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明細書 :レールガス圧接用ガスバーナ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3537661号 (P3537661)
公開番号 特開平11-270810 (P1999-270810A)
登録日 平成16年3月26日(2004.3.26)
発行日 平成16年6月14日(2004.6.14)
公開日 平成11年10月5日(1999.10.5)
発明の名称または考案の名称 レールガス圧接用ガスバーナ
国際特許分類 F23D 14/58      
E01B 31/18      
FI F23D 14/58 Z
E01B 31/18
請求項の数または発明の数 1
全頁数 4
出願番号 特願平10-095227 (P1998-095227)
出願日 平成10年3月25日(1998.3.25)
審査請求日 平成12年11月21日(2000.11.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】398024354
【氏名又は名称】株式会社全溶
発明者または考案者 【氏名】深田 康人
【氏名】辰已 光正
【氏名】山本 隆一
【氏名】上山 且芳
【氏名】井上 哲生
個別代理人の代理人 【識別番号】100097113、【弁理士】、【氏名又は名称】堀 城之
審査官 【審査官】東 勝之
参考文献・文献 特開 昭60-162113(JP,A)
特公 昭30-2015(JP,B1)
調査した分野 F23D 14/58
E01B 31/18
特許請求の範囲 【請求項1】
突き合わされた一対のレール端部の頭部、腹部、および、底部のそれぞれの表面に火炎を放射して、上記底部の加熱量が上記頭部の加熱量よりも大きくなるように加熱するレールガス圧接用ガスバーナであって、
上記頭部の上下の隅部をそれぞれ加熱する火口(12)を増設してなり、
前記腹部および前記底部を加熱する火口(11)の口径を大きくしてあり、これらの腹部および底部の加熱量を、前記増設された火口(12)による前記頭部の加熱量の増加に対応させて大きくしてあることを特徴とするレールガス圧接用ガスバーナ。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道用レール等のレールをガス圧接する際に用いられるガスバーナに関するものである。

【0002】
【従来の技術】従来、たとえば、鉄道用レールをその端面において接合しロングレールを作製する際に用いられる接合方法として、ガス圧接が提案されている。

【0003】
このガス圧接は、レールの端面を入念に研削した後に、図2に示すように、一方のレール1を一方の固定プレート2に固定するとともに、他方のレール3をこれらのレール1・3の軸方向に移動可能なクランプ4に固定し、このクランプ4を、その近傍の他方の固定プレート5に固定されている油圧シリンダ6によって、上記一方の固定プレート2へ向けて押圧移動させることにより、上記両レール1・3の接続端面A・Bを相互に突き合わせ、図3に示すように、これらの接合端面A・Bを所定の圧力で加圧するとともに、上記接合端面A・Bを、図2に示すように、ガスバーナ7によって酸素アセチレンの弱還元炎で1200℃ないし1300℃程度に加熱し、その全圧縮量が所定量に達した時点で、上記加熱および加圧操作を終了することにより、上記レール1・3を軸方向に接合するものである。

【0004】
そして、上記ガスバーナ7は、図3に示すように、上記レール1(3)を両側部から挟み込むようにして配設されるとともに、上記レール1(3)の外表面との間にほぼ一定の隙間を形成するように、上記レール1(3)の断面形状とほぼ相似形に形成された一対のバーナヘッド(図3においては片方のみを示した)7aを備えており、また、各バーナヘッド7aには、レール1の頭部1aの上面および側面、腹部1bの側面、さらに、底部1cの上面、側面、および、下面へ向けて火炎を放射する多数の火口8が設けられている。図3においては、矢印が火炎を示し、それぞれの矢印の基端部が火口8であり、また、図3中に記載した数字は、各火口8の口径を示す。

【0005】
ここで、上記レール1・3をガス圧接する際に、これらのレール1・3を加熱しつつ所定圧力で圧接するのであるが、このような加熱・圧接工程において、上記頭部1aに比して底部1cが座屈しやすいことから、従来においては、上記頭部1aの上下の隅部の加熱を抑制してその加熱量を低く設定し、この頭部1a部分を、機械的な圧接力を主体として圧接し、上記底部1cの加熱量を大きくして、この底部1c部分を、熱膨張によって生じる圧接力を主体として圧接するようにしている。

【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような従来のガス圧接によって接合されたレールについて、磁粉探傷による非破壊検査を行なった結果、接合部における頭部1aの上下の隅部に傷指示模様が数%の割合で発生するといった不具合が生じている。

【0007】
そして、このような不具合が生じた場合には、上記接合部に対して再ガス圧接処理を行なって、品質を確保することが行なわれており、この結果、作業能率の低下を招いているとともに、製造コストの高騰の原因ともなっている。

【0008】
本発明は、このような従来のガス圧接が有する問題点を有効に解決するためになされたもので、高品質な継手を容易に作製するガス圧接を行ない得るガスバーナを提供することを解決課題とする。

