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Specification :(In Japanese)炭素、窒素をドープしてなる希土類多ホウ化物系高温耐酸性n型熱電材料とその製造方法

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P5051412
Publication number P2007-053259A
Date of registration Aug 3, 2012
Date of issue Oct 17, 2012
Date of publication of application Mar 1, 2007
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)炭素、窒素をドープしてなる希土類多ホウ化物系高温耐酸性n型熱電材料とその製造方法
IPC (International Patent Classification) H01L  35/22        (2006.01)
H01L  35/34        (2006.01)
C04B  35/58        (2006.01)
C01B  35/18        (2006.01)
FI (File Index) H01L 35/22
H01L 35/34
C04B 35/58 105A
C01B 35/18
C04B 35/58 105U
C04B 35/58 105Y
Number of claims or invention 5
Total pages 7
Application Number P2005-237801
Date of filing Aug 18, 2005
Date of request for substantive examination Aug 13, 2008
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】301023238
【氏名又は名称】独立行政法人物質・材料研究機構
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】森 孝雄
【氏名】西村 聡之
Examiner (In Japanese)【審査官】酒井 朋広
Document or reference (In Japanese)特開2001-220130(JP,A)
特開2002-068730(JP,A)
特開2004-356404(JP,A)
特開平11-097750(JP,A)
特開2005-159242(JP,A)
特開2000-143232(JP,A)
Field of search H01L 35/22
C01B 35/18
C04B 35/58
H01L 35/34
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
一般式がREB22+XC4+YN(-5≦X<0、-3<Y≦-2、REは、Sc、Y、Ho、Er、Tm、Luからなる群から選ばれる少なくとも1種の希土類元素)で示される、三斜晶系または菱面体系であることを特徴とする、高温(900K以上)でn型のゼーベック係数、低熱伝導率を示す、炭素、窒素をドープしてなる希土類多ホウ化物系n型熱電変換材料。
【請求項2】
粉末固体からなるRE源、B源、炭素源、窒素源を混合して、
一般式REB22+XC4+YN(-5≦X<0、-3<Y≦-2、REは、Sc、Y、Ho、Er、Tm、Luからなる群から選ばれる少なくとも1種の希土類元素)で規定する化学量論的関係を満足する反応混合物を調整し、真空下または不活性ガス下で加熱して固相反応させることを特徴とした、一般式REB22+XC4+YN(-5≦X<0、-3<Y≦-2、REは、Sc、Y、Ho、Er、Tm、Luからなる群から選ばれる少なくとも1種の希土類元素)で表される、炭素、窒素をドープしてなる希土類多ホウ化物系n型熱電変換材料の製造方法。
【請求項3】
前記RE源とB源とは希土類ホウ化物として与えられることを特徴とする、請求項2に記載する炭素、窒素をドープしてなる希土類多ホウ化物系n型熱電変換材料の製造方法。
【請求項4】
前記固相反応における加熱温度が、1500oC以上1900oC以下であることを特徴とする、請求項2または3に記載する炭素、窒素をドープしてなる希土類多ホウ化物系n型熱電変換材料の製造方法。
【請求項5】
前記固相反応がホットプレス下で行われることを特徴とする、請求項2から4の何れかに記載する炭素、窒素をドープしてなる希土類多ホウ化物系n型熱電変換材料の製造方法。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式がREB22+XC4+YN1+Z(-6<X<6、-3<Y<3、-1<Z<1、RE=Sc、Y、Ho、Er、Tm、Lu)で示される、三斜晶系または菱面体系であることを特徴とする、高温(900K以上)でn型のゼーベック係数、低熱伝導率を示す、炭素、窒素をドープしてなる希土類多ホウ化物系n型熱電変換材料とその製造方法に関する。
