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Specification :(In Japanese)廃棄ガラス繊維強化プラスチックを用いた多孔質セラミックの製造方法

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P5167520
Publication number P2010-100497A
Date of registration Jan 11, 2013
Date of issue Mar 21, 2013
Date of publication of application May 6, 2010
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)廃棄ガラス繊維強化プラスチックを用いた多孔質セラミックの製造方法
IPC (International Patent Classification) C04B  38/06        (2006.01)
E04F  15/08        (2006.01)
B09B   3/00        (2006.01)
FI (File Index) C04B 38/06 C
E04F 15/08 A
B09B 3/00 303A
Number of claims or invention 3
Total pages 9
Application Number P2008-274979
Date of filing Oct 25, 2008
Date of request for substantive examination Sep 30, 2011
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】504224153
【氏名又は名称】国立大学法人 宮崎大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】木之下 広幸
【氏名】池田 清彦
【氏名】海津 浩一
Representative (In Japanese)【識別番号】240000039、【弁護士】、【氏名又は名称】弁護士法人 衞藤法律特許事務所
Examiner (In Japanese)【審査官】小川 武
Document or reference (In Japanese)特開平06-116057(JP,A)
特開2002-154866(JP,A)
実開平05-047005(JP,U)
特開平07-204603(JP,A)
特開2002-255668(JP,A)
Field of search C04B 38/00-38/10
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
廃棄ガラス繊維強化プラスチックと粘土を混合して成形するステップと、該プラスチックのプラスチック成分が分解する温度の700~1000℃まで昇温する第一焼成ステップと、前記プラスチックのガラス繊維成分が溶融しない温度の1100℃までさらに昇温する第二焼成ステップを含む、前記プラスチック由来の溶融していないガラス繊維により強度増加した多孔質セラミックの製造方法。
【請求項2】
前記第二焼成ステップにおける焼成温度において、所定の時間保持する第三焼成ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の多孔質セラミックの製造方法。
【請求項3】
廃棄ガラス繊維強化プラスチックと粘土を混合して成形するステップにおいて、ガラス繊維成分を全体質量比8%以上含有するように混合することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の多孔質セラミックの製造方法。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックの製造方法であって、とくに廃棄ガラス繊維強化プラスチックを再利用した軽量で強度の高い多孔質セラミックの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、我々の身の周りには様々なプラスチック製品が使用されており、使用済みのプラスチックは廃棄プラスチックと呼ばれ、それらの処分が大きな社会問題となっている。この廃棄プラスチックの約60%はリサイクルなどの技術によって有効活用がなされているが、残りの40%は埋立てや単純焼却による廃棄処分が行なわれ、特にガラス繊維強化プラスチックは埋立て処分をする場合に、プラスチックに含まれるガラス繊維が環境を汚染する恐れがあり、その有効活用が強く求められている。
【0003】
廃棄プラスチックの処理方法としては、サーマルリサイクル法、ケミカルリサイクル法、およびマテリアルリサイクル法があり、多種類の廃棄プラスチックに対して、これらの処理方法の中から最適なものが選択されている。しかしながら、これらの処理方法はいずれもプラスチックのみの廃棄プラスチックを対象とするで、上記のガラス繊維強化プラスチックを処理する場合には、プラスチックに含まれるガラス繊維の処理ができない場合があった。
【0004】
そこで、廃棄ガラス繊維強化プラスチックの破砕物と熱硬化性樹脂との混合物をプレス加工して床材、舗装材ブロックとする技術が提案されている(特許文献1参照。)。また、銅製錬鉱さいに石灰石および粘土を配合した基材に、ガラス繊維強化プラスチック廃砕物を添加して成形後、焼成する多孔質セラミックの製造技術もある(特許文献2参照。)。
【0005】

【特許文献1】特開2002-294614号公報
【特許文献2】特開平6-116057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記の特許文献1に記載されている技術は、廃棄ガラス繊維強化プラスチックを熱硬化性樹脂と混合してプレス加工することにより、床材、舗装材ブロックとして再利用するものであり、製造される床材、舗装材ブロックの材質は、製造前と同じ繊維強化材を含んだプラスチック材(有機化合物)となる。これらを処分する場合には、再びその廃棄方法が問題となることが予想されることから、同製造方法は、根本的な廃棄プラスチックの処理方法とはならない。また特許文献2の多孔質プラスチックの製造技術は、ガラス繊維強化プラスチック廃棄物を使って多孔質セラミックを製造する点で類似するものの、1000℃未満の焼成温度で製造することで、多孔質を形成することを主な目的としたものであり、ガラス繊維の有効活用に関しては、何らの技術的な開示はなされていない。さらに、後述する実施例にもあるように、粘土にガラス繊維入りの廃棄プラスチックを混合して、1000℃未満の焼成温度で多孔質なガラス繊維入りセラミックを製造した場合には、強化材としてのガラス繊維の効果はほとんど期待できず、製品は十分な強度を有しない。
【0007】
上記の問題点に鑑み本発明者らは、鋭意研究の結果、粘土にガラス繊維入りの廃棄プラスチックを混合して成形し、セラミックの強度増加方法として、ガラス繊維成分によって強度増加する温度まで昇温して焼成する技術を確立し、軽量で強度の高い多孔質セラミックを提供するにいたった。本技術により、根本的な廃棄プラスチックの処理及び再利用の用途を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため本発明の多孔質セラミックの製造方法は、廃棄ガラス繊維強化プラスチックと、粘土を混合して成形するステップと、該プラスチックのプラスチック成分を分解する温度で焼成するステップと、前記プラスチックのガラス繊維成分によって強度増加する温度まで昇温して焼成するステップからなることを特徴とする。

