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Specification :(In Japanese)カーボンナノチューブの製造方法および製造装置

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P5028606
Publication number P2007-186363A
Date of registration Jul 6, 2012
Date of issue Sep 19, 2012
Date of publication of application Jul 26, 2007
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)カーボンナノチューブの製造方法および製造装置
IPC (International Patent Classification) C01B  31/02        (2006.01)
FI (File Index) C01B 31/02 101F
Number of claims or invention 15
Total pages 14
Application Number P2006-003909
Date of filing Jan 11, 2006
Date of request for substantive examination Oct 21, 2008
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】304023318
【氏名又は名称】国立大学法人静岡大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】永津 雅章
【氏名】荻野 明久
Representative (In Japanese)【識別番号】100088155、【弁理士】、【氏名又は名称】長谷川 芳樹
【識別番号】100108257、【弁理士】、【氏名又は名称】近藤 伊知良
【識別番号】100124800、【弁理士】、【氏名又は名称】諏澤 勇司
Examiner (In Japanese)【審査官】岡田 隆介
Document or reference (In Japanese)特開2005-213104(JP,A)
特開平10-203810(JP,A)
特開2004-292181(JP,A)
国際公開第2004/043858(WO,A1)
吉田隆映他,直流アーク放電を用いた炭素-金属複合ナノクラスター触媒の作製,応用物理学会学術講演会講演予稿集,2005年 9月 7日,Vol.66th,No.1,P.123
YOSHIDA,T. et al,Synthesis of Nanotubes Using Microwave Plasma CVD with Catalytic Ni-C Composite Clusters ,プラズマ科学シンポジウム/プラズマプロセシング研究会プロシーディングス,2005年,Vol.2005/22nd,p.355-356
Field of search C01B 31/00-31/36
WPI
JSTPlus(JDreamII)
JST7580(JDreamII)
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
触媒金属を混入したグラファイト電極を用いて、ガス雰囲気中で、直流アーク放電により金属炭素複合クラスターを製造し、得られた複合クラスターを回収し、該複合クラスターをシリコン基板上に蒸着堆積させ、前記シリコン基板に負の電位を印加して、マイクロ波プラズマを照射する第1ステップと、該第1ステップに続いて、前記シリコン基板に負の電位を印加して、炭化水素系混合ガスプラズマを照射する第2ステップとによりカーボンナノチューブを合成することを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項2】
触媒金属を混入したグラファイト電極を用いて、ヘリウムガス雰囲気中で、直流アーク放電により金属炭素複合クラスターを製造し、得られた複合クラスターを回収し、該複合クラスターをシリコン基板上に蒸着堆積させ、前記シリコン基板に負の電位を印加して、マイクロ波プラズマを照射する第1ステップと、該第1ステップに続いて、前記シリコン基板に負の電位を印加して、炭化水素系混合ガスプラズマを照射する第2ステップとによりカーボンナノチューブを合成することを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項3】
触媒金属を混入したグラファイト電極を用いて、ガス雰囲気中で、直流アーク放電により金属炭素複合クラスターを製造し、得られた複合クラスターを回収し、該複合クラスターをシリコン基板上に蒸着堆積させ、前記シリコン基板に負の電位を印加して、アルゴンプラズマを照射する第1ステップと、該第1ステップに続いて、前記シリコン基板に負の電位を印加して、炭化水素系混合ガスプラズマを照射する第2ステップとによりカーボンナノチューブを合成することを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項4】
