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Specification :(In Japanese)検知紙及び吸収缶

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P3882052
Publication number P2006-058159A
Date of registration Nov 24, 2006
Date of issue Feb 14, 2007
Date of publication of application Mar 2, 2006
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)検知紙及び吸収缶
IPC (International Patent Classification) G01N  31/00        (2006.01)
A62B  18/08        (2006.01)
A62B  19/00        (2006.01)
G01N  21/78        (2006.01)
G01N  31/22        (2006.01)
FI (File Index) G01N 31/00 V
A62B 18/08 Z
A62B 19/00
G01N 21/78 A
G01N 31/22 121C
G01N 31/22 122
Number of claims or invention 7
Total pages 12
Application Number P2004-241035
Date of filing Aug 20, 2004
Date of request for substantive examination Aug 20, 2004
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】春川 順市
【氏名】遠藤 拡
【氏名】佐藤 美穂子
Representative (In Japanese)【識別番号】100067323、【弁理士】、【氏名又は名称】西村 教光
Examiner (In Japanese)【審査官】竹中 靖典
Document or reference (In Japanese)特開2000-97926(JP,A)
特開2003-83948(JP,A)
Analyst,1974年,Vol.99, No.1180,Page.431-434
J Prak Chem,1973年,Vol.315, No.5,Page.901-908
Spectrosc Lett,1988年,Vol.21, No.2,Page.127-145
Clinica Chimica Acta,2000年,Vol.291,Page.9-18
J Am Chem Soc,2003年,Vol.125, No.12,Page.3420-3421
J Sci Ind Res,1999年,Vol.58, No.1,Page.25-30
Chem Eng News,2003年,Vol.81, No.10,Page.12
Field of search G01N31/00~31/22
G01N21/75~21/83
A62B 18/08
A62B 19/00
CAplus(STN)
JSTPlus(JDream2)
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
少なくともクロロチオリン酸ジメチル、2-クロロエチルエチルスルフィド又はリン酸2、2-ジクロロビニルジメチルを含む有害ガス用の呈色試薬として4-(4-ニトロベンジル)ピリジンのみの付着範囲と、前記4-(4-ニトロベンジル)ピリジンと種類又は濃度の異なる複数のアルカリ性化合物から任意に選択されたアルカリ性化合物のうちの1つとからなる付着範囲を複数有する検知紙であって、
前記4-(4-ニトロベンジル)ピリジンと前記選択されたアルカリ性化合物とからなる複数の付着範囲は、各付着範囲において、前記選択されたアルカリ性化合物を前記4ー(4-ニトロベンジル)ピリジンの付着範囲の内で重なるように付着させたことを特徴とする検知紙。
【請求項2】
4-フェニルアゾジフェニルアミンを前記4-(4-ニトロベンジル)ピリジンの付着範囲外に付着させることを特徴とする請求項1記載の検知紙。
【請求項3】
前記検知紙に付着させる前記呈色試薬において、前記4ー(4-ニトロベンジル)ピリジンの付着濃度が0 .3g/m2 ~2.5g/m2 、前記アルカリ性化合物の付着濃度が0 .2g/m2 ~30g/m2 で付着されていることを特徴とする請求項1記載の検知紙。