【0009】
本発明の多孔質セラミックの製造方法は、廃棄ガラス繊維強化プラスチックと粘土を混合して成形するステップと、該プラスチックのプラスチック成分が分解する温度の700~1000℃まで昇温する第一焼成ステップと、前記プラスチックのガラス繊維成分が溶融しない温度の1100℃までさらに昇温する第二焼成ステップを含む、前記プラスチック由来の溶融していないガラス繊維により強度増加することを第1の特徴とする。

【0010】
前記第二焼成ステップにおける焼成温度において、所定の時間保持する第三焼成ステップをさらに含むことを第2の特徴とする。

【0011】
廃棄ガラス繊維強化プラスチックと粘土を混合して成形するステップにおいて、ガラス繊維成分を全体質量比8%以上含有するように混合することを第3の特徴とする。

【0012】
そして、上記の製造方法によって作成されたタイルであることを特徴とする

【0013】
さらに、前記タイルを使用した舗道用吸水性ブロックであることを特徴とする

【発明の効果】
【0014】
本発明に係る多孔質セラミックの製造方法によれば、廃棄されるガラス繊維強化プラスチック粘土を混合して成形し、プラスチック成分を分解する温度と、ガラス繊維成分溶融しない温度昇温して焼成するため、軽量であると共に、強度の高い多孔質セラミックを製造することができる。

【0015】
この製造方法によって作成されたタイル及び舗道用吸水性ブロックは、タイル専用の粘土を使用せずに安価な粘土を使用しており、一般的なタイルと同等以上の強度が得られるため、得られるタイルの品質に対して材料費が非常に安価である。
【0016】
しかも、従来有効活用が困難であったガラス繊維を含む廃棄プラスチックの再利用が可能であるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の廃棄ガラス繊維強化プラスチックを用いた多孔質セラミックの製造方法を実施例に従い詳細に説明する。尚、本実施例においては、タイルの製造を例として説明するが、本技術により作成可能な多孔製セラミックの製品はこれに限定されるものではない。
【実施例】
【0018】
タイルの主原料として、タイル用に調製されていない市販の宮崎県産の国富粘土と、添加原料としてガラス繊維40%含有のPOM樹脂(ポリプラスチック社製)を準備した。このガラス繊維含有のPOM樹脂は自動車のドアミラーなどに用いられており、現在及び将来の大量廃棄が考えられるものである。
【0019】
(タイルの成形)
1)粘土及びPOM樹脂をそれぞれ500μmのふるいにかけ、500μm以下の粘土およびPOM樹脂の粉末をえる。
2)得られた粘土とPOM樹脂粉末を所定の混合比で混合し、原料質量の8%の水を加え混練した後、15gずつ秤量して金型に入れる。
3)金型をインバータホットプレス(モトヤマ社製)に投入し、9.8MPaの圧力で1分間保持して成形を行なう。
金型で作成した試験片のサイズは成形時は幅20mm、長さ70mm、厚さは配合条件により異なり約5mm~7mmである。表1にPOM樹脂の配合条件を示す。尚、比較としてPOM樹脂(ガラス繊維を含まない)を配合した試験片も作成した。
【0020】
【表1】
JP0005167520B2_000002t.gif

