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Specification :(In Japanese)電界を用いた油中水型エマルジョンの解乳化方法

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P4961553
Publication number P2008-049267A
Date of registration Apr 6, 2012
Date of issue Jun 27, 2012
Date of publication of application Mar 6, 2008
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)電界を用いた油中水型エマルジョンの解乳化方法
IPC (International Patent Classification) B01D  17/06        (2006.01)
FI (File Index) B01D 17/06 502Z
Number of claims or invention 3
Total pages 7
Application Number P2006-228101
Date of filing Aug 24, 2006
Date of request for substantive examination Aug 20, 2009
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】304027349
【氏名又は名称】国立大学法人豊橋技術科学大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】中野 道彦
【氏名】水野 彰
Examiner (In Japanese)【審査官】神田 和輝
Document or reference (In Japanese)特開昭61-074605(JP,A)
特開平01-094930(JP,A)
特開平10-043504(JP,A)
特開2007-044664(JP,A)
実開平06-045604(JP,U)
西独国特許出願公開第03709456(DE,A)
Field of search B01D 17/06
JSTPlus(JDreamII)
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
誘電体からなる容器に保持された油中水型エマルジョンを該容器の外側に設置され、該容器内に貯留される油中水型エマルジョンの液面近傍に配置される一方の電極とその一方の電極の上方に配置される他方の電極とからなる一対の電極に電圧を印加して形成した電界を作用させることによって解乳化する方法。
【請求項2】
前記誘電体からなる容器が、合成高分子もしくはガラスで形成された容器で、かつその容量が0.1ミリリットルないし10ミリリットルである請求項1に記載の油中水型エマルジョンを解乳化する方法。
【請求項3】
電界を形成するために印加する電圧が交流電圧である請求項1又は請求項2に記載の油中水型エマルジョンを解乳化する方法。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は油中水型エマルジョンを解乳化する技術に関する。油中水型エマルジョンの解乳化技術は、例えば,廃油中からの水分の除去、原油中に含まれる水分の除去などに利用される。また,近年,生化学,生物学的な反応場に油中水型エマルジョンを利用する研究が行われている。そこでは油中水型エマルジョンを構成する微小水滴内で反応させた物質を回収する際,油中水型エマルジョンの解乳化技術を必要とする。
【背景技術】
【0002】
油中水型エマルジョンの解乳化の代表的な方法は遠心分離である。これは,水成分と油成分との比重の差を利用し、遠心力によって,それらを分離する方法である。また特定の解乳化剤を加える方法(特公開平6-128558)やフィルター(特許公開2006-43487,特公開2005-199140)を用いる方法がある。
【0003】
電界を用いた解乳化法も提案されている(特公開平10-43504,特公開平7-24212,非特許文献1、非特許文献2)。遠心法以外の方法は,比較的大きな容量(例えば,1~数リットル)で分離を行うための手法である。
【0004】

【非特許文献1】J.S.Eow et al.,Chem.Eng.J.,85,357-368,2002
【非特許文献2】J.S.Eow, et al.,Chem.Eng.J.,84,173-192,2001
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年,油中水型エマルジョンを生化学,生物学的手法に応用する試みが盛んに行われている。この場合、容量が0.1ミリリットル~1ミリリットルの小さな合成高分子製の容器が使用するのが普通である。この容器内に油中水型エマルジョンを導入し,微小水滴内で反応を行う。その後,その反応生成物を回収するために,解乳化して生成物を回収する。このような場合,多くは遠心操作が用いられるが,遠心操作ではひとつひとつの容器を遠心器の中に移す必要があり,容器の数が多くなると非常に面倒である。また,一連の操作を自動化することにも困難が付きまとう。
【0006】
