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明細書 :長尺体の凹凸を連続的に測定する装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3361448号 (P3361448)
公開番号 特開平11-173838 (P1999-173838A)
登録日 平成14年10月18日(2002.10.18)
発行日 平成15年1月7日(2003.1.7)
公開日 平成11年7月2日(1999.7.2)
発明の名称または考案の名称 長尺体の凹凸を連続的に測定する装置
国際特許分類 G01B 21/30      
B60M  1/28      
G01B 11/30      
FI G01B 21/30 Z
B60M 1/28
G01B 11/30
請求項の数または発明の数 3
全頁数 6
出願番号 特願平09-351959 (P1997-351959)
出願日 平成9年12月8日(1997.12.8)
審査請求日 平成12年5月12日(2000.5.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】網干 光雄
【氏名】真鍋 克士
個別代理人の代理人 【識別番号】100079212、【弁理士】、【氏名又は名称】松下 義治
審査官 【審査官】白石 光男
参考文献・文献 特開 平5-172560(JP,A)
調査した分野 G01B 21/30
B60M 1/28
G01B 11/30
特許請求の範囲 【請求項1】
長尺体の測定位置xにおける垂直方向の変位を測定し第1変位信号y1 (x)を出力する第1変位センサ、前記測定位置xから微小間隔Δx離れた測定位置における前記長尺体の垂直方向の変位を測定し第2変位信号y2 (x+Δx)を出力する第2変位センサ、前記第1及び第2変位信号から傾斜信号{y2 (x+Δx )-y1 (x) }/Δxを算出する傾斜信号算出手段、及び前記傾斜信号を積分する傾斜信号積分手段とからなる長尺体の凹凸を連続的に測定する装置において、前記傾斜信号積分手段が、測定しようとする長尺体の凹凸波長をλとして表される傾斜測定値の真値に対する比{sinπλ(Δx/λ)}/π(Δx/λ)の逆数の周波数特性を有するインパルス応答関数を前記傾斜信号{y2 (x+Δx )-y1 (x) }/Δxに重畳し積分することによって前記傾斜補正と積分を行うものであることを特徴とする長尺体の凹凸を連続的に測定する装置。

【請求項2】
水平方向に架設されたトロリ線の測定位置xにおける垂直方向の変位を測定し第1変位信号y1 (x)を出力する第1非接触変位センサ、前記測定位置xから微小間隔Δx離れた測定位置における前記トロリ線の垂直方向の変位を測定し第2変位信号y2 (x+Δx )を出力する第2非接触変位センサ、前記第1及び第2変位信号から傾斜信号{y2 (x+Δx )-y1 (x) }/Δxを算出する傾斜信号算出手段、及び前記傾斜信号を積分する傾斜信号積分手段とからなる水平方向に架設されたトロリ線の凹凸を連続的に測定する装置において、前記傾斜信号積分手段が、測定しようとするトロリ線の凹凸波長をλとして表される傾斜測定値の真値に対する比{sinπλ(Δx/λ)}/π(Δx/λ)の逆数の周波数特性を有するインパルス応答関数を前記傾斜信号{y2 (x+Δx )-y1 (x) }/Δxに重畳し積分することによって前記傾斜補正と積分を行うものであることを特徴とする水平方向に架設されたトロリ線の凹凸を連続的に測定する装置。

【請求項3】
前記第1及び第2非接触変位センサがレーザー変位センサであることを特徴とする請求項2の水平方向に架設されたトロリ線の凹凸を連続的に測定する装置。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カテナリ吊架式電車線や剛体電車線のトロリ線、第三軌条などの長尺体の凹凸を連続的に測定する装置に関し、特に水平方向に架設されたトロリ線の凹凸を連続的に測定する装置に関する。