【0021】
(タイルの焼成)
上記で準備した試験片を、次の焼成温度条件に従い焼成した。
1)100℃/hで200℃まで昇温
2)200℃で1時間保持
3)焼成温度T-200℃まで100℃/hで昇温
4)焼成温度Tまで60℃/hで昇温
5)焼成温度Tで1時間保持
6)常温まで炉冷
焼成温度Tは900℃、1000℃、1100℃、1200℃と設定し、試験片を焼成した。図1に焼成温度条件(温度上昇曲線)を示す。
【0022】
(収縮試験)
上記焼成したタイルの試験片の、焼成前と焼成後の寸法を測定して体積を求め、次の数1に従い収縮率を求めた。結果を図2に示す。
【0023】
【数1】
JP0005167520B2_000003t.gif
V0:焼成前の試験片の体積、V:焼成後の試験片の体積
【0024】
(結果)
図1に示すように、粘土とPOM樹脂のみを混合して焼成した場合、試験片の収縮率はPOM樹脂の混合率が増加するに従い低下した。粘土とガラス繊維入りPOM樹脂を混合して焼成した場合、焼成温度1100℃を除きPOM樹脂の混合率が増加してもガラス繊維の混合率が増加するにつれて高くなった。特に、1200℃で焼成した場合、ガラス繊維が部分的に溶融するため試験片の収縮率は、ガラス繊維の混合率が増加するにつれて著しく高くなった。尚、焼成した試験片を実体顕微鏡によって観察したところ、ガラス繊維成分が1100℃までの焼成では溶融しておらず、1200℃の焼成で部分溶融していることが確認された。
【0025】
(吸水試験)
タイル試験片を乾燥器に入れ、24時間乾燥させた後にその質量を測定した。次にこの乾燥済の試験片を約20℃の静水中の水面下10cmの位置に沈め、24時間放置した後湿った布で試験片の表面の水滴を拭き取り、再度質量を測定した。これらの測定値から次の数2に従い吸水率を求めた。結果を図3に示す。
【0026】
【数2】
JP0005167520B2_000004t.gif
m0:乾燥時の試験片の質量、m:吸水後の試験片の質量
【0027】
(結果)
ガラス繊維の有無に関わらずPOM樹脂の混合率が増加するにつれて試験片の吸水率が高くなった。また同じPOM樹脂の混合率の試験片を900℃~1100℃で焼成した場合、ガラス繊維入りの試験片の吸水率が相対的に高かった。そして1200℃で焼成した場合は、ガラス繊維なし試験片の吸水率が相対的に高かった。
【0028】
(曲げ試験)
タイル試験片を四点曲げ治具に挿入し、オートグラフ(島津製作所製AG500A)を用いてクロススピード0.5mm/sで圧縮し、最大荷重を測定して次の数3に従い、各試験片の最大曲げ応力を求めた。結果を図4に示す。
【0029】
【数3】
JP0005167520B2_000005t.gif
P:最大荷重、L:下部支点間距離、a:上部荷重点間距離、b:試験片の幅、h:試験片の厚さ
【0030】
(結果)
ガラス繊維の有無に関わらずPOM樹脂の混合率が増加するにつれて試験片の曲げ強度は低下した。しかし焼成温度1100℃でガラス繊維の混合率8%(POM樹脂の混合率12%)以上の試験片、および焼成温度1200℃のガラス繊維入り試験片はいずれもガラス繊維なしの試験片と比べ、相対的に曲げ強度が高いことがわかった。尚、窯業において粘土を使用した一般的なセラミックの曲げ強度は約6MPaを持つことから、1100℃および1200℃のガラス繊維入り試験片は高強度のタイルであることが判った。この高強度の理由については、ガラス繊維成分が部分溶融する前の1100℃では、ガラス繊維が複合材料における強化繊維の役割を果たし、部分溶融する1200℃では、ガラス繊維が溶融することで粘土を強固に固めるバインダー(結合材)の役割をする二つの異なった高強度の発生メカニズムがあると考えられる。
【0031】
以上、本発明による廃棄ガラス繊維強化プラスチックを用いた多孔質セラミックの製造方法によれば、廃棄されるガラス繊維強化プラスチック粘土を混合して成形し、プラスチック成分を分解する温度と、ガラス繊維成分溶融しない温度で焼成するため、軽量であると共に、強度の高い多孔質セラミックを製造することができる。この製造方法によって作成されたタイル及び舗道用吸水性ブロックは、タイル専用の粘土を使用せずに安価な粘土を使用しており、一般的なタイルと同等以上の強度が得られると共に、得られるタイルの品質に対して材料費が非常に安価となる。またタイル専用に調製された粘土を用いれば、さらに高強度のタイルを作製できるものと考える。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の廃棄ガラス繊維強化プラスチックを用いた多孔質セラミックの製造方法で作成したタイルは、高強度で多孔質な特徴を生かし、ろ過機能を利用した河川堤防用のタイルやヒートアイランド現象の対策技術としての保水コンクリート等の用途として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】焼成温度条件(温度上昇曲線)を示す図である。
【図2】収縮試験結果を示す図である。
【図3】吸水試験結果示す図である。
【図4】曲げ試験結果を示す図である。
Drawing
(In Japanese)【図1】
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(In Japanese)【図2】
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(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
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