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Specification :(In Japanese)過熱蒸気発生容器、過熱蒸気発生装置及び過熱蒸気発生方法

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P5240987
Publication number P2009-156484A
Date of registration Apr 12, 2013
Date of issue Jul 17, 2013
Date of publication of application Jul 16, 2009
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)過熱蒸気発生容器、過熱蒸気発生装置及び過熱蒸気発生方法
IPC (International Patent Classification) F22B   1/28        (2006.01)
F22G   1/16        (2006.01)
F22G   3/00        (2006.01)
H05B   6/42        (2006.01)
H05B   6/36        (2006.01)
H05B   6/10        (2006.01)
F24C   1/00        (2006.01)
FI (File Index) F22B 1/28 Z
F22G 1/16
F22G 3/00 Z
H05B 6/42
H05B 6/36 B
H05B 6/10 311
F24C 1/00 320E
F24C 1/00 310B
Number of claims or invention 9
Total pages 15
Application Number P2007-332562
Date of filing Dec 25, 2007
Date of request for substantive examination Dec 24, 2010
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】800000068
【氏名又は名称】学校法人東京電機大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】富田 英雄
【氏名】丸山 剛志
【氏名】吉村 信三
Representative (In Japanese)【識別番号】100083806、【弁理士】、【氏名又は名称】三好 秀和
Examiner (In Japanese)【審査官】山本 崇昭
Document or reference (In Japanese)特開平08-339883(JP,A)
特開2007-143550(JP,A)
特開2004-69237(JP,A)
Field of search F22B 1/28
F22G 1/16
F22G 3/00
F24C 1/00
H05B 6/10
H05B 6/36
H05B 6/42
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
耐熱容器内に電磁誘導にて発熱する誘導発熱体を収容し、
前記耐熱容器の外周面に冷却兼蒸気源用の水を通水するホースを巻装し、
前記ホースの外周面に誘導加熱用コイルを装着し、
前記ホースの出口端を前記耐熱容器の一端の蒸気取入口に接続し、
前記ホースの入口端から当該ホース内に供給した全部の水を前記誘導加熱用コイルによる誘導加熱により加熱して当該ホース内で水分含有水蒸気を発生させ、発生した水分含有水蒸気を前記出口端から前記耐熱容器内の誘導発熱体に供給し、前記誘導発熱体にて加熱して過熱蒸気を発生させるようにしたものであることを特徴とする過熱蒸気発生容器。
【請求項2】
前記耐熱容器の外周面に耐熱部材を被装し、
前記耐熱管の外周面に前記ホースを巻装したことを特徴とする請求項1に記載の過熱蒸気発生容器。
【請求項3】
前記誘導加熱用コイルは、リッツ線で成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の過熱蒸気発生容器。
【請求項4】
前記耐熱容器は、石英ガラス容器であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の過熱蒸気発生容器。
