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明細書 :交流電気鉄道用切替開閉器の故障検出装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B1)
特許番号 特許第2891695号 (P2891695)
登録日 平成11年2月26日(1999.2.26)
発行日 平成11年5月17日(1999.5.17)
発明の名称または考案の名称 交流電気鉄道用切替開閉器の故障検出装置
国際特許分類 B60M  3/04      
FI B60M 3/04 A
請求項の数または発明の数 2
全頁数 4
出願番号 特願平10-075737 (P1998-075737)
出願日 平成10年3月24日(1998.3.24)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用申請有り 平成10年電気学会全国大会講演論文集[5]第359頁~第360頁に発表
審査請求日 平成10年11月25日(1998.11.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
発明者または考案者 【氏名】持永 芳文
【氏名】安喰 浩司
【氏名】兎束 哲夫
【氏名】▲土▼井 憲二
【氏名】大鐘 庸
個別代理人の代理人 、【弁理士】、【氏名又は名称】名嶋 明郎 (外2名)
審査官 【審査官】清田 健一
参考文献・文献 特公 平6-100631(JP,B2)
平成10年電気学会全国大会講演論文集[5]第359頁~第360頁
調査した分野 B60M 3/04
要約 【課題】広い設置スペースを必要とせず、切替開閉器の故障を正確に検出できる交流電気鉄道用切替開閉器の故障検出装置を提供する。
【解決手段】2つの電源1、2が切替開閉器4、5を介して異電源切替セクション3に接続される位置に光ファイバ内蔵がいしを立設し、その頭部の両側にそれぞれ備えた光CT9、10により、各切替開閉器4、5から異電源切替セクション3に流れる電流を検出する。各光CT9、10の光信号は光ファイバ内蔵がいし8を通じて切替開閉器の故障検出リレー17に入力され、両方の光CT9、10が同時に電流を検出したとき故障と判定される。
特許請求の範囲 【請求項1】
2つの電源からの電力線が排他的に投入される2つの切替開閉器を介して交流電気鉄道の異電源切替セクションに接続される位置に、頭部の両側にそれぞれ光CTを備えた光ファイバ内蔵がいしを立設し、各光CTにより各切替開閉器から異電源切替セクションに流れる電流を検出するようにしたことを特徴とする交流電気鉄道用切替開閉器の故障検出装置。

【請求項2】
各光CTの光信号を光ファイバ内蔵がいしを通じて取り出し、切替開閉器の故障検出リレーに入力し、両方の光CTが同時に電流を検出したとき故障と判定する請求項1に記載の交流電気鉄道用切替開閉器の故障検出装置。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新幹線等の異電源突き合わせ箇所で用いられる交流電気鉄道用切替開閉器の故障検出装置に関するものである。

【0002】
【従来の技術】交流電気鉄道では単相交流により列車に電力を供給しているが、数十km毎に変電所が配置されているために、異電源突き合わせ箇所が生じる。この箇所に供給される2つの電源からの電力は一般に位相が異なるために、直接接続することができない。そこで従来は8mにわたりいずれの電源からも電力が供給されない無加圧セクションを設け、この区間を列車が惰行するようにしていたのであるが、新幹線のような高速運転が必要な鉄道は走行速度の低下を防ぐためこの異電源突合せセクションにも電力を供給して列車が力行のまま通過できるようにしなければならない。

【0003】
そこで図4に示されるように、2つの電源1、2からの電力線を2つの切替開閉器4、5を介して異電源切替セクション3に接続し、例えば列車が左から右方向へ進行する場合、一方の切替開閉器4を常時投入型としておき、列車6が異電源切替セクション3に進入するまでは電源1からき電し、列車6が特定位置まで進行したときに切替開閉器4を開くとともに切替開閉器5を投入し、異電源切替セクション3に電源2からのき電が行なわれるようにしている。ところが、これらの切替開閉器4、5は多数の列車6が異電源切替セクション3を走行する度に頻繁にオンオフを繰り返すので故障率が高く、故障発生時には直ちにこれを検出して電力指令所に知らせるシステムが求められている。

【0004】
このため特公平6-100631号公報に示される通り、2つの電源1、2と切替開閉器4、5との途中に過電流検出用の電磁誘導型CTをそれぞれ配置し、故障が発生したときに流れる過電流を検出する故障検出方法が開発されている。ところがこのためには大型の過電流検出用の電磁誘導型CTを電力線上に配置しなければならず、既設の新幹線変電所およびき電区分所では設置スペースが確保できないため、十分に実用化されていない状況にあった。

