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Specification :(In Japanese)流体用密度測定装置および密度測定方法

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P4336779
Publication number P2007-170962A
Date of registration Jul 10, 2009
Date of issue Sep 30, 2009
Date of publication of application Jul 5, 2007
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)流体用密度測定装置および密度測定方法
IPC (International Patent Classification) G01N   9/00        (2006.01)
FI (File Index) G01N 9/00 E
Number of claims or invention 8
Total pages 10
Application Number P2005-368470
Date of filing Dec 21, 2005
Date of request for substantive examination Mar 26, 2007
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】304021831
【氏名又は名称】国立大学法人 千葉大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】東崎 健一
【氏名】スー カリヤン
Examiner (In Japanese)【審査官】▲高▼見 重雄
Document or reference (In Japanese)実開昭63-021843(JP,U)
特開2004-170272(JP,A)
特開平04-151538(JP,A)
特開平03-146847(JP,A)
Field of search G01N 9/00
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
流体である被測定物質を収容した容器内に、外周部に貫通穴を有するはずみ車を設置して前記はずみ車の前記貫通穴に被測定物質を満たし、
前記貫通穴に被測定物質が満たされたはずみ車を回転振動させ、
その共振周波数を測定して、
該共振周波数から前記被測定物質の質量を算出して前記流体である被測定物質の密度を測定する方法。
【請求項2】
流体である被測定物質を収容した容器と、
該容器内に配置され、外周部に貫通穴を有し、かつ、前記貫通穴に前記被測定物質が満たされたはずみ車と、
該はずみ車を励振する手段と、
該はずみ車を励振する手段により生じた振動の共振周波数を測定する手段を有し、
該共振周波数から、流体である前記被測定物質の質量を決定して、
流体である被測定物質の密度を測定することを特徴とする流体用密度測定装置。
【請求項3】
はずみ車が回転振動軸としてトーションワイヤーを有し、
該トーションワイヤーが、はずみ車を囲む枠に固定され、該枠の外側まで延長され、
該枠にはずみ車を励振する手段が当接し、
該トーションワイヤーの延長部が、容器に固定された支持部材で回転振動可能に軸支されていることを特徴とする請求項2記載の流体用密度測定装置。
【請求項4】
はずみ車を励振する手段と、
はずみ車を励振する手段により生じた振動を検出する手段は、
同一のトランスデューサーであることを特徴とする請求項2又は3記載の流体用密度測定装置。
【請求項5】
上記トランスデューサーは、圧電素子であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の流体用密度測定装置。
【請求項6】
はずみ車とトランスデューサーは、マイクロ機械工作技術またはマイクロエレクトメカニカルシステム(MEMS)技術で製作されていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の流体用密度測定装置。
【請求項7】
インピーダンスアナライザーで、トランスデューサーの電気的複素インピーダンスを、周波数を掃引しながら測定し、
該測定結果を統計的処理して、共振周波数を決定することを特徴とする請求項1記載の流体である被測定物質の密度を測定する方法。
【請求項8】
トランスデューサーの電気的複素インピーダンスを、周波数を掃引しながら測定するインピーダンスアナライザーと、
該測定結果を統計的処理して共振周波数を測定する手段とを有することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか記載の流体用密度測定装置。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、流体用密度測定装置および密度測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
密度は物質の重要な基本的物理量であり、温度や圧力によって変化するほか、物質の反応・溶解などの状態変化によっても変質する。超臨界流体を始め、生産工程における高圧の利用が増えているが、それらの過程で物質の密度を知る事は状態把握のためにきわめて重要である。
【0003】
そこで、従来より、以下のような流体用密度測定法・装置が用いられている。
(1)振動管密度計
被測定試料をチューブの中に入れて振動させ、その共振周波数からチューブ中の試料質量を算出して密度を測定する振動管密度計が開示されている。(非特許文献1、特許文献1)
(2)回転振動式密度計
ベンディング振動による圧電振動板を用い、検液子を測定液中で円方向振動させて測定液の粘度または密度を測定する検液計が開示されている。(特許文献2)
(3)その他
また、音叉振動子に生じる液体からの粘性抵抗を検出する音叉型振動子密度計、ガンマ線源から放射されたガンマ線を、配管内の流体を透過させてガンマ線検出器により検出したときのガンマ線の強度変化に基づいて流体の密度を測定するにガンマ線式密度計なども用いられている。
【0004】

【非特許文献1】High-temperaturehigh-pressure oscillating tube densimeter”, R. F. Chang and M. R. Moldover;Rev. Sci. Instrum. 67 (1995) 251.