触媒金属を混入したグラファイト電極を用いて、ヘリウムガス雰囲気中で、直流アーク放電により金属炭素複合クラスターを製造し、得られた複合クラスターを回収し、該複合クラスターをシリコン基板上に蒸着堆積させ、前記シリコン基板に負の電位を印加して、アルゴンプラズマを照射する第1ステップと、該第1ステップに続いて、前記シリコン基板に負の電位を印加して、炭化水素系混合ガスプラズマを照射する第2ステップとによりカーボンナノチューブを合成することを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項5】
前記第2ステップでは、前記炭化水素系混合ガスプラズマとして水素/メタン混合ガスプラズマを照射する、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項6】
前記炭化水素系混合ガスプラズマを水素/アルゴン/メタン混合ガスプラズマ或いは窒素/メタン混合ガスプラズマ又はアンモニア/アセチレン混合ガスプラズマとすることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項7】
前記金属炭素複合クラスターの製造時に使用する前記ガスをへリウム/メタン混合ガスとすることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項8】
前記アルゴンプラズマを照射する第1ステップにおけるバイアス電源の負電位を-30V~-500Vとすることを特徴とする請求項3又は4に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項9】
前記炭化水素系混合ガスプラズマを照射する第2ステップにおけるバイアス電源の負電位を-100V~-200Vとすることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項10】
前記第1ステップにおける前記プラズマガスのガス圧を7~25paとすることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項11】
前記第1ステップにおける前記プラズマガスのガス流量を100~200sccmとすることを特徴とする1~4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項12】
前記シリコン基板の温度を70°Cから120°Cに保持することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項13】
前記金属炭素複合クラスターが、ニッケル、鉄或いはコバルトと炭素からなることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項14】
触媒金属を混入したグラファイト電極を用いてガス雰囲気中で直流アーク放電により製造された金属炭素複合クラスターが蒸着堆積されたシリコン基板を対象にして、前記シリコン基板に負の電位を印加して、マイクロ波プラズマを照射する第1ステップと、該第1ステップに続いて、前記シリコン基板に負の電位を印加して、炭化水素系混合ガスプラズマを照射する第2ステップとによりカーボンナノチューブを合成することを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項15】
触媒金属を混入したグラファイト電極を用いて、ガス雰囲気中で、直流アーク放電により金属炭素複合クラスターを製造し、得られた複合クラスターを回収し、該複合クラスターをシリコン基板に蒸着堆積させるとともにマイクロ波プラズマ中で、カーボンナノチューブを製造するに当たり、該複合クラスターを載置するシリコン基板を負電位に保持するバイアス電源を具えたことを特徴とするカーボンナノチューブの製造装置。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブを低温で作製する方法および作製装置に関するもので、触媒金属と炭素を複合したナノサイズクラスターを基板に蒸着し、プラズマを用いてイオン衝撃によるクラスターの前処理を行った後、炭化水素系ガス中においてイオン加速エネルギーを制御したプラズマCVDによりナノチューブの低温成長を行なおうとする技術である。このような技術はこれまでには行われておらず、極めて利用価値の高い技術である。
【背景技術】
【0002】
近年、カーボンナノチューブ(CNT)は優れた電界電子放出特性を有することから、電子ビーム源、ナノ配線材料、量子細線デバイス、電子デバイス材料、フラットパネルデイスプレイなどへの応用が注目されている。
【0003】
触媒金属を基板上に蒸着あるいはスパッタリング成膜する方法が提案されているが、これらの方法では、金属触媒の粒径は、直径数10nmから100nmとなり、一方、プラズマCVD法を用いた合成方法においては、多くの場合、直径数10nm以上の多層CNTとなるため、単層CNT合成が困難である。
またゼオライトのようなナノサイズの多孔性材料を基板として用いる方法が提案されているが、単層CNTの合成の割合は全体のナノチューブに比べて小さい。
また直流アーク放電法によるCNTの製造技術が提案されているが、作製したCNTの電子デバイスへの利用方法など取り扱いに問題が多い。
【0004】