【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来の問題点を解決し、広い設置スペースを必要とせずに切替開閉器の故障を正確に検出できる交流電気鉄道用切替開閉器の故障検出装置を提供するためになされたものである。

【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するためになされた本発明の交流電気鉄道用切替開閉器の故障検出装置は、2つの電源からの電力線が排他的に投入される2つの切替開閉器を介して交流電気鉄道の異電源切替セクションに接続される位置に、頭部の両側にそれぞれ光CTを備えた光ファイバ内蔵がいしを立設し、各光CTにより各切替開閉器から異電源切替セクションに流れる電流を検出するようにしたことを特徴とするものである。なお、各光CTの光信号を光ファイバ内蔵がいしを通じて取り出し、切替開閉器の故障検出リレーに入力し、両方の光CTが同時に電流を検出したとき故障と判定することが好ましい。

【0007】
本発明によれば、頭部の両側にそれぞれ光CTを備えた小型の光ファイバ内蔵がいしを、異電源切替セクションごとに1本だけ立てればよく、従来のような広い設置スペースを必要としない。しかもこの光ファイバ内蔵がいし及び光CTは自立型とすることができるため、既設設備に負担を与えるおそれがない。

【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい実施の形態を示す。図1において、1、2は2つの電源であり、3は数十km毎に配置された異電源切替セクションである。この異電源切替セクション3への電力供給線7の両側には2つの切替開閉器4、5が配置されており、電源1は常時投入型の切替開閉器4に接続され、また電源2は常時開放型の切替開閉器3に接続されている。これらの切替開閉器4、5は排他的に投入されるものであり、同時に投入されることはない。そして列車が異電源切替セクション3中の特定位置まで進行したときに切替開閉器4、5を切り替え、異電源切替セクション3の電源を1から2に瞬時に切り替えることは従来と同様である。

【0009】
本発明では、これらの2つの電源1、2からの電力線が切替開閉器4、5を介して異電源切替セクション3に接続される位置に、単一の光ファイバ内蔵がいし8を立設する。この光ファイバ内蔵がいし8は従来の過電流検出用の電磁型CTに比較して小型である。図2はこの部分を示す図であり、光ファイバ内蔵がいし8の頭部の両側にはそれぞれ光CT9、10が支持されている。これらの光CT9、10は中空アーム11により光ファイバ内蔵がいし8のキャップ金具12に取り付けられている。図3に示す通り各光CT9、10は各切替開閉器4、5から延びるブスバー13、14を囲む環状コア15を備えており、そのギャップ内にファラディ素子等の光センサを挿入した構造となっている。

【0010】
光CT9は切替開閉器4から異電源切替セクション3に向かって延びるブスバー13を流れる電流を検出し光信号に変換する。また光CT10は切替開閉器5から異電源切替セクション3に向かって延びるブスバー14を流れる電流を検出し光信号に変換する。これらの光信号は光ファイバ内蔵がいし8の内部を貫通している光ファイバを通じて取り出され、光ケーブル16により図1に示されるO/E変換器18を介して切替開閉器の故障検出リレー17に入力される。前記したように、これらの切替開閉器4、5は本来は排他的に投入されるものであるから、正常時にはブスバー13とブスバー14との何れか一方にしか電流は流れないはずである。そこで両方の光CT9、10が同時に電流を検出したときには切替開閉器の故障検出リレー17は切替開閉器4、5に故障が生じたものと判定し、電力指令所に故障発生を知らせる。

【0011】
このようにして、本発明の交流電気鉄道用切替開閉器の故障検出装置は異電源突き合わせ箇所で用いられる切替開閉器4、5の故障を確実に検出することができる。しかも本発明で用いられる光ファイバ内蔵がいし8は従来の過電流検出用の電磁誘導型CTに比較して小型であり、設置スペースに乏しい既設の新幹線にも適用可能である。また、単一の光ファイバ内蔵がいし8の両側に設けた光CT9、10により両方の切替開閉器4、5の故障を検出することができ、設備コストを削減できる。さらにこの光ファイバ内蔵がいし8は自立型であるから、既設のブスバー13、14等に負担をかけることもない。

【0012】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の交流電気鉄道用切替開閉器の故障検出装置は広い設置スペースを必要とせずに切替開閉器の故障を正確に検出できるので、従来の大型の電磁誘導型CTの設置スペースが確保できない既設の新幹線にも適用できる利点がある。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3