【特許文献1】特開平11-604681号公報
【特許文献2】特許第3686404号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、これら従来の流体用密度計は、特に、超臨界流体の正確な測定には用いられてこなかった。また実用上困難であった。即ち、従来の方法・装置では、高圧下で超臨界流体の密度を測定する場合、以下の課題があり解決が極めて困難であった。
(1)温度特性
振動管密度計の場合、チューブを圧力容器外に取付けるため温度や被測定物質の不均一性が生じやすい。従って、完全に圧力容器内で測定することが望ましい。
【0006】
(2)高分解能
高圧ではチューブの肉厚が大きくなるため、相対的に被測定物質の質量が小さくなり測定結果に大きな誤差を含むようになる。また、特許文献2のベンディング振動圧電振動板を用い、検液子を測定液中で円方向振動させて測定液の粘度または密度を測定する検液計は、純粋な回転ではなく弓状のたわみ振動によるため、弓の一端を回転軸に取り付けると軸に回転のモーメントを与える事が可能である。しかし、弓の多端を固定するため、軸には回転以外に引き寄せようとする力が同時に働き、それの変形が容易でない場合は振動特性が劣化する(振動のQ値が低下する)。この事は、共振周波数を高分解能で決定する場合影響がある。また。この圧電振動板を試料中に設置した場合は、たわみ変形の時に周辺の試料物質を押す事になるので、振動のQ値の低下が起こると予想される。
【0007】
(3)高耐圧
測定精度上は、チューブの肉厚を薄くすることが望ましいが、超臨界流体の測定においては、20MPa以上にもなる高圧に耐えられない。
【0008】
(4)小型化
制御回路、装置の構成が複雑なため、小型化することが困難である。従って、微少な測定物質への対応が困難である。また、音叉型振動子密度計、ガンマ線式密度計は、測定試料に限定がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、極めて簡単な構成で精密な密度測定を可能にする流体の流体用密度測定装置および密度測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明者は、鋭意研究した結果、以下の点に着目した。
(着目点)
測定試料を穴内に含むはずみ車を吊るして、回転(ねじり)振動子とし、振動子の共振周波数変化より試料密度を算出するものである。従来の方法と比べて小型で、加振方法を工夫することによって高圧下にある流体の密度測定が容易に行えるようになった。また加振と振動検出を一つの素子で行うことによって装置をシンプルにし、信頼性を高めることができた。本方法は従来困難であった超臨界領域など流体の密度が環境により急激に変化する条件での高精度測定を可能にする。
【0010】
上記に着目した結果、本発明を以下のように構成する。
第一の構成は、流体である被測定物質を収容した容器内に、外周部に貫通穴を有するはずみ車を設置して前記はずみ車の前記貫通穴に被測定物質を満たし、前記貫通穴に被測定物質が満たされたはずみ車を回転振動させ、その共振周波数を測定して、該共振周波数から前記被測定物質の質量を算出して前記流体である被測定物質の密度を測定する方法である。
【0011】
第二の構成は、流体である被測定物質を収容した容器と、該容器内に配置され、外周部に貫通穴を有し、かつ、前記貫通穴に前記被測定物質が満たされたはずみ車と、該はずみ車を励振する手段と、該はずみ車を励振する手段により生じた振動の共振周波数を測定する手段を有し、該共振周波数から、流体である前記被測定物質の質量を決定して、流体である被測定物質の密度を測定することを特徴とする流体用密度測定装置である。
【0012】
第三の構成は、上記第二の構成に加え、はずみ車が回転振動軸としてトーションワイヤーを有し、該トーションワイヤーが、はずみ車を囲む枠に固定され、該枠の外側まで延長され、該枠にはずみ車を励振する手段が当接し、該トーションワイヤーの延長部が、容器に固定された支持部材で回転振動可能に軸支されている流体用密度測定装置である。
【0013】
第四の構成は、上記第二又は第三の構成に加え、はずみ車を励振する手段と、はずみ車を励振する手段により生じた振動を検出する手段は、同一のトランスデューサーである流体用密度測定装置である。
【0014】
第五の構成は、上記第二乃至第四のいずれかの構成に加え、上記トランスデューサーは、圧電素子である流体用密度測定装置である。
【0015】
