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明細書 :コーヒー属植物の形質転換体の作成方法、形質転換コーヒー植物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3286733号 (P3286733)
公開番号 特開2000-245485 (P2000-245485A)
登録日 平成14年3月15日(2002.3.15)
発行日 平成14年5月27日(2002.5.27)
公開日 平成12年9月12日(2000.9.12)
発明の名称または考案の名称 コーヒー属植物の形質転換体の作成方法、形質転換コーヒー植物
国際特許分類 A01H  1/00      
C12N 15/09      
C12N  5/10      
FI A01H 1/00 A
C12N 15/00
請求項の数または発明の数 2
全頁数 7
出願番号 特願平11-347812 (P1999-347812)
出願日 平成11年12月7日(1999.12.7)
優先権出願番号 1998372647
優先日 平成10年12月28日(1998.12.28)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成11年12月7日(1999.12.7)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】598169457
【氏名又は名称】奈良先端科学技術大学院大学長
発明者または考案者 【氏名】佐野 浩
【氏名】草野 友延
個別代理人の代理人 【識別番号】100059258、【弁理士】、【氏名又は名称】杉村 暁秀 (外2名)
審査官 【審査官】高堀 栄二
参考文献・文献 特開 平3-172174(JP,A)
HortScience 29[5](1994)p.454
Antibiot Khimioter 35[12](1990)p.24-26
Colloq.Sci.Int.Cafe 17(1997)p.439-446
調査した分野 A01H 1/00
C12N 15/00
特許請求の範囲 【請求項1】
コーヒーアラビカ(C.arabica)の胚発生能を持つカルスを、外来遺伝子を含むプラスミドを有するアグロバクテリウムEHA101株に感染させることにより外来遺伝子を導入したカルスを作製し、前記外来遺伝子を導入したカルスより体細胞胚を誘導し、前記体細胞胚から植物体を再生する事により、コーヒー属植物の形質転換体を作成する方法。

【請求項2】
前記体細胞胚から前記植物体を再生する際に、ジベレリンを添加して前記植物体の再生を促進させた、請求項1記載の方法。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーヒー属植物の安定な形質転換体を作成する方法に関する。

【0002】
【従来の技術】コーヒーは、その実を収穫するために、商業的に大規模に植えつけられている灌木である。コーヒー属植物を遺伝学的に改良するためには、分子的な育種が望ましい技術であるが、遺伝子形質転換によるトランスジェニックコーヒー植物の作成は、その再分化と遺伝子導入が困難であったため、他の作物と比べて遅れていた。

【0003】
【発明が解決しようとする課題】インビトロ組織培養による植物の再分化は、遺伝的な形質転換体を行うための基礎的なシステムであり、コーヒー植物の体細胞胚形成に関しては多くの報告がある(Staritsky G (1970) Acta Bot Neerl 19:509-514 ; Hatanaka et al. (1991) Plant Cell Rep 10:179-182 ; Menendez-Yuffa and Garcia (1996) Bajai YPS(eds) Biothchnology in Agriculture and Forestry, Vol35,Springer-Verlag, Berlin Heidelberg,pp95-119)。しかし、コーヒーの遺伝的な形質転換に関するデーターは限られている。

【0004】
Bartonらは、コーヒーアラビカ(Coffea arabica)の胚細胞より、電気穿孔法で形質転換体を得たが(Barton CR, Adams TL, ZarowitzMA (1991) ASIC,14 Colloque,San Francisco,pp460-464)、培養した胚細胞は完全な植物には成長しなかった。Spiralらは、アグロバクテリウムリゾゲネスを微細に切断したコーヒーカネフォーラ(C.canephora)の体細胞胚と共培養することにより形質転換を行ったと報告している(Spiral J, ThierryC, Paillard M, Petiard V (1993) CR Acad Sci Paris SreIII Sci Vie 316:1-6)。Van Boxtelらは、パーティクルガンによる遺伝子導入に引き続いて、コーヒー葉組織表面においてベーターグルクロニダーゼ遺伝子が発現していると報告しているが、一過的なものである(Van Boxtel J, Berthouly M, Carasco C, Dufour M, Eskes A (1995) Plant Cell Rep 14:748-752)。そこで、コーヒー植物の形質転換を可能とする、新たな方法が求められていた。

