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Specification :(In Japanese)チタニアミクロ多孔膜の製造方法

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P5039970
Publication number P2008-174419A
Date of registration Jul 20, 2012
Date of issue Oct 3, 2012
Date of publication of application Jul 31, 2008
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)チタニアミクロ多孔膜の製造方法
IPC (International Patent Classification) C04B  38/00        (2006.01)
C04B  35/622       (2006.01)
C01B  13/32        (2006.01)
C01G  23/04        (2006.01)
C01B  37/00        (2006.01)
FI (File Index) C04B 38/00 304Z
C04B 35/00 E
C01B 13/32
C01G 23/04 C
C01B 37/00
Number of claims or invention 2
Total pages 9
Application Number P2007-009764
Date of filing Jan 19, 2007
Date of request for substantive examination Jan 6, 2010
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】村上 泰
【氏名】松本 太輝
【氏名】清水 航
Representative (In Japanese)【識別番号】110000121、【氏名又は名称】アイアット国際特許業務法人
Examiner (In Japanese)【審査官】小川 武
Document or reference (In Japanese)特開平06-056550(JP,A)
特開2004-292191(JP,A)
国際公開第2005/023403(WO,A1)
特表2007-503995(JP,A)
特開2004-294564(JP,A)
Field of search C04B 38/00-38/10,35/622
C01G 23/04
C01B 13/32
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
チタニウムアルコキシド、アルコール溶液、1-ペンテン-3-オールおよび水とを、上記チタニウムアルコキシドに対する水のモル比が0.5以上2.0未満の範囲になるように混合する混合工程と、
上記混合工程により得られたゾルを成膜する成膜工程と、
上記成膜工程により得られた膜を加熱する加熱工程と、
を有し、
微細空孔全体の80体積%以上が直径2nm以下のミクロ孔であり、かつ、膜成分の1点式BET法により測定される比表面積が250m2/g以上であるチタニアミクロ多孔膜を製造することを特徴とするチタニアミクロ多孔膜の製造方法。
【請求項2】
前記混合工程において、上記チタニウムアルコキシドに対する水のモル比を1.0以上2.0未満の範囲とすることを特徴とする請求項1に記載のチタニアミクロ多孔膜の製造方法。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、チタニアミクロ多孔膜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゾル-ゲル法は、液相から固相を経て金属酸化物を製造する方法である。ゾル-ゲル法を用いると、微細構造制御された金属酸化物、有機無機ハイブリッド材料を製造することができる。特に、ゾル-ゲル法を利用して多孔体を製造すると、その製造条件によって孔の大きさ、細孔分布等の制御ができる。
【0003】
セラミックス多孔質材料は、耐熱性、耐薬品性、軽量性に優れているため、フィルター、触媒担体、分離膜、吸着材などの広い分野で利用されている。特に、直径2nm以下のミクロ孔を有する多孔体(ミクロ多孔体)は、逆浸透、ガス分離のような分離技術の分野にて重要な材料である。
