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Specification :(In Japanese)高域信号補間方法及び高域信号補間装置

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P4701392
Publication number P2007-025480A
Date of registration Mar 18, 2011
Date of issue Jun 15, 2011
Date of publication of application Feb 1, 2007
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)高域信号補間方法及び高域信号補間装置
IPC (International Patent Classification) G10L  21/04        (2006.01)
FI (File Index) G10L 21/04 130A
Number of claims or invention 5
Total pages 7
Application Number P2005-210124
Date of filing Jul 20, 2005
Date of request for substantive examination May 21, 2008
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】佐藤 寧
Representative (In Japanese)【識別番号】100122884、【弁理士】、【氏名又は名称】角田 芳末
【識別番号】100113516、【弁理士】、【氏名又は名称】磯山 弘信
Examiner (In Japanese)【審査官】菊池 智紀
Document or reference (In Japanese)特開平07-093900(JP,A)
特開2002-175092(JP,A)
特開2004-198485(JP,A)
特開2002-015522(JP,A)
国際公開第2003/003345(WO,A1)
国際公開第2003/019533(WO,A1)
Field of search G10L 19/00-21/04
JSTPlus(JDreamII)
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
オーディオ信号の解析信号を生成し、前記解析信号からその実部と虚部を求めるステップと
前記オーディオ信号の実部と虚部それぞれを自乗回路により2乗するステップと
前記自乗回路から得られる実部と虚部を加算した後、その平方根をとることにより、前記オーディオ信号の包絡成分を形成するステップと、
前記包絡成分からハイパスフィルタを用いて高調波部分を取り出すステップと
前記オーディオ信号に前記ハイパスフィルタからの出力を加算するステップと、を含む高域信号補間方法。
【請求項2】
入力端子に供給されるオーディオ信号の解析信号を生成し、前記解析信号からその実部と虚部を求める解析回路と、
前記解析回路で求められた前記オーディオ信号の実部と虚部それぞれを2乗する自乗回路と、
前記自乗回路から得られる実部と虚部を加算した後、その平方根をとることにより、前記オーディオ信号の包絡成分を形成する包絡成分形成回路と、
前記包絡成分から高調波部分を取り出すためのハイパスフィルタと
前記オーディオ信号に前記ハイパスフィルタからの出力を加算する加算回路と、を備える高域信号補間装置。
【請求項3】
前記入力端子に供給されるオーディオ信号は、前記高調波部分が含まれないように帯域制限を行うローパスフィルタを介して前記加算回路に供給される、
請求項2に記載の高域信号補間装置。
【請求項4】
前記入力端子に供給されるオーディオ信号には、予め前記高調波部分が含まれないように帯域制限が施されている、
請求項2または3に記載の高域信号補間装置。
【請求項5】
前記解析回路は、ヒルベルト変換回路で構成される、請求項2~4のいずれかに記載の高域信号補間装置。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばMP3のような圧縮を伴うデジタルオーディオ機器や、電話機等に使用して好適な高域信号補間方法及び高域信号補間装置に関する。詳しくは、圧縮等によって欠落している高域信号を擬似的に補間するようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来の高域信号補間では、被補間信号を周波数変換することにより補間用信号を生成している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、原信号に相関のない高周波信号を加算しているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
すなわち、高域信号補間において、従来は周波数変換により補間用信号を生成したり、原信号に相関のない高周波信号を加算したりしているものである。

【特許文献1】特開2004-184472号公報
【特許文献2】特開平1-131400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、音楽等の音声を表す音声データを、インターネット等のネットワークを介して配信したり、MD(Mini Disk)等の記録媒体に記録したりして利用することが、盛んになっている。このように、ネットワークで配信されたり記録媒体に記録されたりする音声データでは、帯域が過度に広くなることによるデータ量の増大や占有帯域幅の広がりを避けるため、一般に、供給する対象の音楽等のうち一定の周波数以上の成分を除去している。
