル化できる。本発明のゲル化剤により高誘電率溶媒をゲル化して生成したゲルは、ゲル化剤の濃度が低いので、電解質ゲルとして使用したとき、有機電解液の含有量を高めることができ有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明のゲル化剤として使用する化合物
本発明のゲル化剤として使用する化合物は、ペルフルオロアルキル(オリゴメチレン)チオ基と炭化水素オキシ基とを有する、芳香族化合物である。本発明のゲル化剤として使用する化合物は、下記化学式1で示される。
【0019】
【化5】
JP0004820993B2_000004t.gif
(式中、
基CmF2m+1は、ペルフルオロアルキル基、mは、6~12の自然数;
基(CH2)は、メチレン基、pは、0又は1~4の自然数;
基Sは、イオウ原子;
基Arは、置換もしくは無置換の核原子数5~30の2価の芳香族基;
基Oは、酸素原子;
基Rは、飽和もしくは不飽和の炭素数1~20の1価の炭化水素基である)。
【0020】
本発明の芳香族化合物の製造方法
本発明の芳香族化合物は、水酸基とチオール基を有する芳香族化合物(化学式2)に(1)ペルフルオロアルキル(オリゴメチレン)チオ基を導入、(2)炭化水素オキシ基を導入することにより製造できる。
(1) ペルフルオロアルキル(オリゴメチレン)チオ基の導入
水酸基とチオール基を有する芳香族化合物(化学式(2))をテトラヒドロフラン(THF)等の溶媒に溶解し、アミン等の塩基の存在下でペルフルオロアルキル(オリゴメチレン)基を有するハロゲン化化合物(化学式(3))と反応させ、塩酸で中和し、溶媒及び未反応物質を留去して、水酸基及びペルフルオロアルキル(オリゴメチレン)基を有する芳香族化合物(化学式(4))を生成する。
【0021】
【化6】
JP0004820993B2_000005t.gif
(式中の記号の意味は、化学式1の場合と同じ。基Xはチオール基に反応性のハロゲン原子)
(2) 炭化水素オキシ基の導入
水酸基及びペルフルオロアルキル(オリゴメチレン)基を有する芳香族化合物(化学式4)を溶媒に溶解した溶液に、ハロゲン化炭化水素と塩基を加え還流する。反応終了後、必要に応じて一旦濾過し、反応液から溶媒及び未反応物質を留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフにより精製することにより、炭化水素オキシ基を導入して、ペルフルオロアルキル(オリゴメチレン)チオ基と炭化水素オキシ基とを有する、芳香族化合物(化学式(1))を製造する。
【0022】
本発明の芳香族化合物の製造法は、勿論上記方法に限定されるものではない。
【0023】
芳香族基Ar
本明細書において、芳香族基Arとは、いわゆる「芳香族性」を示す環式化合物の2価の基である。この環式化合物としては、炭素環式化合物でも、複素環式化合物でも良い。これらの環式化合物は、置換基により置換されていてもよく、置換されていなくても良い。(1)ペルフルオロアルキル(オリゴメチレン)チオ基の導入、及び、(2)炭化水素オキシ基の導入、にとって好ましくない置換基は、水酸基とチオール基を有する芳香族化合物(化合物化学式(2))の置換基として好ましくない。
【0024】
芳香族炭素環式化合物基の場合、核原子数は6~30であり、置換基により置換されていてもよく、置換されていなくても良い。例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、アントラニレン基、フェナンスリレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、及び、フルオランテニレン基、等の核を有する化合物が挙げられる。
【0025】
芳香族複素環式化合物の場合、核原子数は5~30であり、例えば、ピローレン基、フラニレン基、チオフェニレン基、トリアゾーレン基、オキサジアゾーレン基、ピリジレン基、及び、ピリミジレン基、等の核を有する化合物が挙げられる。
【0026】
これらの中でも、芳香族基Arとして、フェニレン基、ビフェニレン基又はナフチレン基が好ましい。
【0027】
置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、ハロゲン原子などである。
【0028】
ペルフルオロアルキル基CmF2m+1
本明細書において、ペルフルオロアルキル基CmF2m+1、とは、炭素数mが6~12のペルフルオロアルキル基である。炭素数mが5以下では、化学式(1)の化合物はゲル化能が小さい。炭素数mが13以上では、化学式(1)の化合物は、有機溶媒の種類によっては、過熱しても溶解しなくなる。
【0029】
オリゴメチレン基
本発明の化合物において、オリゴメチレン基(CH2pの炭素数は、0でもよく、オリゴメチレン基は無くても良い。本発明の化合物において、オリゴメチレン基(CH2pの炭素数は、0~4である。オリゴメチレン基(CH2pの炭素数が5以上になると、式1の化合物は、ゲル化能が小さくなる。
【0030】
炭化水素基R
本明細書において、炭化水素基Rは、飽和もしくは不飽和の炭素数1~20の1価の炭化水素基である。炭化水素基Rは、脂肪族炭化水素の場合分岐していてもよく、分岐していなくてもよい。また、芳香族炭化水素を含む場合、該芳香族に置換基が存在していてもよい。勿論、ベンジル基等のアリールアルキル基等であってもよい炭化水素基Rが無いと、化学式(1)の化合物は、有機液体に溶解せず、有機液体をゲル化することができない。炭素数21以上では、原料の入手が困難となる。