【請求項5】
耐熱容器内に電磁誘導にて発熱する誘導発熱体を収容し、
前記耐熱容器の外周面に冷却兼蒸気源用の水を通水するホースを巻装し、
前記ホースの一端に前記冷却水の給水装置を接続し、
前記ホースの他端を前記耐熱容器の蒸気取入口に接続し、
前記ホースの外周面に誘導加熱用コイルを装着し、
前記誘導加熱用コイルに高周波電源装置を接続し、
前記ホース内の冷却兼蒸気源用の全部の水を誘導加熱して蒸気化し、水分含有水蒸気を前記耐熱容器内に前記蒸気取入口から導入して前記誘導発熱体にて加熱することによって過熱蒸気を発生させることを特徴とする過熱蒸気発生装置。
【請求項6】
前記耐熱容器の外周面に耐熱管を装着し、
前記耐熱管の外周面に前記ホースを巻装したことを特徴とする請求項5に記載の過熱蒸気発生装置。
【請求項7】
前記誘導加熱用コイルは、リッツ線で成ることを特徴とする請求項5又は6に記載の過熱蒸気発生装置。
【請求項8】
前記耐熱容器は、石英ガラス容器であることを特徴とする請求項5~7のいずれかに記載の過熱蒸気発生装置。
【請求項9】
耐熱容器内に電磁誘導にて発熱する誘導発熱体を収容し、前記耐熱容器の外周面に冷却兼蒸気源用の水を通水するホースを巻装し、前記ホースの外周面に誘導加熱用コイルを装着し、前記ホースの出口端を前記耐熱容器の一端の蒸気取入口に接続し、前記ホースの入口端から当該ホース内に供給した全部の水を前記誘導加熱用コイルによる誘導加熱により加熱して当該ホース内で水分含有水蒸気を発生させ、発生した水分含有水蒸気を前記出口端から前記耐熱容器内の前記蒸気取入口を経て前記誘導発熱体に供給し、前記誘導発熱体にて加熱して過熱蒸気を発生させるようにした過熱蒸気発生容器を用いて、
前記ホースの入口端から当該ホース内に冷却兼蒸気源用の水を供給し、
前記誘導加熱用コイルに高周波電流を通電して前記誘導発熱体を誘導加熱すると共に、前記ホース内の冷却兼蒸気源用の水を誘導加熱して蒸気化し、
前記ホース内の水分含有水蒸気を前記耐熱容器の一端の蒸気取入口から当該耐熱容器内に導入して前記誘導発熱体にて加熱して過熱蒸気を発生させることを特徴とする過熱蒸気発生方法。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導加熱によって過熱蒸気を発生する過熱蒸気発生容器、この過熱蒸気発生容器を主要な構成要素として利用する過熱蒸気発生装置及びこの過熱蒸気発生容器を用いて過熱蒸気を発生させる過熱蒸気発生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、過熱蒸気を利用する電子オーブンレンジが市場に出回っている。水は標準圧で100℃で沸騰して水蒸気を発生する。この水蒸気から水分を除去して完全な気体とすれば、その水蒸気をさらに加熱することで100℃をはるかに超える高温の過熱蒸気を得ることができる。この過熱蒸気にて食品を加熱することで短時間で焦げ目の付かない調理が可能である。また医療機器の加熱殺菌消毒の熱源として利用するもことができる。
【0003】
このような過熱蒸気を発生させる過熱蒸気発生装置として、例えば特開2004-44993号公報(特許文献1)、特開2004-44994号公報(特許文献2)、特開2006-275505号公報(特許文献3)にて蒸気発生機能付き高周波加熱装置が知られているが、これらは過熱蒸気をヒーター加熱によって作るものであり、高周波誘導コイルによる誘導加熱により過熱蒸気を作るものではない。
【0004】
また、高周波加熱容器内で発生させた蒸気をシールドコイルを形成する導体内に導入し、誘導コイルにて再加熱することで過熱蒸気化し、これを外部に取り出す過熱蒸気発生装置も知られている(特開2006-64367号公報:特許文献4、特開2007-147114号公報:特許文献5)。しなしながら、冷却水を加熱容器の外周面に巻装されたホースに通水することで冷却水を加熱して蒸気化すると同時に冷却水にて加熱容器の表面から高周波加熱用コイルに伝達する熱を断熱する構造は見られない。
【0005】
さらに特開2007-24336号公報(特許文献6)に記載されている従来技術は、耐熱容器の外周に装着した誘導加熱用コイルの巻装構造に特徴を有するが、この従来技術にも、冷却水を加熱容器の外周面に巻装されたホースに通水することで冷却水を加熱して蒸気化すると同時に冷却水にて加熱容器の表面から高周波加熱用コイルに伝達する熱を断熱する構造は見られない。
【0006】