【0006】
すなわち、例えば、MP3(MPEG1 audio layer 3)形式の音声データでは、約16キロヘルツ以上の周波数成分が除去されている。また、ATRAC3(Adaptive TRansform Acoustic Coding 3)形式の音声データでは、約14キロヘルツ以上の周波数成分が除去されている。
【0007】
このように高域の周波数成分が除去されるのは、人間の聴覚との関係から可聴域を超える周波数成分は不要と考えられているからである。しかしながら、上述のように高域の周波数成分が完全に除去された信号では、音質が微妙に変化し、オリジナルの音楽等に比べて音質が劣化していることが指摘されるようになってきた。
【0008】
そこで上述の特許文献1、2に記載の技術では、いずれも除去された高域信号を補間するものであるが、特許文献1に記載の技術では、周波数変換のためにDSP(Digital Signal Processor)を用いるなど、複雑な回路構成が必要とされる。また、特許文献2に記載の技術では、相関のない高周波信号であるために充分な効果は得ることができないものであった。
【0009】
この発明はこのような問題点に鑑みて成されたものであって、本発明の目的は、簡単な構成で、より良好な高域信号の補間が行われるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の高域信号補間方法は、以下の(a)~(e)のステップを含む。
(a)オーディオ信号の解析信号を生成し、この解析信号からその実部と虚部を求めるステップ
(b)オーディオ信号の実部と虚部それぞれを自乗回路により2乗するステップ
(c)自乗回路から得られる実部と虚部を加算した後、その平方根をとることにより、オーディオ信号の包絡成分を形成するステップ、
(d)包絡成分からハイパスフィルタを用いて高調波部分を取り出すステップ
(e)オーディオ信号に前記ハイパスフィルタからの出力を加算するステップ
【0011】
また、本発明の高域信号補間装置は、入力端子に供給されるオーディオ信号の解析信号を生成し、この解析信号からその実部と虚部を求める解析回路と、この解析回路で求められたオーディオ信号の実部と虚部それぞれを2乗する自乗回路とを備える。また、自乗回路から得られる実部と虚部を加算した後、その平方根をとることにより、オーディオ信号の包絡成分を形成する包絡成分形成回路と、この包絡成分から高調波部分を取り出すためのハイパスフィルタとオーディオ信号にハイパスフィルタからの出力を加算する加算回路とを備える。
【0012】
また、本発明の好ましい形態においては、入力端子に供給されるオーディオ信号は、高調波部分が含まれないように帯域制限を行うローパスフィルタを介して加算回路に供給されるようにしている。更に、入力端子に供給されるオーディオ信号には、予め高調波部分が含まれないように帯域制限を施こすようにしている。また、解析信号からその実部と虚部を求める解析回路としては、ヒルベルト変換回路が用いられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の高域信号補間方法及び高域信号補間装置によれば、原信号の解析信号の実部と虚部を用いて原信号の包絡成分を形成し、形成された包絡成分の高調波部分を取り出して補間を行うようにしたので、極めて簡単な構成で良好な高域信号が形成され、実用的な高域信号補間を実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を説明するに、図1は本発明による高域信号補間方法及び高域信号補間装置を適用した装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1において、入力端子1には、例えばMP3やATRAC3のような圧縮を伴うデジタルオーディオ機器から再生されたデジタルオーディオ信号が原信号として供給される。この入力端子1に供給された原信号が、解析信号を生成するための例えばヒルベルト変換回路2に供給され、解析信号の実部R及び虚部Iがそれぞれ独立して取り出される。
【0018】
さらに、実部R及び虚部Iはそれぞれ自乗回路3、4に供給され、それぞれ自乗された信号が加算回路5で加算される。そしてこの加算信号が平方根回路6に供給される。これにより平方根回路6から、原信号の包絡成分が取り出されるが、この包絡成分には高調波成分が形成されているものである。
【0019】
そこで、平方根回路6から取り出された高調波部分を含んだ包絡成分をハイパスフィルタ(HPF)7に送り、高調波成分を取り出すようにする。一方、入力端子1からの原信号の高域部分をローパスフィルタ(LPF)8で除いた信号を形成し、これらのハイパスフィルタ7とローパスフィルタ8の出力信号を加算回路9で加算して出力端子10に出力する。これにより、出力端子10から、高域信号が重畳(強調)された信号が得られる。
【0020】
このようにして、例えばMP3やATRAC3のような圧縮を伴うデジタルオーディオ機器から再生されたデジタルオーディオ信号に対して、高域信号の補間が行われる。すなわち、ハイパスフィルタ7で取り出される包絡成分の高調波部分を、高域成分の除かれた原信号に加えることにより、高域信号の補間を行うことができる。
【0021】