【0005】
【課題を解決するための手段】ベクターが入手しやすいため、アグロバクテリウムツメファシエンスを用いた形質転換方法が、植物の形質転換に最も優れていると考えられている。このような利点があるにも関わらず、アグロバクテリウムツメファシエンス株を用いてコーヒー植物の形質転換を行ったという報告は示されていない。そこで本発明において、胚発生能を持つカルスを用いて、アグロバクテリウム法によるコーヒーカネフォーラ(C.canephora)の形質転換を行った。ベーターグルクロニダーゼとハイグロマイシン耐性の遺伝子を持つバイナリーベクター(pIG121Hm)を持つアグロバクテリウムツメファシエンスEHA101系統を、胚形成能のあるカルスに感染させた。ハイグロマイシン濃度を段階的に高くすることによりカルスの選抜を行った。形質転換したと推定されるカルスより体細胞胚が生成し、芽と根を有する小さな再分化幼植物が得られた。ハイグロマイシンとカナマイシンを含有する培地により、形質転換植物の最終的な選択を行った。そのようにして選択された幼植物の葉と根は強力なベーターグルクロニダーゼ活性を示した。それらは安定な形質転換体であり、正常に生長している。

【0006】
更に本発明者らは、コーヒーカネフォーラ(C.canephora)より更に商品価値の高いコーヒーアラビカ(C.arabica)を用いて、上記のアグロバクテリウム法により、除草剤であるビアラフォスを不活化する遺伝子であるBAR遺伝子の導入を試みた。Coffea arabicaの葉の外植片より胚発生能を持つカルスを誘導し、これらのカルスを除草剤耐性BAR遺伝子及びハイグロマイシン耐性遺伝子を含んでいるアグロバクテリウムツメファシエンスと共培養して、形質転換を行った。形質転換していると推定されるカルスをハイグロマイシンに対する耐性により選抜した。体細胞胚より形質転換した再分化幼植物が得られ、その様にして得られた再分化幼植物は、ビアラフォスに対して耐性を示した。

【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、コーヒー属植物のアグロバクテリウムによる感染を用いた遺伝子の導入方法に関するものである。まず、コーヒーの葉の外植片より胚発生能を持つカルスを誘導する。誘導されたカルスを、アグロバクテリウムツメファシエンスに感染させる事により遺伝子を導入し、形質転換を行う。用いたアグロバクテリウムツメファシエンスには、目的とする外来遺伝子及びハイグロマイシン耐性遺伝子を有するプラスミドが組み込まれている。組み込まれたハイグロマイシン耐性遺伝子により形質転換した胚発生能を持つカルスを選抜し、選抜されたカルスより体細胞胚を誘導した。この様にして得られた体細胞胚より、形質転換した幼植物を再生する事が可能である。

【0008】
本発明の方法を用いて、種々のコーヒー属植物を形質転換する事ができる。本発明の方法を用いて形質転換を行うコーヒー属植物として好適なものとして、コーヒーアラビカ(C.arabica)、コーヒーカネフォーラ(C.canephora)、コーヒーリベリカ(C.liberica)、コーヒーデウェブレイ(C.dewevrei)等の栽培種が挙げられる。また、本発明の方法を用いて、理論的にはあらゆる遺伝子を導入する事が可能であるが、導入する遺伝子の好適な例として、カフェイン合成酵素遺伝子、ビアラフォス等の除草剤に対する耐性遺伝子、Bacillus thuringiensis(BT)毒素遺伝子等の害虫耐性遺伝子、及び葉さび病菌耐性遺伝子、キチナーゼ遺伝子、グルカナーゼ遺伝子等の病害耐性遺伝子等が挙げられる。上述した例及び下記の実施例により本発明の説明を行うが、それらの記述は本発明の範囲を限定するものではない。