例えば、中規模あるいは家庭用に利用可能な過熱蒸気発生装置の場合、装置の大型化を回避する必要があり、誘導加熱用コイルにはリッツ線を採用することが考えられる。ところが、加熱容器内の誘導発熱体を誘導加熱する際にその発熱で加熱容器の外表面温度も高温になるので、リッツ線を誘導加熱用コイルに採用するとその被覆が容易に溶けてしまい、400℃を超えるような過熱蒸気を発生させる装置としては実用に耐えない。

【特許文献1】特開2004-44993号公報
【特許文献2】特開2004-44994号公報
【特許文献3】特開2006-275505号公報
【特許文献4】特開2006-64367号公報
【特許文献5】特開2007-147114号公報
【特許文献6】特開2007-24336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、誘導加熱用コイルにリッツ線を採用しても400℃を超えるような過熱蒸気を発生させることができ、中型あるいは小型家庭用として使用できる過熱蒸気発生容器、それを構成要素とする過熱蒸気発生装置及び過熱蒸気発生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの特徴は、耐熱容器内に電磁誘導にて発熱する誘導発熱体を収容し、前記耐熱容器の外周面に冷却兼蒸気源用の水を通水するホースを巻装し、前記ホースの外周面に誘導加熱用コイルを装着し、前記ホースの出口端を前記耐熱容器の一端の蒸気取入口に接続し、前記ホースの入口端から当該ホース内に供給した全部の水を前記誘導加熱用コイルによる誘導加熱により加熱して当該ホース内で水分含有水蒸気を発生させ、発生した水分含有水蒸気を前記出口端から前記耐熱容器内の誘導発熱体に供給し、前記誘導発熱体にて加熱して過熱蒸気を発生させるようにした過熱蒸気発生容器である。
【0009】
上記発明の過熱蒸気発生容器においては、前記耐熱容器の外周面に耐熱部材を被装し、前記耐熱管の外周面に前記ホースを巻装したものとすることができる。
【0010】
また、上記発明の過熱蒸気発生容器においては、前記誘導加熱用コイルは、リッツ線で成るものを使用することができる。
【0011】
また、上記発明の過熱蒸気発生容器においては、前記耐熱容器は、石英ガラス容器とすることができる。
【0012】
本発明の別の特徴は、耐熱容器内に電磁誘導にて発熱する誘導発熱体を収容し、前記耐熱容器の外周面に冷却兼蒸気源用の水を通水するホースを巻装し、前記ホースの一端に前記冷却水の給水装置を接続し、前記ホースの他端を前記耐熱容器の蒸気取入口に接続し、前記ホースの外周面に誘導加熱用コイルを装着し、前記誘導加熱用コイルに高周波電源装置を接続し、前記ホース内の冷却兼蒸気源用の全部の水を誘導加熱して蒸気化し、水分含有水蒸気を前記耐熱容器内に前記蒸気取入口から導入して前記誘導発熱体にて加熱することによって過熱蒸気を発生させる過熱蒸気発生装置である。
【0013】
上記発明の過熱蒸気発生装置においては、前記耐熱容器の外周面に耐熱管を装着し、前記耐熱管の外周面に前記ホースを巻装したものとすることができる。
【0014】
また、上記発明の過熱蒸気発生装置においては、前記誘導加熱用コイルは、リッツ線で成るものを使用することができる。
【0015】
また、上記発明の過熱蒸気発生装置においては、前記耐熱容器は、石英ガラス容器とすることができる。
【0016】
本発明のさらに別の特徴は、兼蒸気源用の水を通水するホースを巻装し、前記ホースの外周面に誘導加熱用コイルを装着し、前記ホースの出口端を前記耐熱容器の一端の蒸気取入口に接続し、前記ホースの入口端から当該ホース内に供給した全部の水を前記誘導加熱用コイルによる誘導加熱により加熱して当該ホース内で水分含有水蒸気を発生させ、発生した水分含有水蒸気を前記出口端から前記耐熱容器内の前記蒸気取入口を経て前記誘導発熱体に供給し、前記誘導発熱体にて加熱して過熱蒸気を発生させるようにした過熱蒸気発生容器を用いて、前記ホースの入口端から当該ホース内に冷却兼蒸気源用の水を供給し、前記誘導加熱用コイルに高周波電流を通電して前記誘導発熱体を誘導加熱すると共に、前記ホース内の冷却兼蒸気源用の水を誘導加熱して蒸気化し、前記ホース内の水分含有水蒸気を前記耐熱容器の一端の蒸気取入口から当該耐熱容器内に導入して前記誘導発熱体にて加熱して過熱蒸気を発生させる過熱蒸気発生方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