【請求項4】
前記検知紙に付着させる前記呈色試薬において、前記4ー(4-ニトロベンジル)ピリジンの付着濃度が0 .3g/m2 ~2.5g/m2 、前記アルカリ性化合物の付着濃度が0 .2g/m2 ~30g/m2 及び前記4-フェニルアゾジフェニルアミンの付着濃度が0.02g/m2 ~2.1g/m2 で付着されていることを特徴とする請求項2記載の検知紙。
【請求項5】
前記呈色試薬が滴下されている表面の一部にテープを貼り付けたことを特徴とする請求項1乃至4記載の検知紙。
【請求項6】
前記有害ガスごとの呈色時と同色、且つ、同濃度であるインクで特有の記号を記入してあることを特徴とする請求項1乃至5記載の検知紙。
【請求項7】
請求項1乃至6記載の検知紙が吸収缶の活性炭層よりも上流且つ指の届く位置に取付けられているとともに、前記検知紙が引き剥がされてもフィルター層や活性炭層に孔があかない位置に取付けられていることを特徴とする吸収缶。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、リン-塩素結合を有する有機リン化合物及びクロロエチル基を有する有機硫黄化合物用吸収缶の交換時期を、着用者に知らせるための検知紙を取り付けた防毒マスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある種の有機リン化合物及びクロロエチル基を有する有機硫黄化合物の中には有害なものがあり、これらとの接触を防止するため防毒マスクが使用されている。
【0003】
防毒マスクには、汚染空気中の有害ガス除去用の吸着剤を収納した吸収缶が設けられている。吸収缶内の吸着剤の残存能力を把握し、吸収缶の最適な交換時期を知ることは、有害ガス吸入防止及び吸収缶の節約上極めて重要である。したがって、吸収缶の交換時期を知るために種々の提案がなされている。
【0004】
特許文献1には、防毒マスクの吸収缶とは別にブロワーを備えたモニター用吸収缶を使用する方法が、特許文献2乃至4には防毒マスクに電子回路を利用したセンサーを組み込む方法が、特許文献5には試験ガスを吸収缶に通気させる方法が、特許文献6にはガスを吸着すると膨張する活性炭を含んだ吸収缶を使用する方法が、特許文献7には吸収缶に検知管を組み込む方法が、特許文献8には吸収缶に検知紙を組み込み同紙とガスとの反応による呈色から吸収缶の交換時期を知る方法等が提案されている。
【0005】
また、吸収缶の交換時期把握用に限定したものではないが、大気中の有害ガス検知用としてはさまざまな検知紙が提案されている。有機塩素化合物に関するものとしては、例えば特許文献9に記載されているような検知紙が提案されている。

【特許文献1】特開2001-281234号公報
【特許文献2】特開2002-210031号公報
【特許文献3】特開平11-206899号公報
【特許文献4】特開2002-102367号公報
【特許文献5】特開平10-132794号公報
【特許文献6】特開平7-325024号公報
【特許文献7】実開平4-80554号公報
【特許文献8】実開平5-76455号公報
【特許文献9】特開昭55-46193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した方法のうち、特許文献1に記載されたブロワーを吸収缶とは別途装着させる方法については、ブロワ-が吸収缶に比べて高価であるため経済的でなく実用化されていない。
【0007】
特許文献2乃至4に記載されているセンサーを組み込む方法については、既に一部のガスに対するものが実用化されているが、吸収缶に比べてセンサーが高価であり、センサーを組み込むより、吸収缶を早めに交換する方が経費が削減できるため、広くは普及していない。
【0008】
特許文献5に記載されている試験ガスを吸収缶に通気させる方法については、試験ガスを通気させ、吸収缶から漏れてくる同ガス濃度を測定するという方法であるが、この方法では実際に使用している環境下において上記方法を行なうのは困難であり、又手間と費用がかかるため実用化していない。
【0009】
特許文献6に記載されているガスを吸着すると膨張する活性炭を含んだ吸収缶を使用する方法については、活性炭の膨張をセンサーで検知する場合は経済的ではなく、また、肉眼で観察するには吸収缶を外して確認する必要があり汚染空気下では危険であるため実用化されていない。
【0010】
特許文献7又は8に記載されている検知紙及び検知管を組み込む方法については、他の方法に比べて安価ではあるが、適切な感度の検知紙及び検知管がなく、着用中にこれらの呈色を簡単には見られないためほとんど実用化されていない。また、特許文献8には、検知紙を使用することは記載されているが、検知紙の成分・性能等に関する記載はない。
