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Specification :(In Japanese)軸方向または径方向に動圧軸受を有する遠心血液ポンプ

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P4257417
Publication number P2005-118237A
Date of registration Feb 13, 2009
Date of issue Apr 22, 2009
Date of publication of application May 12, 2005
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)軸方向または径方向に動圧軸受を有する遠心血液ポンプ
IPC (International Patent Classification) A61M   1/10        (2006.01)
F04D  13/02        (2006.01)
F16C  17/04        (2006.01)
F16C  17/20        (2006.01)
F16C  32/00        (2006.01)
F16C  32/04        (2006.01)
F16C  33/20        (2006.01)
F16C  33/24        (2006.01)
FI (File Index) A61M 1/10 535
F04D 13/02 C
F16C 17/04 Z
F16C 17/20
F16C 32/00 C
F16C 32/04 Z
F16C 33/20
F16C 33/24
Number of claims or invention 9
Total pages 15
Application Number P2003-355718
Date of filing Oct 15, 2003
Date of request for substantive examination Oct 4, 2006
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】504179255
【氏名又は名称】国立大学法人 東京医科歯科大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】高谷 節雄
【氏名】片岡 弘之
【氏名】飯田 智也
【氏名】渡邉 宣夫
【氏名】大内 克洋
【氏名】中村 直人
【氏名】進士 忠彦
Representative (In Japanese)【識別番号】100075258、【弁理士】、【氏名又は名称】吉田 研二
【識別番号】100096976、【弁理士】、【氏名又は名称】石田 純
Examiner (In Japanese)【審査官】芦原 康裕
Document or reference (In Japanese)特開平07-075667(JP,A)
特開平10-033664(JP,A)
特開昭64-035098(JP,A)
特開2002-191689(JP,A)
特開平04-091396(JP,A)
特開2003-024434(JP,A)
特開2002-138990(JP,A)
特表2002-541986(JP,A)
特表平8-504490(JP,A)
特開2000-80997(JP,A)
実開平6-53790(JP,U)
Field of search A61M 1/10
F04D 13/02
F16C 17/04
F16C 17/20
F16C 32/00
F16C 32/04
F16C 33/20
F16C 33/24
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
血液が流入する流入口と、該流入口からの血液流入方向に対して略垂直な流出口を備えたハウジングと、
該ハウジング内に収容され、且つ、永久磁石製の従動磁石を備えた羽根車と、
モータと、該モータの回転軸に連結された駆動磁石とを備え、前記ハウジングの流入口とは反対側に近接配置されて、該駆動磁石と前記羽根車の従動磁石との間で構成されるマグネチックカップリングを介して、前記ハウジングの外側から前記羽根車を回転させる駆動装置とを有し、
前記羽根車の回転により、前記ハウジングの流入口から血液を吸い込んで該ハウジングの流出口から流出させる遠心血液ポンプであって、
前記羽根車の、前記ハウジングの前記流入口側に設けられ、該羽根車の回転軸心と垂直、且つ、環状の垂直面と、
前記ハウジングに設けられ、該垂直面と対向し、且つ、該垂直面と平行な環状の対向面とを有し、
前記羽根車の垂直面および前記ハウジングの対向面のいずれか一方に、径方向に延びる溝が、周方向に多数形成され、
高速回転による前記羽根車の浮き上がり時に、該垂直面と該対向面との間の隙間が極めて小さくなると、該垂直面と該対向面とそれらの面間に介在させられる前記血液とにより、前記羽根車の浮き上がり荷重を支える動圧軸受が構成されることを特徴とする遠心血液ポンプ。
【請求項2】
前記溝の深さが、前記動圧軸受が構成されているときの該動圧軸受の隙間の1~2倍であることを特徴とする請求項1の遠心血液ポンプ。
【請求項3】
前記羽根車の前記駆動装置が配置される側の面の、該羽根車の回転軸心を中心とする同一円周上に設けられた3つ以上の突起と、
前記羽根車の前記突起が設けられている面に対向するハウジングの内面に形成され、前記突起が摺動させられる円環状の案内溝とを有し、