【0002】
さらに詳しくは、この発明は、多ホウ化物が2000K以上という高融点を有し、高温下にさらせても安定であり、また、極めて優れた耐酸性を有し、硝酸や硫酸環境下でも安定であるという性質に加えて多ホウ化物化合物で初めてのn型特性を示す炭素、窒素をドープしてなる希土類多ホウ化物系熱電変換材料とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
熱電材料は、現代社会において効率の良いエネルギーシステムを構築するため、新規で効率の良い材料開発、あるいはそのような材料を使用するシステム開発に関して、盛んに研究が行われ、信頼性の高い静かな冷却装置や発電機に使用するための大きな需要が築かれつつある。一方で、多ホウ化物は、特徴として、高融点を有し、高温においても極めて安定であるという劣悪環境下での魅力的な特性を有するけれども、高温でn型の優れた特性を示す化合物群は見つかってなかった。ベータホウ素にバナジウムをドープする試みが行われ、負のゼーベック係数が観測されたことが学術文献に報告されている(非特許文献1)。
【0004】
しかし、この報告書には高温域における特性については全く報告されておらず、あくまでも300K以下の中低温における論文にすぎない。多くの熱電材料が高温(900K以上)で性能が劣化することを考えると、通常、この文献に記載されたものを高温域で使用することを示唆しているとは考えることはできず、あくまでも中、低温域での使用を示唆しているにすぎない。また、その多ホウ化物は、本発明者らが提供する化合物のような構成原子の原子配置が厳しく規定された化合物群ではなく、その開示した製造方法は確度において充分とはいえないものであった。
【0005】
一方で、従来の熱電材料は、高温(900K以上)で性能の鈍化を示さず、安定性に優れた材料がないのが現状であり、特にそうした高温、劣悪な環境下で排熱を利用したような発電が資源や環境の保護に重点が置かれている現代社会で必要であり、その目的のために新しい素材を見出すことが期待されている状況にある。多ホウ化物においては本発明者らグループによって高温でp型の優れた熱電的性質を示す化合物については既に見出されているけれども(特許文献1)、実際の熱電的応用に重要なn型の化合物は見出されてない。
【0006】

【非特許文献1】J.Solid State Chem.154(2000)13。
【特許文献1】特開2005-159242号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来そのような希土類多ホウ化物には得られていない新しい機能として、高温(900K以上)で優れたn型の熱電的性質を有する新しい機能を示す多ホウ化物を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは多ホウ化物がクラスター固体として低い熱伝導率を持つことに注目して、また、伝導機構がホッピング則に従うために高温で急速に抵抗率が低くなることにも注目して、高温における熱電材料の可能性を考えた。また、これまで存在しないn型の特性を持ち得る多ホウ化物化合物群として、層状化合物に特に注目した。良く規定された非ドープの状態で、希土類金属の層が異なる数のホウ素クラスターの層で隔てられている化合物群として、三斜晶系のRE1-x Bl7CN(0≦x≦0.4)(特開2001-220130号公報)と菱面体系のRE1-X B22C3-y N1-z(0≦x≦0.7、0≦y≦2、0≦z≦1)(特開2002-68730号公報)とが存在するが、我々は驚くべきことに、これら関連する化合物群において、組成の変化により、通常のp型に加えて高温に至るまで優れたn型の特性が現れることを知見したものである。
【0009】
例えば、RE1-X B22C3-y N1-z は、x=0.7、y=0.2、z=1の値では、p型の特性を示すことが明らかにされた(図1)が、本発明で規定する組成領域、すなわち、組成領域をREB22+XC4+YN1+Z(-6<X<6、-3<Y<3、-1<Z<1)に設定することによって、高温に至るまで優れたn型の特性を示すことを知見した(図2)。本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであり、その構成は、以下(1)ないし(6)に記載するとおりである。
(1) 一般式がREB22+XC4+YN1+Z(-6<X<6、-3<Y<3、-1<Z<1、REは、Sc、Y、Ho、Er、Tm、Luからなる群から選ばれる少なくとも1種の希土類元素)で示される、三斜晶系または菱面体系であることを特徴とする、高温(900K以上)でn型のゼーベック係数、低熱伝導率を示す、炭素、窒素をドープしてなる希土類多ホウ化物系n型熱電変換材料。