の過熱蒸気発生容器によれば、耐熱容器の外周面に巻装されているホースの一端に給水装置を接続し、ホースの他端を耐熱容器の蒸気取入口に接続し、ホースの外側に装着されている誘導加熱用コイルを高周波電源装置に接続することで過熱蒸気発生装置を構成することができ、この過熱蒸気発生装置を動作させて、ホースに給水しながら誘導加熱用コイルに高周波電源電力を給電することで、誘導加熱用コイルによって耐熱容器内の誘導発熱体を高温に誘導加熱し、同時にホース内の冷却水も誘導加熱して蒸気化し、蒸気取入口から耐熱容器内に導入してそこで高温に加熱されている誘導発熱体に接触させることでさらに加熱することによって過熱蒸気を発生させることができる。同時にこの誘導加熱時にホース内を流れる水が冷却作用を発揮して耐熱容器の外表面を冷却し、誘導加熱用コイルに耐熱容器の外表面から高熱が伝達されるのを防止する。したがって、誘導加熱用コイルに耐熱性の高い導電材を使用せずとも済み、過熱蒸気発生装置の大型化を回避することができ、400℃を超える過熱蒸気を発生できる中型あるいは小型家庭用の過熱蒸気発生装置が得られる。
【0018】
本発明の過熱蒸気発生装置及び過熱蒸気発生方法によれば、ホースに給水しながら誘導加熱用コイルに高周波電源電力を給電することで、上記のように耐熱容器内にて過熱蒸気を発生させることができ、同時にホース内を流れる水にて耐熱容器の外表面を冷却して誘導加熱用コイルに耐熱容器の外表面から高熱が伝達されるのを防止できるので、誘導加熱用コイルに耐熱性の高い導電材を使用せずとも済み、このために装置の大型化を回避でき、400℃を超える過熱水400℃を超える過熱蒸気を発生できる中型あるいは小型家庭用の装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1~図6を用いて、本発明の第1の実施の形態の過熱蒸気発生装置、これに用いる過熱蒸気発生容器及びこれを使用する過熱蒸気発生方法について説明する。図1及び図2に示すように、本実施の形態の過熱蒸気発生装置1は、過熱蒸気発生容器2、高周波電源装置3、給水ポンプ4及び給水タンク5にて構成されており、さらに、過熱蒸気発生容器2にて発生させた過熱蒸気を利用するための蒸気釜6がこの過熱蒸気発生容器2に接続されている。
【0021】
過熱蒸気発生容器2は、図3に示すように例えば石英ガラス容器のような非磁性の耐熱容器21内に電磁誘導にて発熱する誘導発熱体22を収容し、図4に示すように耐熱容器21の外周に例えばシャモットレンガのような断熱材23を被装し、図5に示すように断熱材23のさらに外周に冷却水を通水するための例えばシリコン製ホースのような耐熱ホース24を、その外側に装着する誘導コイル25が内側の断熱材23に接触しないような密度で巻装し、さらに図6に示すように耐熱ホース24の外側に誘導コイル25を配置した構成である。耐熱ホース24の一端24Aは耐熱容器21の蒸気取入口21Aに気密的に接続してあり、他端24Bは給水ポンプ4に接続してある。
【0022】
誘導発熱体22は、例えば磁性のあるステンレス薄帯に細かい切り込みを入れて捩って加工したものであり、耐熱容器21の内部に適数体収容している。この誘導発熱体22には、タービンブレードのような円形フィンを多数枚重ねた構造のものを用いることもでき、特に限定されない。
【0023】
誘導コイル25には、例えばポリウレタン被覆リッツ線、高価ではあるが必要に応じてポリエチレン被覆リッツ線を用いる。このリッツ線の使用はそれに限定されるものではないが、本発明の場合には誘導コイル25の内側に耐熱ホース24が巻装されていて耐熱容器21からの高熱が冷却されるため、耐熱性が高くないリッツ線を使用することができ、それによって装置の低価格化が図れることになる。
【0024】
高周波電源装置3は、例えば20kHzのスイッチングレギュレータのような高周波電力を発生する電源装置を用いる。
【0025】
次に、上記構成の過熱蒸気発生装置1による過熱蒸気発生動作について説明する。高周波電源装置3を起動して誘導加熱用コイル25に通電し、誘導加熱を開始する。そして給水ポンプ4を起動して耐熱ホース24に冷却水を通水する。誘導加熱用コイル25に高周波電力を通電することで、耐熱ホース24内の冷却水と耐熱容器21内の誘導発熱体22が誘導加熱される。耐熱ホース24内の冷却水はこの誘導加熱によって沸騰して100℃の水分含有水蒸気となり、耐熱容器21内に蒸気取入口21Aから送り込まれる。
