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Specification :(In Japanese)キトサンの極細繊維及びその製造方法

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P4992024
Publication number P2008-308780A
Date of registration May 18, 2012
Date of issue Aug 8, 2012
Date of publication of application Dec 25, 2008
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)キトサンの極細繊維及びその製造方法
IPC (International Patent Classification) D01F   9/00        (2006.01)
D01D   5/04        (2006.01)
D04H   1/728       (2012.01)
FI (File Index) D01F 9/00 A
D01D 5/04
D04H 1/72 C
Number of claims or invention 2
Total pages 5
Application Number P2007-156768
Date of filing Jun 13, 2007
Date of request for substantive examination Mar 25, 2010
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】大川 浩作
【氏名】山本 浩之
Representative (In Japanese)【識別番号】100088306、【弁理士】、【氏名又は名称】小宮 良雄
【識別番号】100126343、【弁理士】、【氏名又は名称】大西 浩之
Examiner (In Japanese)【審査官】家城 雅美
Document or reference (In Japanese)特開2006-299459(JP,A)
特開2005-290610(JP,A)
Field of search D01F9/00-9/32
D01D1/00-13/02
D04H1/00-18/04
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
トリフロロ酢酸のみに、分子量が230,000から1,810,000のキトサンを2~8重量%溶解した有機溶媒溶液の吐出口とターゲットとの間に高電圧が印加され、該高電圧の電場の引力により該キトサンの有機溶媒溶液を該ターゲットに曳いて細化しアルカリ処理して得た繊維であって、該繊維の直径が40nm以上100nm以下であることを特徴とする極細繊維。
【請求項2】
トリフロロ酢酸のみに、分子量が230,000から1,810,000のキトサンを2~8重量%溶解した有機溶媒溶液の吐出口とターゲットとの間に高電圧を印加し、該高電圧の電場の引力により該キトサンの有機溶媒溶液を該ターゲットに曳いて細化した後に、アルカリ処理を施して、直径が40nm以上100nm以下の繊維とすることを特徴とする極細繊維の製造方法
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、電気紡糸によるキトサンの極細繊維及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療分野では、足場材料、細胞接着等のために直径100nm以下の繊維(以下ナノ繊維)の作製が望まれている。
【0003】
この細さの繊維直径を持つ繊維の作製を達成できる手法は幾つか知られている。このなかで、電気紡糸(エレクトロスピニング)法は、種々の高分子溶液から直接ナノ直径を持つ繊維を作製できる(例えば、下記特許文献1参照)。既に広範な種類の高分子のナノ繊維作製に適用可能である事が報告されているが、代表的な2種の天然多糖である、セルロースキトサンについては、安定的に繊維生産可能な紡糸条件は未だ見いだされていない。
【0004】
セルロースキトサンは、天然多糖類の中でも特に産生量の高いものであり、繊維原料としての重要な天然資源である。溶液紡糸においては、セルロースキトサンを溶解し、かつ、曳糸性に優れた溶液を与え、同時に結晶性の高い繊維として凝集させる溶媒は、これまでにも幾つか知られている。セルロースの場合、とくに、パルプ原料から生産される再生セルロース繊維工業の歴史が示すように、N-メチルモルホリンN-オキシドを含む水溶液を紡糸溶媒および酸性凝固剤の種々に組み合わせが提案され、工業生産に用いられてきた。
【0005】
近年、高分子溶液からナノ繊維を直接紡糸する技術として、電気紡糸を取り扱う材料系文献基礎科学的側面の解明を試みた学術論文が多数出版されている。
【0006】
電気紡糸によって作製されるナノ繊維材料は、微細な繊維が絡まり合ってできた不織布シート状の形態を持つ。電気紡糸時のポリマー濃度、粘性係数、および、溶液表面張力を最適化する事により、60ナノメートルから100ナノメートルの平均直径のナノ繊維の不織布様材料が形成可能である。電気紡糸に関する最初の特許は、1930年代のFormhaltによるものであり、この文献では、セルロースアセテート溶液の電気紡糸が試みられている。
【0007】
上述のように、電気紡糸の現在の開発用途として、医療工学系材料が主流であるので、とくに、セルロースあるいはキトサンに代表される生体適合性良好な天然多糖の電気紡糸が試みられてきた。しかしながら、セルロースあるいはキトサン溶液の直接電気紡糸によるナノ繊維形成の成功例は無い。通常の溶液紡糸に関しては、セルロースキトサンについては、溶液紡糸の条件はほぼ確立され、透明な紡糸原液を与える溶媒も見いだされている。これらの溶媒のほとんどは、電気紡糸に用いるには不適切な場合が多い。