低速回転時に前記羽根車を回転可能に支持する支持装置
を、さらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の遠心血液ポンプ。
【請求項4】
血液が流入する流入口と、該流入口からの血液流入方向に対して略垂直な流出口を備えたハウジングと、
該ハウジング内に収容され、且つ、永久磁石製の従動磁石を備えた羽根車と、
モータと、該モータの回転軸に連結された駆動磁石とを備え、前記ハウジングの流入口とは反対側に近接配置されて、該駆動磁石と前記羽根車の従動磁石との間で構成されるマグネチックカップリングを介して、前記ハウジングの外側から前記羽根車を回転させる駆動装置とを有し、
前記羽根車の回転により、前記ハウジングの流入口から血液を吸い込んで該ハウジングの流出口から流出させる遠心血液ポンプであって、
前記羽根車の外周面および前記ハウジングの内周面にそれぞれ設けられた内周側および外周側永久磁石から成る永久磁石対を有し、該永久磁石対の吸引力により、前記羽根車を、ハウジングの流入口側の面と、流入口とは反対側の面との間に位置させるとともに、回転軸心に対する傾きを抑制する磁気軸受が構成されていることを特徴とする遠心血液ポンプ。
【請求項5】
請求項4の遠心血液ポンプであって、
前記永久磁石対を構成する内周側および外周側永久磁石は、ともに、両端部が同一方向へ向かう形状であり、一方の永久磁石の端部と他方の永久磁石の端部とが互いに対向するように配置されて、該両端部を通る磁気回路が形成されていることを特徴とする遠心血液ポンプ。
【請求項6】
請求項1~3のいずれかの遠心血液ポンプであって、
前記マグネチックカップリングは、前記駆動装置の回転力を前記羽根車へ非接触で伝達するとともに、該羽根車を前記ハウジングの中心軸へ戻す方向の磁気力を作用させるものであることを特徴とする遠心血液ポンプ。
【請求項7】
請求項6の遠心血液ポンプであって、
前記マグネチックカップリングの駆動磁石が、該マグネチックカップリングの従動磁石に対して該従動磁石の回転軸の軸心方向に配置されていることを特徴とする遠心血液ポンプ。
【請求項8】
請求項4または5の遠心血液ポンプであって、
前記羽根車の外周面および該外周面に対向するハウジングの内周面が、ともに、前記羽根車の回転軸心に平行とされ、
高速回転により前記羽根車が偏心して、該羽根車の外周面と該ハウジングの内周面との隙間が極めて小さくなると、該羽根車の外周面と該ハウジングの内周面とそれらの面間に介在させられる前記血液とにより、前記羽根車の偏心方向の荷重を支える動圧軸受が構成されることを特徴とする遠心血液ポンプ。
【請求項9】
前記羽根車の外周面および前記ハウジングの内周面のいずれか一方に、前記羽根車の回転軸心と平行な溝が、周方向に多数形成されていることを特徴とする請求項8の遠心血液ポンプ。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、体内に埋め込まれる人工心臓用の遠心血液ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
体内埋め込み型の人工心臓に用いられる血液ポンプとして、ハウジングに収容された羽根車を回転させて、その回転により生じる遠心力により、ハウジングの流入口から血液を吸い込んで、血液流入方向に対して垂直に設けられた流出口から流出させる遠心血液ポンプが知られている。
【0003】
上記遠心血液ポンプは、ハウジングに収容される羽根車に従動磁石を設けるとともに、ハウジングの外側に近接配置される駆動磁石をモータにより回転させる駆動装置を備えており、モータにより駆動磁石を回転させて、駆動磁石と従動磁石との磁気磁気的結合により、ハウジングの外から羽根車を回転させている。
【0004】
この型式の遠心血液ポンプは、耐久性を高める観点から、ハウジングとそれに収容された羽根車とが非接触とされることが好ましい。そのため、従来は、羽根車を回転駆動するための電磁気結合装置の他に、ポンプハウジングに取り付けられた数個の電磁石の磁力を調整することにより、羽根車の位置制御を行う能動的な磁気軸受装置を設けていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ポンプハウジングに数個の電磁石を設ける場合、その電磁石に電力を供給するための電力供給装置およびその電力を制御する電力制御装置が必要となり、余分な電力を要し、また、装置が大型化するという問題があった。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、耐久性を維持しつつ、従来の装置のように、電磁石の磁力を調整する能動的な磁気軸受装置を用いることなく、羽根車を非接触に駆動でき、装置を小型化することができる遠心血液ポンプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成する第1発明は、(a)血液が流入する流入口と、その流入口からの血液流入方向に対して略垂直な流出口を備えたハウジングと、(b)そのハウジングに収容され、且つ、永久磁石製の従動磁石を備えた羽根車と、(c)モータと、そのモータの回転軸に連結された駆動磁石とを備え、前記ハウジングの流入口とは反対側に近接配置されて、その駆動磁石と前記羽根車の従動磁石との間で構成されるマグネチックカップリングを介して、前記ハウジングの外側から前記羽根車を回転させる駆動装置とを有し、(d)前記羽根車の回転により、前記ハウジングの流入口から血液を吸い込んでそのハウジングの流出口から流出させる遠心血液ポンプであって、(e)前記羽根車の、前記ハウジングの前記流入口側に設けられ、その羽根車の回転軸心と垂直、且つ、環状の垂直面と、(f)前記ハウジングに設けられ、その垂直面と対向し、且つ、その垂直面と平行な環状の対向面とを有し、(g)前記羽根車の垂直面および前記ハウジングの対向面のいずれか一方に、径方向に延びる溝が、周方向に多数形成され、(h)高速回転による前記羽根車の浮き上がり時に、その垂直面とその対向面との間の隙間が極めて小さくなると、その垂直面とその対向面とそれらの面間に介在させられる前記血液とにより、前記羽根車の浮き上がり荷重を支える動圧軸受が構成されることを特徴とする。