【0009】
【実施例】
【実施例1】(胚発生カルスの誘導)コーヒー(C.canephora Conillon)の葉の外植片を、Woody Plant Medium(WPM)無機塩、0.9%の寒天、ビタミンB5及び3%スクロースを含むWPM培地(pH5.7)上で培養した。3~4カ月間培養した後に葉の外葉片より胚発生能を持つカルスが誘導された。そのカルスを増殖させるためにMS無機塩、ビタミンB5 、3%のスクロース及び0.25%ゲランガムを含むCM培地(pH5.7)に移植した。培養室は、25℃で16時間の日長に保った。

【0010】
コーヒー植物の胚発生能を持つカルスの感染には、plG121Hmを持つ、アグロバクテリウムツメファシエンスの系EHA101を使用した。このベクターは、ネオマイシンリン酸転移酵素II(NPTII)、ベーターグルクロニダーゼ(GUS)及びハイグロマイシン耐性(HPT)の遺伝子を、プラスミドのT-DNA領域に持つ。

【0011】
(アグロバクテリウムによる形質転換)バクテリアの懸濁液をAB寒天培地上で増殖させ、600nmにおける吸光度が0.6になるように液体WPM培地で希釈する。10μMの2、4-ジクロロフェノキシ酢酸(2、4-D)を含む上述CM培地中で胚発生能を持つカルスを3日間前培養した。このカルスにバクテリアの懸濁液を加えて、25℃で4日間暗所で共存培養した。残りのバクテリアを除去する目的でカルスを洗浄した後、300mg/lセフォタキシムと5μMのイソペンテニルアデノシン(2-iP)を含むWPMに植え換えた。2週間後に同一培地に植え換えた後、1カ月後に5mg/lのハイグロマイシンを含むWPM(300mg/lセフォタキシムと5μMの2-iP共存下)に植え換えて、選抜を開始した。2カ月後に50mg/lのハイグロマイシンを含むWPM培地に植え換えた後、さらに1カ月後にハイグロマイシン濃度を100mg/lに上げ、選抜を確かなものとした。

【0012】
(組織化学的ベーターグルクロニダーゼアッセイ)組織化学的ベーターグルクロニダーゼアッセイは5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-ベータ-D-グルクロニド溶液中において、37℃で16時間インキュベートして染色することにより、Von Boxtelらの方法を以下のように改変して行った。すなわち、50mM Na2 HPO4 ,10mM Na2 EDTA,0.3% Triton X-100,0.5mM K3 Fe(CN)6 ,0.5mM K4 Fe(CN)6 および抗酸化物質(0.5%カフェイン,1%PVPおよび1%アスコルビン酸ナトリウム)を使用した。ハイグロマイシン耐性の胚発生のカルスは強いベーターグルクロニダーゼ活性を示した(図1矢印)。しかし、共培養しなかった胚発生能を持つカルスは、ベーターグルクロニダーゼ活性を示さなかった(図1矢先)。

【0013】
(体細胞胚の形成および植物の再生)100mg/lのハイグロマイシンを含む培地中で生存している(ハイグロマイシン耐性)胚発生のカルスより体細胞胚を誘導した(図2)。ハイグロマイシン耐性の胚発生能を持つカルスより形成された体細胞胚のベーターグルクロニダーゼ活性は陽性を示した(図3矢印)。形質転換していない胚発生のカルス由来の体細胞胚は、ベーターグルクロニダーゼ活性を示さなかった(図3矢先)。2-iPを欠いたWPM培地(100mg/lのハイグロマイシンを含む)において、形質転換していない幼植物は全く生長しなかったが、形質転換した幼植物は非常に良く生長し、約1カ月後に多数の独立な幼植物体を得た。形質転換したと推定される幼植物の葉(図4)および根(図5)は、ベーターグルクロニダーゼ活性反応で深い青色を示した。形質転換していない幼植物由来の葉及び根は、ベーターグルクロニダーゼ活性を示さなかった(図4、図5矢先)。