【0026】
耐熱容器21内では、誘導発熱体22が高温状態に誘導加熱されているので、蒸気取入口21Aから送り込まれてくる水蒸気が高温状態の誘導発熱体22と接触して再加熱されて完全な水蒸気となり、さらに加熱されて過熱蒸気になり、これが蒸気取出口21Bから外部に送り出される。こうして蒸気取出口21Bから送り出される過熱蒸気は蒸気釜6に送り込まれ、この蒸気釜6内に置かれている被加熱物を高温の過熱蒸気にて加熱する。
【0027】
このような過熱蒸気発生装置1の過熱蒸気発生動作の間、耐熱容器21の外周に巻装されている耐熱ホース24内が水分を含む水蒸気にて満たされているので、約100℃を超えることがない。このため、耐熱容器21の内部が500℃という高温に加熱されていても、その高熱を耐熱ホース24の部分で冷却することができ、耐熱ホース24よりも外側の誘導加熱用コイル25に伝達させることがなく、この誘導加熱用コイル25を電線素材や被覆に損傷が発生する高温度に上昇させることがない。
【0028】
このようにして、本実施の形態の過熱蒸気発生装置によれば、耐熱容器21の外周に巻装した耐熱ホース24内に冷却水を通水することでこの耐熱ホース24を100℃或いはそれ以下の温度状態に維持でき、この耐熱ホース24よりも外側に配置されている誘導加熱用コイル25が耐熱容器21からの高熱の伝達により損傷が発生することがなく、そのためにこの誘導加熱用コイル25には耐熱性が比較的低いリッツ線を利用でき、装置の小型化が図れる。
【0029】
(第2の実施の形態)
図7を用いて、本発明の第2の実施の形態の過熱蒸気発生装置、これに用いる過熱蒸気発生容器及びこれを使用する過熱蒸気発生方法について説明する。第2の実施の形態は過熱蒸気発生容器2Aの構造に特徴を持つ。すなわち、図7に示したように、過熱蒸気発生容器2Aは、石英ガラス容器のような非磁性の耐熱容器21内に電磁誘導にて発熱する誘導発熱体22を収容すると共に、耐熱容器21内の蒸気取入口21A側に磁性材の入力水貯水タンク27を設け、耐熱ホース24の接続端24A1をこの入力水貯水タンク27の上方の位置まで導入している。ただし、耐熱容器21内は高温状態になるので、接続端24A1には非磁性、高温耐性を材料、例えばセラミックスや銅製のパイプを使用している。
【0030】
尚、本実施の形態におけるその他の構成は第1の実施の形態と同様であり、図4に示すように耐熱容器21の外周に例えばシャモットレンガのような断熱材23を被装し、図5に示すように断熱材23のさらに外周に冷却水を通水するための例えばシリコン製ホースのような耐熱ホース24を、その外側に装着する誘導コイル25が内側の断熱材23に接触しないような密度で巻装し、さらに図6に示すように耐熱ホース24の外側に誘導コイル25を配置している。耐熱ホース24の一端24Aには耐熱金属パイプが接続してあり、この金属パイプを接続端24A1として耐熱容器21の蒸気取入口21Aに気密的に接続している。
【0031】
本実施の形態も、誘導発熱体22は第1の実施の形態と同様であり、例えば磁性のあるステンレス薄帯に細かい切り込みを入れて捩って加工したものであり、耐熱容器21の内部に適数体だけ収容している。この誘導発熱体22には、タービンブレードのような円形フィンを多数枚重ねた構造のものを用いることもでき、特に限定されない。
【0032】
本実施の形態の過熱蒸気発生容器2Aを主要な構成要素とする過熱蒸気発生装置1の構成は、図1、図2に示した第1の実施の形態と共通である。
【0033】
次に、本実施の形態の過熱蒸気発生装置1の過熱蒸気発生動作、すなわち過熱蒸気発生方法は第1の実施の形態と同様である。ただし、過熱蒸気発生容器2A内に入力水貯水タンク27を設けたことにより、次のような優れた作用、効果を奏する。給水ポンプ4にて供給され耐熱ホース24内を通過中に誘導加熱を受けた冷却水が十分に沸騰せずに蒸気取入口21Aから耐熱容器21内に供給される場合、その水分が耐熱容器21内に拡散しないように、耐熱ホース24の接続端24A1から水分だけは滴下させて入力水貯水タンク27に一時的に貯水させる。そして入力水貯水タンク27は磁性体にしているので誘導発熱体22と共に誘導加熱され、そのタンク27内の貯水を沸騰させて蒸気化させる。この蒸気化した水蒸気は耐熱ホース24の接続端24A1から供給される水蒸気と共になって誘導発熱体22側に移動し、ここで高熱に加熱されている誘導発熱体22と接触して過熱蒸気となる。