第六の構成は、上記第二乃至第五のいずれかの構成に加え、はずみ車とトランスデューサーは、マイクロ機械工作技術またはマイクロエレクトメカニカルシステム(MEMS)技術で製作されている流体用密度測定装置である。
【0016】
第七の構成は、上記第一の構成に加え、インピーダンスアナライザーで、トランスデューサーの電気的複素インピーダンスを、周波数を掃引しながら測定し、該測定結果を統計的処理して、共振周波数を決定する流体密度を測定する方法である。
【0017】
第八の構成は、上記第二乃至第六の構成に加え、トランスデューサーの電気的複素インピーダンスを、周波数を掃引しながら測定するインピーダンスアナライザーと、該測定結果を統計的処理して共振周波数を測定する手段とを有する流体用密度測定装置である。
【0018】
上記のように構成した本発明により、以下のようにこれらの課題を解決する。
【発明の効果】
【0019】
(1)温度特性の改善
はずみ車の励振と振動検出を同一のトランスデューサーで行うことにより共鳴機構を小型に、計測システムをシンプルにすることができた。センサー部が小型であるため温度の均一性が良い。トランスデューサーとして実施例では圧電素子を使用したが、そのほか磁力や静電気力なども使用可能である。
(2)統計的処理による測定精度の向上
共振周波数の測定は、インピーダンスアナライザーで、トランスデューサー素子の電気的複素インピーダンスを周波数を掃引しながら測定することによって行うことができる。この測定データーから統計的処理を用いて共振周波数を高分解能で決定する事ができる。
(3)高耐圧
本発明は、被測定物質を内包した例えば円盤型のはずみ車を圧力容器内に設置して回転振動させ、そのときの共振周波数から被測定物質の質量を算出する方法を用いる。はずみ車内の被測定物質は円盤に設けられた穴から自由に出入りできるため、高圧容器内に設置しても壊れにくい。
(4)小型化
はずみ車を含む共鳴機構は、マイクロ切削、マイクロ研削、マイクロ放電加工、マイクロレーザ加工等のマイクロ機械工作技術を用いる事によって10μm以下の大きさに作る事が可能である。このことによって設置スペースが小さくて済み、測定に必要な被測定物質量も微量ですむ。または、装置と回路構成が簡単なため、半導体の微細加工技術を駆使して作製された微小な部品から構成されるマイクロエレクトメカニカルシステム(MEMS)技術を用いれば、トランスデューサー、電気信号系回路まで含めて微小なワンチップセンサーを製造することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、この発明の実施形態(以下本発明という)を図面により説明する。
【実施例】
【0021】
(1)全体構成(図1)
本発明は、図示はしないが流体である被測定物質を収容した容器と、図1に示す該容器内に配置され被測定物質を内包したはずみ車1と、該はずみ車1を励振する手段3と、該はずみ車1を励振する手段により生じた振動を検出してその共振周波数を測定する手段(本実施例では、該はずみ車1を励振する手段3と同一)を有し、該共振周波数から、流体である被測定物質の質量を測定することにより流体である被測定物質の密度を測定することを特徴とする流体用密度測定装置である。
特に、はずみ車1が回転振動軸としてトーションワイヤー2を有し、該トーションワイヤー2が、はずみ車を囲む枠、好ましくは矩形枠6に固定され、かつ該枠6の外側まで延長され、該枠6にはずみ車1を励振する手段3が当接し、該トーションワイヤーの延長部が、容器に固定された支持部材4で回転振動可能に軸支されている流体用密度測定装置である。
【0022】
以下に本発明の要部を、さらに説明する。
(2)密度センサー(図1a,b,c)
(全体構成)
密度センサーの図を図1に示す。円盤形はずみ車1の回転軸としてトーションワイヤー2を通し、そのワイヤーを外側の矩形枠6に固定する。図1中のFIG.1aは平面図、bは、
1aのAA‘線における断面図、cは、1aのBB’線における断面図である。
(はずみ車)
はずみ車1は、加工性に優れた真鍮を用いた。はずみ車1の外周部には直径1.6mmの貫通穴5が16個等間隔で並んでいる。この穴5には被測定物質が充填される。被測定物質の密度に依存してはずみ車1の慣性モーメントの値は変化する。
なお、はずみ車1は、上記材料に限定されず、用途に合わせて様々に選択できる。例えば、多孔質構造体、多孔質セラミックスや多孔質金属も可能である。吸湿性の高い材料を選択すれば、高精度な湿度測定も可能である。