【0008】
また、第2発明は、第1発明の遠心血液ポンプにおいて、前記溝の深さが、前記動圧軸受が構成されているときのその動圧軸受の隙間の1~2倍であることを特徴とする。
【0009】
また、第3発明は、第1発明または第2発明の遠心血液ポンプにおいて、前記羽根車の前記駆動装置が配置される側の面の、その羽根車の回転軸心を中心とする同一円周上に設けられた3つ以上の突起と、前記羽根車の前記突起が設けられている面に対向するハウジングの内面に形成され、前記突起が摺動させられる円環状の案内溝とを有し、低速回転時に前記羽根車を回転可能に支持する支持装置を、さらに含むことを特徴とする。
【0010】
また、第4発明は、(a)血液が流入する流入口と、その流入口からの血液流入方向に対して略垂直な流出口を備えたハウジングと、(b)そのハウジングに収容され、且つ、永久磁石製の従動磁石を備えた羽根車と、(c)モータと、そのモータの回転軸に連結された駆動磁石とを備え、前記ハウジングの流入口とは反対側に近接配置されて、その駆動磁石と前記羽根車の従動磁石との間で構成されるマグネチックカップリングを介して、前記ハウジングの外側から前記羽根車を回転させる駆動装置とを有し、(d)前記羽根車の回転により、前記ハウジングの流入口から血液を吸い込んでそのハウジングの流出口から流出させる遠心血液ポンプであって、(e)前記羽根車の外周面および前記ハウジングの内周面にそれぞれ設けられた内周側および外周側永久磁石から成る永久磁石対を有し、その永久磁石対の吸引力により、前記羽根車を、ハウジングの流入口側の面と、流入口とは反対側の面との間に位置させるとともに、回転軸心に対する傾きを抑制する磁気軸受が構成されていることを特徴とする。
【0011】
また、第5発明は、第4発明の遠心血液ポンプにおいて、前記永久磁石対を構成する内周側および外周側永久磁石は、ともに、両端部が同一方向へ向かう形状であり、一方の永久磁石の端部と他方の永久磁石の端部とが互いに対向するように配置されて、その両端部を通る磁気回路が形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、第6発明は、第1発明~第3発明のいずれかの遠心血液ポンプにおいて、前記マグネチックカップリングは、前記駆動装置の回転力を前記羽根車へ非接触で伝達するとともに、その羽根車を前記ハウジングの中心軸へ戻す方向の磁気力を作用させるものであることを特徴とする。
【0013】
また、第7発明は、第6発明の遠心血液ポンプにおいて、前記マグネチックカップリングの駆動磁石が、そのマグネチックカップリングの従動磁石に対してその従動磁石の回転軸の軸心方向に配置されていることを特徴とする。
【0014】
また、第8発明は、第4発明または第5発明の遠心血液ポンプにおいて、前記羽根車の外周面およびその外周面に対向するハウジングの内周面が、ともに、前記羽根車の回転軸心に平行とされ、高速回転により前記羽根車が偏心して、その羽根車の外周面とそのハウジングの内周面との隙間が極めて小さくなると、その羽根車の外周面とそのハウジングの内周面とそれらの面間に介在させられる前記血液とにより、前記羽根車の偏心方向の荷重を支える動圧軸受が構成されることを特徴とする。
【0015】
また、第9発明は、第8発明の遠心血液ポンプにおいて、前記羽根車の外周面および前記ハウジングの内周面のいずれか一方に、前記羽根車の回転軸心と平行な溝が、周方向に多数形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
上記第1発明によれば、前記羽根車の回転速度が速くなっていき、流出口からの血液流出量が多くなって流入口と羽根車との間に負圧が生じ、羽根車が流入口方向へ吸い寄せられた場合に、羽根車の垂直面とハウジングの対向面との間の隙間が極めて小さくなると、互いに平行であっていずれか一方に径方向に延びる溝が周方向に多数形成されている環状の垂直面および対向面と、それらの面間に介在させられる血液により動圧軸受が形成され、その動圧軸受により羽根車の浮き上がり荷重が支えられることから、電磁石の磁力を調整する能動的な磁気軸受装置を用いなくても、羽根車の流入口側の面とハウジングとの間の接触が防止され、また、羽根車の浮き上がりにより、羽根車の底部とハウジングとの間も非接触となるので、装置の耐久性を維持し、且つ、血液破壊を防止しつつ、装置を小型化でき、且つ、電力消費を少なくできる。
【0017】
第2発明のように溝の深さが設定されると、動圧軸受が支えることが可能な浮き上がり荷重が大きくなるので、確実に、羽根車の流入口側の面とハウジングとの間の接触が防止される。
【0018】