【0008】
上記の理由として幾つかの高分子化学的理由は考えられるが、最も考慮すべき事項は、天然多糖の溶解状態での高分子構造である。天然多糖の電気紡糸に関する出版物の幾つかは、繊維形成不成功または貧再現性の結果を記載しているが、このような実験例の多くは、前述の考察が欠けているように思われる。即ち、特にセルロースキトサンのような高結晶性かつ分子間相互作用力の極めて強い高分子の電気紡糸を成功裏に行うためには、紡糸原液内の高分子鎖の相互作用の状態を制御し、分子鎖間非共有結合および物理的な分子鎖の絡まり合いを極力抑え、溶液中高分子の自由運動を促進する必要がある。反面、溶質高分子のこのような状態は、溶液粘度の低下を引き起こすので、電気紡糸技術における二律背反的な要素となる。さらに、溶媒の揮発性も繊維形成に関わる要因である。
【0009】

【特許文献1】特開2006-312794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、以上の要求、つまり、高分子溶液の粘度低下を引き起こす事なく分子鎖の自由運動頻度を上げ、かつ、速やかに揮発する性質を有する溶媒を探求することで、天然多糖の有機酸溶液からにより直接ナノ繊維を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載された発明は、トリフロロ酢酸のみに、分子量が230,000から1,810,000のキトサンを2~8重量%溶解した有機溶媒溶液の吐出口とターゲットとの間に高電圧が印加され、該高電圧の電場の引力により該キトサンの有機溶媒溶液を該ターゲットに曳いて細化しアルカリ処理して得た繊維であって、該繊維の直径が40nm以上100nm以下であることを特徴とする極細繊維である。
【0014】
請求項2に記載された発明は、トリフロロ酢酸のみに、分子量が230,000から1,810,000のキトサンを2~8重量%溶解した有機溶媒溶液の吐出口とターゲットとの間に高電圧を印加し、該高電圧の電場の引力により該キトサンの有機溶媒溶液を該ターゲットに曳いて細化した後に、アルカリ処理を施して、直径が40nm以上100nm以下の繊維とすることを特徴とする極細繊維の製造方法である
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電気紡糸によって直接直径が40nm以上100nm以下のキトサンの極細繊維を得ることができる。かかる本発明の極細繊維は、通気性、通湿性、および撥水性を制御するためのテキスタイルフィニッシング処理、強度向上のための複合繊維材料(樹脂等との複合化)、多糖分子の立体場を利用した分子不斉認識材料(分離基剤等の応用)、大比表面積とポーラスな性質を利用した触媒担体、生体適合性を利用した創傷被覆材および細胞培養基材として利用可能である。
【発明を実施するための好ましい形態】
【0018】
キトサンの有機酸溶液にジクロロメタンのような揮発性有機溶媒を混和すると繊維直径が太くなる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
【実施例】
【0019】
以下、本発明のナノ繊維を作製した実施例について説明する。
【0020】
(実施例1)
(キトサンのナノ繊維の作製)
キトサン粉末(和光純薬工業製;分子量230,000から1,810,000)をトリフロロ酢酸に溶解し、2から8重量%のキトサン溶液を得た。このキトサン溶液をシリンジに注入し、陽極を挿入して15,000Vの電圧をかけた。すると、対極に向かってキトサン溶液が飛散し、対極にトリフロロ酢酸塩であるキトサンの繊維が蓄積された。この繊維は、電子顕微鏡写真(不図示)を基に計算した結果、平均直径60nmのナノ繊維であった。
【0021】
(キトサンのナノ繊維の作製後のアルカリ処理)
キトサンのナノ繊維の一部を、緩衝液である0.2Mリン酸塩を含む生理食塩水に浸すと、溶解した。
また、キトサンのナノ繊維を、アルカリ処理として、5重量%の水酸化ナトリウムのエタノール溶液に60分間浸漬した。そして、このナノ繊維を、エタノールで洗浄し、減圧乾燥させた。アルカリ処理後のナノ繊維は、図1の電子顕微鏡写真に示すように均斉なものである。この写真から、キトサンのナノ繊維は、アルカリ処理後も、繊維構造をほぼ完全に保持していることが確認された。このキトサンのナノ繊維を、0.2Mリン酸塩を含む生理食塩水に浸したが、溶解しなかった。
【0022】
(参考例)
(セルロースのナノ繊維の作製)
キトサン粉末の代わりに、繊維状セルロース粉末(シグマ社製;分子量は製品仕様書に記載無し)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、セルロースの繊維を得た。この繊維は、電子顕微鏡写真(不図示)を基に計算した結果、平均直径約40nmのナノ繊維であった。セルロースナノ繊維は、アルカリ処理をせずとも水に不溶であるので、減圧乾燥後、そのまま材料として使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明ナノ繊維は、通気性、通湿性、および撥水性を制御するためのテキスタイルフィニッシング処理、強度向上のための複合繊維材料(樹脂等との複合化)、多糖分子の立体場を利用した分子不斉認識材料(分離基剤等への応用)、大比表面積とポーラスな性質を利用した触媒担体、生体適合性を利用した創傷被覆材および細胞培養基材、として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を適用する極細繊維のアルカリ処理後の電子顕微鏡写真である。
Drawing
(In Japanese)【図1】
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