トーションワイヤー2はりん青銅製で、はずみ車1に固定され、矩形枠6の外まで両側に延びていて、トーションワイヤー2の両端をはずみ車1が回転できるように支える。このとき回転軸2と矩形枠6が水平になるようにして支える。回転軸と垂直方向にある矩形枠6の一辺を上下に振動数fで振動させる。なお、本発明では、該トーションワイヤーの延長部が、容器に固定された支持部材4で回転振動可能に軸支されている流体用密度測定装置について、図示しているが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、容器内につり下げる構造でも可能性がある。
(トランスデューサー)
この振動源として実施例では圧電素子を用いた。圧電素子3を、圧電薄膜素子にすれば、さらに小型にすることができる。また、はずみ車を励振する手段とはずみ車を励振する手段により生じた振動を検出する手段は、圧電素子ばかりでなく、電気的または磁気的素子も選ぶことができるので、各種の流体である被測定物質を選択できる。
(矩形枠)
圧電振動子3により発生した上下振動が矩形枠6に伝達されると、トーションワイヤー2に回転振動方向のトルクが加わり、はずみ車1に運動エネルギーが蓄積され、回転振動する。はずみ車1のコギングを防ぐため、回転軸と垂直方向にある矩形枠6の一辺の対向した他のー辺の形状等を工夫して、上下振動のバランスをとるのが望ましい。
【0023】
(3)電気信号系(図2)
電気的接続図を図2に示す。上記圧電素子3を、振動源兼振動検出器として用いる場合、圧電素子3を、交流ブリッジかインピーダンスアナライザーに接続してアドミッタンスを測定すれば、共振周波数を決定するためのデーターが得られる。
実施例では、インピーダンスアナライザーを使用し、該トランスデューサー3の電気的複素インピーダンスを、周波数を掃引しながら測定した結果を、統計的処理を用いて、共振周波数を高分解能で決定する。このため、市販のパーソナルコンピュータを用いることができる。または、演算処理がハードウェア化されもしくはプログラムによって制御されるDSP等の専用プロセッサを用いる。
上記のように、本発明は、簡単な構成で、高精度な測定が可能である。
【0024】
(4)高圧容器等その他の構成
本発明は、上記のように、小型かつ簡易に構成できるので、恒温槽内に配置して、温度
を安定させてさらに測定精度を向上できる。
【0025】
(5)測定結果例
上記のように構成された本発明において、空気を大気圧中で測定した結果を、図3に示す。インピーダンスアナライザー(ヒューレッドパッカード社製HP4192A)を用いて測定したコンダクタンスGとサセプタンスBの周波数依存性を図3に示す。このとき圧電素子に加えた交流電圧0.1Vである。
図3はきれいな共振特性を示していて、共振周波数:fr=507.06Hzを与える。この値は文献値より計算で求めた値と一致する。もし、はずみ車1に開けられた穴に密度1g/cm3の物質が満たされているとすると共振周波数は、約5.6Hz小さな値になる。従って共振周波数の変化より穴を満たしている物質の密度を±0.001g/cm3以内で求める事が出来る。
【0026】
(6)応用
本発明を高圧容器に配置して、流体である被測定物質の極めて簡易な構成で、高精度な密度測定が可能になる。また、超臨界流体の密度測定に最適である。超臨界流体は拡散性と、溶解性を持ち、密度を連続してこれを大幅に変化できる特長があり、上記のように、反応溶媒、抽出・精製、材料形態制御等への応用が注目され、各種の流体で研究されている。本発明により、高圧下において、高分解能で連続した密度測定ができるので、臨界点を精密に測定できる。また、測定装置の小型化が可能であるから、被測定物質は少量でも可能である。従って、各種の試験・研究に好都合である。また、超臨界の加圧に際して、超高圧装置のブーローアウトを未然に防ぐ可能性もある。また、本発明は、湿度測定装置としての応用も可能である。
【産業上の利用可能性】
【0027】
上記のように、本発明は極めて簡単な構成にも関わらず、高精度な流体の密度の測定、特に、超臨界流体の密度を測定できるので、有力な物性研究・材料評価手法が可能になり、極めて有用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】密度センサーを説明する図
【図2】測定システム
【図3】測定結果(コンダクタンスGとサセプタンスBの周波数依存性)
【符号の説明】
【0029】
1…はずみ車
2…トーションワイヤー
3…トランスデューサー
4…支持部材
5…はずみ車の穴
6…枠
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2