従来、代表的なカーボンナノチューブの合成法としては、直流アーク放電法があるが、炭素電極に大電流を流し、その抵抗加熱により炭素を昇華することによって、ナノチューブを作製する。また電気加熱炉内の石英管内に置かれたグラファイトターゲットにレーザーを照射し、レーザーエネルギーにより炭素を昇華し、ナノチューブを作製する方法がある。また電気炉内の石英管にアセチレンガスやメタンガスなどを流し、700~800度程度に加熱した触媒を塗布した基板上にカーボンナノチューブを作製する方法が用いられている。しかしカーボンナノチューブの作製には一般に上記のように基板温度を高温に上げて行う必要があり、このため基板材料の問題や、作製の問題など実用化に向けていろいろな課題が残されている。最近ではカーボンナノチューブの低温成長について提案されているが、従来の方法で基板温度を下げたのみで、成長速度が極めて低く、実用化に向け大きな問題となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この様な状況の中で、本発明においては、カーボンナノチューブ合成に不可欠であった基板加熱を行うことなく、プラズマイオンのエネルギー制御により、常温下において達成できる新しいカーボンナノチューブの作製方法および作製装置を提案する。これにより、基板材料としてガラスや樹脂材を用いることが可能となり、カーボンナノチューブの応用を飛躍的に広げることができ、さらに作製コストの低減を図ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、カーボンナノチューブを作製する際に用いる触媒金属に特徴がある。すなわち、ニッケル、鉄、コバルトなどの触媒金属と炭素からなるナノメートルサイズの複合クラスターを用いる。これらの触媒金属—炭素複合クラスターは、直流アーク放電法あるいはレーザーアブレーション法などにより作製する。
次いで、作製した触媒クラスターをシリコンなどの基板上に真空蒸着させ、プラスマ装置内の基板ステージに設置する。基板ステージ上にサンプルを設置し、アルゴンガスプラズマ中において-30~-50V程度の負電圧を基板に印加することによって、アルゴンイオンを照射させる。このとき触媒金属—炭素クラスターの炭素原子でできたグラフェン層の結合を切り離し、ダングリングボンドを形成する。アルゴンプラズマの代わりに水素プラズマにおいても同様の効果が得られる。
この作業の後、放電ガスを水素・メタン混合ガスに交換し、プラズマ放電を行う。基板にはイオン衝撃を促進するよう、基板ステージに-100V~-200V程度の負電圧を印加し、基板を加熱することなくプラズマCVDによる合成を行う。
【0007】
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、触媒金属を混入したグラファイト電極を用いて、ガス雰囲気中で、直流アーク放電により金属炭素複合クラスターを製造し、得られた複合クラスターを回収し、該複合クラスターをシリコン基板上に蒸着堆積させ、前記シリコン基板に負の電位を印加して、マイクロ波プラズマ中で、カーボンナノチューブを合成することを特徴とする。
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、触媒金属を混入したグラファイト電極を用いて、ガス雰囲気中で、直流アーク放電により金属炭素複合クラスターを製造し、得られた複合クラスターを回収し、該複合クラスターをシリコン基板上に蒸着堆積させ、前記シリコン基板に負の電位を印加するとともに該基板にパルス電圧を印加して、マイクロ波プラズマ中で、カーボンナノチューブを合成することを特徴とする。
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、触媒金属を混入したグラファイト電極を用いて、ヘリウムガス雰囲気中直流アーク放電により金属炭素複合クラスターを製造し、得られた複合クラスターを回収し、該複合クラスターをシリコン基板上に蒸着堆積させ、前記シリコン基板に負の電位を印加して、マイクロ波プラズマ中で、金属炭素複合クラスターを活性化する第1ステップにより、カーボンナノチューブを合成することを特徴とする。
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、触媒金属を混入したグラファイト電極を用いて、ヘリウムガス雰囲気中で、直流アーク放電により金属炭素複合クラスターを製造し、得られた複合クラスターを回収し、該複合クラスターをシリコン基板上に蒸着堆積させ、前記シリコン基板に負の電位を印加するとともに基板にパルス電圧を印加して、アルゴンプラズマ中で、金属炭素複合クラスターを活性化する第1ステップにより、カーボンナノチューブを合成することを特徴とする。
【0008】
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、触媒金属を混入したグラファイト電極を用いて、ガス雰囲気中で、直流アーク放電により金属炭素複合クラスターを製造し、得られた複合クラスターを回収し、該複合クラスターをシリコン基板上に蒸着堆積させ、前記シリコン基板に負の電位を印加して、アルゴンプラズマを照射する第1ステップと、該第1ステップに続いて、前記シリコン基板に負の電位を印加して、混合ガスプラズマを照射する第2ステップとによりカーボンなのチューブを合成することを特徴とする。
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、触媒金属を混入したグラファイト電極を用いて、ガス雰囲気中で、直流アーク放電により金属炭素複合クラスターを製造し、得られた複合クラスターを回収し、該複合クラスターをシリコン基板上に蒸着堆積させ、前記シリコン基板に負の電位を印加して、アルゴンプラズマを照射する第1ステップと、該第1ステップに続いて、前記シリコン基板に負の電位を印加して、混合ガスプラズマを照射する第2ステップとによりカーボンナノチューブを合成することを特徴とする。