【0002】
【従来の技術】電気鉄道のトロリ線はできるだけ水平に架設されることが望ましい。しかし実際には支持点高さの施工誤差、張力変化、ハンガ長の不整、ハンガ間弛度、ドラムくせや工事の際の張りくせ等のくせ凹凸、波状磨耗等による凹凸や架線金具の取付によりトロリ線高さ、即ちレール面からの距離に変化が生じる。これらのトロリ線凹凸はパンタグラフの接触力変動や離線の発生に大きな影響を与え、集電性能を左右する大きな要因の一つとなっている。しかし、波長の短いトロリ線の凹凸の振幅は通常1mm以下の非常に小さいものであり、目視でも確認することは難しく、これまで集電性能との関連を定量的に評価することができなかった。また、電気鉄道の高速化対応設備の研究やパンタグラフ異常離線、トロリ線局部磨耗の原因調査等において使用できるトロリ線凹凸の測定装置も未だ実現されていない。

【0003】
トロリ線の高さ測定装置は、例えば特開平6-99765に開示されている。この装置は軌条上を走行する軌陸車上に樹立したフレームに水平方向のガイドレールを備え、このガイドレールに台車をそれぞれ移動自在にして支持し、この台車に常に上昇力を受け、トロリ線の下面に押圧接されるローラを備えた支持扞を昇降自在に設け、この支持扞の押上手段に変位計を備え且つローラにロータリエンコーダを備え、軌陸車の走行により吊架されたトロリ線の高さを測定するものである。この測定装置は、軌条からトロリ線までの距離であるトロリ線高さを簡易かつ連続的に測定できるものであるが、トロリ線の凹凸を精度よく連続的に測定することはできない。何故なら、支持扞の押圧力は弱いものの、押上量は0.1mm程度となることや軌陸車、即ち測定台の上下振動が測定値に影響を及ぼすので、トロリ線の凹凸の測定としては十分な精度が得られないからである。

【0004】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする第1の課題は、測定装置を据えつけた測定台の上下振動の影響を受けないで、長尺体の凹凸を精度良く連続的に測定する装置を提供することである。また、解決しようとする第2の課題は、長尺体の凹凸波長が0.1m程度までの短い波長まで測定可能な長尺体の凹凸を精度良く連続的に測定する装置を提供することである。更に解決しようとする第3の課題は、トロリ線の凹凸を測定台の上下振動の影響を受けないで、且つトロリ線の凹凸波長が0.1m程度まで凹凸振幅が1mm程度まで精度よく連続的に測定する装置を提供することである。

【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は長尺体の変位を測定して変位信号を求め、この変位信号から長尺体の傾斜を表す傾斜信号を算出し、この傾斜信号を積分することによって長尺体の凹凸を連続的に測定するようにした。また、長尺体の凹凸波長に応じた補正を施して傾斜信号を積分することによって長尺体の凹凸を連続的に測定するようにした。

【0006】
上記課題を解決するための本発明の測定装置を、長尺体の測定位置xにおける垂直方向の変位を測定し第1変位信号y1(x) を出力する第1変位センサ、前記測定位置xから微小間隔Δx離れた測定位置における前記長尺体の垂直方向の変位を測定し第2変位信号y2(x+Δx) を出力する第2変位センサ、前記第1及び第2変位信号から傾斜信号{y2(x+Δx) -y1(x) }/Δxを算出する傾斜信号算出手段、及び前記傾斜信号を積分する傾斜信号積分手段とで構成した。また、前記傾斜信号積分手段を、長尺体の凹凸波長に応じた補正を施して前記傾斜信号を積分するようにした。より具体的には、前記傾斜信号積分手段を、測定しようとする長尺体の凹凸波長をλとして表される傾斜測定値の真値に対する比{ sinπ( Δx/λ)}/π(Δx/λ)の逆数の周波数特性を有するインパルス応答関数を前記傾斜信号{y2(x+Δx) -y1(x) }/Δxに重畳し積分するようにようにした。

【0007】
更に上記課題を解決する本発明の装置を、水平方向に架設されたトロリ線の測定位置xにおける垂直方向の変位を測定し第1変位信号y1(x) を出力する第1非接触変位センサ、前記測定位置xから微小間隔Δx離れた測定位置における前記トロリ線の垂直方向の変位を測定し第2変位信号y2(x+Δx) を出力する第2非接触変位センサ、前記第1及び第2変位信号から傾斜信号{y2(x+Δx)-y1(x) }/Δxを算出する傾斜信号算出手段、測定しようとするトロリ線の凹凸波長をλとして表される傾斜測定値の真値に対する比{ sinπ( Δx/λ)}/π(Δx/λ)の逆数の周波数特性を有するインパルス応答関数を前記傾斜信号に重畳し積分する傾斜信号積分手段とで構成した。更にまた、前記第1及び第2非接触変位センサにはレーザー変位センサを採用した。