【0034】
入力水貯水タンク27がない場合、特に起動初期には、装置が暖機されていないために、給水タンク5から給水ポンプ4にて耐熱ホース24内に通水される冷却水は耐熱ホース24内を沸騰せずそのまま流れて接続端24A1から気液混合状態、あるいは液体のまま耐熱容器21内に流入し、流入した水は耐熱容器21内の蒸気取入口21A側から過熱蒸気取出口21B側まで一様に分散してしまい、出力蒸気温度が低下してしまうことがあり得る。そこで、蒸気取入口21A側に自らも被加熱物となる磁性体の入力水貯水タンク27を設けることで、耐熱容器21内での水分の拡散を防ぐことができ、かつ、耐熱ホース24内の冷却水が沸騰するまでは入力水貯水タンク27内に貯溜しそこで沸騰させた水を水蒸気にして誘導発熱体22を通過させて過熱蒸気化できる。この結果、起動初期から所望温度の過熱蒸気を効果的に発生させることができることになり、熱効率の向上が図れる。
【0035】
(第3の実施の形態)
図8、図9を用いて、本発明の第3の実施の形態の過熱蒸気発生装置、これに用いる過熱蒸気発生容器及びこれを使用する過熱蒸気発生方法について説明する。第3の実施の形態は過熱蒸気発生容器2Bの構造に特徴を持つ。すなわち、図8に示したように、過熱蒸気発生容器2Bは、石英ガラス容器のような非磁性の耐熱容器21内に電磁誘導にて発熱する誘導発熱体22Aを収容すると共に、耐熱容器21内の蒸気取入口21A側に磁性材の入力水貯水タンク27を設け、耐熱ホース24の接続端24A1をこの入力水貯水タンク27の上方の位置まで導入している。ただし、耐熱容器21内は高温状態になるので、接続端24A1には非磁性、高温耐性を材料、例えばセラミックスや銅製のパイプを使用している。

【0036】
尚、本実施の形態におけるその他の構成は第1の実施の形態と同様であり、図4に示すように耐熱容器21の外周に例えばシャモットレンガのような断熱材23を被装し、図5に示すように断熱材23のさらに外周に冷却水を通水するための例えばシリコン製ホースのような耐熱ホース24を、その外側に装着する誘導コイル25が内側の断熱材23に接触しないような密度で巻装し、さらに図6に示すように耐熱ホース24の外側に誘導コイル25を配置している。耐熱ホース24の一端24Aには耐熱金属パイプが接続してあり、この金属パイプを接続端24A1として耐熱容器21の蒸気取入口21Aに気密的に接続している。
【0037】
本実施の形態における誘導発熱体22Aは、蒸気通過口221付きのタービンブレードのような円形フィン220を多数枚重ねた構造のものを用いている。そして、図9に詳しく示したように、各円形ファン220における蒸気通過口221は隣接する円形フィン220との間で位置が互いにずれるように配置している。これにより、耐熱容器21内の蒸気取入口21Aから過熱蒸気取出口21Bへと流れる蒸気が高熱に加熱されている各円形フィン220と良く接触して熱交換し、効率的に加熱されて過熱蒸気となるようにしている。
【0038】
本実施の形態の過熱蒸気発生装置の過熱蒸気発生動作、すなわち過熱蒸気発生方法は第1の実施の形態と同様である。ただし、過熱蒸気発生容器2B内に入力水貯水タンク27を設けたことにより、第2の実施の形態と同様、起動初期から所望温度の過熱蒸気を効果的に発生させることができ、熱効率の向上が図れる。これと共に、誘導発熱体22Aにタービンブレードのような穴付きの円形フィン220を多数枚重ねた構造のものを用いたことにより、誘導発熱による温度上昇が高くでき、過熱蒸気温度を高くできる利点がある。
【実施例】
【0039】
次に、本発明の実施例を説明する。
【0040】
[実施例1]給水ポンプ、耐熱ホースの仕様は図10の表1、図11の表2に示すものであった。誘導加熱用コイルには、図12の表3に示す仕様のリッツ線を使用した。リッツ線は0.14mmの径で、33束にし、さらに7縒りにしたものを用いて、図13のように外径133mm、長さ300mmのソレノイドに形成した。断熱材にはシャモレットレンガ管を用い、これに耐熱ホースとして表1に示したシリコンホースを10mmずつの間隔を空けて巻装し、さらにその外側に上記の誘導加熱用コイルのソレノイドを装着して誘導加熱ユニットとした。図14は誘導加熱ユニットの正面写真、図15はその側面写真、図16はその分解状態の正面写真である。
【0041】