【0014】
(ベーターグルクロニダーゼおよびHPT遺伝子のPCR解析)ベーターグルクロニダーゼ活性が陽性であるコーヒー植物の葉からのDNA抽出は、改変(溶液1に3%2-メルカプトエタノールを添加)ベンジルクロライド法(ISOPLANTキット、和光)を用いて、Kikuchiらの方法(Kikuchi K et al.Plant Biotechnology 15:45-48)により行った。ベーターグルクロニダーゼ遺伝子を増幅するのに用いたプライマーは、5’-AATTGATCAGCGTTGGTGG-3’および、5’-ACGCGTGGTTACAGTCTTGC-3’である。また、HPT遺伝子を増幅するのに用いたプライマーは、5’-GCGTGACCTATTGCATCTCC-3’および5’-TTCTACACAGCCATCGGTCC-3’である。PCRの反応溶液をDNAサーマルサイクラー(Perkin Elmer Cetus,9700)の中で、下記の条件でインキュベートした。すなわち、96℃で15分、続いて94℃で30秒間、58℃で30秒間、72℃で2分間を30サイクルそして最終的な伸長反応を72℃で5分間行った。ベーターグルクロニダーゼ活性が陽性である形質転換植物の葉をPCRにより試験したところ、ベーターグルクロニダーゼ(図7における515bpのバンド)およびHPTに相当する増幅断片(図8における713bpのバンド)が示された(図7T,図8T)。形質転換していない幼植物においては、ベーターグルクロニダーゼ遺伝子(図7N)もHPT遺伝子(図8N)も検出されなかった。

【0015】
【実施例2】(C.arabicaを用いた、胚発生能を有するカルスの誘導)更に、C.arabicaを用いて、除草剤であるビアラフォスに対する耐性遺伝子であるphosphinothricin acetyl transferase遺伝子(BAR遺伝子)を導入した形質転換植物の作製を試みた。。除草剤に耐性である形質転換体の作製は、産業上の有用性が非常に高い。コーヒー(Coffea arabica)の葉の外植片を、温室で生育した木を用いて調製した。葉の外植体を、Gamborg’s B5 (Gamborg etal.1968)ビタミン、3%スクロース及び10μMの2-iPを含む、Murashige and Skoog(MS)寒天培地(Murashige and Skoog、1962)上で培養した(寒天濃度0.9%)。120℃で15分間オートクレーブする前に、培地のpHを5.7に調整した。培養室は、温度25℃、24μmolm-2-1の16時間の日長に保った(白色蛍光チューブ)。

【0016】
その結果、Coffea arabicaの葉の外植片より、胚発生能を有するカルスが、10μMの2-iPを含むMS寒天培地上において、4カ月後に得られた(図9)。これらのカルスは、その培地上で3週間の継代間隔で、選抜及び維持された(図10)。胚発生能を有するカルスを選抜した後、これらのカルスを、0.9%の寒天、ビタミンB5 、3%スクロース及び10μMの2-iPを添加したMS培地上で、2週間毎に継代培養した。T-DNA領域に、除草剤であるビアラフォスに対する耐性遺伝子BAR及びハイグロマイシン耐性遺伝子(HPT)を含んでいる、pSMBubaプラスミドを有するアグロバクテリウムツメファシエンスEHA101を、形質転換に使用した。

【0017】
(アグロバクテリウムによる形質転換)10μMの2-iP及び10mg/lのアセトシリンゴンを含むMS液体培地中で、新たに継代培養した胚発生能を有するカルスを、バクテリア懸濁液(600nmの吸光度が0.6)と、25℃で30分間共培養した。バクテリアに感染させたカルスを、10mg/lのアセトシリンゴン、3%スクロース及び10μMの2-iPを含むMS寒天上に移植して、25℃で4日間、暗条件下で培養した。バクテリアを除くために滅菌水で5回、続いて300mg/lのセフォタキシムを含む水で1回、カルスを洗浄した。

【0018】
その後に、300mg/lのセフォタキシム及び10μMの2-iPを含むMS寒天上で胚発生能を有するカルスを培養し、同じ培地上において2週間間隔で継代培養した。2カ月培養した後、ハイグロマイシン濃度(25mg/l)を含む新たなMS培地に胚発生能を有するカルスを移植し、更に数カ月培養した。10μMの2-iP及び50mg/lのハイグロマイシンを含む新鮮なMS寒天培地に3週間の培養サイクルで移植して、胚発生能を有するカルスの個々の株を維持した。