【0004】
酸化アルミニウム(アルミナ)、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン(チタニア)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)は、上記多孔体の代表的な材料であり、いずれもゾル-ゲル法により合成できる。分離膜の特性に最も決定的な影響を与える因子は、細孔径およびその分布である。ゾル-ゲル法による成膜法では、通常、金属アルコキシドの加水分解・重縮合反応により、コロイドゾル溶液を調製し、そのコロイドゾル溶液を基材表面にコーティングする。その後、乾燥してゲル化し、焼成して成膜する。
【0005】
ゾル-ゲル法により製造されるシリカ膜は、水素分離を目的とする数オングストロームの孔径から数ナノメータレベルの孔径まで制御可能である。本発明者は、既に、ヒドロキシアセトンに代表される非イオン性触媒を用いて、主に直径2nm以下のミクロ孔から成る微細空孔を有する非晶質シリカ多孔膜およびその製造方法について報告している(特許文献1を参照。)。非イオン性触媒を用いると、酸触媒あるいは塩基触媒を用いる場合と異なり、加水分解反応および重縮合反応において、イオンが介在しない反応機構を経て反応が進行する。これに起因して、主に直径2nm以下のミクロ孔構造を持ったシリカ多孔膜ができる。
【0006】

【特許文献1】特開2004-292190号公報(特許請求の範囲など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、ヒドロキシアセトンは、ゾル-ゲル法を利用したシリカ多孔膜の合成には有用な触媒であるものの、遷移金属酸化物からなるミクロ多孔体の合成には適していない。ヒドロキシアセトンを触媒に用いると、ヒドロキシアセトンが反応物に配位してしまい、その触媒能が失われ、反応が進行しないためである。
【0008】
一方、遷移金属酸化物であるチタニアからなるミクロ多孔膜は、非晶質シリカからなるミクロ多孔膜に匹敵するような重要な応用が期待されている。チタニアは、高い光触媒活性と優れた化学的安定性を示すことから、例えば、建材、タイル等にコーティングされ、既に、光触媒材料として実用化されている。しかし、効率よく光触媒反応を進行させるために、高い比表面積を有するチタニア多孔膜が求められている。また、チタニアは、ほとんどの酸、アルカリ溶液に溶解しない安定した材料の一つである。このため、チタニアは、腐食作用の強い環境化で使用する分離膜に利用されている。当該利用分野においても、主に直径2nm以下のミクロ孔から成るチタニアミクロ多孔膜が求められている。
【0009】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、主にミクロ孔からなる微細空孔を有するチタニアミクロ多孔膜を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、微細空孔全体の80体積%以上が直径2nm以下のミクロ孔であり、かつ、膜成分の1点式BET法により測定される比表面積が250m2/gであるチタニアミクロ多孔膜の製造方法を提供する。

【0011】
このようなチタニアミクロ多孔膜は、その微細空孔を利用した分離膜およびその高い比表面積を利用した化学反応基体として、例えば光触媒材料、腐食作用の強い環境下で使用する分離膜などに利用可能である。
【0012】
また、本発明は、チタニウムアルコキシド、アルコール溶液、1-ペンテン-3-オールおよび水とを、チタニウムアルコキシドに対する水のモル比が0.5以上2.0未満の範囲になるように混合する混合工程と、当該混合工程により得られたゾルを成膜する成膜工程と、当該成膜工程により得られた膜を加熱する加熱工程とを含むチタニアミクロ多孔膜の製造方法としている。かかる製造方法によれば、微細空孔全体の80体積%以上が直径2nm以下のミクロ孔であり、かつ、膜成分の1点式BET法により測定される比表面積が250m2/gであるチタニアミクロ多孔膜を得ることができる。
【0013】
また、別の本発明は、先の発明における混合工程において、チタニウムアルコキシドに対する水のモル比を1.0以上2.0未満の範囲とするチタニアミクロ多孔膜の製造方法としている。かかる製造方法によれば、ミクロ孔がより多く、比表面積のより高いチタニアミクロ多孔膜を得ることができる。