【0011】
特許文献9に記載されている有害ガス検知紙は、有機塩素化合物のうち、ホスゲンのみを検知の対象する検知紙であるので、本発明者の対象とする例えばクロロチオリン酸ジメチル(以下「DMCTP」と記す。)等のリン-塩素結合を有する有機リン化合物及び2-クロロエチルエチルスルフィド(以下「CEES」と記す。)等のクロロエチル基を有する有機硫黄化合物のための検知紙ではない。
【0012】
市販の水銀用吸収缶の破過目安テープは、吸収缶の側面に水銀用検知紙をテープ状にして貼り付けたものであり、吸収缶交換時期把握用検知紙の実用例である。
しかし、このテープは水銀のみに有効であり、本発明の対象である有機リン化合物及びクロロエチル基を有する有機硫黄化合物には無効である。また、この破過目安テープは吸収缶からの自由な着脱ができないため着用者が容易に確認することができなかった。
【0013】
また、有機リン化合物及びクロロエチル基を有する有機硫黄化合物を検知する場合、例えば検知紙などの検知対象物を高温で数分間程度加熱した後でないと有害ガスの有無が検知できず、検知するまでに手間がかかり着用時に加熱による事故が偶発する恐れがあった。
【0014】
そこで、本発明は上述した問題点に鑑みなされたものであり、防毒マスクに使用する吸収缶の交換時期を着用者が容易に認識することができる検知紙及び吸収缶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の検知紙は、少なくともクロロチオリン酸ジメチル、2-クロロエチルエチルスルフィド又はリン酸2、2-ジクロロビニルジメチルを含む有害ガス用の呈色試薬として4-(4-ニトロベンジル)ピリジンのみの付着範囲と、前記4-(4-ニトロベンジル)ピリジンと種類又は濃度の異なる複数のアルカリ性化合物から任意に選択されたアルカリ性化合物のうちの1つとからなる付着範囲を複数有する検知紙であって、
前記4-(4-ニトロベンジル)ピリジンと前記選択されたアルカリ性化合物とからなる複数の付着範囲は、各付着範囲において、前記選択されたアルカリ性化合物を前記4ー(4-ニトロベンジル)ピリジンの付着範囲の内で重なるように付着させたことを特徴とする。
【0016】
請求項1記載の検知紙によれば、4-(4-ニトロベンジル)ピリジンのみの付着範囲と、4-(4-ニトロベンジル)ピリジンと種類又は濃度の異なる複数のアルカリ性化合物から任意に選択されたアルカリ性化合物のうちの1つとからなり、該選択されたアルカリ性化合物が4ー(4-ニトロベンジル)ピリジンの付着範囲の内で重なるように付着された付着範囲を複数有するので、異なる種類の有害ガスが存在しても容易に検知することができる。
【0017】
請求項2記載の検知紙は、請求項1記載の検知紙において、4-フェニルアゾジフェニルアミンを前記4-(4-ニトロベンジル)ピリジンの付着範囲外に付着させることを特徴とする。
【0018】
請求項2記載の検知紙によれば、4-フェニルアゾジフェニルアミンを4-(4-ニトロベンジル)ピリジンの付着範囲外に付着させることにより、4-(4-ニトロベンジル)ピリジンで検知する有害ガスと異なる性質の有害ガスを検知することができる。
【0019】
請求項3記載の検知紙は、請求項1記載の検知紙において、前記検知紙に付着させる前記呈色試薬において、前記4ー(4-ニトロベンジル)ピリジンの付着濃度が0 .3g/m2 ~2.5g/m2 、前記アルカリ性化合物の付着濃度が0 .2g/m2 ~30g/m2 で付着されていることを特徴とする。
【0020】
請求項3記載の検知紙によれば、ろ紙への4ー(4-ニトロベンジル)ピリジン及びアルカリ性化合物付着量はそれぞれ、0 .3g/m2 ~2.5g/m2 及び0 .2g/m2 ~30g/m2 とすることにより、検知する有害ガスに対する呈色が明瞭となり、且つ、経済的である。
【0021】
請求項4記載の検知紙は、請求項2記載の検知紙において、前記検知紙に付着させる前記呈色試薬において、前記4ー(4-ニトロベンジル)ピリジンの付着濃度が0 .3g/m2 ~2.5g/m2 、前記アルカリ性化合物の付着濃度が0 .2g/m2 ~30g/m2 及び前記4-フェニルアゾジフェニルアミンの付着濃度が0.02g/m2 ~2.1g/m2 で付着されていることを特徴とするを特徴とする。
【0022】
請求項4記載の検知紙によれば、ろ紙への4ー(4-ニトロベンジル)ピリジン及びアルカリ性化合物及び4-フェニルアゾジフェニルアミンの付着量はそれぞれ、0 .3g/m2 ~2.5g/m2 、0 .2g/m2 ~30g/m2 及び0.02g/m2 ~2.1g/m2 とすることにより、検知する有害ガスに対する呈色が明瞭となり、且つ、経済的である。