(2) 粉末固体からなるRE源、B源、炭素源、窒素源を混合して、一般式REB22+XC4+YN1+Z(-6<X<6、-3<Y<3、-1<Z<1、REは、Sc、Y、Ho、Er、Tm、Luからなる群から選ばれる少なくとも1種の希土類元素)で規定する化学量論的関係を満足する反応混合物を調整し、真空下または不活性ガス下で加熱して固相反応させることを特徴とした、一般式REB22+XC4+YN1+Z(-6<X<6、-3<Y<3、-1<Z<1、REは、Sc、Y、Ho、Er、Tm、Luからなる群から選ばれる少なくとも1種の希土類元素)で表される、炭素、窒素をドープしてなる希土類多ホウ化物系n型熱電変換材料の製造方法。
(3) 前記固相反応させる加熱温度が、1500oC以上1900oC以下であることを特徴とする、(2)に記載する一般式REB22+XC4+YN1+Z(-6<X<6、-3<Y<3、-1<Z<1、RE=Sc、Y、Ho、Er、Tm、Lu)で表される、炭素、窒素をドープしてなる希土類多ホウ化物系n型熱電変換材料の製造方法。
(4) 前記固相反応がホットプレス下で行われることを特徴とする、(2)に記載する一般式REB22+XC4+YN1+Z(-6<X<6、-3<Y<3、-1<Z<1、RE=Sc、Y、Ho、Er、Tm、Lu)で表される、炭素、窒素をドープしてなる希土類多ホウ化物系n型熱電変換材料の製造方法。
(5) 希土類元素に対するホウ素の比がV(Vは、4<V<15の範囲で示される任意の数値)となるように、希土類酸化物(RE2O3)にホウ素を混合し、その混合物を真空下で1200oC温度以上2200oC以下で固相反応し、ホウ素によって還元されて得られたREBV-3/2を用いて、希土類元素に対するホウ素の比が26+X(-10<X<10)で、希土類元素に対する炭素の比が4+Y(-3<Y<3)で、希土類元素に対する窒素の比が1+Z(-1<Y<1)となるように、REBV-3にホウ素と炭素と窒化ホウ素とを混合し、その混合物を真空下で1500oC温度以上1900oC以下で固相反応させる、2段階反応によることを特徴とする、(2)に記載する一般式REB22+XC4+YN1+Z(-6<X<6、-3<Y<3、-1<Z<1、REは、Sc、Y、Ho、Er、Tm、Luからなる群から選ばれる少なくとも1種の希土類元素)で表される、炭素、窒素をドープしてなる希土類多ホウ化物系n型熱電変換材料の製造方法。
(6) 前記固相反応がホットプレス下で行われることを特徴とする、(5)に記載する一般式REB22+XC4+YN1+Z(-6<X<6、-3<Y<3、-1<Z<1、REは、Sc、Y、Ho、Er、Tm、Luからなる群から選ばれる少なくとも1種の希土類元素)で表される、炭素、窒素をドープしてなる希土類多ホウ化物系n型熱電変換材料の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
以上詳しく説明した通り、本発明は、炭素、窒素をドープしてなる新規な希土類多ホウ化物を提供するものであり、これによって高温(900K以上)のn型の熱電変換材料が提供される。融点も高く、高温2000Kに至るまで安定であり、温度上昇に伴い熱電材料としての性能が高くなるので、900K以上で使用できる高温のn型熱電材料や高温と同時に酸性雰囲気下でも使用できるn型熱電材料としての応用が可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
一般式がREB22+XC4+YN1+Z(-6<X<6、-3<Y<3、-1<Z<1、REは、Sc、Y、Ho、Er、Tm、Luからなる群から選ばれる少なくとも1種の希土類元素)で示される、三斜晶系または菱面体系であることを特徴とする、高温(900K以上)でn型のゼーベック係数、低熱伝導率を示す、炭素、窒素をドープしてなる希土類多ホウ化物系n型熱電変換材料を製造する好ましい反応プロセスを以下に示す。
【0012】
反応プロセス1;
希土類元素に対するホウ素の比が22+X(-6<X<6)で、希土類元素に対する炭素の比が4+Y(-3<Y<3) で、希土類元素に対する窒素の比が1+Z(-1<Y<1)となるように、既知の希土類ホウ化物(REB2、REB4、REB6、REB12等)にホウ素と炭素と窒化ホウ素を混合し、その混合物を真空下または不活性ガス下で1500oC温度以上1900oC以下で固相反応する。なお、固相反応はホットプレス下の加圧下W気圧(0<W<40000)で行うこともありえる。
【0013】
反応プロセス2;