【0014】
本発明において、ミクロ孔の直径およびその細孔分布は、チタニアミクロ多孔膜を粉末状にした試料を用いた窒素ガス吸着法にて、窒素ガスの等温脱着曲線から、BJH(Barrett-Joyner-Halenda)法およびMP法で解析することにより求められた。また、本発明において、比表面積は、窒素ガス吸着を利用した1点式BET法により求められた。
【0015】
本発明に係るチタニアミクロ多孔膜に分散しているミクロ孔は、直径2nm以下の細孔と定義される。
【0016】
本発明に係るチタニアミクロ多孔膜をゾル-ゲル法にて製造するためのチタニウムアルコキシドとしては、チタニウムエトキシド、チタニウムイソプロポキシド、チタニウムブトキシド(チタニウムテトラ-n-ブトキシド等)を挙げることができる。
【0017】
アルコール溶液としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール、sec-ブタノール、t-ブタノール、n-ペンタノール、i-ペンタノール、2-メチルブタノール、sec-ペンタノール、t-ペンタノール、3-メトキシブタノール、n-ヘキサノール、2-メチルペンタノール、sec-ヘキサノール、2-エチルブタノール、sec-ヘプタノール、3-ヘプタノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、sec-オクタノール、n-ノニルアルコール、2,4,6-ジメチルヘプタノール、n-デカノール、sec-ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec-テトラデシルアルコール、sec-ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等を使用できる。
【0018】
本発明に係るチタニアミクロ多孔膜の製造方法の混合工程において、チタニウムアルコキシドに対する水のモル比(「r」で表す。)としては、0.5以上2.0未満の範囲が好ましく、特に、1.0以上2.0未満の範囲が好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、主にミクロ孔からなる微細空孔を有するチタニアミクロ多孔膜を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明に係るチタニアミクロ多孔膜およびその製造方法の好適な各実施の形態について説明する。ただし、本発明は、以下に説明する各実施の形態に何ら限定されるものではない。
【0021】
図1に、チタニアミクロ多孔膜の好適な製造工程を示す。
【0022】
第一の混合工程(ステップS101)
第一の混合工程は、チタニウムアルコキシドをアルコール溶媒中に投入し、A液を作製する工程である。チタニウムアルコキシドの好適な例としては、チタニウムエトキシド、チタニウムイソプロポキシド、チタニウムブトキシド(チタニウムテトラ-n-ブトキシド等)を挙げることができる。一般に、金属アルコキシドの加水分解速度は、アルコキシ基の主鎖が長いほど小さい。したがって、金属アルコキシドにおけるアルコキシ基の主鎖が長いと、反応速度が小さいので反応の制御が容易になるが、製造に時間を要する。一方、金属アルコキシドにおけるアルコキシ基の主鎖が短いと、反応速度が大きいので反応の制御が難しくなるが、短時間で製造できる。チタニウムアルコキシドを用いたゾル-ゲル法において、反応の制御のしやすさと短時間での製造の両立を図る上では、チタニウムテトラ-n-ブトキシドを用いるのが好ましい。
【0023】
アルコール溶媒の好適な例としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール、sec-ブタノール、t-ブタノール、n-ペンタノール、i-ペンタノール、2-メチルブタノール、sec-ペンタノール、t-ペンタノール、3-メトキシブタノールを挙げることができる。チタニウムテトラ-n-ブトキシドをチタニウムアルコキシドとして用いる場合には、上記アルコール溶媒の中でも、n-ブタノールが特に好ましい。A液を作製するための混合条件としては、20~30℃の温度範囲、5~72時間の混合時間の範囲が好適であるが、24~26℃で18~30時間がより好ましい。混合時の温度が高いほど、チタニウムアルコキシドはアルコール溶媒中に溶解しやすいが、副反応も起こりやすい。このため、20~30℃の範囲が好ましい。