羽根車の回転速度が低い場合には、駆動装置の駆動磁石と羽根車の従動磁石との間の吸引力により、羽根車がハウジングの駆動磁石側の面と接触させられるが、第3発明のように最低3つの突起とこれらを案内する円環状の案内溝から成る支持装置が設けられると、その接触が突起のみとなるので、摩擦が少なくなり、耐久性の低下が防止される。また、突起が1つまたは2つの場合には、低速回転時に、その突起を支点として羽根車が傾いてしまうが、第3発明によれば、突起は3つ以上設けられているので、羽根車はその回転軸心に対して垂直な方向への揺動が防止されて安定化し、羽根車の側面とハウジングの側面との接触も防止される。
【0019】
第4発明によれば、羽根車の外周面に設けられた内周側永久磁石と、ハウジングの外周面に設けられた内周側永久磁石とにより構成される永久磁石対を有する磁気軸受により、羽根車がハウジングの流入口側の面と流入口とは反対側の面との間に位置させられて、回転軸心方向への移動が抑制されるので、電磁石の磁力を調整する能動的な磁気軸受装置を用いなくても、ハウジングの流入口側の面および流入口とは反対側の面に接触することが防止されるとともに、回転軸心に対する傾きが抑制される。従って、装置を小型化でき、且つ、電力消費を少なくできる。
【0020】
第5発明によれば、磁力線が内周側永久磁石および外周側永久磁石内を流れる磁気回路が形成されることから、互いの吸引力が強くなる。従って、羽根車のその回転軸心方向への移動を抑制する力が大きくなるので、一層確実に、羽根車がハウジングの流入口側の面および流入口とは反対側の面に接触することが防止される。
【0021】
駆動装置の駆動磁石と羽根車の従動磁石との間の磁気的結合により羽根車を回転させる場合、羽根車の回転軸心は一定位置に安定せず、羽根車は回転軸心に対して垂直な方向(すなわち偏心方向)にも移動してしまうが、第6発明によれば、マグネチックカップリングにより、羽根車に、ハウジングの中心軸へ戻す方向の磁気力が作用することから、羽根車の側面がハウジングの側面に接触することが防止される。従って、羽根車は、その回転軸心に対して垂直方向の移動によってハウジングに接触することも防止され、高い耐久性が得られる。また、第7発明は第6発明の実施態様であり、駆動磁石が従動磁石に対してその従動磁石の回転軸の軸心方向に配置されていることから、従動磁石にその回転軸の軸心方向への磁気力が働くので、従動磁石を有する羽根車に、ハウジングの中心軸へ戻す方向の力が作用する。
【0022】
また、第8発明によれば、羽根車の高速回転時に、羽根車の外周面およびハウジングの内周面の隙間が極めて小さくなると、動圧軸受が構成されて、羽根車の偏心方向の荷重が支えられるので、羽根車の外周面がハウジングの内周面に接触することも防止される。
【0023】
また、第9発明のように溝が形成されると、動圧軸受による羽根車の外周面とハウジングの内周面との間の反発力が生じ易くなるので、一層確実に、羽根車の外周面がハウジングの内周面に接触することが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明が適用された体内埋め込み型の遠心血液ポンプ10を、ハウジング12の流入口14の中心を通る垂直平面で切断した断面図であり、図2はハウジング12の水平断面図である。なお、本実施例において、水平方向とは、底板部18に平行な方向をいう。遠心血液ポンプ10は、ハウジング12と、そのハウジング12に収容される羽根車30と、羽根車30を回転駆動させる駆動装置60を有している。
【0025】
ハウジング12は、平面形状が円形の羽根車30を収容するものであり、底板部18、側壁部20、上板部22、筒部24、流入筒部26、および流出筒部28(図2参照)を備えている。底板部18は円形であり、側壁部20は、その底板部18の縁部から底板部18に対して略垂直に立ち上がる円筒形である。上板部22は、側壁部20の底板部18とは反対側の端に連結され、底板部18と平行な円環状である。筒部24は、上板部22の内周縁に連結され上側(すなわち底板部18とは反対側)ほど小径とされ、水平断面形状が円形とされている。流入筒部26は、その筒部24の上端に連結された円筒形である。
【0026】
また、上記流入筒部26は、底板部18に垂直に設けられており、また、上記円環状の上板部22の水平方向における中心、筒部24の軸心、流入筒部26の軸心が、同一線上となるように構成されており、これら筒部24の軸心等を含む線がハウジング12の中心軸となっている。流出筒部28は、図2に示すように、その内周面が側壁部20の内周面の接線と一致するように、側壁部20から突き出しており、流出筒部28の軸心は、底板部18と平行とされている。前記流入口14は、流入筒部26の開口であり、流出筒部28の開口が流出口16である。
【0027】
次に、図1~図4に基づいて羽根車30を説明する。図3は羽根車30の平面図であり、図4は羽根車30の底面図である。羽根車30は、水平断面が円形、垂直断面が台形の本体部32を有しており、その本体部32の中心には、垂直方向に貫通する貫通穴34が設けられている。この貫通穴34は、水平断面が円形であり、後述する従動磁石44と駆動磁石64との磁気的結合により、羽根車30は貫通穴34の軸心を中心として回転させられる。すなわち、貫通穴34の軸心が羽根車30の回転軸心C1である。
【0028】
本体部32の傾斜面36は、ハウジング12の筒部24と平行とされており、その傾斜面36に、複数の羽根38(図では8つ)が固定されている。それら複数の羽根38は、貫通穴34を中心とする放射状に配置されている。この羽根38は、一辺の一方の端が傾斜面36の上端に接し、他方の端が傾斜面36の下端に接する矩形板状部材であり、たとえば、厚さが1mm、高さ(傾斜面36に垂直な方向)が5mm程度とされている。