2段階の反応を行う。希土類元素に対するホウ素の比がV(4<V<15)となるように、希土類酸化物(RE2O3)にホウ素を混合し、その混合物を真空下で1200oC温度以上2200oC以下で固相反応する。酸素がホウ素によって還元されて得られたREBV-3/2を用いて、希土類元素に対するホウ素の比が26+X(-10<X<10)で、希土類元素に対する炭素の比が4+Y(-3<Y<3)で、希土類元素に対する窒素の比が1+Z(-1<Y<1)となるように、REBV-3にホウ素と炭素と窒化ホウ素を混合し、その混合物を真空下で1500oC温度以上1900oC以下で固相反応する。なお、固相反応はホットプレス下の加圧下W気圧(0<W<40000)で行うこともありえる。
【0014】
上記開示した反応プロセスによって、本発明の炭素、窒素をドープしてなる希土類多ホウ化物の合成例と得られた生成物の同定結果を示す。
【0015】
合成例;
まず、Ho2O3粉末とB粉末とを、Hoに対するBの比が8となる割合(重量)で混合し、これを加圧成形し、真空中、1500oCで4時間反応焼結した。得られた焼結体(酸素がホウ素により還元されてHoB5の組成の燒結体である)を粉砕して、Hoに対するBの比が29で、Hoに対するCの比が4になるようにBとCを添加して混合し、これを加圧成形したものを真空中、1700oCで10時間加熱した。得られた生成物を化学分析した結果、[B]/[Ho]=22、[C]/[Ho]=2、[N]/[Ho]=1となり、HoB22+XC4+YN1+Z(X=0、Y=-2、Z=0)のほぼ所望の組成と近似するホルミウム多ホウ化物が得られたことが確認された。そして、これを粉末X線回折によって結晶を同定した結果、格子定数a=5.62Å、c=44.68Åの三斜晶系に属することが指数付けされた。
【0016】
以下に実施例を示し、さらにこの発明について詳しく説明する。
【実施例】
【0017】
実施例1;
既知の希土類ホウ化物REB6に、希土類元素に対するホウ素の比が22+X(-6<X<6)かつ窒素の比が1+Z(-1<Z<1)となるようにホウ素粉末のアモルファスホウ素と窒化ホウ素を混合し、希土類元素に対する炭素の比が4+Y(-3<Y<3)となるように炭素とを混合し、その混合物を不活性ガス下で1600oCで10時間固相反応した。得られた焼結体について高温に至るまで熱電特性について測定を行った。その結果、一般式REB22+XC4+YN1+Z(-6<X<6、-3<Y<3、-1<Z<1)で示されてなる化合物は、n型特性を示し、1000K以上においても絶対値58μV/K以上の高いゼ-ベック係数を示し、高温に行くほど上昇して行くことが観測されたので高温900K以上で使用するn型の熱電材料としての応用が可能になった。
【0018】
そして、このREB22+XC4+YN1+Z(-6<X<6、-3<Y<3、-1<Z<1)は硝酸、硫酸下でも安定であることが確認された。これにより将来的には劣悪な環境、例えば、惑星無人探索等における発電システムとしての使用も考えられる。ちなみに、木星の月Europa上などにおいては硫酸が充満している環境であるといわれている。本発明による希土類多ホウ化物はそのような環境下でも長期間にわたって安定に機能しえ、n型の熱電材料として魅力的な特性が備わった化合物であるので、本発明に先んじて開発された高温安定性と耐酸性を有してなるp型多ホウ化物(特開2005-159242号公報)と組み合わせて、pn接合におけるn型熱電変換素子として設計可能である。勿論、この発明は、以上の例によって限定されることはない。細部については様々な様態が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0019】
以上詳しく説明した通り、この発明によって、炭素、窒素をドープしてなる
希土類多ホウ化物を創出することによって、高温のn型熱電素子が提供される。融点も高く、高温2000Kに至るまで安定であり、温度上昇に伴い熱電素子としての性能が高くなるので、900K以上で使用できる高温のn型熱電材料や高温と同時に酸性雰囲気下でも使用できるn型熱電材料としての応用が可能になった。将来的には劣悪な環境、例えば、他惑星無人探索等においての使用も考えられる。実際に、木星の月Europa上などにおいては硫酸が充満している環境である。当多ホウ化物はそのような環境下でも安定であり、熱電材料として魅力的な特性が備わった化合物であるので、特異性があり、素子として使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明で規定する領域外で設定されたp型希土類多ホウ化物熱電材料の特性を示すグラフである。
【図2】本発明の実施例1で得られたn型希土類多ホウ化物熱電材料の特性を示すグラフである。
Drawing
(In Japanese)【図1】
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(In Japanese)【図2】
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