過熱蒸気発生容器は第2の実施の形態として図7に示した構造のものを使用した。耐熱容器として内径86mm、外径92mmの石英ガラス容器を用い、この石英ガラス容器内に磁性を持つフェライト系ステンレス430製の誘導発熱体を収容し、同時に石英ガラス容器内の蒸気取入口側に同じくフェライト系ステンレス430製の入力水貯水タンクを設置した。そしてシリコンホースの一端に銅パイプを接続端として接続し、この接続端を石英ガラス容器の蒸気取入口に気密的に接続した。またソレノイドには高周波電源装置としてスイッチングレギュレータを接続し、20kHzの高周波電力を給電できるようにした。誘導発熱体は、フェライト系ステンレス430の薄帯に細かい切り込みを入れて捩って加工したものであり、石英ガラス容器内に適数体収容した。図17は本実施例で使用した過熱蒸気発生容器の全体写真である。
【0042】
この装置を用いて過熱水蒸気発生の実験を行った。それには、高周波電源装置としてのスイッチングレギュレータを起動して誘導加熱用コイルに20kHzの高周波電力を通電し誘導加熱を開始した。そして給水ポンプを起動して耐熱ホースに冷却水を通水した。
【0043】
・周波数f=20[kHz]
・コイル印加電圧V=約190[V]
・電流I=約10.5[A]
・コイルと発熱体との距離GAP=14[mm]
・時間t=1800[sec]
・ポンプ印加電圧:沸騰前3V(約10ml/分)・沸騰後5V(約17ml/分)
・実験時のコイルの静特性(共振コンデンサ使用時):Z[Ω]=3.892、Rs[Ω]=2.989、Ls[μH]=19.79、Cp[μF]=3.198
本実施例1について、通水開始からの時間経過と装置各部の温度変化を観察した結果は、図18のグラフに示すものであった。グラフ(1)は過熱蒸気取出口の蒸気温度、グラフ(2)~(5)はそれぞれ蒸気取入口側から過熱蒸気取出口側に至る各部(図1における符号(2)~(5)それぞれを付した位置)のコイル表面温度である。
【0044】
図18のグラフから明らかなように、過熱蒸気出力温度は450℃を超える出力を確認でき、かつ、コイルの各部の表面温度はすべて100℃以下であることが確認できた。尚、実験時間600秒時にガラス容器内に沸騰した水が急激に流れたことを確認した。
【0045】
[実施例2]スイッチングレギュレータとして小型のものを使用し、また、過熱蒸気発生容器内の誘導発熱体には図8に示した第3の実施の形態の構造のものを採用した以外は、実験設備は実施例1と同様であった。円板形のフィンは42枚用いた。
【0046】
実験条件は、次の通りであった。
【0047】
・周波数f=20[kHz]
・コイル印加電圧V=約100[V]
・電流I=約13.5[A]
・コイルと発熱体の距離GAP=14[mm]
・時間t=1800[sec]
・ポンプ印加電圧:3V(約10ml/分)
・実験時のコイルの静特性(共振コンデンサ使用時):Z[Ω]=4.5774、Rs[Ω]=3.8756、Ls[μH]=19.615、Cp[μF]=3.2284
本実施例2について、通水開始からの時間経過と装置各部の温度変化を観察した結果は、図19のグラフに示すものであった。グラフ(1)は過熱蒸気取出口の蒸気温度、グラフ(2)~(5)はそれぞれ蒸気取入口側から過熱蒸気取出口側に至る各部(図1における符号(2)~(5)それぞれを付した位置)のコイル表面温度である。そしてグラフ(6)は容器入口の水温度また蒸気温度である。
【0048】
図19のグラフから明らかなように、過熱水蒸気出力温度は最大約330℃を確認した。また、コイル(1)~(4)における部分の温度はすべて100℃以下であることが確認できた。また、入力水が沸騰することで、出力蒸気温度も高くなることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1、第2の実施の形態の過熱蒸気発生装置のブロック図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の過熱蒸気発生装置の一部破断せるブロック図。
【図3】本発明の第1の実施の形態の過熱蒸気発生容器における耐熱容器の正面図。
【図4】上記第1の実施の形態の過熱蒸気発生容器における耐熱容器の外周に断熱材を被着した状態の正面図。
【図5】上記第1の実施の形態の過熱蒸気発生容器における耐熱容器の外周に耐熱ホースを巻装した状態の正面図。
【図6】上記第1の実施の形態の過熱蒸気発生容器の正面図。
【図7】本発明の第2の実施の形態の過熱蒸気発生容器の正面図。