【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る長尺体の凹凸を連続的に測定する装置の実施においては、変位センサ、演算装置、レコーダ等が用いられる。測定基準位置からの被測定物である長尺体の変位を測定して変位信号を出力する変位センサは、接触型変位センサ又は非接触型変位センサのいずれも利用可能である。変位センサは2個用いるのが最も望ましいが、3個又はその他の個数でも実現できる。変位信号から傾斜信号を算出すること、長尺体の凹凸波長に応じた補正を施すこと、この補正を施された傾斜信号を積分することを、別個の専用の演算装置で実施してもよいが、汎用のパーソナルコンピュータを用いてこれらの演算処理を行わせるのが最も実際的である。測定結果はパーソナルコンピュータのメモリに記憶され、利用目的に応じてレコーダ、プリンタ又はCRTの出力装置により記録或いは表示される。勿論、専用の演算装置を用いた場合、測定結果は直接に出力装置に与えられる。

【0009】
本発明は、以下の実施例に詳細に示す如く、集電装置としてパンタグラフを用いる電車に給電するトロリ線の凹凸を連続的に測定するのに適用される他、第三軌条などの長尺体の凹凸を連続的に測定する場合にも適用できる。

【0010】
【実施例】図1は本発明の一実施例装置の回路図、図2は本発明の測定原理を説明するための図である。これら図1と図2において、測定台13上に取り付けられている第1非接触変位センサ1aは、水平方向に架設されたトロリ線9の測定位置xにおける垂直方向の変位を測定しアナログの第1変位信号y1(x) を出力する。また第1非接触変位センサ1aとΔx離れて測定台13上に取り付けられている第2非接触変位センサ1bは、前記測定位置xから微小間隔Δx離れた測定位置における前記トロリ線9の垂直方向の変位を測定しアナログの第2変位信号y2(x+Δx) を出力する。第1変位信号y1(x) は第1増幅器2aで増幅された後に第1アナログ/デジタル変換器3aでデジタル信号に変換され、更に第1ローパスフィルタ4aを経て傾斜演算器5の一方の入力端子に加えられる。同様に、第2変位信号y2(x+Δx) は第2増幅器2bで増幅された後に第2アナログ/デジタル変換器3bでデジタル信号に変換され、更に第2ローパスフィルタ4bを経て傾斜演算器5の他方の入力端子に加えられる。

【0011】
傾斜演算器5は第2変位信号と第1変位信号の変位差Δyを算出し、更に傾斜信号Δy/Δxを算出する。この傾斜信号Δy/Δxは積分器6で積分され、これによってトロリ線9の凹凸y(x)が求められる。積分器6の出力、即ち測定結果はレコーダ、プリンタ或いはCRT等の出力装置8により記録或いは表示される。なお、係数設定器7は傾斜補正のための装置であるが、その機能については後述する。

【0012】
図3は本発明の一実施例のトロリ線凹凸の測定装置の構成を示す正面図、図4は2個のレーザー変位計からなる変位センサの斜視図である。図3並びに図4に示すトロリ線凹凸の測定装置の変位センサは第1変位センサ1aである第1レーザー変位計と、第2変位センサ1bである第2レーザー変位計とを含む。第1レーザー変位計のセンサヘッドは第1投光器10aと第1受光器11aであり、また第2レーザー変位計のセンサヘッドは第2投光器10bと第2受光器11bである。実施例装置に採用したレーザー変位計は、1200回/秒の高速サンプリングで0.05μmの高分解能の市販の透過型レーザー寸法測定装置である。