【0024】
第二の混合工程(ステップS102)
第二の混合工程は、1-ペンテン-3-オールと水をアルコール溶媒に投入し、B液を作製する工程である。アルコール溶媒は、上述のような各種アルコールを採用できるが、A液に用いられるアルコール溶媒と同じアルコール溶媒を用いるのが好ましい。B液を作製するための混合条件としては、0~60℃の温度範囲、5~72時間の混合時間の範囲が好適であるが、20~30℃で18~30時間がより好ましい。
【0025】
第三の混合工程(ステップS103)
第三の混合工程は、ステップS101で得られたA液と、ステップS102で得られたB液とを混合して、チタニアミクロ多孔膜用のゾルを得る工程である。混合条件としては、0~60℃の温度範囲、5~72時間の混合時間の範囲が好適であるが、20~30℃で18~30時間がより好ましい。なお、ステップS101とステップS102の各混合工程を省略し、第三の混合工程を、チタニウムアルコキシド、アルコール溶媒、1-ペンテン-3-オールおよび水を一つの容器内に投入して混合する混合工程としても良い。
【0026】
成膜工程(ステップS104)
成膜工程は、前述までの工程により得られたチタニウムミクロ多孔膜用のゾル溶液を用いて、ゾル状の膜を形成する工程である。ゾル状の膜を基材の表面に形成する方法としては、例えば、ゾル溶液を基材の表面に塗布する塗布法、ゾル溶液に基材を浸漬する液相化学吸着法等が挙げられる。上記の塗布法が最も簡単でコストも低く、また必要な膜の厚みを容易に制御できるため、特に好ましい。上述の塗布法については、特別な方法に限定せず、公知の技術を採用すれば良い。例えば、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法、フローコート法、バーコート法、ローラーコート法、リバース法、フレキソ法、印刷法等の既知の塗布手段が適宜採用できる。
【0027】
乾燥工程(ステップS105)
乾燥工程は、ステップS104までの工程を経て得られたチタニアミクロ多孔膜用のゾル(コロイドゾル)を乾燥する工程である。乾燥工程では、減圧して乾燥を行うのが好ましい。乾燥温度は、20~80℃が好ましい。ただし、乾燥工程を省いて、次の加熱工程を行っても良い。
【0028】
加熱工程(ステップS106)
加熱工程は、ステップS105を経た試料を加熱する工程である。加熱温度は、80~450℃の範囲が好ましい。加熱時間は、1~5時間程度が好ましい。より好ましくは、300℃程度の温度で2時間程度、加熱するのが良い。
【0029】
チタニウムアルコキシドに対する水のモル比(r)は、チタニアミクロ多孔膜のミクロ孔の大きさおよびその細孔分布に影響を及ぼす。微細空孔に占めるミクロ孔(2nm以下の微細空孔)の割合が80体積%以上の多孔膜、さらには粉末化して1点式BET法により測定される比表面積が250m2/g以上の多孔膜を製造するには、rを0.5以上2.0未満の範囲とするのが好ましい。特に、好ましいrは、1.0以上2.0未満の範囲である。また、チタニウムアルコキシドに対する1-ペンテン-3-オールのモル比(「c」とする)は、0.5以上5以下の範囲とするのが好ましい。
【実施例】
【0030】
次に、本発明の実施例とその比較となる比較例について説明する。
【0031】
1.製造方法
(1)試薬
チタニウムアルコキシドには、関東化学株式会社製のチタニウムテトラ-n-ブトキシド(純度:97%以上)を用いた。反応促進剤(触媒)には、東京化成工業株式会社製の1-ペンテン-3-オール(純度:97%以上)、および和光純薬工業株式会社製のヒドロキシアセトン(純度:95%以上)を用いた。アルコール溶媒には、和光純薬工業株式会社製のn-ブタノール(純度:98%以上)を用いた。水には、イオン交換蒸留水を用いた。
【0032】
(2)製造工程