【0029】
上記羽根38には、傾斜面36に固定されている側とは反対側に、円環板40が連結部材42を介して固定されている。この円環板40は、図1に示すように、外径がハウジング12の側壁部20の内径よりもやや短い長さとされており、内径がハウジングの上板部22の内径と同程度とされている。また、円環部40は、貫通穴34の軸心に対して垂直に設けられているので、円環部40の上面40aが、垂直面として機能する。また、羽根車30の非回転状態では、羽根車30の貫通穴34は、ハウジング12の底板部18および上板部22に垂直であるので、その状態では、円環部40の上面40aに対向するハウジング12の上板部22の下面22aは円環部40の上面40aと平行になっている。従って、ハウジング12の上板部22の下面22aが対向面として機能する。また、羽根車30とハウジング12との間の垂直方向の距離のうちで、ハウジング12の上板部22の下面22aと円環板40の上面40aとの間の距離が最短距離となっている。
【0030】
さらに、羽根車30には、本体部32内に、円環状の従動磁石44が、本体部32の底面32aに平行、且つ、水平方向の中心が貫通穴34の軸心と一致するように備えられている。この従動磁石44は、永久磁石製であり、周方向にN極S極が交互に繰り返すように軸方向に着磁されている。
【0031】
また、図1、3に示すように、羽根車30の本体部32の底面32aには、ハウジング12の底板部18方向に突き出す半球状の複数(本実施例では3つ)の突起46が、貫通穴34の軸心を中心とする同一円周上に設けられている。上記突起46は、比較的硬い材質、たとえば、セラミックス製である。このように構成された羽根車30は、ハウジング12の側壁部20に接触しないように、貫通穴34の軸心がハウジング12の底板部18の中心と重なる位置に配置されている。
【0032】
また、ハウジング12の底板部18には、図1、2に示すように、上記突起46が摺動させられる環状の案内溝48が形成された環状部材50が嵌め入れられている。この環状部材50は、突起46の材質との間の摩擦抵抗が少ない材質、たとえば、ポリエチレン製であり、突起46と案内溝48を備えた環状部材50とにより、羽根車30を回転可能に支持する支持装置52が構成される。
【0033】
駆動装置60は、図1に示すように、モータ62と、前記従動磁石44とともにマグネチックカップリング(磁気継手)を構成する駆動磁石64と、モータ62の回転軸62aと駆動磁石64を連結する連結部材66とを有しており、モータ62の回転軸62aは、ハウジング12の中心軸と同一線上となるように配置される。
【0034】
駆動磁石64は、円環状であり、モータ62の回転軸62aに対して垂直となるように設けられている。また、駆動磁石64は、羽根車30に備えられた従動磁石44と略等しい外径および内径とされている。この駆動磁石64も、永久磁石製であり、周方向にN極S極が交互に繰り返すように多極着磁されている。
【0035】
図5は、羽根車30に設けられている円環板40の一部を拡大して便宜上直線的に示す斜視図であり、円環板40の上面40aは、径方向に延び、且つ、周方向(図5では左右方向)の一方へ向かうほど浅くなる溝54が、周方向に多数形成される形状である。この溝54の深さHは、動圧軸受が形成された状態における上板部22との間の隙間hの1~2倍が好ましく、特に、1.6倍が好ましい。そのため、溝54の深さHは、たとえば100μmとされる。また、溝54の幅Wは、たとえば2mm程度とされる。なお、図5においては、円環板40は、実際よりも厚く描かれている。
【0036】
次に、このように構成された遠心血液ポンプ10の作動を説明する。駆動装置60のモータ62を回転させて、駆動磁石64を比較的高速の所定の回転速度で回転させると、駆動磁石64と従動磁石44との磁気的結合により、羽根車30がモータ62の回転方向と同一方向に回転させられる。羽根車30が回転させられると、羽根車30に設けられている羽根38により、ハウジング12内の血液が流出口16から送り出されるとともに、流入口14から血液が吸い込まれる。なお、血液は、羽根車30とハウジング12の筒部24および上板部22との間を流れるだけでなく、貫通穴34を通り、羽根車30とハウジング12の底板部18との間にも流れる。
【0037】
図1には、羽根車30がハウジング12と非接触な状態が示されているが、羽根車30の回転開始当初、すなわち、羽根車30の回転速度が低いうちは、従動磁石44と駆動磁石64との間の吸引力により、羽根車30はハウジング12の底板部18側へ引き寄せられているので、突起46が案内溝48上を摺動する。しかし、羽根車30の回転速度が速くなって、流出口16からの血液流出量が多くなると、流入口14側が負圧となるので、羽根車30は流入口14側へ吸い寄せられる。
【0038】
羽根車30とハウジング12との間の垂直方向の距離のうちで、ハウジング12の上板部22の下面22aと円環板40の上面40aとの間の垂直方向の距離が最短距離となっているので、仮に、回転がない状態で羽根車30が流入口14側に吸い寄せられるとすると、ハウジング12の上板部22の下面22aと円環板40の上面40aとが接触してしまうが、羽根車30が所定の速度で高速回転させられている状態では、互いに平行とされているハウジング12の上板部22の下面22aと円環板40の上面40aとの間の距離が極めて短い距離(たとえば、0.2mm以下)となると、ハウジング12の上板部22の下面22aと、溝54が形成されている円環板40の上面40aと、それらの面間の隙間に介在させられる血液とにより動圧軸受が構成されて、それらの面間に動圧(反力)が生じ、回転状態の羽根車30が非接触状態で一定の位置で安定する。