【0009】
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、触媒金属を混入したグラファイト電極を用いて、ヘリウムガス雰囲気中で、直流アーク放電により金属炭素複合クラスターを製造し、得られた複合クラスターを回収し、該複合クラスターをシリコン基板上に蒸着堆積させ、前記シリコン基板に負の電位を印加して、アルゴンプラズマを照射する第1ステップと、該第1ステップに続いて、前記シリコン基板に負の電位を印加して、炭化水素系混合ガスプラズマを照射する第2ステップとによりカーボンナノチューブを合成することを特徴とする。
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、触媒金属を混入したグラファイト電極を用いて、ヘリウムガス雰囲気中で、直流アーク放電により金属炭素複合クラスターを製造し、得られた複合クラスターを回収し、該複合クラスターをシリコン基板上に蒸着堆積させ、前記シリコン基板に負の電位を印加するとともに該基板にパルス電圧を印加して、アルゴンプラズマを照射する第1ステップと、該第1ステップに続いて、前記シリコン基板に負の電位を印加して、炭化水素系混合ガスプラズマを照射する第2ステップとによりカーボンナノチューブを合成することを特徴とする。
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、前記ガスをへリウム/メタン混合ガスとすることを特徴とする。
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、前記混合ガスプラズマを水素/メタン混合ガスとすることを特徴とする。
【0010】
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、触媒金属を混入したグラファイト電極を用いて、ヘリウムガス雰囲気中で、直流アーク放電により金属炭素複合クラスターを製造し、得られた複合クラスターを回収し、該複合クラスターをシリコン基板上に蒸着堆積させ、前記基板に負の電位を印加して、アルゴンプラズマを照射する第1ステップと、該第1ステップに続いて、混合ガスプラズマを照射する第2ステップとにより、カーボンナノチューブを合成することを特徴とする。
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、触媒金属を混入したグラファイト電極を用いて、ヘリウムガス雰囲気中で、直流アーク放電により金属炭素複合クラスターを製造し、得られた複合クラスターを回収し、該複合クラスターをシリコン基板上に蒸着堆積させ、前記基板に負の電位を印加して、アルゴンプラズマを照射する第1ステップと、該第1ステップに続いて、水素/メタン混合ガスプラズマを照射する第2ステップとにより、カーボンナノチューブを合成することを特徴とする。
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、触媒金属を混入したグラファイト電極を用いて、ヘリウムガス雰囲気中で、直流アーク放電により金属炭素複合クラスターを製造し、得られた複合クラスターを回収し、該複合クラスターをシリコン基板上に蒸着堆積させ、前記基板に負の電位を印加するととも該基板にパルス電圧を印加しつつ、アルゴンプラズマを照射する第1ステップと、該第1ステップに続いて、前記シリコン基板に負の電位を印加しつつ、水素/メタン混合ガスを照射する第2ステップとにより、カーボンナノチューブを合成することを特徴とする。
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、触媒金属を混入したグラファイト電極を用いて、ヘリウムガス雰囲気中で、直流アーク放電により金属炭素複合クラスターを製造し、得られた複合クラスターを回収し、該複合クラスターをシリコン基板上に蒸着堆積させ、前記基板に負の電位を印加するととも該シリコン基板にパルス電圧を印加しつつ、アルゴンプラズマを照射する第1ステップと、該第1ステップに続いて、前記シリコン基板に負の電位を印加するとともに、前記シリコン基板にパルス電圧を印加しつつ、水素/メタン混合ガスを照射する第2ステップとからなるカーボンナノチューブを合成することを特徴とする。
【0011】
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、前記混合ガスプラズマを水素/アルゴン/メタン混合ガスプラズマ或いは窒素/メタン混合ガスプラズマ又はアンモニア/アセチレン混合ガスプラズマとすることを特徴とする。
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、前記アルゴンプラズマを照射する第1ステップにおけるバイアス電源の負電位を-30V~-50Vとすることを特徴とする。
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、前記混合ガスプラズマを照射する第2ステップにおけるバイアス電源の負電位を-100V~-200Vとすることを特徴とする。
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、前記プラズマガスのガス圧を7~25paとするとを特徴とする。