【0023】
請求項5記載の検知紙は、請求項1乃至4記載の検知紙前記呈色試薬が滴下されている表面の一部にテープを貼り付けたことを特徴とする。
【0024】
請求項5記載の検知紙によれば、呈色試薬が滴下されている表面の一部にテープを貼り付けることにより、呈色時間の調整をすることができる。
【0025】
請求項6記載の検知紙は、請求項1乃至5記載の検知紙において、前記有害ガスごとの呈色時と同色、且つ、同濃度であるインクで特有の記号を記入してあることを特徴とする。
【0026】
請求項6記載の発明によれば、検知する有害ガスごとに特有の記号を記入してあるので、防毒マスク着用者が交換時期を示す色を記憶していなくとも、吸収缶交換時期を適切に判断することができる。
【0027】
請求項7記載の吸収缶は、請求項1乃至6記載の検知紙が吸収缶の活性炭層よりも上流且つ指の届く位置に取付けられているとともに、前記検知紙が引き剥がされてもフィルター層や活性炭層に孔があかない位置に取付けられていることを特徴とする。
【0028】
請求項7記載の発明によれば、吸収缶の活性炭層よりも上流且つ指の届く位置に取付けられているとともに、検知紙が引き剥がしてもフィルター層や活性炭層に孔があかない位置に取付けられているため、防毒マスク着用者は作業中でも吸収缶交換時期を容易に判断することができる。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように本発明によれば、少なくともクロロチオリン酸ジメチル、2-クロロエチルエチルスルフィド又はリン酸2、2-ジクロロビニルジメチルを含む有害ガスを高感度に検知することができる。さらに、検知紙自体に加熱等の検知確認用の作業を必要とせず常温で呈色するので、着用者は交換時期を容易に確認することができる。
【0030】
また、検知紙の表面にテープを貼り付けることにより、呈色時期を吸収缶のガス吸着能力喪失時期よりも早すぎないようにすることができ、その結果、吸収缶の早すぎる交換を防止して、経済的に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
まず、本発明の検知紙1の製造方法について詳細に説明する。なお、本発明の検知紙1の基となる紙は、呈色観察の妨害になるような濃い色が付いていない清浄な紙であれば良く、白色のろ紙が好適である。
【0032】
(工程1)
アドバンテック(株)製No.101ろ紙から切り取った8mm×40mmの紙片を8mm×10mmずつの4カ所に分けて考え、図1に示すように、左端から順に呈色部A、B、C及びDとした。呈色部A、B及びCの中心部に4-(4-ニトロベンジル)ピリジン(以下、「NBP」と記す。)の6w/w%水溶液3μLずつを滴下し、1分間常温で風乾した。
【0033】
(工程2)
そして、呈色部Aの中心部に炭酸水素ナトリウムの7w/w%水溶液3μLを滴下し、呈色部Bの中心に水酸化ナトリウムの35w/w%水溶液3μLを滴下し常温で10分間風乾した。また、呈色部Dの中心に4-フェニルアゾジフェニルアミン(以下「PADPA」と記す。)の0.6w/w%アセトン溶液3μLを滴下して1分間風乾し、試製検知紙1を得た。
【0034】
上記のように、呈色部A、Bには、第1の呈色試薬であるNBPに加え、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウムなどのアルカリ性化合物を併用する。但し、呈色部Cにアルカリ性化合物の水溶液を滴下しない。また、アルカリ性化合物の水溶液滴下範囲は、NBP溶液の滴下範囲より少なくし、図1に示すように、NBPのみ付着する部分とNBP/アルカリ性化合物の混在部分が存在するようにすることが望ましい。
なお、本例では、NBPと第1のアルカリ性化合物が付着している部分を呈色部A、NBPと第2のアルカリ性化合物が付着している部分を呈色部B、NBPのみが付着している部分を呈色部C、PADPAのみが付着している部分を呈色部Dとする。
【0035】
これは、リン酸2、2-ジクロロビニルジメチル(以下、「DDVP」と記す。)のような有機リン化合物に対して、NBPのみ付着している部分が呈色する場合があるためである。すなわち、NBP/アルカリ性化合物の混在部分は、DDVPによってもCEESによっても同じ青紫色に呈色してしまい識別しにくいが、NBPのみ付着している部分が存在すれば、その部分をDDVPが橙色に呈色させる場合が多いため、DDVPとCEESの区別を行なうために好適である。
【0036】