【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載のレールガス圧接用ガスバーナは、上記課題を解決するために、突き合わされた一対のレール端部の頭部、腹部、および、底部のそれぞれの表面に火炎を放射して、上記底部の加熱量が上記頭部の加熱量よりも大きくなるように加熱するレールガス圧接用ガスバーナであって、上記頭部の上下の隅部をそれぞれ加熱する火口(12)を増設してなり、前記腹部および前記底部を加熱する火口(11)の口径を大きくしてあり、これらの腹部および底部の加熱量を、前記増設された火口(12)による前記頭部の加熱量の増加に対応させて大きくしてあることを特徴とするものである。

【0010】
また、本発明の請求項2に記載のレールガス圧接用ガスバーナは、請求項1における上記腹部および底部を加熱する火口の加熱量を、上記頭部の上下の隅部をそれぞれ加熱する火口の増設に伴う加熱量の増加に対応させて大きくしたことを特徴とするものである。

【0011】
本発明の請求項1に記載のレールガス圧接用ガスバーナによれば、増設された火口によってレールの頭部の上下の隅部を加熱することにより、この頭部の加熱温度を上昇させて接合温度を高めるとともに、頭部全体としての温度分布を均一にし、これによって、頭部における接合品質を高めることができる。ここで、頭部の熱容量が大きいことから、この頭部の接合温度を高めても、底部における接合は、熱膨張によって生じる圧接力を主体とした接合に変わりはなく、その座屈のおそれはない。

【0012】
また、請求項2に記載の発明のように、上記腹部および底部を加熱する火口の加熱量を、上記頭部の上下の隅部をそれぞれ加熱する火口の増設に伴う加熱量の増加に対応させて大きくしたことにより、レールの加熱速度を速めて接合時間を短縮することができる。

【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態について、図1を参照して説明する。図1において符号10は本実施形態に係わるレールガス接合用ガスバーナを示し、レール1(3)を両側部から挟み込むようにして配設されるとともに、上記レール1(3)の外表面との間にほぼ一定の隙間を形成するように、上記レール1(3)の断面形状とほぼ相似形に形成された一対のバーナヘッド(図1においても、図3と同様に片方のみを示した)10aを備えており、また、各バーナヘッド10aには、レール1の頭部1aの上面および側面、腹部1bの側面、さらに、底部1cの上面、側面、および、下面へ向けて火炎を放射する多数の火口11が設けられ、矢印で示す火炎の基端部が上記火口11となされ、また、図1中に数値によって上記火口11の口径を示した。

【0014】
そして、本実施形態においては、上記バーナヘッド10aに、上記頭部1aの上下の隅部をそれぞれ加熱する火口12を増設してあり、レール1を加熱する際に、上記頭部1aの加熱量を大きくした構成としている。

【0015】
さらに、本実施形態においては、上記バーナヘッド10aの、上記レール1の腹部1bおよび底部1cを加熱する火口11の口径、特に、上記底部1cを加熱する火口11の口径を大きくしてあり、これらの腹部1bおよび底部1cの加熱量を、上記増設された火口12による頭部1aの加熱量の増加に対応させて大きくしてある。

【0016】
このような本実施形態に係わるガスバーナ10を用い、JIS60kgレールをガス圧接により圧接し、100本の試験体を作製し、また、比較のために、同様のレールを、従来のガスバーナ7を用いたガス圧接により圧接し、同じく100本の試験体を作製し、これらの各試験体に対して磁粉探傷による非破壊試験を実施したところ、従来のガスバーナ7を用いてガス圧接したレールにおいては、3本の頭部において、傷指示模様が確認されたが、本実施形態のガスバーナ10を用いてガス圧接したレールにおいては、全てにおいて傷指示模様は見られず、良好な結果が得られた。

【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1に記載のレールガス圧接用ガスバーナは、突き合わされた一対のレール端部の頭部、腹部、および、底部のそれぞれの表面に火炎を放射して加熱するようにしたレールガス圧接用ガスバーナであって、上記頭部の上下の隅部をそれぞれ加熱する火口を増設してなることを特徴とするもので、増設された火口によってレールの頭部の上下の隅部を加熱することにより、この頭部の加熱温度を上昇させて接合温度を高めるとともに、頭部全体としての温度分布を均一にし、これによって、頭部における接合品質を高めることができる。これによって、再ガス圧接作業を不用にして作業の簡素化を図ることができるとともに、製造コストの低減を図ることができる。しかも、頭部の熱容量が大きいことから、この頭部の接合温度を高めても、底部における接合は、熱膨張によって生じる圧接力を主体とした接合に変わりはなく、この底部における座屈の発生を招くことはない。

【0018】
また、本発明の請求項2に記載のレールガス圧接用ガスバーナは、請求項1において、上記腹部および底部を加熱する火口の加熱量を、上記頭部の上下の隅部をそれぞれ加熱する火口の増設に伴う加熱量の増加に対応させて大きくしたことを特徴とするもので、レールの加熱速度を速めて接合時間を短縮することができる。
図面
【図2】
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【図3】
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【図1】
2