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、前記プラズマガスのガス流量を100~200sccmとすることを特徴とする。
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、前記シリコン基板の温度を70℃から120℃に保持することを特徴とする。
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、前記金属炭素複合クラスターが、ニッケル、鉄或いはコバルトと炭素からなることを特徴とする。
【0012】
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、前記金属炭素複合クラスターを触媒として、単層および多層カーボンナノチューブを製造することを特徴とする。
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法において、前記直流アーク放電をレーザーアブレーションとすることを特徴とする。
本発明は、カーボンナノチューブの製造装置において、触媒金属を混入したグラファイト電極を用いて、ガス雰囲気中で、直流アーク放電により金属炭素複合クラスターを製造し、得られた複合クラスターを回収し、該複合クラスターをシリコン基板に蒸着堆積させるとともにマイクロ波プラズマ中で、カーボンナノチューブを製造するに当たり、該複合クラスターを載置するシリコン基板を負電位に保持するバイアス電源を具えたことを特徴とする。
本発明は、カーボンナノチューブの製造装置において、触媒金属を混入したグラファイト電極を用いて、ガス雰囲気中で、直流アーク放電により金属炭素複合クラスターを製造し、得られた複合クラスターを回収し、該複合クラスターをシリコン基板に蒸着堆積させるとともにマイクロ波プラズマ中で、カーボンナノチューブを製造するに当たり、該複合クラスターを載置するシリコン基板を負電位に保持するバイアス電源を設けるとともに、該シリコン基板にパルスを供給するパルス電源を具えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、カーボンナノチューブ合成に不可欠であった基板加熱を行うことなく、プラズマイオンのエネルギー制御により、常温下においてカーボンナノチューブの作製することができる。これにより、基板材料としてガラスや樹脂材を用いることができ、カーボンナノチューブの応用を飛躍的に広げることができ、さらに作製コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係るカーボンナノチューブの低温合成方法および製造装置について説明する。
図1は、本発明に係る触媒クラスターを作製するために用いた直流アーク放電装置である。
図2は、作製した触媒金属—炭素複合クラスターの走査型電子顕微鏡の観察写真とその説明図である。
図3は、本発明に係るイオン照射に用いたマイクロ波プラズマ装置の概略図である。
図4は、シリコン基板をアルゴンプラズマ中で基板ステージに負電圧を印加した際のアルゴンイオンによるクラスター照射後の透過型電子顕微鏡の観察写真である。
図5(a)、(b)は、夫々アルゴンイオン照射後のクラスタ形状、および水素/メタン混合ガスを用いたマイクロ波プラズマCVDによるカーボンナノチューブ合成の説明図で、電子および各イオンの挙動を説明している。
図6は、上記の方法で作製したカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡の観察写真である。
【実施例】
【0015】
図1(a)において、直流アーク放電は、直径24cm、高さ20cmの円筒形真空容器4を用いて行う。パウダー状のニッケルを触媒金属として埋め込んだグラファイト電極1間に電流100~200アンペアを流し、圧力100~200Torrのヘリウムガス雰囲気中で放電し、クラスターを作製する。図1(b)に示されるように、グラファイトロッド3にパウダー状のニッケル、炭素及びグラファイトセメント2を埋め込んでいる。
【0016】
この場合、ヘリウムガスに代えて、ヘリウム/メタン混合ガスを用いることもできる。
【0017】
なおアルゴン又は水素を用いることもできる。
【0018】
図2(a)は、上記直流アーク放電により作製したニッケル-炭素複合クラスターの走査型電子顕微鏡による写真で、図2(b)は、その拡大説明図である。この金属炭素複合クラスターは、図2(b)に示したように中心部が球形のニッケル結晶で、その周りを炭素でできたグラフェン層が数層取り囲んだ形状をしている。金属炭素複合クラスターの直径は、数ナノメートルから約10ナノメートルである。
【0019】
図3は、複合クラスターを蒸着したシリコン基板にイオン照射およびカーボンナノチューブ合成を行うために用いたプラズマ装置の概略図である。直径40cm、高さ40cmのステンレス製真空容器の上部に設置したマイクロ波矩形導波管の下部に切ったスロットアンテナ14から石英真空窓を介してマイクロ波を容器内に導入し、プラズマを生成する。アルゴンプラズマは、マイクロ波パワー約700W、ガス圧力7から25Pa、流量100から200sccmで生成を行った。基板ステージ12に-30Vから-500Vの負電圧を印加し、基板11に照射した。
【0020】