また、NBPと併用するアルカリ性化合物を、種類又は濃度を変えて2カ所に滴下することが望ましい。例えば、クロロエチル基を有する有機硫黄化合物であるCEESは、NBPと炭酸水素ナトリウムを併用した呈色部を呈色させるが、NBPと多量の水酸化ナトリウムを併用した呈色部は、ほとんど呈色させないという性質がある。
【0037】
有機リン化合物であるDMCTPは、NBPと多量の水酸化ナトリウムを併用した呈色部を呈色させるが、NBPと炭酸水素ナトリウムを併用した呈色部は、ほとんど呈色させない。つまり、NBPと炭酸水素ナトリウムを併用した呈色部は、DMCTPにより一旦肌色に呈色するが、DMCTPの濃度が高い程早く白色に戻るという性質がある。
【0038】
このように、クロロエチル基を有する有機硫黄化合物と有機リン化合物とで呈色に最適なアルカリ化合物が異なるため、NBPと併用するアルカリ性化合物を種類又は濃度を変えて2カ所に滴下することが好ましい。
【0039】
以下に、上記工程1、2において作製した検知紙1を用いて実験した各実施例について、それぞれに対応する表を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0040】
【表1】
JP0003882052B2_000002t.gif

【0041】
容量0.5Lの共栓付き三角フラスコにCEESとテフロン(登録商標)製回転子を入れ、栓をして10分間振り混ぜ、CEESをなるべく気化させた。そして、検知紙1を入れ、常温で放置した。検知紙1は、表1第1欄のように呈色した。
【0042】
次に、上記と同様の操作を行ない、CEES以外の物質に対して実施した。表1第2欄以下の通り、エタノール、アセトン、サリチル酸メチル等のリンも塩素も含まない化合物の場合は呈色しないこと、DMCTPでは、呈色部Bが茶色に、呈色部Dが赤紫色に呈色すること、DDVPでは呈色部Aが淡青紫色に、呈色部Cが橙色に、それぞれ呈色することがわかった。
【実施例2】
【0043】
【表2】
JP0003882052B2_000003t.gif

【0044】
実施例1と同様の操作を、CEESに対して行なった。但し、検知紙1には、図2と表2記載の通り、例えば事務用のメンディングテープなどのテープを貼り付け、側面部は解放した。その結果、テープにより呈色までの時間を長くできることがわかった。
なお、このテープについては、例えば透明なフィルム等の少なくとも検知紙に付着させた呈色試薬の面に貼り付けることができるもので、且つ、呈色の程度が確認できるものであれば特に限定はされない。
【実施例3】
【0045】
【表3】
JP0003882052B2_000004t.gif

【0046】
【表4】
JP0003882052B2_000005t.gif

【0047】
実施例1と同様の操作をアルカリ性化合物の種類と濃度を変えて行ない、検知紙1を得た。この検知紙1の呈色部Aに対して実施例1と同様の操作を行ない、表3及び4の通り、各アルカリ性化合物によって呈色するが、CEESとDMCTPでは、呈色に適するアルカリ性化合物の種類と濃度が異なることを見出した。
【実施例4】
【0048】
【表5】
JP0003882052B2_000006t.gif

【0049】
上記工程1、2と同様の操作を行ない、検知紙1を得た。但し、呈色部Aのみを調製し、また、NBP及びアルカリ性化合物の付着量は、表5の通りとした。この検知紙1に実施例1と同様の操作を行ない、NBPの検知紙1への付着量限度に関する知見を得た。
【実施例5】
【0050】
【表6】
JP0003882052B2_000007t.gif

【0051】
上記工程1、2と同様の操作を行ない、検知紙1を得た。但し、呈色部Dのみを調製し、また、PADPAの付着量は、表6の通りとした。この検知紙1に実施例1と同様の操作を行ない、PADPAの検知紙1への付着量限度に関する知見を得た。また、呈色部Dが塩化水素により呈色すること及びDMCTPが加水分解して塩化水素を生成することから、呈色部Dは、DMCTPの分解で生成した塩化水素により呈色するものと考えられる。
【0052】
各実施例における実験結果から、上述した呈色部A~Dにおける呈色試薬の付着量としては、以下に示す付着量が好適である。
まず、NBPについては、呈色が明瞭であり、且つ、付着量に呈色濃度伴って経済的であるという点から0.3g/m2 ~2.0g/m2 の範囲で適用するのが好ましく、アルカリ性化合物については、呈色対象により最適な付着量が異なるため、クロロエチル基を有する有機硫黄化合物の呈色には付着量が低い方がよいが、0.2g/m2 以下の付着量では呈色不明瞭となり、また、有機硫黄化合物の呈色には付着量が高い方がよいが、アルカリ性化合物の水への溶解度の関係から30g/m2 以上付着させることは困難であるという点から0.2g/m2 ~30g/m2 の範囲で適用するのが好ましく、PADPAについては、0.02g/m2 以下では呈色が不明瞭であり、且つ、2.1g/m2 以上の付着量では呈色が濃すぎてしまい、色が判断しにくいという点から0.02g/m2 ~2.1g/m2 の範囲で適用するのが好ましい。