【0019】
50mg/lのハイグロマイシンの存在下で生き残った胚発生能を有するカルスを選抜した後(図11)、これらのカルス、体細胞胚を、2mg/lのビアラフォスを含むMS寒天培地に移植した。胚発生能を有するカルスのうち33%は、ビアラフォス処理によって増殖及び発色が影響されなかった。それに対して、形質転換していないカルスでは即座に色が茶色くなり、更に2週間培養を行うと増殖しなくなった。尚、2mg/lのビアラフォスを含む1/2MS培地へ移植し、1カ月培養した後に生存率を試験する事により、ビアラフォス耐性を検討した。

【0020】
(体細胞胚の形成)体細胞胚を誘導するために、カルスをまず10μMの2-iPを含むMS培地に、更に3μMの2-iPを含むMS培地に移した。体細胞胚は、胚発生能を有するカルスより自発的に発生した。胚発生能を有するカルスの培養を延長すると、胚発生細胞からの体細胞胚形成は刺激され、1カ月以上のサイクルで継代培養を行うと、カルスから体細胞胚を形成するのに有効であった。2カ月培養を行った後に、形質転換していると推定される多数の体細胞胚が形成した。

【0021】
(形質転換体細胞胚の発芽と発根)体細胞胚を選抜した後に、1/2MS寒天培地上で体細胞胚の培養を行った。10μMのジベレリン(GA3 )を培地中に添加すると、体細胞胚からの発芽と発根の頻度は強く促進された。10μMのGA3 を含む培地に移し、更にGA3を含む培地上で3週間培養した後には、全て(100%)の体細胞胚は緑色となった(図13)。ところが、GA3 を含まない培地上で3週間培養を行った場合には、緑色になるのは37%の体細胞胚のみであり、体細胞胚の成長速度は非常に遅かった。50mg/lのハイグロマイシン中で生き残った体細胞胚及び幼植物は、2mg/lのビアラフォスに耐性であった。83%の体細胞胚及び92%の幼植物は、2mg/lのビアラフォス中で正常に成長し、色及び成長能力が変化する事はなかった(図15)。一方、形質転換していない体細胞胚及び幼植物の大部分は茶色くなり、1から2カ月培養した後に最終的には枯死した(図14)。生き残った幼植物体を、1/2MS培地を含む培養ボトルに移植し、更に生育させた(図16)。

【0022】
(BAR及びHPT遺伝子のPCR解析)ハイグロマイシン耐性のコーヒー幼植物からのDNAの抽出は、改変した(溶液1に3%2-メルカプトエタノールを添加)ベンジルクロライド法(ISOPLANT kit,Wako Co.)を用いて行った。BAR遺伝子の増殖に用いたプライマーは、5’-ATGAGCCCAGAACGACGCCCG-3’(順方向)及び5’-GCTCTTGAAGCCCTGTGCCTCC-3’(逆方向)であり、HPT遺伝子の増殖に用いたプライマーは、5’-GCGTGACCTATTGCATCTCC-3’(順方向)及び5’-TTCTACACAGCCATCGGTCC-3’(逆方向)であった。PCRの反応混合液を、DNA温度サイクラー(Perkin Elmer Cetus,9700)の中でインキュベートした。PCRの反応は、96℃で5分間、次いで94℃で30秒間、58℃で30秒間、72℃で2分間を30サイクル、72℃で5分間の最終伸長を5分間という条件で行った。BAR遺伝子の検出を行った結果を図17に、HPT遺伝子の検出を行った結果を図18に示す。増幅された断片が、BAR遺伝子(図17中の362bpのバンド)及びHPT遺伝子(図18中の713bpのバンド)に一致している事が示された。形質転換していない幼植物(N)においては、BAR遺伝子(図17)もHPT遺伝子(図18)も検出できなかった。図17及び図18において、Tは形質転換体を、Nは非形質転換体を、Mのレーンは分子量マーカーを、矢印はBARの362bp(図17)及びHPTの713bp(図18)のフラグメントを、それぞれ示す。

【0023】
【発明の効果】本発明により、胚発生能を持つカルスより、アグロバクテリウム法を用いて、コーヒー属植物の安定な形質転換体を作成する方法が与えられた。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図11】
9
【図18】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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