一方,これまでに発表されている電界を用いた解乳化法では,電界を発生するための電極を容器内に配置する必要があり,上述のような小さな容器ではそれを組み込むことは困難である。また,従来法では常に電極と溶液が接触する構造がとられるので,溶液を電極材料で汚染したり,溶液が電気分解したりする不具合が生じる。
【0007】
遠心操作は分離に関しては有効な手法である。しかし、以下の点において困難を伴う。遠心器内部における容器保持部は容器外形にそった形状をしていなければならない。遠心操作において,重心を保つために,常にバランスの取れた容器配置を行う必要がある。また前述のように、複数の容器を分離する場合は,そのひとつひとつを遠心器内に移すことが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは鋭意検討した結果、容器の外側から電界、好ましくは交流電界を印加することにより、非接触で油中水型エマルジョンの解乳化が行えることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、誘電体からなる容器に保持された油中水型エマルジョンを該容器の外側に設置され、該容器内に貯留される油中水型エマルジョンの液面近傍に配置される一方の電極とその一方の電極の上方に配置される他方の電極とからなる一対の電極に電圧を印加して形成した電界を作用させることによって解乳化することができることを見出した。

【0010】
また好ましくは上記誘電体からなる容器が、合成高分子もしくはガラスで形成された容器で、かつその容量が0.1ミリリットル乃至10ミリリットル、さらに、電界を形成するために印加する電圧が交流電圧である場合に本発明がとくに有効であることを見出した。
【発明の効果】
【0013】
本発明が示すのは,遠心操作を行わず,連続操作が可能で,電極と溶液とが接触しない,少量でも解乳化可能な技術である。電極を容器の外部に配置することで,容器外形に関わらず,解乳化を行うことができる。また電極と容器内の溶液を接触させずに解乳化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下本発明について更に詳細に説明する。本発明において解乳化の対象となる油中水型エマルジョンを保持する容器を形成する材料は誘電体であることが必要であるが、該容器を形成する材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ-4-メチルペンテン-1、ポリスチレン、シリコーン樹脂、ポリアセタールなどの合成高分子材料、ガラス、セラミック材料などを挙げることができる。ただし、誘電体材料である限りこれらに限られるものではない。
【0015】
本発明で用いられる誘電体からなる容器の容量は0.1ミリリットル乃至10ミリリットルであるであることが要請される。容器の容量が0.1ミリリットルより少なくては、容器容量に対する容器表面が過大となり、解乳化プロセスで生成する水滴の合体が十分行われず、解乳化が不十分になる。一方、10ミリリットル以上では水滴の合体に長時間を要し、実用的ではない。本発明で用いられる容器例を図1に例示する。本発明において用いられる油中水型エマルジョンを保持する容器はこの形状、大きさに限られるものではないが、図1に示す容器例では、0.2ミリリットルの油中水型エマルジョンを保持することができる。
【0016】
本発明では、誘電体からなる容器に保持された油中水型エマルジョンに電圧を印加するための電極は、該容器の外側に設置する。図2は,アルミニウムテープ1,2を、図1に示す0.2ミリリットルの容器の蓋5とエマルジョン液面付近に貼り付けたものである。図2は、本発明に基づいて、油中水型エマルジョンを保持する容器3の外側に一対の電極1,2を設置し、電極間に電圧、好ましくは交流電圧を印加することで,容器3に保持された油中水型エマルジョン4に鉛直方向の電界を作用させる例を示す。ただし、本発明における電極の設置場所、電極材料、電極の形状はこの例に限られるものではない。
【0017】
多数の容器に保持された油中水型エマルジョンを同時処理するためには、図3に例示するように,直方体状の容器9の向かい合う2面に一対の電極(アルミニウムテープ)6を設置することで,複数の誘電体からなる容器10に保持された油中水型エマルジョンに水平方向の電界を作用させる。すなわち、電圧、好ましくは交流電圧を印加された一対の電極6が形成する電極間電場空間に複数の容器を設置し、該容器群に保持された油中水型エマルジョンに該電場空間に形成される電界を作用させることで目的を達成することができる。この際、一対の電極の一方に交流電圧7を印加させ、もう一方は接地することにより交流電界を形成させる。ただし、電極の設置場所、電極材料、電極の形状、電極間電場空間の形状、大きさはこの例に限られるものではない。付け加えて,上記直方体状の容器の上下に電極を配置することも可能である。
【0018】
また上記容器群に保持された油中水型エマルジョンの解乳化作業を、最適温度条件で行うために、上記電極間電場空間にヒーターを設置し、温度調節した状態で行うこともできる。
【実施例】
【0019】
[実施例1]