【0013】
第1投光器10aと第1受光器11aは第1センサ取付部材12a上に、また第2投光器10bと第2受光器11bは第2センサ取付部材12b上に距離Lだけ隔ててそれぞれ取り付けられている。これら第1変位センサ1aのセンサヘッドと変位センサ1bのセンサヘッドとの取り付け間隔Δxは、測定されるトロリ線凹凸の波長を考慮して適当な値に選定される。図4においては、第1投光器10aと第2投光器10bとの間隔はΔxであり、また第1受光器11aと第2受光器11bとの間隔も当然にΔxである。要するに、第1センサ取付部材12aと第2センサ取付部材12bは、測定台13上にセンサヘッド取付間隔Δx隔てて固定されている。測定台13は、架台15と高さ調整用ジャッキ14を介して作業台17に設置される。架台15と作業台17との間に設けられている可変伸長脚16は、測定台を水平にするための傾斜調整用部材である。作業台17は、レール上を走行する保守用車の一部を構成してもよい。

【0014】
本発明の測定方法、図2を参照して更に詳細に説明すると以下の通りである。トロリ線9の位置xにおけるトロリ線凹凸(測定の基準点からのトロリ線高さ)をy(x)、測定台13の上下振動をn(x)、センサ1aとセンサ1bの取り付け間隔をΔxとすれば、第1変位信号y1(x) と第2変位信号y2(x+Δx)は数式1及び2の如くに表される。

【0015】
【数1】y1(x) =y(x)-n(x)
【数2】y2(x+Δx) =y(x+Δx)-n(x)
これらの関係から、トロリ線凹凸y(x)は下式により近似的に求めることができる。
【数3】y(x)=(1/Δx)∫{y2(x+Δx) -y1(x) }dx
数式3から明らかなように、本発明に係る測定装置はトロリ線の変位を検出し、変位信号からトロリ線傾斜信号を算出し、このトロリ線傾斜信号を積分することによってトロリ線凹凸を測定するものであり、そして、数式3には測定台の上下振動n(x)は含まれない。従って、本発明に係るトロリ線凹凸の測定装置、即ち長尺体の凹凸の測定装置は、測定台の上下振動の影響を受けないという優れた特長を有する。

【0016】
ところで、上述の如く本発明に係る水平方向に架設されたトロリ線の凹凸を連続的に測定する装置は、2点間の変位差から傾斜を近似的に求めるため、凹凸波長λにより誤差が生じる。そこで、この凹凸波長λによる誤差を、本発明では以下に述べる手段により補正した。本発明に係る水平方向に架設されたトロリ線の凹凸を連続的に測定する装置において、傾斜演算器5で算出され積分器6に入力される傾斜信号、即ち、傾斜測定値gの傾斜真値gに対する比は数式4で表される。
【数4】
JP0003361448B2_000002t.gifセンサヘッド取付間隔Δxとトロリ線凹凸波長λとの比Δx/λを横軸に傾斜測定値gの傾斜真値gに対する比g/gを縦軸とした図5の傾斜測定誤差のグラフに示す如く、g/gはΔx/λが0のときに1で、1のときに0である。そして、この間は、/g二次曲線に近い曲線でゆるやかに減少している。即ち、トロリ線波長λがセンサヘッド取付間隔Δxより大きければ大きいほど傾斜測定誤差は小さくなり、逆にトロリ線波長λがセンサヘッド取付間隔Δxに近づけば近づくほど傾斜測定誤差は大きくなる。図5から、センサヘッド取付間隔Δxとトロリ線凹凸波長λとの比Δx/λが0.25であれば、傾斜誤差は10%程度であることが分かる。