【0053】
そして、上記各実施例における実験結果により、検知紙1の呈色の色調及び濃淡は、有害物質の種類と呈色試薬の組合せによって様々であることがわかる。このことから、使用する状況や有害物質の種類に応じて最適な呈色試薬を組み合わせることで、有害物質を容易に判別でき、これに伴い、着用者の安全を確保することができる。
【0054】
さらに、図2に示すように、使用前の検知紙1に、各有害ガスごとの呈色時と同色・同濃度のインクで記号を記入しておく。そして、検知紙1に記入された記号の色が判別できない程度まで呈色された場合に吸収缶が使用不可能と判断される。
これにより、各有害物質ごとに異なる呈色の色調及び濃度を記憶していなくとも吸収缶2の交換時期を適切に判別することができる。
【0056】
次に、図3を用いて吸収缶2の概略説明と検知紙1の取付位置について説明する。
【0057】
図3に示すように吸収缶2は、従来公知の吸収缶2と同様に、内部に有害ガスの吸着剤3を収容し、且つ、防毒マスクの面体(図示せず)に連結される接続部4と、接続部4の対称面側に設けられ着用者が呼吸する際に外気を取り入れるための開口部5と、吸着剤2の開口部5側に設けられるパーティクルフィルター6と、吸着剤3の接続部4側とパーティクルフィルター6の開口部5側にそれぞれ設けられている多孔板7a、7bとで構成されている。
【0058】
吸収缶2の本体は、メッキ鉄板、アルミ、アルミ合金で製作される他、プラスチックの成形で製作される。そして、プラスチックの材質としては、各種合成樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS、ポリカーボネート、PVC等が使用できる。
吸着剤3としては、活性炭が主に使用されるが、対象ガスに合わせて適宜シリカゲルやその他の市販の吸着剤を使用することが出来る。
接続部4は、通常、一方の面の略中央部に設けられ、防毒マスクに設けられている接続口と接続される。
開口部5は、防毒マスク着用者が呼吸する際の外気の取り入れ口として機能する。
パーティクルフィルター6は、吸着剤3と同様に外部から取り込まれる空気を濾過する。これらは、無機または有機繊維の不織布、多孔質膜等で構成することができる。
【0059】
また、図3に示したように検知紙1の取付位置は、防毒マスクに吸入される空気と実質的に同程度汚染されている空気にさらされる場所であれば特に限定されないが、着用者が吸入する空気の異常を検知するいう点から特に吸収缶2の開口部付近が好適である。
また、雨、液状有害物質等による汚染を避けるためには、例えば検知紙貼付位置Aに示すように吸収缶2の開口部内あるいは検知紙貼付位置Bに示すように吸収缶2外壁の下部が良い。
そして、肉眼での観察の度に、この検知紙1を取り出して目の前に持っていき、再度、元に戻すためには、検知紙1の裏面に着脱可能な接着剤を付着させておくのが良い。また、取付位置として、指が届かないほど吸収缶2の奥深い場所や着脱が容易でない場所であってはならない。
【0060】
このように、上述した検知紙により、クロロチオリン酸ジメチル、2-クロロエチルエチルスルフィド又はリン酸2、2-ジクロロビニルジメチルを含む有害ガス用吸収缶の交換時期を着用者が容易に確認することができる。これにより、着用者は、吸収缶を使用不可能になる前に交換することができるので、着用者の安全が確保される。

【0061】
以上、本発明を用いて最良の形態について説明したが、この形態による記述及び図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例及び運用技術等はすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の検知紙1に用いられる呈色試薬の滴下範囲を示す図である。
【図2】本発明の検知紙1に記号を記入する記入例を示す図である。
【図3】本発明の検知紙1を吸収缶2に取付ける位置の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1 検知紙
2 吸収缶
3 吸着剤
4 接続部
5 開口部
6 パーティクルフィルター
7a、7b 多孔板
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2