【0031】
ハロゲン原子
本明細書において、ペルフルオロアルキル(オリゴメチレン)基を有するハロゲン化化合物CmF2m+1-(CH2p-Xのハロゲン原子Xとしては、化学式(2)(HS-Ar-OH)のチオール基(SH)に反応性であればよく、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素が使用できる。
【0032】
炭化水素オキシ基の導入の際に使用する、ハロゲン化炭化水素のハロゲン原子としては、化合物4の水酸基OHと反応性であればよく、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素が使用できる。
【0033】
有機液体のゲル化
本発明のゲル化剤は、ほとんどすべての有機液体を、5%程度以下の少量の添加でゲル化する。本発明のゲル化剤を有機溶媒に添加し、昇温して溶解し、生成した溶液を常温に戻すことによりゲル化する。本発明のゲル化剤は、有機電解液に適した高誘電率溶媒、例えば、プロピレンカーボネートをゲル化できる。本発明のゲル化剤により高誘電率溶媒をゲル化して生成したゲルは、電解質ゲルとして使用できる。この電解質ゲルは、リチウムイオン電池に利用できる。そして、色素増感型太陽電池などのゲル電解質にも利用できる。本発明のゲル化剤、又は、これにより生成したゲルは、塗料、インク、潤滑油、農業、水産、化粧品、医薬品、繊維、樹脂、高分子、ゴム、金属等の加工分野を含む産業分野においても利用できる。
【0034】
電解質ゲルとする場合、一般に有機液体に可溶なイオン性物質、例えばリチウムイオン電池の場合では、LiClO4、LiPF6、Li(CF3SO22N、LiBF3、LiCF3SO3などのイオン性物質を有機溶媒に溶解させ、これに本発明のゲル化剤を加えてゲルとするのが好ましい。勿論N,N,N-トリアルキル-N-(アルコキシアルキル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドなどの有機イオン性液体自体又はそれらを非イオン性有機溶媒に溶解した混合物も好適に使用できる。
【実施例】
【0035】
化合物(c)の製造
次の化学反応式に従って、まず、化合物(a)から化合物(b)を製造し、次いで、化合物(b)から化合物(c)を製造する。
【0036】
【化7】
JP0004820993B2_000006t.gif
化合物(b)の合成
化合物(a)2gのTHF(テトラヒドロフラン)溶液に1.2当量のトリエチルアミンおよび1.0当量のC8F17C2H4Iを加え,24時間還流した。その後,1N塩酸を加え,エーテルで抽出し,水(2回),食塩水で洗浄後,硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し,残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し,化合物(b)を得た。(7.80g,収率87%)
化合物(b);1HNMR(CDCl3)δ=2.33(2H,m),2.99(2H,m),5.20(1H,s),6.81(2H,d,J=8.9Hz),7.31 (2H,d,J=8.9Hz)ppm.
mp=97℃
IR(KBr)=ν=1145,1203,1240(CF2)cm-1,3400(O-H)cm-1

化合物(c)の合成
化合物(b)0.5gの3-ペンタノン溶液に1.0当量の1-ブロモテトラデカンと1.5当量の炭酸カリウムを加え,20時間還流した。反応溶液に析出する沈殿を濾別し,濾液の溶媒を留去し,シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し,化合物(c)を得た。(0.5g,76%)
mp=65℃
IR(KBr)=1147,1201,1244,2917cm-1
化合物(c); 1HNMR(270MHz,CDCl3)δ=0.88(3H,t,J=6.8Hz),1.22-1.45(22H,m),1.78(2H,quin,J=6.6Hz),2.33(2H,m),2.99(2H,m),3.94(2H,t,J=6.8Hz),6.86(2H,d,J=8.9Hz),7.36(2H,d,J=8.9Hz)ppm.

ゲル化能
上記化合物(c)を、有機溶媒に添加し、昇温することにより溶解し、生成した溶液を常温に戻すことによりゲル化するかどうか観察することにより、ゲル化能を測定した。本実施例で試みた有機溶媒は、プロピレンカーボネート、メタノール、オクタノール、アセトニトリル、DMF、オクタン、シクロヘキサン、である。上記化合物(c)は、これらの有機溶媒を5重量%程度以下で、ゲル化することができた。
【0037】
上記化合物(b)は、有機溶媒に溶解させることができなかった。
【0038】
最低ゲル化濃度
化合物(c)の室温における最低ゲル化濃度(wt%)は、以下のとおりである。
DMF(0.69)、 メタノール(0.70)、 アセトニトリル(1.0)、1-オクタノール(3.0)、プロピレンカーボネート(3.5)、 シクロヘキサン(4.0)、オクタン(5.2),N,N-ジエチル-N-メチルーンー(2-メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(5,0)