そしてこの場合に、上述のように包絡成分に形成される高調波成分は、原信号の特性に近似したものであり、この高調波成分で補間を行うことで極めて良好な高域信号の補間を行うことができる。なお、図2のAには補間前の信号を示し、図2のBに補間後の信号を示している。この図2からわかるように、本発明によれば極めて良好な補間を行うことができることがわかる。
【0022】
また、上述の図1に示した回路構成において、ヒルベルト変換回路2は例えば図3に示すように単位遅延回路Dを縦続に設け、その中間点の出力から実部Rを得ると共に、各段の出力をシグマ回路Σで加算することによって虚部Iを得る。このような回路を用いることによって、解析信号の実部R及び虚部Iをそれぞれ独立して取り出すことができる。
【0023】
さらに自乗回路3、4及び加算回路5、9は、デジタル演算器を用いて容易に形成できる。また、平方根回路6は演算器を形成すると複雑になるが、デジタルオーディオ信号の場合は値の範囲が限られているので、例えばリードオンリーメモリを用いたルックアップテーブル等によって容易に形成することができるものである。
【0024】
また、ハイパスフィルタ7とローパスフィルタ8も、FIR(Finit-duration Impulse Response)等のデジタルフィルタによって容易に形成できる。なお、図1においては、原信号の高域部分を除くローパスフィルタ8を設けたが、入力端子1に供給されるデジタルオーディオ信号が、予めローパスフィルタを介したものであるときは無くてもよい。
【0025】
さらに、上述した本発明による高域信号補間の原理は、以下のように説明される。
【0026】
すなわち、一般的に包絡信号を生成する場合には、ピーク検波などの方法が採られる。しかしながらその場合には、キャリア成分以上の周波数を発生させることはできない。そこで、ヒルベルト変換を利用して解析信号を発生させることで、原信号以上の周波数の計算を可能にすることができる。
【0027】
一般的には、信号の値が最大または最小になる時点を標本化しない限り振幅を正確に求めることはできないが、ヒルベルト変換を利用して解析信号を発生させ、この解析信号を用いることで任意の標本化時点の振幅を計算することができるのである。そしてこの場合の原理としては、ベクトル量を求める(sin2θ+cos2θ=1)の性質が利用される。
【0028】
つまり、任意の時点での解析信号の実部をXr、虚部をXiとすれば、振幅Aは、
A=√(Xr*Xr+Xi*Xi)
となり、従って、原信号を一種の振幅変調された信号として考えると、振幅が時間と共に変化する信号であっても任意の時刻の振幅を求めることが可能となる。
【0029】
この場合に、変調された信号を次式のように仮定する。
g[n]=(1+s[n])(sin[w0n])
ここで以下の計算を簡単にするため、上式の(1+s[n])を一定とすると、この信号は、
g[n]=(1+s[n])(sin[w0n]+jcos[w0n])
となる。なお、実際にはヒルベルト変換のフィルタの次数をMとすれば、M/2の遅延も表現する必要があるが、実部と虚部ともにM/2だけ遅延するとすれば、この遅延は相殺することができる。
【0030】
さらに、上式の(1+s[n])≧0と仮定すると、この式で表される信号の絶対値|g[n]|は、
|g[n]|=(1+s[n])*√(sin2 [w0n]+cos2[w0n])=(1+s[n])
となり、従って、振幅変調されたような原信号の復調結果を得ることが可能になる。ただしこの場合に、入力信号に直流成分が含まれていると、信号は
g[n]=(1+s[n])(sin[w0n])+Cdc
となる。
【0031】
そこで、この信号から得られる信号の絶対値は、Cdcが(1+s[n])より充分小さいものとして仮定すると、次のように近似できる。
|g[n]|∝(1+s[n])+Cdc*(sin[w0n])
従って、入力信号に直流成分が重畳していると、信号処理の結果には搬送波の成分が現れてしまうことになり、ハイパスフィルタでフィルタリングする必要がある。
【0032】
以上の理由により、従来では高域補間を行う場合には単純な周波数スペクトルを持つ信号であっても、高域周波数へ写像されてしまうような音質劣化につながる問題点を解決し、よりピュアな高域補間を可能とすることができる。
【0033】
こうして本発明の高域信号補間方法及び高域信号補間装置によれば、原信号の解析信号を生成し、解析信号の実部と虚部を求め、実部と虚部により原信号の包絡成分を形成し、包絡成分の高調波部分を取り出して原信号に加算することにより、極めて簡単な構成で良好な高域信号が形成され、実用的な高域信号補間を実施することができるものである。
【0034】
なお本発明は、上述の説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能とされるものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による高域信号補間方法及び高域信号補間装置を適用した装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】その説明のための波形図である。
【図3】ヒルベルト変換回路の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0036】
1…入力端子、2…ヒルベルト変換回路、3,4…自乗回路、5,9…加算回路、6…平方根回路、7…ハイパスフィルタ、8…ローパスフィルタ、10…出力端子
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2