図4は、クラスター蒸着したシリコン基板11上にアルゴンイオンを照射した場合のサンプルの透過型電子顕微鏡の写真を示しており、球形のクラスター形状が鮮明に観察できる。イオン照射により、アモルファスカーボン成分が除去され、クラスターを取り囲むグラフェン層を形作る炭素も、その結合エネルギーより高いイオンエネルギーで照射しているため、その結合を解き放たれている。
【0021】
上記のカーボンナノチューブの作製にあたって、アルゴンガスプラズマに代えて、水素ガスを用いることもできる。
【0022】
アルゴンガスを水素ガスに代えた場合は、マイクロ波パワー約700W、ガス圧力7から25Pa、流量100から200sccmで生成を行った。
【0023】
図5(a)、(b)は、夫々アルゴン照射したサンプルを、水素/メタン混合ガスを用いたプラズマCVDによりナノチューブ合成を行う際の説明図を示す。シリコン基板11にバイアス電源18により、-100V~-200Vの負電圧を与えている。
図5(a)は、アルゴンイオン照射により、クラスターをとり囲むグラフェン層の結合が離れ自由になった状態を示している。
JP0005028606B2_000002t.gif
は、電子、○は、Arイオンを示し、電界により金属クラスター20上に加速される。図5(b)は、この自由になった結合手に、水素メタン混合ガスプラズマによりC2ダイマーが結合し、グラフェン層が伸びていく様子を示しており、電界により加速されて、基板11上に生成される。この際、ダングリングボンドにC2,Cが結合してナノチューブが形成されたものと考えられる。
上記のカーボンナノチューブの作製において、水素/メタン混合ガスに代えて、水素/アルゴン/メタン混合ガス、窒素/メタン混合ガス又はアンモニア/アセチレン混合ガスを用いることもできる。
【0024】
水素/メタン混合ガスの場合は、ガス圧力7から25Paで、流量は、水素が50から100sccm、メタンが、20から50sccm、で生成を行った。
水素/メタン混合ガスを代えた場合は、マイクロ波パワー約700W以上であって、水素/アルゴン/メタン混合ガスの場合、ガス圧力7から25Paで、流量は、水素が50から100sccm、アルゴンが、20から50sccm、メタンが、20から50sccm、で生成を行った。
窒素/メタン混合ガスの場合、ガス圧力7から25Paで、流量は、窒素が100から150sccm、メタンが、20から50sccm、で生成を行った。
アンモニア/アセチレン混合ガスの場合、ガス圧力7から25Paで、流量は、アンモニアが50から150sccm、アセチレンが、50から100sccm、で生成を行った。
【0025】
図6は、水素/メタン混合ガスを用いたプラズマCVDにより作製したカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡の写真を示す。図6のように多層のカーボンナノチューブが生成される。なお、このときの基板温度は、120度程度であり、バイアスをパルス化することにより70度以下に低温化を達成することができた。
【0026】
以上は、アーク放電を用いた例について、説明したが、アーク放電に代えて、レーザーアブレーション法によっても同等の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る触媒クラスターを作製するために用いた直流アーク放電装置である。
【図2】作製した触媒金属-炭素複合クラスターの走査型電子顕微鏡の観察写真とその説明図である。
【図3】本発明に係るイオン照射に用いたマイクロ波プラズマ装置の概略図である。
【図4】シリコン基板をアルゴンプラズマ中で基板ステージに負電圧を印加した際のアルゴンイオンによるクラスター照射後の透過型電子顕微鏡の観察写真である。
【図5】(a)、(b)は、夫々アルゴンイオン照射後のクラスタ形状、および水素/メタン混合ガスを用いたマイクロ波プラズマCVDによるカーボンナノチューブ合成の説明図で、電子および各イオンの挙動を説明している。
【図6】上記の方法で作製したカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡の観察写真である。
【符号の説明】
【0028】
1 電極
2 触媒金属-炭素粉末を固めた部分
3 グラファイトロッド
4 真空容器
11 シリコン基板
12 基板ステージ
13 ファン
14 スロットアンテナ
15 プラズマ
16 パルス電源
17 マイクロウエーブ
18 電源
20 金属炭素複合クラスター
Drawing
(In Japanese)【図1】
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(In Japanese)【図3】
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(In Japanese)【図5】
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(In Japanese)【図2】
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(In Japanese)【図4】
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(In Japanese)【図6】
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