【0017】
実施例の測定装置においてセンサヘッド取付間隔Δxは100mmとした。トロリ線に現れる凹凸の波長は様々であるが、例えばλが10mであればΔx/λは0.01となり、これに対応する図5のグラフ上のg/gの値は殆ど1である。この程度の凹凸波長であれば傾斜補正の必要はない。しかしながら、10m以下であって、かなりセンサヘッド取付間隔Δxに近い凹凸波長の測定には、傾斜補正が必要である。ところで本発明に係る長尺体の凹凸を連続的に測定する装置において傾斜測定値gを入力とし傾斜真値gを出力とすると、前記装置は線形システムと考えることができる。そこで、傾斜測定値gから傾斜真値gを算出するための具体的方法を、一般的な工学関係書籍(例えば朝倉書店発行の日野幹雄著<HAN>「</HAN>スペクトル解析<HAN>」</HAN>等)を参照しながら説明する。即ち、上記の書籍等に示されている通り、線形システムLに時系列信号yi(t) (ただしtは時間)が入力されたとき、時系列出力信号y0(t)は数式5の重畳積分で表される。これは、一種のフィルター処理を行っていることに相当する。なお、重畳積分はたたみ込み積分とも呼ばれる。
【数5】
JP0003361448B2_000003t.gifここでh(t)は、システムLの周波数応答関数H(iω)(ただしωは角周波数、Iは虚数単位)から得られるインパルス応答関数である。インパルス応答関数h(t)は、上記の書籍等に示されている通り、数式6で表される。
【数6】
JP0003361448B2_000004t.gif入力信号yi(t)の周波数特性をそれぞれYi(iω), Yo(iω)とすると、これらは数式7の関係にある。
【数7】
JP0003361448B2_000005t.gifこれらの性質を利用して、時系列入力信号yi(t)として傾斜測定値gmを、またΔx/λを周波数に置き換えて線形システムLを数式4の逆数の周波数特性を有するものとすれば、時系列出力信号y0(t)は、傾斜補正された傾斜真値gとして得られることになる。本発明をデジタル計算機で実現する場合には、数式5の時系列入力信号yi(t)と時系列出力信号y0(t)はいずれも離散化されたデジタルデータの数列となり、従ってインパルス応答関数h(t)も有限個数のデジタルデータの数列となる。この場合のように線形デジタル信号処理システムの具体的な計算手段は、一般的な工学関係書籍(例えば東京電機大学出版局発行の中村尚五著<HAN>「</HAN>ビギナーズデジタル信号処<HAN>」</HAN>等)に示されている如く、数式8で表される。
【数8】
JP0003361448B2_000006t.gifここで、Tはサンプリング周期で、Mはインパルス応答関数の次数でn番目のデジタルデータの計算手段を示している。また、インパルス応答関数h(t)も、数式9で表される。
【数9】
JP0003361448B2_000007t.gifここでReは実数部を、ωoは最大角周波数を表す。 本発明の実施例装置では図1に示す如く、係数設定器7でsinπλ(Δx/λ)/π(Δx/λ)の逆数の周波数特性を有するインパルス応答関数に対応する係数を数式9によって積分器6に設定し、積分器6で傾斜信号{y2 (x+Δx )-y1 (x) }/Δxに前記インパルス応答関数を重畳し積分することによって、傾斜補正を施されたトロリ線凹凸信号を得るようにしている。勿論、傾斜補正器、例えば前記インパルス応答関数のフィルタを傾斜演算器5の後段に設け、前記傾斜信号に所定の傾斜補正を施した後に積分するような回路構成にしてもよい。

【0018】
図6は上述の本発明の一実施例の測定装置によって測定されたトロリ線凹凸の測定例を示す。図6において、下から2段目のゆるやかな波形がトロリ線凹凸を表す出力信号波形であり、凹凸振幅は±10mm前後である。また測定されたトロリ線は長さは100mである。最下段の波形は、測定凹凸のうち波長10m以下の成分のみを選択して拡大して示したものである。なお、測定は測定装置を保守用車に載せてレール上を走行しながら行ったが、走行速度は1m/sであった。

【0019】
【発明の効果】本発明は長尺体の変位を測定して変位信号を求め、この変位信号から長尺体の傾斜を表す傾斜信号を算出し、この傾斜信号を積分することによって長尺体の凹凸を連続的に測定する装置であるので、測定装置を据えつけた測定台の上下振動の影響を受けないで長尺体の凹凸を精度良く連続的に測定することができるようになった。また、傾斜信号に長尺体の凹凸波長に応じた補正を施して積分することにしたので、センサヘッドの取付間隔に近い波長の凹凸まで精度良く測定できるようになった。更に、本発明に係る測定装置は信号処理が複雑でなく、従って市販の機器・装置を構成要素として利用することが可能である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5