【0039】
また、羽根車30の回転速度が速くなると、羽根車30は水平方向にも揺動して、羽根車30の回転軸心C1がモータ62の回転軸62aの軸線上から逸れようとするが、駆動装置60の駆動磁石64と羽根車30の従動磁石44との間の吸引力は、羽根車30の回転軸心C1に垂直な方向にも働くので、羽根車30の回転軸心C1がモータ62の回転軸62aの軸線上から逸れようとすると、駆動装置60の駆動磁石64と羽根車30の従動磁石44との間の吸引力により、羽根車30は、その回転軸心C1がモータ62の回転軸62aの軸線すなわちハウジング12の中心軸上となる方向に引き戻される。
【0040】
以上説明したように、本実施例によれば、羽根車30の回転速度が速くなっていき、流出口16からの血液流出量が多くなって流入口14と羽根車30との間に負圧が生じ、羽根車30が流入口14方向へ吸い寄せられた場合に、羽根車30に備えられた円環板40の上面40aとハウジング12の上板部22の下面22aとの間の隙間が極めて小さくなると、動圧軸受が構成されて羽根車30の浮き上がり荷重が支えられることから、電磁石の磁力を調整する能動的な磁気軸受装置を用いなくても、羽根車30の流入口14側の面とハウジング12との間の接触が防止され、また、羽根車30の浮き上がりにより、羽根車30の底部とハウジング12との間も非接触となるので、装置の耐久性を維持し、且つ、血液破壊を防止しつつ、装置を小型化でき、且つ、電力消費を少なくできる。
【0041】
また、本実施例によれば、羽根車30に備えられた円環板40の上面40aに、径方向に延びる溝54が周方向に多数形成されていることから、動圧軸受による円環板40の上面40aとハウジング12の上板部22の下面22aとの間の反発力が生じ、羽根車30の流入口14側の面とハウジング12との間の接触が好適に防止される。
【0042】
また、本実施例によれば、支持装置52が設けられていることから、羽根車30の回転速度が低く、駆動装置60の駆動磁石64と羽根車30の従動磁石44との間の吸引力により、羽根車30がハウジング12の底板部18と接触させられる場合にも、その接触が3つの突起46のみとなるので、摩擦が少なくなり、耐久性の低下が防止される。また、突起46は3つ設けられているので、羽根車30はその回転軸心C1に対して垂直な方向への揺動が防止され、羽根車30の側部とハウジング12の側壁部20との接触も防止される。
【0043】
また、本実施例によれば、駆動磁石64が従動磁石44に対してその回転軸心方向に配置されていることから、駆動磁石64と従動磁石44との間に働く吸引力により、羽根車30には、その回転軸心C1がハウジング12の中心軸と重なる方向に磁気力が作用するので、羽根車30が高速回転させられ、流入口14側に吸い寄せられている状態でも、羽根車30の側部がハウジング12の側壁部20に接触することが防止される。従って、羽根車30は、その回転軸心C1方向の移動によってハウジング12に接触することも、その回転軸心C1に対して垂直方向の移動によってハウジング12に接触することも防止され、高い耐久性が得られる。
【0044】
次に、本発明の第2実施例を説明する。図6は、本発明の第2実施例の遠心血液ポンプ70を、ハウジング72の流入口86の中心を通る垂直平面で切断した断面図であり、図7は、その遠心血液ポンプ70を図6のXII-XII線を含む水平面で切断した断面図である。遠心血液ポンプ70は、ハウジング72と、そのハウジング72に収容される羽根車100と、羽根車100を回転駆動させる駆動装置100を有している。
【0045】
ハウジング72は、底板部74、外側壁部76、筒部78、流入筒部80、流出筒部82、および凹部84を備えている。底板部74は環状且つ板状であり、外側壁部76は、その底板部74の外周縁から垂直方向に立ち上がる円筒形である。筒部78は、外側壁部76の底板部74とは反対側の端に連結され上側(すなわち底板部74とは反対側)ほど小径であって、水平断面形状が円形とされている。流入筒部80は、その筒部78の上端に連結された円筒形であり、その開口が、血液が流入する流入口86である。流出筒部82(図7参照)は、内周面が外側壁部76の内周面の接線と一致するように、外側壁部76の上側部分から突き出した円筒形であり、流出筒部82の開口が、血液が流出する流出口88である。なお、本実施例において、水平方向とは、底板部74に平行な方向をいう。
【0046】
流入口86側に凹んでいる凹部84は、底板部74の内周縁から垂直方向且つ外側壁部76と同じ側に立ち上がる内側壁部90と、内側壁部90の流入口86側の端を塞ぐ蓋部92からなる。
【0047】
羽根車100は、円柱状であって、中心部分にハウジング72の凹部84に対応する凹部102が形成された本体部104を有しており、羽根車100の外周面となる本体部104の外周面104aは、ハウジング72の外側壁部76の内周面と平行とされている。この本体部104の中心には、垂直方向(すなわち外周面104aと平行な方向)に貫通する貫通穴106が設けられている。この貫通穴106は、水平断面が円形であり、貫通穴106の軸心が羽根車100の回転軸心C2である。