窒素雰囲気下にて、チタニウムテトラ-n-ブトキシド12.5mmolをn-ブタノール10mlに添加した後、25℃で24時間攪拌した。これをA液とした。一方、1-ペンテン-3-オールまたはヒドロキシアセトン12.5mmolおよびイオン交換蒸留水を、n-ブタノール10mlに添加した後、25℃で24時間攪拌した。これをB液とした。なお、1-ペンテン-3-オールまたはヒドロキシアセトンのいずれも添加せずに、イオン交換蒸留水のみをn-ブタノール10mlに添加して25℃で24時間攪拌したものも、比較用にB液として用いた。次に、上記A液とB液とを混合して、チタニアミクロ多孔膜用のゾルを作製した。次に、チタニアミクロ多孔膜用のゾルを、スピンコータ塗布法(2000rpm、60s)にて、シリコン基板(小松電子株式会社製、厚さ約25μm、直径4インチの片面ミラーウェーハ)の表面にコートして、均一なゾル薄膜を形成した。次に、得られた各種ゾル薄膜を、大気中25℃で24時間乾燥した後、300℃で2時間焼成した。c=1とし、rは1.0、1.5および2.0の3種類とした。
【0033】
2.特性評価方法
上記条件にて作製したチタニアミクロ多孔膜の比表面積、BJH細孔径分布およびミクロ孔分布は、比表面積・細孔径分布測定装置(Micromeritics,ASAP-2010)を用いて測定した。
【0034】
3.特性評価結果および考察
表1に、触媒を用いずに作製した多孔膜、ヒドロキシアセトンを触媒に用いて作製した多孔膜および1-ペンテン-3-オールを触媒に用いて作製した多孔膜の製造条件と比表面積の値を示す。また、図2および図3に、表1に示す各多孔膜のBJH細孔径分布およびMP法による細孔径分布を、それぞれ示す。
【0035】
【表1】
JP0005039970B2_000002t.gif

【0036】
表1に示すように、ヒドロキシアセトンを触媒に用いた場合には、触媒を用いなかった場合よりも比表面積が小さい多孔膜が得られた。1-ペンテン-3-オールを触媒に用いた場合には、r=1.0および1.5の条件とすることによって、触媒を用いなかった場合よりも比表面積の大きい多孔膜が得られた。特に、r=1.5の条件では、354m2/gという大きな比表面積を持つ多孔膜が得られることがわかった。
【0037】
図3に示すように、ヒドロキシアセトンを触媒に用いて作製した多孔膜では、100nm以下の孔はほとんど検出されず、微細空孔全体の80体積%以上が直径2nm以下のミクロ孔が存在していた。触媒を用いずに作製した多孔膜および1-ペンテン-3-オールを触媒に用いて作製した多孔膜は、図2および図3に示すように、4nm以下の細孔の多い多孔膜であった。特に、r=1.0および1.5の条件で作製した多孔膜は、r=2.0の条件で作製した多孔膜および触媒を用いずに作製した多孔膜に比べて、より小さな細孔の割合が高い多孔膜であることがわかった。この結果は、表1に示す比表面積の比較データと相関する。
【0038】
図4に、左側から右側に向かって、チタニウムテトラ-n-ブトキシドに1-ペンテン-3-オールを添加した溶液(溶液X)、チタニウムテトラ-n-ブトキシドにヒドロキシアセトンを添加した溶液(溶液Y)、および溶液Yを60℃にて3日間静置した溶液(溶液Z)の写真をそれぞれ示す。
【0039】
図4に示すように、溶液Yおよび溶液Zの色は、それぞれ赤色および黒色であった。これに対して、溶液Xの色は、ほぼ無色透明であった。
【0040】
以上のことから、ヒドロキシアセトンを触媒に用いた場合には、チタニウムテトラ-n-ブトキシドにヒドロキシアセトンが配位してキレートが形成されたものと考えられる。キレートの形成により、チタニウムテトラ-n-ブトキシドが安定化し、ヒドロキシアセトンが触媒としての機能を発揮できなかったものと考えられる。これに対して、1-ペンテン-3-オールを用いた場合には、チタニウムテトラ-n-ブトキシドへの配位が起きず、触媒能が失われることなくゾル-ゲル反応が正常に進行し、ミクロ孔が形成されやすい状態になったものと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明のチタニアミクロ多孔膜は、機能性多孔材に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態に係るチタニアミクロ多孔膜の好適な製造工程を示すフローチャートである。
【図2】表1に示す各チタニアミクロ多孔膜のBJH細孔径分布を示すグラフである。
【図3】表1に示す各チタニアミクロ多孔膜のMP法による細孔径分布を示すグラフである。
【図4】チタニウムテトラ-n-ブトキシドに1-ペンテン-3-オールを添加した溶液(溶液X)、チタニウムテトラ-n-ブトキシドにヒドロキシアセトンを添加した溶液(溶液Y)、および溶液Yを60℃にて3日間静置した溶液(溶液Z)の写真である。
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3