容量0.2ミリリットルのポリプロピレン製マイクロチューブ(図1に形状を示す)を試料容器として用いた。該容器に,菜種油200マイクロリットル(界面活性剤Tween 80(1%v/v)を含む)と水溶液5マイクロリットル(界面活性剤Triton-100(0.1%v/v)を含む)を入れた。該容器を振動させて,試料溶液を乳化し、油中水型エマルジョンを得た。電界印加のための一対の電極は、図2に示す形状を採用した。すなわち、アルミニウムテープ(電極)1,2を該ポリプロピレン製容器(マイクロチューブ)の蓋5とエマルジョン液面付近に貼り付けたものである。電極間に交流高電圧を印加することで,マイクロチューブ内部に鉛直方向の電界を形成した。電源には,1次側にスライダックを接続した商用周波ネオントランス(巻線式ネオン変圧器)とインバータネオントランスを用いた。該商用周波ネオントランスは60Hz,該インバータネオントランスは17kHzの交流高電圧を発生することができる。交流高電圧を上記油中水型エマルジョンに10分間印加し,解乳化の様子を観察したところ以下の結果を得た。
【0020】
インバータネオントランス(17kHz)を用い、5キロボルトの交流電圧を印加した際の解乳化の様子を図4に示す。図4-aは電圧印加前、図4-bは電圧印加後3分、図4-cは電圧印加後5分、図4-dは電圧印加後7分、図4-eは電圧印加後10分後の様子を示す。このとき,次のような挙動が観察され、解乳化が確認された。まず,電界の方向(垂直方向)に水滴が数珠玉上に配列し,その後,水滴が合一して徐々に大きな水滴を形成し,最後に,大きくなった水滴がマイクロチューブ底部に沈んだ。商用周波ネオントランス(60Hz)を用いた場合も同様に解乳化することを確認した.しかし,高い周波数のインバータネオントランス(17kHz)を用いた方が,油中水型エマルジョンの解乳化がより効果的に起こっていた。
【0021】
[実施例2]
次に多数の容器に保持された油中水型エマルジョンを同時処理した。電界印加のための電極を図3に示す形状のものを採用した以外は、実施例1の方法で油中水型エマルジョンの解乳化を実施した。すなわち、直方体状の容器9の向かい合う2面の内壁に一対の電極(アルミニウムテープ)6を設置することで,誘電体からなる容器に保持された油中水型エマルジョン10に水平方向の電界を作用させた。その結果、以下の結果を得た。
【0022】
インバータネオントランス(17kHz)を用い、9キロボルトの交流電圧を印加した際の解乳化の様子を図5に示す。図5-aは電圧印加前、図5-bは電圧印加後3分、図5-cは電圧印加後5分、図5-dは電圧印加後7分、図5-eは電圧印加後10分後の様子を示す。このとき,次のような挙動が観察され、解乳化が確認された。まず,電界の方向(水平方向)に水滴が数珠玉上に配列し,その後,水滴が合一して徐々に大きな水滴を形成し,最後に,大きくなった水滴がマイクロチューブ底部に沈んだ。商用周波ネオントランス(60Hz)を用いた場合も同様に解乳化することを確認した.しかし,高い周波数のインバータネオントランス(17kHz)を用いた方が,油中水型エマルジョンの解乳化がより効果的に起こった。
【0023】
また図6には、実施例2における油中水型エマルジョンの電圧印加前と電圧印加10分後の様子を比較して示した。図6-aと図6-bは、印加電圧13キロボルト、60Hzの場合の電圧印加前と電圧印加10分後の様子を比較して示したものである。図6-cと図6-dは、印加電圧5キロボルト、60Hzの場合の電圧印加前と電圧印加10分後の様子を比較して示したものである。図6-eと図6-fは、印加電圧13キロボルト、17kHzの場合の電圧印加前と電圧印加10分後の様子を比較して示したものである。図6-gと図6-hは、印加電圧5キロボルト、17kHzの場合の電圧印加前と電圧印加10分後の様子を比較して示したものである。いずれの場合も,電圧印加することで油中水型エマルジョンが解乳化していることがわかる。電極配置で比較すると,形状A(図2)に比べて形状B(図3)の方がマイクロチューブ底部に分離された水溶液の量が多かった。
【産業上の利用可能性】
【0024】
とくに,油中水型エマルジョンを生化学,生物学的手法に用いる場合に利用されることが考えられる。この場合,電極と溶液が接触することによる汚染に非常に敏感であり,また,コンビナトリアルケミストリーを実施する場合が多く,この場合は,複数の容器を同時に処理する必要がある。また,上記にあるような小さな容器が使用されることが多い。このような場合において,本特許が示す解乳化法が利用できると考えられる。

【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に基づく油中水型エマルジョンを入れる容器の例
【図2】本発明に基づく電極形状の例
【図3】本発明に基づく容器群を処理する際の電極形状の説明
【図4】本発明に基づく解乳化結果を示す写真例-1
【図5】本発明に基づく解乳化結果を示す写真例-2
【図6】本発明に基づく解乳化結果を示す写真例-3
【符号の説明】
【0026】
1、2:アルミニュウムテープ
3:誘電体からなる容器
4:容器に保持された油中水型エマルジョン
5:容器の蓋
6:一対の電極
7:交流電圧
8:接地
9:直方体容器
10:容器に保持された油中水型エマルジョン(複数)
11:容器群を保持するウエルプレート
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
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