【0048】
本体部104の外径はハウジング72の外側壁部76の内径よりもやや短くされており、本体部104の内径は凹部84の内側壁部90の外径よりもやや長くされているが、羽根車100がハウジング72の中央に位置させられた状態において、本体部104とハウジング72の外側壁部76との間に形成される隙間よりも、本体部104と凹部84の内側壁部90との間に形成される隙間の方が広くなるように、本体部104の内径および外径は設定されている。従って、本体部104をその回転軸心C2に対して垂直方向に移動させていくと、ハウジング72の外側壁部76は本体部104に接触するが、内側壁部90は本体部104に接触しない。
【0049】
本体部104の上面104b(流入口86側の面)には、複数の羽根108(図では6つ)が、貫通穴106を中心とする放射状に固定されている。羽根108は、板状部材であり、貫通穴106側の端が本体部104の内周縁と一致し、反対側の端が本体部104の外周縁と一致する長さとされ、幅方向が羽根車100の回転軸心C2と平行とされている。また、羽根108の筒部78側の面は、その筒部78と平行となるように傾斜させられている。
【0050】
羽根車100の本体部104には、円筒状の従動磁石110が、その内周面が凹部102の内周面となるように設けられている。この従動磁石110は、永久磁石製であり、周方向にN極S極が交互に所定数ずつ(たとえば2つずつ)繰り返すように軸方向に着磁されている。
【0051】
さらに、ハウジング72の外側壁部76と羽根車の本体部104の外周部には、互いに引き合う外周側の永久磁石112と内周側の永久磁石114からなる永久磁石対116が、周方向に等間隔に4対設けられており、この4対の永久磁石対116により磁気軸受118が構成される。永久磁石対116を構成する永久磁石112、114は、配置されている向きは異なるが同一形状であり、図6に示すように、垂直断面がコの字型である。すなわち、永久磁石112、114は、互いに平行な一対の突き出し部112a、114aと、その一対の突き出し部112a、114a間を連結する連結部112b、114bからなる。なお、磁気軸受118を構成する永久磁石対116の数は4対に限られず、4対以外の複数でもよく、また、1対でもよいが、1対の場合には、永久磁石対116を構成する永久磁石は円環状とされ、複数対の場合には、それら複数対の永久磁石対は、円周方向に配置される。
【0052】
これら永久磁石112、114は、互いの突き出し部112a、114aが向かい合うように配置されているので、磁力線が、永久磁石112の一方の突き出し部112aから、連結部112b、他方の突き出し部112a、永久磁石114の一方の突き出し部114a、連結部114b、他方の突き出し部114aを順に流れる磁気回路が形成される。そして、複数の永久磁石対116の吸引力により、羽根車100はその回転軸心C2方向の位置が定まり、永久磁石112、114の垂直方向の位置が互いに一致した状態では、羽根車100がハウジング72の底板部74、蓋部92、筒部78のいずれにも接触しないように、永久磁石112、114の垂直方向(羽根車100の回転軸心C2方向)の位置が決定されている。また、永久磁石対116が周方向に複数対配置されていることにより、羽根車100は回転軸心C2に対する傾きも抑制される。
【0053】
駆動装置120は、モータ122と、前記従動磁石110とともにマグネチックカップリングを構成するためにモータ122の回転軸122aに固定された駆動磁石124とを有しており、モータ122の回転軸122aは、羽根車100の貫通穴106の軸心と同一線上となるように配置される。
【0054】
駆動磁石124は、円筒状であり、その軸心が従動磁石110の軸心と一致した状態でその従動磁石110の内周側に所定の間隔を隔てて配置されるように、ハウジング72の凹部84内に収容されている。この駆動磁石124も、永久磁石製であり、周方向にN極S極が交互に所定数ずつ(たとえば2つずつ)繰り返すように軸方向に着磁されている。
【0055】
次に、このように構成された遠心血液ポンプ70の作動を説明する。この遠心血液ポンプ70も第1実施例の遠心血液ポンプ10と同様に、駆動装置120のモータ122を回転させて、駆動磁石124を比較的高速の所定の回転速度で回転させると、駆動磁石124と従動磁石110との磁気的結合により、羽根車100がモータ122の回転方向と同一方向に回転させられ、羽根車100に設けられている羽根108により、ハウジング72内の血液が流出口88から送り出されるとともに、流入口86から血液が吸い込まれる。
【0056】
羽根車100の回転速度が速くなって、流出口88からの血液流出量が多くなると、流入口86側が負圧となるので、羽根車100には流入口86方向への力が働くが、羽根車100が流入口86方向へ移動させられても、永久磁石114、116間の吸引力により、羽根車100は、永久磁石114、116が対向する位置に戻されるので、ハウジング72に接触することが防止される。
【0057】