【図8】本発明の第3の実施の形態の過熱蒸気発生容器の正面図。
【図9】上記第3の実施の形態の過熱蒸気発生容器内の各円形フィンの蒸気通過口の配置を説明する説明図。
【図10】本発明の実施例1で用いた給水ポンプ、耐熱ホースの仕様の表1。
【図11】上記実施例1で用いた給水ポンプの流量の表2。
【図12】上記実施例1で誘導加熱用コイルの作製に用いたリッツ線の仕様の表3。
【図13】上記実施例1で用いた過熱蒸気発生容器の寸法図。
【図14】上記実施例1の過熱蒸気発生装置に用いた誘導加熱コイルユニットの正面写真。
【図15】上記実施例1の過熱蒸気発生装置に用いた誘導加熱コイルユニットの側面写真。
【図16】上記実施例1の過熱蒸気発生装置に用いた誘導加熱コイルユニットの分解状態の正面写真。
【図17】上記実施例1の過熱蒸気発生装置に用いた過熱蒸気発生容器の全体写真。
【図18】上記実施例1の過熱蒸気発生装置による過熱蒸気発生動作時の各部の温度状態のグラフ。
【図19】本発明の実施例2の過熱蒸気発生装置による過熱蒸気発生動作時の各部の温度状態のグラフ。
【符号の説明】
【0050】
1 過熱蒸気発生装置
2,2A,2B 過熱蒸気発生容器
3 高周波電源装置
4 吸水ポンプ
21 耐熱容器
22,22A 誘導発熱体
23 断熱体
24 耐熱ホース
25 誘導加熱用コイル
27 入力水貯水タンク
220 円形フィン
221 蒸気通過口
Drawing
(In Japanese)【図1】
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(In Japanese)【図2】
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(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
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(In Japanese)【図5】
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(In Japanese)【図6】
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(In Japanese)【図7】
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(In Japanese)【図8】
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(In Japanese)【図9】
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(In Japanese)【図10】
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(In Japanese)【図11】
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(In Japanese)【図12】
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(In Japanese)【図13】
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(In Japanese)【図18】
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(In Japanese)【図19】
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(In Japanese)【図14】
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(In Japanese)【図15】
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(In Japanese)【図16】
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(In Japanese)【図17】
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