また、羽根車100が回転させられると、羽根車100は水平方向にも揺動する(すなわち偏心する)が、羽根車100の本体部104の外周面104aと、その外周面104aに対向するハウジング72の内周面(すなわち外側壁部76の内周面)とが互いに平行にされているので、羽根車100が所定の速度で高速回転させられている状態では、羽根車100の本体部104の外周面104aと、ハウジング72の外側壁部76の内周面との距離が極めて短い距離(たとえば、0.2mm以下)となって、羽根車100とハウジング72の外側壁部76の内周面との半径差によって、羽根車100の本体部104の外周面104aとハウジング72の外側壁部76の内周面との間の隙間が連続的に縮小拡大を繰り返し、その連続的に縮小拡大する隙間内に粘性流体である血液が引き込まれると、それらの面およびそれらの面間に介在させられる血液により動圧軸受が構成されて、それらの面間に動圧(反力)が生じ、羽根車100が押し戻されるので、ハウジング72への接触が防止される。
【0058】
上述の第2実施例によれば、羽根車100の外周部に設けられた永久磁石114と、ハウジング72の外側壁部76に設けられた永久磁石112とにより構成される永久磁石対116を周方向に4対有する磁気軸受118により、羽根車100がハウジング72の流入口86側の面と流入口86とは反対側の面との間に位置させられて、回転軸心C2方向への移動が抑制されるので、電磁石の磁力を調整する能動的な磁気軸受装置を用いなくても、ハウジング72の流入口86側の面および流入口86とは反対側の面に接触することが防止されるとともに、回転軸心C2に対する傾きが抑制される。従って、装置を小型化でき、且つ、電力消費を少なくできる。
【0059】
また、第2実施例によれば、磁力線が永久磁石対116内を流れる磁気回路が形成されることから、互いの吸引力が強くなり、羽根車100のその回転軸心C2方向への移動を抑制する力が大きくなるので、一層確実に、羽根車100がハウジング72の流入口86側の面および流入口86とは反対側の面に接触することが防止される。
【0060】
また、第2実施例によれば、羽根車100の高速回転時に、羽根車100の本体部104の外周面104aとハウジング72の外側壁部76の内周面との間の距離が極めて短くなると、動圧軸受が構成されて、羽根車100の偏心方向の荷重が支えられるので、羽根車100の本体部104の外周面104aがハウジング72の外側壁部76の内周面に接触することも防止される。
【0061】
すなわち、羽根車100は、磁気軸受118によりその回転軸心C2方向の移動によってハウジング72に接触することが防止され、動圧軸受によりその回転軸心C2に対して垂直方向の移動によってハウジング72に接触することも防止されるので、高い耐久性が得られる。
【0062】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0063】
たとえば、駆動磁石64を従動磁石44に対して羽根車30の回転軸心C1方向に配置して羽根車30を回転させる態様の第1実施例において、第2実施例のように、磁気軸受118により、羽根車30の垂直方向の移動を抑制してもよい。また、駆動磁石124と従動磁石110とを回転軸心方向の同じ位置に配置して羽根車100を回転駆動させる態様の第2実施例において、第1実施例のように、円環板およびハウジングの上板部を構成し、円環板の上面とハウジングの上板部の下面との間に生じる反発力によって、羽根車100とハウジング72との接触を防止してもよい。
【0064】
また、従動磁石44、110および駆動磁石64、124として、同一円周上に設けられた複数の磁石が用いられてもよい。
【0065】
また、前述の第2実施例では、永久磁石112、114は同一の形状であったが、互いに異なる形状であってもよい。また、それら永久磁石112、114は、垂直断面がU字型であってもよいし、また、棒状であってもよい。
【0066】
また、第1実施例では、円環板40の上面40aに溝54が設けられていたが、上面40aには溝54が設けられず、その上面40aに対向するハウジング12の上板部22の下面22aに、溝54が設けられてもよい。
【0067】
また、第2実施例において、動圧軸受によるハウジング72の外側壁部76の内周面と羽根車100の本体部104の外周面104aとの間の反発力を生じやすくするために、いずれか一方の面に、羽根車100の回転軸心C2に平行な溝が周方向に多数形成されてもよい。
【0068】
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明が適用された体内埋め込み型の遠心血液ポンプを、ハウジングの流入口および流出口の中心を通る平面で切断した断面図である。
【図2】図1の遠心血液ポンプのハウジングの水平断面図である。
【図3】図1の羽根車の平面図である。
【図4】図1の羽根車の底面図である。
【図5】図1の羽根車に設けられている円環板の一部を拡大して示す斜視図である。
【図6】本発明の第2実施例の遠心血液ポンプを、ハウジングの流入口の中心を通る垂直平面で切断した断面図である。
【図7】図6の遠心血液ポンプを、XII-XII線を含む水平面で切断した断面図である。
【符号の説明】
【0070】
10:遠心血液ポンプ、12:ハウジング、14:流入口、16:流出口、22:上板部、22a:下面(対向面)、30:羽根車、40:円環板、40a:上面(垂直面)、44:従動磁石、46:突起、48:案内溝、52:支持装置、54:溝、60:駆動装置、62:モータ、64:駆動磁石、70:遠心血液ポンプ、72:ハウジング、84:凹部、86:流入口、88:流出口、100:羽根車、110:従動磁石、116:永久磁石対、118:磁気軸受、120:駆動装置、122:モータ、124:駆動磁石
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
5
(In Japanese)【図7】
6